カテゴリー「動物」の28件の記事

2013年8月 3日 (土)

ニホンカナヘビ

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 ニホンカナヘビは、このブログには既に登場済み(こちら)ですが、その時のものより腹面が美しい黄色です。
 ニホンカナヘビはニホントカゲと混同される場合もありますが、色も違いますし、ニホントカゲの尾の長さが全身のほぼ1/2であるのに対し、ニホンカナヘビの場合は、尾が全身の長さの2/3を占めています。
 上で色がニホントカゲとは異なると書きましたが、ニホンカナヘビにもいろんなタイプがいるようで、大阪付近で多く見るのは、写真のように、背が茶色で、脇腹が白く、腹が黄色のものですが、全身が茶色のものや灰色のものもいるようで、地域的な偏りがあるようです。

 上2枚は、PCでは、写真をクリックして「オリジナルの表示」で、どちらも 1024×768 まで拡大できます。 以上の3枚は同一個体ですが、撮り方によって、かなり印象が違ってきますね。

 この日はよくニホンカナヘビに出会いました。 下は別個体です。

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2013年6月16日 (日)

タゴガエル

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 金剛山の小さな渓流に沿って歩いていると、グゥッグゥッとタゴガエルの大きな声が、あちこちから聞こえてきます(6月8日)。 岩の隙間の奥で鳴いているらしく、なかなか姿が見えませんが、運よく1匹みつけ、逃げるところを追いかけながら、何枚か撮ることができました。
(いろんなものを体の表面にくっつけていますので、体の模様と間違えないよう、注意して見てください。)

 タゴガエルはアカガエルの仲間(アカガエル科アカガエル属)です。 ちなみに、名前は両生類学者の田子勝弥氏に由来します。

 下顎には暗色斑が見られます(上の写真)。
 産卵は、伏流水や、渓流の水が流れ込む岩の奥など、流れのゆるやかな所で行います。 上に書いたように岩の割れ目などから出てくることはあまり無く、泳ぐことはほとんどしませんので、水かきはあまり発達していません(下の写真)。

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2013年5月18日 (土)

タイワンリス

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 タイワンリスは台湾南部を原産地とするリスで、中国からマレー半島にかけて広く分布するクリハラリスの台湾固有亜種とされています。 元来日本には分布していなかったのですが、動物園などから逃げ出して野生化し、各地で増え、農産物や樹木に被害を与えるとともに、在来のニホンリスに対する悪影響が心配されています。
 ニホンリスとの違いは、ニホンリスは腹が白く、耳にはふさ毛があるのに対し、タイワンリスはニホンリスより少し大きく、クリハラリスの名前のように腹は栗色で、耳にふさ毛はありません。

 写真は「大阪狭山市立市民ふれあいの里」のリス園で撮ったものです。 ここではタイワンリスはきちんと管理され、よく慣れていて手乗りで餌をもらうなど、子供たちを楽しませてくれています。 ちなみに、市民ふれあいの里は、緑化植物園などもあって、入園料は200円で、無料駐車場もあります。

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2013年1月 1日 (火)

シマヘビ

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 巳年のスタートですね。 に少し足りないの、その足りない部分とは、静かに目標に迫る行動力でしょうか。 今年は不言実行でいこうかな。

 さて、写真のシマヘビです。 時には縞模様の無いシマヘビもいるのですが、多くの場合、体は淡黄色に4本の黒い縦縞があります。 ただし幼蛇では、縦縞は無いか、あっても不鮮明で、かわって赤褐色の横縞が入ります。
 目の虹彩は赤く、瞳孔は、写真は薄暗い所にいてほぼ円形ですが、明るい所では縦長の楕円形になります。
 アオダイショウはよく木に登り、家屋の屋根裏に侵入したりもしますが、シマヘビはほとんど地上で生活しています。

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2012年1月28日 (土)

ヤモリの卵の殻

 冬越しの虫がいないかと木に付けてある表示板をずらしたところ、孵化した後のヤモリの卵がありました。

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 ヤモリは、春の終わりから夏の頃に、このような物陰に産卵するようです。 卵には粘着性があり、このような垂直部分にも、ちゃんとくっつきます。
 卵は2ヶ月ほどで孵化します。 卵は、ヤモリの大きさからするとかなり大きく、一度に産卵する卵の数は、左右の卵巣から1つずつ、つまり2個に限られるようです。

※ 家で撮ったヤモリの写真はこちらに載せています。

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2011年10月31日 (月)

リスの“エビフライ”

 奈良公園にいる動物は鹿だけではなく、リスやムササビもいます。(タヌキやイノシシもいます。) リスやムササビは夜行性ですので、夜に探さないとなかなか出会えませんが、いる証拠は、公園にたくさん落ちている、通称エビフライ(下の写真の A : エビ天という人もいます)です。

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 “エビフライ”は、リスやムササビ(空を滑空できるリスの仲間です)が、松の種子(上の写真の C )を食べるために、松ぼっくり(上の写真の B )の鱗片を咬み取ってしまったものです。

 下の写真は上の一部を接写したものですが、松の種子は鱗片の間に入っています(矢印)。 種子には羽根がありますが、リスたちは下の円で囲んだ部分が狙いです。 リスたちは、この部分を食べるために、熱心に“エビフライ”づくりに励みます。

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2011年10月25日 (火)

奈良公園のニホンジカ(2)

 昨日に引き続き、奈良公園の鹿についてです。 まずは10月中旬に奈良公園を歩き、その時撮った写真のうちから、オスの発情期に見られる行動について載せておきます。

・ 角の突き合い

Sika111018_4    角が切られていても、けっこう激しくやりあっていました。

・ 前足蹴り(泥かき)

Sika111018_5    頭を下げ、前足で泥水や土などを後ろへ蹴る行動です。
   この行動でできた穴は、シカ穴と呼ばれています。

・ 泥浴び(ヌタうち)

Sika111018_6    水たまりなどに座り込み、泥を体にへこすりつけます。
   この行動を行う場所をヌタ場と呼んでいます。

 この他、発情期にはオスは首などを木の幹などにこすりつけて自分のにおいをつけようとしたり、上唇部を引きつらせて歯を見せるフレーメンとよばれる行動を取ったりします。

 交尾は10月上・中旬を中心に行われ、出産は5月中旬~6月上・中旬がピークになります。 出産後は仔ジカを守ろうと、今度はメスジカの気が荒くなります。

Sika111018_9    まだ夏毛の今年生まれた仔ジカ

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2011年10月24日 (月)

奈良公園のニホンジカ(1)

 奈良公園に行って来ました(こちら)。 主目的は虫や花でしたが、奈良公園といえば鹿です。 奈良公園に糞虫が多いのも鹿の糞が多いからですし、公園の植生も大きく鹿の影響を受けています。 これからしばらくは、それらのことを記事にしていく予定ですが、まずは鹿、正式にはニホンジカです。

 奈良公園の鹿の歴史を遡れば、奈良時代、平城京鎮護のために藤原氏の氏神を祀る春日大社に、祭神を鹿島神宮(茨城県)より勧請したところ、神は白鹿の背に乗って来られた(春日大社社伝)ことから、鹿は神鹿(しんろく)として神聖視されたとのことです。 藤原氏が力を失った後も興福寺が神鹿保護に力を注ぎました。 藤原氏と同様、権力を民衆に誇示するための“広告塔”として使われたようです。 しかしこのように長期に渡り保護されたことにより、奈良の鹿は、大型の野生動物でありながら人によく馴れている、世界にも類例のない貴重な存在となりました。

Sika111018_3    浮雲園地にて 後ろは奈良県新公会堂

 とにかく、奈良公園の鹿には容易に近づくことができますから、その生態についてはよく調査されています。 私の知人で当時大阪府の高校の生物の教諭をしていた人は、郊外学習時に生徒1人ひとりに鹿を1頭ずつ担当させ、1日中その1頭の鹿の行動を記録させていました。
 とにかく、奈良公園の鹿の生態については、たいへん詳しく調べられていますが、ここではその簡単な概略を・・・。

 鹿のような草食動物の食事は夜が中心になることが多いようです。 奈良公園の鹿も、それぞれが決まった「夕方の泊り場」を持っていて、日没後にそこで2~3時間休息した後、午前2時頃まで採食し、その後明け方まで「朝の泊り場」で休憩します。 日の出少し前から再び1~2時間採食し、その後は日中休息する「休み場」へ移動します。 私たちが奈良公園で普通に見る鹿は、人に慣れていて「休み場」を人の多い所に設定している鹿です。 人の近くの方が安全ですし、鹿煎餅ももらえます。 人に慣れていない鹿は茂みの中などで休んでいます。 ですから、明らかに下草が鹿に食べられているような林の中には、昼間はほとんど鹿の姿を見ることはありません。 そして夕方近くになると、採食したりしながら「夕方の泊り場」に向かいます。

 体毛は春と秋の2回換毛します。 夏毛は鹿の子模様で、木漏れ日のある林の中で目立ちにくくなっています。 冬毛は無斑で灰褐色です。 この記事の写真を撮った10月中旬では、ほとんどの鹿が冬毛になっていました。

 角はオスだけに見られ、毎年生え変わります。 4月頃から袋角と呼ばれる柔らかい角が成長し始めます。

Sika111018_8    まだ袋角の鹿も、ほんのわずかですが、いました。

 8月中旬頃、袋角の先端から表皮が取れはじめ、鋭い角は完成へと向かい、早春の頃に根元から落角します。 角は年齢と共に変化し、満1才では一本角ですが、満2才で一叉角または二叉角、満3才で二叉角または三叉角となり、満4才以上で三叉の大きな角となります。

Sika111018_7    昨年生まれた鹿

 角が完成すると発情期となります。 発情期にはメスを巡って攻撃的になります。 この立派な角を持ち攻撃的になった鹿は危険だということで、奈良公園では「鹿の角きり」が行われています。

 明日は発情期に見られる行動などを載せる予定です。

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2011年10月 6日 (木)

ニホンアカガエル

 前にニホンアカガエルの卵について記事にしましたが、その近くでニホンアカガエルの親を撮ることができました。

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 ニホンアカガエルに似た蛙にヤマアカガエルとタゴガエルがいますが、次のような点で見分けられます。

  • 背側線隆条(背中にある線状の盛り上がり)が、ヤマアカガエルやタゴガエルでは鼓膜の後ろでカーブしているのに対し、ニホンアカガエルではストレート
  • あごの下の模様が、ニホンアカガエルではほとんど無く、ヤマアカガエルでは少しあり、タゴガエルでは腹まで黒班が入り、灰色がかっている
  • タゴガエルは、鼓膜の周囲や上唇、下顎に小さい粒起が見られるが、ヤマアカガエルとニホンアカガエルには無い

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 色彩的には特にヤマアカガエルと似ていますが、名前のとおり、ヤマアカガエルは山間部に、ニホンアカガエルは平地に分布する傾向があります。 近年の水田の状況が強く影響し、ニホンアカガエルの数は減少してきています。

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2011年4月16日 (土)

カスミサンショウウオ

 カスミサンショウウオは、湧水や水田の周囲にある丘陵の二次林などに生息する両生類です。
 カスミサンショウウオの住む環境は、開発や水質汚染、減反政策による乾田の増加などのために減少し、環境省レッドリストでは絶滅危惧II類(VU)とされています。
 しかし大阪府堺市の南部丘陵では、まだ生息しています。 夜行性で、昼間は落ち葉の下などに隠れているため、親の姿はなかなか見ることはできませんが、卵塊を見ることができました。 水中の卵塊をそのまま撮りましたので、くっきりとはいきませんが・・・。

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 下は長居公園にある自然史センターに展示されているカスミサンショウウオの標本です。 尾の上側が黄褐色になっているのが特徴です。

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