カテゴリー「自然」の31件の記事

2014年1月 3日 (金)

新春

 今日の大阪は最高気温が11℃、風も弱く、ほとんど雲も無し。 こんな空を見るとじっとしておられず、少しの時間ですが、近くを歩きました。
 民家の庭にはロウバイやサザンカの花・・・

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 ビワの花は今が盛りで、いろんなハエが来ていましたが、下はツマグロキンバエです。

 ツマグロキンバエの眼の縞模様は1色じゃ無かったんですね。

 これくらいの気候になると、いろんな虫が動き出すようです。 春を待ち望んでいる虫たちも多いようです。
 キアシブトコバチが飛んできて近くにとまったのですが、カメラの設定を変えているうちに飛び去ってしまい、写真は1枚も撮れずでした。

 ハラビロクロバチは、カメラを近づけて目覚めさせたのではなく、最初から葉の表を歩き回っていました(上の写真)。 こんなハラビロクロバチを見るのは初めてです。
 体感的に新春を感じた1日でした。

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2012年2月 5日 (日)

冬のブナ林@金剛山

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 ブナ林の土はブナの落葉が積み重なり、保水力が高いと言われています。 またブナ自身も水を蓄えた土を好みます。 つまり自身の枯葉で好む環境を作っているのですが、水の供給が無ければどうしようもありません。 特に春に葉を展開する時には多くの水が必要になるのですが、この春の水の供給源として、冬の雪が重要になってきます。
 日本海側のブナの葉と太平洋側のブナの葉を比較すると、前者の方がかなり大きな葉をつけていますが、これは冬の雪の量の差ではないかと言われています。
 そんな雪が大好きなブナ林の雪景色を見たくて、金剛山に登ってきました。 上に書いたように、近畿中部に位置する金剛山の雪はそんなに多くはなく、ブナにとっては不満でしょうが、見学者にとっては楽に見ることのできる美しい景色です。
 細い枝は霧氷が一面についてまっ白、美しさを増していました。

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 生長盛りの若いブナは、葉をつけたままで冬を迎えることがあります。 ギリギリまで光合成を行い、落葉の準備が不十分だったのでしょうか。

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※ 「そよかぜ日記」でも、冬の金剛山の様子を載せています。

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2011年11月22日 (火)

クリの木の賑わい

 花の時期でもないのに、クリの木の周囲にいろんな昆虫が飛び回っていました。 何に惹かれて来ているのかと不思議に思ってよく見ると、原因は、たくさんのクリオオアブラムシでした。

Kuriooaburamusi111117_1

 アブラムシは口を枝に差し込んで樹液を吸います。 樹液には糖分はたくさん含まれているのですが、アミノ酸はそんなに多くありません。 アブラムシにはアミノ酸が必要ですから、たくさん樹液を吸わなければならないのですが、そうすれば糖分が余ってきますのて、お尻から余った糖分を排出します。 これは甘露と呼ばれています。 通常はアリがこれをもらって、代わりにアブラムシをガードするというのが、よく見られるシーンですが、この時はあまりアリは見られませんでした。
 結果として甘露は下に落ち、葉や枝を濡らします。 これを吸おうと多くの虫たちが来ているようです。 さらにはクリオオアブラムシを食べようとして集まった昆虫があり、このようにして集まった虫たちを食べようと集まる虫たちもいます。

Kitateha111117_1    口を伸ばして甘露を吸うキタテハ 葉の茶色の部分と重なり、いい保護色です。

Namitentou111117_1    ナミテントウ

Oohanaabuf111117_1    オオハナアブ(メス)

Hanaabu1_111117_1    ハナアブの仲間(種名が分かるようでしたら教えてください)

Harabirokamakiri111117_042    ハラビロカマキリ

 この他にもアメリカミズアブヘリヒラタアブなども来ていましたが、これらは別に項目立てをしています。

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2011年4月 8日 (金)

里山-明るい林-

 生活に利用されていた里山は、柴刈りやシイタケのほだぎに利用するなどで、材が適度に山から持ち出され、明るい林でした。 太陽の光があちこちで林床にまで差し込み、様々な植物が育ち、多くの虫たちの生活の場がありました。
 最近では多くの里山は利用されなくなり、人の手によって維持されてきた環境は失われつつあります。
 「堺自然ふれあいの森」では、その里山の復活、明るい林の復活をめざし、計画的に木材が伐採されています。

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 切断された幹を見ると、中心部と周辺部で、材の色が違っている場合がよくあります。 次回はこの色の違いについて書くことにします。

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2011年4月 3日 (日)

4月上旬里山散歩

 このところ年度替りで忙しくしているうちに、桜の季節になってしまっていました。 短い時間を作って久しぶりに里山を歩けば、地際で咲いていたショウジョウバカマの花茎もいつのまにか長く伸び、ビロードツリアブはあちこちで追っかけっこ、いろんな木々もツボミをつけていました。

Kamatuka110403_1    カマツカ

Kobanomitubatutuji110403_1    コバノミツバツツジ

Sarutoriibara110403_1    サルトリイバラ

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2011年2月11日 (金)

雪の一日

 今日は朝から昼過ぎまで雪、雪の結晶を撮ろうと思ったのですが、気温が暖かく、きれいな結晶は見つかりません。

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 で、雪が止むのを待って、雪景色を撮りに近くをウロウロ。 撮った写真は「そよかぜ日記」に載せておきます。

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2010年11月14日 (日)

紅葉のしくみ

 山々が美しく色づいています。 日本の森林は構成樹種が多く、照葉樹林や植林地を除くと、様々な色が混じることでは、世界的にも稀な紅葉です。
 この様々な色は、イチョウのような黄色系、タカオカエデのような赤色系、クヌギやコナラのような褐色系の3種類に大別され、それぞれ別の色素が関係しています。

 葉が黄色になるのは、クロロフィル(葉緑素)が分解されて無くなってしまうのが原因です。
 葉は光合成で光エネルギーを吸収するために、光合成色素と呼ばれる色素を持っています。 この光合成色素には、緑色のクロロフィルと、カロチノイド系色素である黄色のキサントフィルがあります。 つまり、どの葉も光合成のために黄色の色素を持っているのですが、普段は緑の方が濃いために目立たないのです。
 ところが寒さで葉の働きが弱まり、クロロフィルが分解されてくると、カロチノイドの分解の方が遅いため、今まで隠されていた黄色の色が目立ってきます。 これが「黄葉」です。

 葉が「紅葉」するのは全く別のしくみによります。 落葉樹が葉を落とす準備として葉の付け根に離層を形成し始めると、昼間光合成で作られた糖が、葉から運び出されにくくなり、葉に蓄積します。 蓄積した糖は化学変化を受け、赤いアントシアニン( もう少し詳しく書くと、多くの紅葉ではアントシアニン系色素のクリサンテミン )という色素に変えられます。 もう少し詳しく書くと、葉にはもともとアントシアニジンという物質があるのですが、このアントシアニジンが糖と結びつき、赤いアントシアニンに“変身”します。 なお、花や果実の赤っぽい色も、このアントシアニン系の色素によるものです。 なお、分解されたクロロフィルも、アミノ酸を経て、アントシアニンへと変化していきます。
 ところが、イチョウなどのように、この糖からアントシアニンを形成する反応を触媒する酵素を持たない植物では、赤いアントシアニンを作ることはできません。
 つまり「紅葉」するためには、アントシアニンを作る酵素を持つことと、糖が十分あることが条件になります。 アントシアニンを作る酵素を持っている植物でも、光があまり当たらない葉では、上記のキサントフィルによる黄色にしかなりません。 つまり、「紅葉」できる葉は「黄葉」もできます。
 昼夜の気温の差が大きいと、昼間盛んに糖が合成され、夜間に離層の形成が進み、糖がたくさん葉に取り残され、アントシアニンがたくさん作られることになります。

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 上はヒナタイノコズチの葉が誰かに破られたのか、一部だけでくっついています。葉脈の走り方からして、くっついている部分から糖が回収できる部分では緑ですが、糖が回収できない部分ではアントシアニンが作られ、紅葉しています。

 葉が褐色に「褐葉」するのは、タンニン系の色素でアルコールの一種であるフロパフェンという物質によります。 葉に糖が蓄積されるのは「紅葉」の場合と同じ理由によるのですが、この糖が発酵して茶色いフロバフェンが作られると「褐葉」することになります。
 もちろんアントシアニンもタンニンも作る植物も多くあり、その年の条件によって、同じ木が紅葉したり褐葉したりすることもよくあることです。

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2010年11月13日 (土)

和泉葛城山ブナ林の紅葉

 大阪府には葛城山が3つあります。 金剛山の北、奈良県境にあるのが大和葛城山、大阪府河内長野市と和歌山県橋本市との境にある和泉山脈最高峰の南葛城山、そして大阪府の岸和田市と貝塚市と和歌山県紀の川市の境にある和泉葛城山です。

 標高858mの和泉葛城山にはブナ林があり、天然記念物に指定されています。 これは冷涼な環境を好むブナの林が、ブナの分布上の南限に近い位置にありながら、700m~850mという低い標高で自然林を形成しているということで、学術的にも貴重な森林であるとして、1923年(大正12年)に指定されたものです。

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 今年のブナ林の紅葉は、やはり例年より少し遅れています。 それでも11月13日の和泉葛城山では、ブナは既にほとんど葉を散らし、中低木層の紅葉が真っ盛りでした。
 上の写真も下の写真も、手前の太い幹がブナの幹です。

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2009年9月21日 (月)

湿地の植物はなぜ小さいか

 これまでミミカキグサホザキノミミカキグサヒナノカンザシと湿地の植物を記事にしてきましたが、みんな小さな植物でした。 その記事のコメントで、湿地にはなぜこんな小さな植物が見られるのかという質問をいただきましたので、今日はそのことについて考察したいと思います。
 人工的に作られたため池では、限られた面積に効率よく水を貯めるために四方に堤を築きますので、いわゆる湿地は存在しません。 しかし自然にできた池には、斜度の緩やかな場所に湿地が広がっている場合があります。
 そのようななだらかな地形にある池に流れ込む穏やかな流れで運ばれる土は、たいへん細かい粒子であり、流れの無い池で沈殿して粘土となる場合も多いでしょう。
 ところで、植物の根も生きています。 生きていくためには酸素が必要です。 ところが、粘土質の土壌には隙間が無く、水分をたくさん含んでいたとしても、水がおき換わらず、酸素をたくさん溶かした水が入ってきません。 つまり粘土質の土壌では、いつも酸素不足になりがちです。 それに粘土質の土壌は、少し深くなると、上の重みで固められ、根も入り込みにくくなります。
 つまり粘土質の土壌では、植物が根を十分張ることができず、根の発育が不十分だと、根で吸収する栄養塩類の補給も不十分になりますし、大きな地上部を支えることもできません。 つまり大きくなる植物は育ちません。
 でも、大きな植物が育たないということは、小さな植物にとっては日陰にされないということであり、粘土質の土壌環境にあっても何らかの工夫をして生きていける植物にとっては、小さくても光が十分な環境だということになります。

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   地表にへばりついて生きるトウカイモウセンゴケ

 

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2009年5月15日 (金)

茅場の虫たちの日向ぼっこ?

 昨日の記事で、岩湧山山頂の茅場に、たくさんのシモフリコメツキ(の仲間)がいたことを書きました。
 しかし、ススキの茎に登るのは、シモフリコメツキの種に特異的な行動では無いようです。 たしかに茅場にはシモフリコメツキがたくさんいて、同日に岩湧山の他の場所でシモフリコメツキを見かけることは無かったのですが、よく見ると、茅場のススキの茎には、シモフリコメツキ以外にも、いろんな昆虫がいました。 昨日の記事の1枚目の写真の赤い円で囲んだ虫たちも、全てがシモフリコメツキではありません。

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   ドロノキハムシ

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   イタドリハムシ

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   カミキリの仲間

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   ヤマトシリアゲ

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   ガガンボの仲間

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   ナナホシテントウ

 これらの虫たちは、どうしてこんな目立つ所に出てきてじっとしているのでしょうか。 鳥などに狙われないのでしょうか。

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