レオノチス
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私の家の近くにある昔からの村の道脇にベニチョウジ(=ケストルム : Cestrum elegans )が植えられていて、たくさんの花をつけていました。 寒くなってきたこの時期に、熱帯を感じさせる真っ赤な露地植えの花を見ると不思議な感じがします。
このベニチョウジ(ケストルム)は、メキシコ原産のナス科の常緑低木で、明治時代に日本に入っています。 花の雰囲気に似合わず(?)、日陰でもよく育ち、耐寒性もあり、強い霜がなければ路地でも冬を越します。 花は通常は夏に咲くのですが、温度さえあれば年中開花しています。
ベニチョウジと同じ Cestrum属の木にヤコウカ(夜香花)またはヤコウボク(夜香木)があり、このためベニチョウジもベニバナヤコウカの別名を持っていますが、ベニチョウジは特に強い香りはありません。
この木の名前として、上にはベニチョウジ、ケストルム、ベニバナヤコウカの3つの名前を挙げましたが、主に園芸的に扱われる植物はよく名前の混乱が起こります。 ミソハギ科のタバコソウ( Cuphea ignea )もベニチョウジと呼ばれることがありますし、ベニバナヤコウカの名前の元になったヤコウカについても、ガガイモ科のトンキンカズラ=イエライシャン(夜来香:歌曲のタイトルにもなっている)がヤコウカと呼ばれることもあります。
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この土日は天気もよく暖かく、春の日差しを感じることができました。
このところこのブログは鳥が連続しています(これからも続く予定ですが・・・)が、ロウバイに続いてウメが咲き、花の季節も着実に進行しています。 野の花もいろいろ咲き出してはいるのですが、多くは今までにこのブログに登場しています。
園芸植物の方は、これはもうたくさんの花が咲いています。 その中で最近あちこちで目にするようになったのが、このイオノプシジューム(Ionopsidium acaule)です。
花は咲き始めたころは薄紫色ですが(上の写真)、次第に白っぽくなってきます。 葉は長い葉柄があり、ハート型をしています。
英名は Violet cress ですが、スミレの仲間ではありません。 かわいい花は Violet なのでしょうか? 英語では Diamond flower とも言いますから、こちらの方が白く小さな十字の花にはふさわしいかもしれません。
イオノプシジューム(イオノプシディウム)の原産はポルトガルです。 冬の寒さに耐えて咲き続け、花には芳香があります。 小さな花ですが、こぼれ種からでも繁殖し、カーペット状に広がり、地面を覆う強さを持っています。 下はオランダミミナグサなどに混じって生えているイオノプシジュームです。
イオノプシジュームはアブラナ科に分類されています。 花をよく見ると、6本のオシベ、4枚の花弁など、ちゃんとアブラナ科の特徴を示しています。 果実もナズナの果実とよく似ています(下の写真)。
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ラベンダーオイルに含まれる香り成分には、精神を和らげる効果があります。 また、防虫、殺菌などにも効果があるとされています。
ラベンダーの名前は、その属名の Lavandula からきていますが、Lavandula は「洗う」という意味のラテン語に由来しています。 これは、ローマ人達が入浴や洗濯の際にラベンダーを湯や水に入れ、その香りを利用したためだと言われています。
ローマ時代の後もラベンダーは栽培され続け、ヨーロッパ各地で盛んに品種改良が行われました。 そのため、もともと園芸的には学名などは軽視される傾向があるうえに、分類的には同一種でも産地により精油の成分構成が異なり、実用上それらを区別するために名前をつけますので、学名や品種名はかなり混乱しましたが、とにかくたくさんの種類ができました。
日本でも香料の原料として栽培されていましたが、筒井康隆の小説『時をかける少女』で一躍有名になり、観賞用としての品種改良も盛んになりました。 その結果、ラベンダーはもともと夏に雨が少ない地中海性気候が原産地で、夏の高温多湿には弱かったのですが、耐寒・耐暑性に優れた四季咲き性のものもできています。
写真のラベンダーもそのようなもので、この時期でも花が咲いていました。
植物の体の栄養分の生産・消費の観点からすると、花を咲かせることは栄養分の消費です。 花の咲かせ方の違いは、光合成で生産した物質の使い方の違いです。 ダラダラと咲く四季咲き性のラベンダーの花は、ある時期に短期間に咲く、例えば北海道の美瑛や富良野のラベンダー畑に比較すると、「一面に咲く」という見事さは期待できません。 でも、狭い家庭の庭で咲く一輪の花をマクロレンズを通して見た美しさでは負けません。
写真のラベンダーは、デンタータラベンダーだと思いますが、紫色の葉のような形をした苞と、同じく紫色の花冠が5裂した筒状花が見えます。 上に書いたように、ラベンダーには多くの種類があり、苞が発達したものとそうでないものとでは、全く別の植物のように見えます。
デンタータラベンダーは、葉の鋸歯が深いのも特徴です。 植物全体の印象としては、地中海性気候の夏の乾燥に対する防御対策をいろいろ工夫しているように見えます。
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車で自宅から岩湧山に向かう途中で、フォックス・フェイスをつくっている畑がありました。 生け花の材料などによく使われていて、目にする機会は多いのですが、畑でつくられているのを見るのは初めてでした。
フォックス・フェイスは、果実の付け根に角のような突起があるところから、ツノナス(角茄子)とも呼ばれています。 この突起は、ガクと互生的に突き出しています。 ということは、オシベの花糸の隙間から突き出すような位置関係になるのですが、どのようなしくみでこのような突起が生じるのか、興味があります。 実の断面も見たい衝動に駆られたのですが、さすがに実をいただいて断面を作るのは憚られましたので、それはまたの機会に花屋さんで購入するなどして確かめたいと思います。
フォックス・フェイスは熱帯アメリカ原産の低木ですが、耐寒性が無いため、日本では1年草扱いで育てているようです。 傍には花も咲いていて、この花を見ればナス科であることも納得できます。
フォックス・フェースは和製英語で、英名は nipple fruit で、突起を乳首に見立てているようです。
ナス科には有毒植物や薬用植物が多い(毒と薬は紙一重)のですが、このフォックス・フェースの果実も有毒です。 まさかナスのように食べようとする人はいないでしょうが・・・
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家の庭に咲いているロウバイです。 もう少し正確に言うと、ソシンロウバイ。 園芸的に改良され、花の中心部まで黄色くなったものです。
このロウバイは半日陰の場所であるため、花つきもそんなに多くなく、葉を落とす元気も無いようで、まだ黄葉が楽しめます。
ジュズダマのところで、一般的に虫媒花には雄性先熟の花が多く、風媒花には雌性先熟の花が多い傾向があると書きましたが、ロウバイは虫媒花にしては珍しく、雌性先熟です。 上の写真では、メシベは広がっていますが、倒れているオシベの葯からは、まだ花粉が出ていません。 メシベは葯の無い「仮オシベ」に周囲を取り囲まれて保護されています。
そして下、オシベがメシベを取り囲み、外向きの葯からはたくさんの花粉が出ています。 メシベは外からは見えません。
雌雄異花ではないことを確認するために、上のメシベの見えない花の断面を作ってみました(下の写真)。 ちゃんと胚珠があります。オシベに取り囲まれたメシベの柱頭は少し縮れてきているようです。
上でロウバイは虫媒花だと書きましたが、明日はこのロウバイを訪れていた虫たちのお話にします。
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サザンカは秋の終わりから冬にかけての花、今あちこちできれいに咲いています(上の写真)。
ところで、このブログのコメントで、サザンカとツバキはどう違うのかと言う質問をいただきましたので、今日はこの2種の違いについて書いてみようと思います。 ツバキの花(下の写真)の時期は、「ツバキ」が春の季語になっているように、もう少し後の冬から春にかけてで、今は実際の花で比較することはできませんが・・・
サザンカの学名は Camellia sasanqua、一方、大阪付近に自生しているツバキであるヤブツバキの学名は Camellia japonica です。 つまり、サザンカとツバキは、同じCamellia属に分類されますが、別種です。
ただし園芸的に両者の交雑種が作られています。 ということは、園芸的にはサザンカとツバキは連続していて分けられないのでしょうか?
結論から先に言いますと、分けられます。 ただし、サザンカの性質を持ったツバキや、ツバキの性質を持ったサザンカはある、ということになります。
野生に近いサザンカとツバキを比較すると、
| 葉の色 | オシベ | 花が散るときの花弁 | |
| サザンカ | 暗い緑 | バラバラ | バラバラになって落ちる |
| ツバキ | 明るい緑 | 互いにくっつく | くっついたまま落花する |
などの違いがありますが、先に書いたように、園芸的にはサザンカとツバキの中間がありますし、最初の写真のように八重の花ではオシベを見ることはできません。
サザンカとツバキを分ける決め手は、子房と、子房が成長した果実のちがいです。
光合成を行う葉などは、環境に合わせて変化します。 例えば光の少ないところでは、薄い、表面積の大きな葉を作って、少しでも光をたくさん受けようとします。 しかし、生殖に関する部分は、そう簡単には変えられません。 簡単に変えてしまって別の生物になってしまったらたいへんです。 ですから、受精卵から胚になっていく子房や、その子房が変化した果実の様子は、サザンカとツバキを分ける決め手になります。
具体的にどう違うのかと言いますと、サザンカの子房の表面は毛むくじゃらで、その子房が大きくなった果実の表面にも毛があります(下の写真)。 古くなったサザンカの果実で、毛が縮れて見づらくなった場合でも、少なくともサザンカの果実に光沢はありません。
それに対し、ツバキの子房の表面はツルツルです。 ですから、子房が大きくなった果実の表面もツルツルです(下の写真)。
今回は夏に写した果実の様子だけを載せました。 花の子房の様子は、ぜひ花弁を取り去ってご自身の目で確認してください。 明確な違いに驚かれると思いますよ。
(以下、12月17日に追記)
ツバキの花も咲き始めていましたので、子房の様子をこちらで紹介しています。
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いろんな店が集まっている公共スペースの一角にフウセントウワタが栽培されていました。
フウセントウワタは南アフリカ原産の亜低木で、日本の中部以西では、どうにか冬も越すことができます。
フウセントウワタはガガイモ科の植物で、鑑賞の主な対象は大きく膨らんだ果実なのでしょうが、私は複雑な花のつくりに惹かれます。 とはいっても栽培されているものの花を採集してきて断面を作る勇気はありませんでした。
花のつくりは、基本的には、ずい柱の存在や花粉塊の様子など、2007年8月9日に載せたガガイモと似ています。 しかし、フウセントウワタの方がさらに複雑になっていて、ずい柱と花弁の間に副花冠が存在します。 下の写真では、副花冠の穴を通って、蜜が出てきています。
トゲのあるフウセンのような果実は秋から冬にかけてできます。 この果実は切花としても売られています。 この果実の中には、種子を風に乗せて散布するための綿毛がいっぱい詰まっています。
トウワタの実に来ていたナナホシテントウ
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