カテゴリー「無脊椎動物(その他)」の5件の記事

2009年5月24日 (日)

コウガイビル

 大阪は今日は朝から雨模様。 雨の日には雨にふさわしい話題を・・・ ただ、多くの場合、記事の最初に写真を置いているのですが、今日の写真は、心の準備のために、記事の最後に載せました。
 今日の記事にしたのは、先日山で見たコウガイビル(の仲間)です。 半月ほど前には自宅で真っ黒なクロコウガイビルを見ました(出勤前で写真に撮ることはできませんでした)が、いずれも雨の降った後でした。
 コウガイビルの仲間は、日本に数種類がいますが、よく分かっていません。 しかし、ナメクジやカタツムリなどを餌にしていて、乾燥には弱く、普段は湿った落葉の下や石の下などに隠れていますので、あまり知られていませんが、そんなに珍しい生物ではありません。 また最近では都市部では外来種のオオミスジコウガイビルという大型種が侵入し、目立ってきているようです。
 形態は、頭部が扇形で、長さは数十cmが普通ですが、大きいものでは1mを超えます。 名前は、「昔の髪結いに使った笄(こうがい)に似たヒル」から来ています。 分類学的には扁形動物で、この名前のとおり、厚みは普段はほとんどありません。 「ヒル」という名前がついていますが、ヒルやヤマビルなどは環形動物で、体のつくりは全く違います。
 扁形動物は、筋肉も神経系もまだそんなに発達していない動物群で、動きはのろく、口は体の中央の腹面にあります。 扁形動物に属する他の生物もそんなに種類があるわけではなく、名前のよく知られているものとすれば、高校の生物の再生の実験材料として知られているプラナリアくらいでしょう。
 写真は、カタツムリを食べているコウガイビルの仲間です。 種名は分かりません。 体の腹面中央にある口から白っぽい吻を伸ばし、カタツムリの殻に差し込んでいるようです。 カタツムリの肉を消化液で溶かして吸っているのでしょう、普段は扁平な体が丸々と太っています。

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2008年9月 7日 (日)

ヒメカバイロタケを食べるニッポンマイマイ

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 このところ、雨の降る日が続きます。 でも、雨が多いことで観察の機会が増える生きものたちもいます。
 カタツムリの仲間も元気です。 雨続きでマツの切り株に生えたヒメカバイロタケを食べにニッポンマイマイが来ていました('08年9月6日「堺自然ふれあいの森」の林の中で撮影)。

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 ニッポンマイマイは、山型に尖った殻を持つ、山林などで見ることのできるカタツムリです。

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 下のヒメカバイロタケ(キシメジ科)はかじられています。 そのため、ひだが垂生している様子など、キノコを見分けるときに大切になるひだの様子がよく分かります。

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2008年7月 6日 (日)

カブトエビ

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 ホウネンエビカイエビなどと並んで、水田の水の中を泳ぐ代表的な生き物、カブトエビです。
 日本で見られるカブトエビは、アメリカカブトエビとアジアカブトエビ、それに少ないですがヨーロッパカブトエビの計3種類で、世界的にはもう1種類、オーストラリアカブトエビがいます。 卵は乾燥に耐えることができますので、サギなどの鳥の足に付いた土と一緒に卵が運ばれているようです。
 カブトエビの飼育セットが、「トリオップス」などの名前で販売されているそうですが、この Triops は、これらのカブトエビの仲間の属名です。
 写真のカブトエビはアジアカブトエビだと思いますが、きちんと同定はしていません。 カブトエビは、カイエビ、ホウネンエビ、ミジンコなどとともに、甲殻綱鰓脚亜綱(または甲殻亜門鰓脚綱)に分類されます。 平たく言うと、エビやカニなどと同じ甲殻類の中の、鰓を兼ねた泳ぐ脚を持ったグループということになります。 頭部に発達した第2触角を持つ(ホウネンエビは普段は丸めている)ことや、胸部には多数の鰓脚を持つこと、細長い腹部とその先に2本の尾を持つことなどはホウネンエビやカイエビなどと共通です。
 カブトエビのたくさんいる水田では、いつまでも水が濁っています。 波打つ鰓脚で泥を巻き上げているのです。 このために、種子から発芽した雑草は引き抜かれるので、カブトエビは昔から「田の草取り虫」と呼ばれていました。

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 カブトエビを採集していると、道行く人が「何取ってるの?」。 カブトエビだと話すと、「それ、大きくなるとカエルになるんやろ」。 カブトエビ採集道具として、穴あきおたまを使ってはいましたが・・・・
 でも、たしかにおたまじゃくしもたくさんいましたし、上から見ると色も大きさもよく似ています。

 カブトエビは、よくカブトガニと混同されています。 一見似ているようですが、大きさも全く違います(カブトガニは成長すれば体長70cmに達します)し、分類的にはかなりかけ離れています。 カブトガニは甲殻類でもありません。 鋏角亜門という別のグループに分類されていて、どちらかというとクモに近い仲間です。
 下にカブトガニの写真(脱皮殻です)を載せておきますので、上のカブトエビの写真と比較してみてください。 カブトエビは、上に書いたように、鰭状の鰓脚があるだけで歩行に適した足は持っていませんが、カブトガニには歩くことのできる脚があります。

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2008年7月 2日 (水)

ホウネンエビ

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 ホウネンエビは「豊年エビ」で、これがたくさん発生した年は豊作になるとも、豊作の年にたくさん見られたからだとも言われています(結局は同じこと?)。 なぜホウネンエビが豊作につながるのかは分かりませんが、ホウネンエビとカブトエビは同じ田に見られることが多く、カブトエビは田の土の表面をかき混ぜることで発芽したばかりの雑草を引き抜くことになり、雑草抑止効果があるとされています。
 ホウネンエビも、6月29日に記事にしたカイエビ同様、乾燥に耐える卵で冬を越し、水田に水が張られると、数日のうちに孵化します。 体長は2cm程度、半透明で、青みを帯びた個体や、上の写真のように緑色を帯びた個体も見られ、泳ぐ姿は優雅で楽しめます。
 普段は腹側を上にして、胸部にある鰓脚を動かして泳いでいます。 いざとなればけっこう速く移動できるので、フィルムケースで捕らえるのには苦労しました。
 写真で、頭から出ているのが第1触角です。 第2触角は、メスでは小さいのですが、オスでは発達し、先が枝状に分かれていて、メスを捕まえるのに使われます。 ただし普段は丸めています。 上の写真は、卵の入った保育のうを持っているメスです。 そして下の写真はオスですが、両者を比較すると、オスの頭の部分がモコモコしているように見えますが、これは第2触角を丸めているためです。

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2008年6月29日 (日)

カイエビ

 田んぼでT型をしたものがウヨウヨ。 カイエビの交尾です。 カメラのレンズを水につける訳にも行かないので、持って帰りましたが、Tは-と l に“解散”してしまっていました。
 T型というのは、横向きのカイエビの腹側中央に別の固体が頭を付着させた姿で、たぶん交尾でしょう。 カイエビの生殖器のつくりは知りませんが、卵塊はメスの体の中央部の背中側に、半透明の“貝殻”の内側に透けて見えます。
 カイエビは、名前のように二枚貝のような甲羅を持っていて、活発に泳ぎます。 体長は8mm前後、頭部と、30節のそれぞれに一対の鰓状の付属肢体をつけて体の大部分を占める胸部、それに短い腹部から成ります。 頭部には、短く目立たない第1触角と、基部から2本に分かれた長い第2触角(左右合わせて計4本あるように見えます)があります。 耐久卵で水のない時期を過ごし、田んぼに水が入ると発生します。

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   オスを横から 左右一対の第2触角が目立ちます

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   腹側から

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   メスを横から(左)と背中側から(右) 白いのは卵塊です

 カイエビは、この時期に田んぼで見ることのできるカブトエビホウネンエビの仲間です。 これらの動物は、いずれも分類学的には、節足動物門・甲殻綱・鰓脚亜綱に属します。(ミジンコもこの仲間です)
 大雑把に言ってしまうと、カイエビやミジンコは体が背と腹の方向に広がり、カブトエビは左右の方向に広がり、ホウネンエビは“貝殻”を失ったと考えればよいでしょう。
 これらの仲間の共通点は、遊泳脚が鰓の役割も兼ねていることや、乾燥に耐える卵を産み、温度や水分の条件が整うとふ化し、短期間で生殖活動ができるまでに成長することなどがあげられます。
 写真はカイエビだと思いますが、この仲間は、トゲカイエビ、ヒメカイエビの仲間、タマカイエビなど、日本では7種類ほどが知られています。 世界的には200種ほどが知られています。

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