カテゴリー「園芸」の22件の記事

2014年5月 1日 (木)

フレンチ・ラベンダー

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 ラベンダーはハーブとしてよく知られ、よく育てられています。 ラベンダーにもたくさんの種類があるのですが、フレンチ・ラベンダー(=ストエカス・ラベンダー: Lavandula stoechas )は、育てやすく、うさぎ耳のような“花”がかわいいと、人気があります。

 上の文で“花”と“”でくくったのは、これが花ではないからです。 これは苞で、ほんとうの花は小さく黒っぽくて目立たず、苞の下に連なっています(下の写真)。

 たくさんの花の存在を、遠くからでも分かるように、目立つ苞で虫たちに知らせているのでしょうね。

 花を訪れているミツバチは、ちゃんと本当の花を認識しているようです。 見ていると、苞にではなく、迷わず本当の花に向かって飛んできます。

 このブログでは、前にイングリッシュ・ラベンダーのデンタータ・ラベンダーを載せています。 デンタータ・ラベンダーでは、1つずつの花の苞が目立ちますが、本当の花が連なっているのは同じです。

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2013年1月29日 (火)

フユシラズ

 冬の寒さも関係無しに晩秋から春まで咲き続けるフユシラズ。 花の径は1~2cm、学名は Calendula arvensis です。
 ところで、キンセンカの学名が Calendula officinalis ですから、キンセンカとフユシラズは同じ属だということになります。 というよりも、「キンセンカ」という和名は、元はこのフユシラズに付けられた名前だったようです。 そこで牧野富太郎博士はホンキンセンカと名付けたのですが、この名前はあまり使われませんでした。 しかし小型のキンセンカということで、ヒメキンセンカという名前は、比較的よく使われています。

 フユシラズは地中海沿岸が原産の多年草です。 地中海は、緯度からすれば日本とそんなに変わりません。 しかし、雨の多い季節が違います。 日本では日本海側の雪を除けば、全体的には冬よりも夏に雨が多くなります。 つまり夏に温度と水が多くなり、植物の活動はこの時期が中心となり、冬はお休みということになります。 しかし、地中海沿岸では、雨は冬季に多くなり、植物の生長に必要な温度は夏、水は冬と分離されています。 ですから、地中海の気候に適応した植物は、夏には乾燥に耐え、冬にも活動することになります。 これがフユシラズが冬に花を咲かせる理由です。 葉は乾燥を防ぐためでしょう、表にも裏にもたくさんの毛があります。

 上は葉の表、下は葉の裏です。

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2012年8月 6日 (月)

チーゼル

 下は観賞用に植えられていたチーゼルで、7月22日に撮ったものです。 チーゼルの原産地は、ヨーロッパ~中東と北アフリカです。

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 8月4日に見に行くと、花は終わり、下のような姿になっていました。 花に隠れていた鋭い小苞が目立ち、その下の長く伸びた総苞とあいまっておもしろい姿になっています。 これはドライフラワーにして楽しむことができます。

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 上のチーゼルは、オニナベナとも呼ばれています。 たしかに同じマツムシソウ科のナベナ(下の「参考」)に似ていて、巨大です。 このオニナベナの仲間で、小苞が鉤状に曲がるものがあり(下の写真)、ラシャカキグサまたはラシャカキソウと呼ばれています。 チーゼル(teasel)とは、オニナベナやラシャカキグサなどの仲間を総称する英名です。

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 羅紗(ラシャ)とは毛織物の一種で、密に織った厚地の生地を起毛させたものです。 羅紗は最近ではビリヤードの台や乗馬服など、用途は限られたものになっていますが、丈夫で保温性も高く、少し前までは様々な用途の衣類の生地として使用されていました。
 ラシャカキグサはこの起毛に使われていました。 大阪府の南部、泉州地域で織物工業の盛んな時代にはたくさんのラシャカキグサが植えられていたそうです。 今では起毛もほとんどが針金起毛機で行うようになってしまいましたが、現在でも高級毛織物の仕上げにはラシャカキグサが使われているようです。

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参考 花の終ったナベナ

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  2010.10.23.岩湧山にて撮影

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2012年3月 2日 (金)

アルディシア・ピラミダリス

 京都府立植物園の温室で昨年の今頃撮ったアルディシア・ピラミダリスです。 この植物、私たちのよく知っている植物にたいへん近いのですが、さて、その植物とは何でしょうか。

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 ヒントを交えながら、アルディシア・ピラミダリスについての概略をまとめておきます。 その前に一般論として知っておいてほしいのは、水も温度も生育に十分な所では、近縁の植物は大きくなる場合が多いとも言えますし、暖かい所に分布の中心を持つ植物のグループが日本のような場所に進出するにあたっては、常緑樹が落葉樹になる他、大きくならない種が林床で生きるという方法があるということです。
 アルディシア・ピラミダリス( Ardisia pyramidalis )は、フィリピン原産の常緑小低木で、フタバガキ林の林床などに生えます。 茎は太くはなりません(ヒントその1)が、大きくなるので、分枝はよくします。 葉は細長く、枝先に密生(ヒントその2)します。 花は3月~6月ごろ、枝先に円錐花序を出し、写真のような淡いピンク色の花を咲かせます。 花や種子は魚料理などの香辛料に利用され、若い葉は食用にもされます。

 ここで大ヒント、花の拡大をお見せします。 特にこの葯、見覚えはありませんか? ちなみに属の名前は、ギリシア語の ardis(「矢や槍の先端」の意味) に由来し、この葯の尖った形に由来します。

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 ではそろそろ正解を・・・。
 もちろん学名に詳しい人なら、はじめからお分かりでしょうが、Ardisia はヤブコウジ属です。
 ヤブコウジ属の植物としては、ヤブコウジやマンリョウなどがあります。 マンリョウの花と比べてください。 とてもよく似ていると思いませんか。
 マンリョウのところで、花に見られる小斑点について書きました。 アルディシア・ピラミダリスの花にも、オシベやガクに、この小斑点がついています。

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2012年2月27日 (月)

フレイキネティア・ムルチフローラ

 このところ植物の記事が少ないので、春を感じさせてくれる温室の花をひとつ。

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 上の写真、オレンジ色の花弁、と思ってよく見ると、オレンジ色の先端が緑で葉のような印象、そしてその中を見ると・・・。

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 この緑色の球形のもの、もちろんオシベでもメシベでもありません。 たくさんの花が集まったもの、つまり花序です。 このような花序を肉穂花序と呼んでいます。 ですからオレンジ色のものは、複数の花序を囲む「苞」ということになります。
 この植物は、タコノキ科に分類されていて、和名がつけられていないので、学名の Freycinetia multiflora を、そのままカタカナ読みしています。 写真ではよく分かりませんが、木本性のツル植物です。 フィリピン原産ですが、美しい植物なので、ハワイなど暖かい場所でよく植えられています。 また、この植物から取れる繊維は、マットやバスケット、サンダルなどに加工されます。 なお、属名の Freycinetia は、フランスの海洋探検家フレシネの名にちなんだものです。
 この肉穂花序は春に形成されます。 この写真は、じつは昨年の3月5日に京都府立植物園の温室で撮ったものですが、今年ももう咲いている頃でしょう。

 Freycinetia属は熱帯アジアからポリネシアを中心に分布し、世界で100種以上があります。 日本ではツルアダンが八重山諸島の石垣島と西表島、小笠原諸島の父島と母島に分布していて、5~6月に黄色い苞が見られ、肉穂花序が立ち上がります。 また、西表島にはヒメツルアダンが分布しています。
 下は西表島のツルアダンです。 細長い葉がそうですが、12月に撮ったので、残念ながら花はありません。

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 なお、ツルアダンなどの繁る西表島の亜熱帯照葉樹林の様子は、こちらに載せています。

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2011年12月17日 (土)

ディモルフォセカ②

※ この記事は昨日の続きです。 最初にこの記事に来られた方は、昨日の記事からお読みください。

 写真で分かるとおり、ディモルフォセカはキク科です。 キク科の1つの花のようにみえるものは、じつはたくさんの花の集まり(=花序)です。 このような花序は頭状花序または頭花と呼ばれています。 そして、ディモルフォセカのようなタイプの花では、2種類の花が集まっていて、頭花の周囲には舌状花が並び、中心付近には複数の筒状花があります。
 下はディモルフォセカの花を真上から撮ったものですが、これに上の話を当てはめてみると、いちばん外側の白い部分は舌状花が並んだ部分で、その内側の黄色い部分は、色からして花粉を出している筒状花、そして中心部の青い部分は筒状花のツボミの部分だろうということにります。 ただ、この青い部分の、上から見るとウメの花のようなツボミというのは、他にあまり例がありません。 これはツボミの花弁なのでしょうか、それとも花弁が見えず、5本のオシベの葯がくっつきあっているのでしょうか。

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 頭花のつくりを確認するために、断面を作ってみました(下の写真)。 この写真をじっくり見れば、5つセットの青い部分の謎をはじめ、いろんなことが分かります。 それに、青い色の下には、表面的にはけっして見えない赤紫の色、こんな美しい色を隠し持っているとは“贅沢な”花です。

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 上の写真を見ると、頭花がたくさんの花からできていることがわかります。それぞれの花の下には黄緑色の子房があり、この子房は平たく、左右に翼のようなものが張り出しています。

 ひとつずつ確認していくことにします。 まずは舌状花です(下の写真)。 舌状花にはオシベは見当たりません。 メシベの柱頭は2裂しています。

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 そして、5つセットが問題の筒状花です。 下の写真のように、筒状花をバラバラにして写すと、何の不思議も無いですが・・・。

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 青い部分は花弁でした。 2つの筒状花が写っている上の写真で、上がツボミ、下の筒状花は、花弁が5裂し、その中央からオシベの葯が伸びだし、その中央から花粉があふれ出ています。 この花粉を押し上げているのは、くっつきあったオシベの葯の中央にあるメシベでしょう。 このメシベは見えていませんが、大きな子房を持っていることから、筒状花は両性花だろうと思います。
 このようにしてみると、ディモルフォセカの花のつくりは、きわめて普通のキク科の花なのですが、筒状花の5枚の花弁の先が丸く厚く膨れていて、この5枚の花弁がくっつきあっているツボミの状態を上から見ると、梅の花のように見えるということのようです。 最後に、咲いている筒状花を斜めから撮った写真を載せておきます。

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 今回は色の美しさに導かれて、キク科の花のつくり、つまり頭状花序、舌状花のつくり、筒状花のつくりを確認することになりました。

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2011年12月16日 (金)

ディモルフォセカ①

 寒空の下、ディモルフォセカが元気に咲いていました。

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 ディモルフォセカはアフリカ南部原産で、園芸的によく栽培されています。 これとよく似たものにオステオスペルマムがあります。 ディモルフォセカもオステオスペルマムも属の名称ですが、両者は属を分けるほどの違いは無いというのが一般的ですし、両者は交配され、その性質は混ざりあっていますので、少なくとも園芸種では神経質に区別する必要は無さそうです。

 ディモルフォセカの茎を持つと少し粘り気を感じます。 下は茎を拡大して撮ったものですが、小さな腺毛がたくさん見えます。

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 花の色は園芸的にいろいろ作られているのですが、花を撮っている時に、私は特に白い花の中心部の青い色に惹かれました。

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 下は花の中心部の青い部分を撮ったものですが、5つずつセットになっています。 色だけでなく形態的にも興味を持ちました。

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 この青いものは何でしょうか。 そして5つずつセットになっているのはなぜでしょうか。 この続きはこちらで・・・。

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2011年12月12日 (月)

大阪ステーションシティの緑

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 この春オープンした大阪ステーションシティに行ってきました。 大阪ステーションシティは、JR大阪駅の抜本的な改良に併せ、駅整備とまちづくりの視点に立ち、駅とその南北にあるサウスゲートビルとノースゲートビルとが一体化した施設です。 緑の空間が取り込まれていて、ビルに囲まれた都会生活をする人たちに安らぎの場を提供する試みとして注目されます。

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 大阪ステーションシティにおける緑に関係する施設としては、あちこちの広場に設置されている可動式の大きなプランターを除けば、ノースゲートビル10Fの「和(やわ)らぎの庭」、11Fの「風の広場」、14Fの「天空の農園」、サウスゲートビル15Fの「太陽の広場」が挙げられます。

Osc111210_3    風の広場

Osc111210_4    天空の農園

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2010年2月16日 (火)

大阪城の梅林

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 2月14日、大阪城公園に行ってきました。 ウメは木によって、まだほとんどツボミのものから既に満開に近いものまでありました。
 大阪城の梅林は、'06年3月現在で97品種1240本で、早咲きから遅咲きまで、品種の多さでは西日本随一と言えます。
 早咲きから遅咲きまで多くの品種が植えられているということは、良く言えばカラフルで長期間楽しめますし、悪く言えば見渡すかぎりの満開は期待できません。 でも、いちばんの見頃は2月下旬から3月上旬のようです。

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2009年12月 5日 (土)

レオノチス

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 レオノチスは、南アフリカ原産のシソ科の常緑低木です。 学名は Leonotis leonurus、英語では lion's-ear(ライオンの耳)と呼ばれています。

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 花期は晩秋から初冬にかけてで、花期が遅いため、戸外での花は関東以南でしか見ることができません。 ただ、強健で、日当たりが良ければ、乾燥したやせ地でも良く育つ植物です。

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 写真は私の家の近くで撮ったものですが、晩秋の農村に不思議とよく似合っていました。

 

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