カテゴリー「水草」の3件の記事

2009年9月22日 (火)

ガガブタ

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 ガガブタは本州以西のため池などで見られる多年生の水草です。 葉はスイレンに似た少し小ぶりの浮葉ですが、花は全く違います。
 7月から9月に咲く花は径1.5cmほどの白い花、花の花弁の周囲は細かく裂けていて、一面に毛が生えたようになっています。 花弁の周囲が細かく裂けているといえば、花の色は違いますが、アサザもそうでした。 じつはガガブタとアサザは、同じ科どころか、同じ属( Nymphoides属 )の植物で、たいへん近い関係にあります。 ちなみに属名の Nymphoides は「スイレン( Nymphaea )に似た」という意味です。
 花は朝から昼過ぎまで開いていて、夕方には水中に没する1日花なのですが、撮影したのは9月13日の午後3時半、まだきれいに咲いていましたので、秋になって反応が少し鈍くなってきているのかもしれません。

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 上で、葉はスイレンに似ていると書きましたが、他人の空似、スイレンはスイレン科ですし、ガガブタはミツガシワ科の植物で、花も違えば全体の体制も違います。 スイレンの茎は地下茎で、そこから水面まで長い葉柄を伸ばして葉を広げます。 ところがガガブタには水面近くまで伸びる長い茎があり、そこから短い葉柄を持つ葉を伸ばします。
 種子植物の芽のできるところは2ヶ所、茎の先端と葉の付け根です。前者の芽を「頂芽」、後者の芽を「腋芽」と呼んでいますが、もちろん「花芽」も芽ですから、この場所で作られます。 つまりスイレンは地下茎から花茎を伸ばして花をつけるのに対して、ガガブタは水面近くの葉の付け根から花を咲かせます。
 下はガガブタを水から少し持ち上げて写したものですが、葉の付け根、つまり茎と葉柄の境から花が咲き、たくさんのツボミなどをつけています。

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 写真では見られませんが、この茎と葉柄の境から根を出すことも可能で、このことが、例えば水位が下がった時に、ここから出た根で定着するなど、スイレンとは違った生活を可能にしています。

 

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2009年6月19日 (金)

コウホネ

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 上は神戸市立森林植物園の長谷池で撮った、アサザに囲まれて育つコウホネです。
 コウホネは水位変動の少ない浅いため池など、落ち着いた環境を好みます。 アサザに比較すれば、ずっと逞しそうなコウホネですが、やはり減少しつつある植物です。
 根茎は白く、肥大し、葉を出しながら横にはっていきます。 コウホネ(河骨、川骨)の名前は、この白い根茎が葉を落として凸凹した様子を、動物の背骨に見立てたものでしょう。
 葉は、水面から飛び出したやや厚くてつやのある葉が目立ちますが、薄くてヒラヒラした水中葉もあり(下の写真)、冬には水中葉だけが残ります。

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 花は6月から9月頃、長い花茎の先端に1つだけ、黄色い光沢のある花を咲かせます。 花弁のように見える外側の5枚はガクで、その内側にたくさんあるリボン状のものが花弁です(下の写真)。 中央にはメシベがあり、それを多数のオシベが幾重にも取り囲んでいます。
 オシベの様子を見ていると、外側から順に、花粉を出し尽くしては倒れていき、結果として1つの花が長期間花粉を出し続けるつくりになっているのではないかと思われますが、確認はできません。 もっと身近な所に咲いていれば、同じ花の変化を連続して観察できるのですが・・・。
 下の写真では、花粉を出しているか、またはこれから花粉を出すであろうと考えたオシベを「若いオシベ」と、花粉を出してしまったと考えられるオシベを「古いオシベ」と表現してみました。

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2009年6月18日 (木)

アサザ

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 土曜日に神戸市立森林植物園の池にアサザが咲いているという情報を得て、日曜にさっそく見に行ってきました。
 アサザは、ミツガシワ科に分類される多年性の浮葉植物ですが、環境省レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類にランクされています。 かつては北海道から九州までの各地の湖沼やため池に見られた植物で、1株が数百メートルの大きさを占有するまでに地下茎を伸ばして成長できる植物なのですが、汚染などによる水環境の悪化とため池などの減少、水位の人為的コントロールなどで、水環境は急激に変化し、アサザはそれに耐えられなかったようです。
 アサザの種子は、水中では発芽が抑制され、光の遮られる土壌中でも発芽できません。 また、寒さで発芽が促進されます。 つまり、発芽には四季による水位の変動が必要で、春先の水位低下で種子が空中にさらされることが必要になります。 アサザの語源は、生育する場所である浅沙(アササ=水深の浅い所)からきているとする説があります。
 また、酸性の湖沼では生育できないことも知られています。 さらに、アサザには花柱の長いタイプの花を咲かせる株と花柱の短いタイプの花(写真の花)を咲かせる株の2種類があり、この異なる花の間で花粉のやりとりが行われると良質な種子ができるのですが、減少したアサザにあって、この2種類の株が揃っているのは、もう霞ケ浦しか残っていないのではないかと言われています。 なお、アサザの花のタイプには、もうひとつ、前述の中間型の花があり、この花では自家和合性が高いことも知られています。

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 アサザの花は朝開き、午後にはしぼみだします。 いわゆる1日花で、柔らかい花冠の裂片の縁は、房のように細かく裂けています。 オシベは5本、メシベの柱頭は深く2裂し波を打ったようになっています。

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