カテゴリー「無脊椎動物(その他)」の32件の記事

2014年5月17日 (土)

ワレカラ

 海岸に打ち上げられた海藻、ゴミムシでもいないかと探したのですが、見つからず。 かわりにたくさんいたのがワレカラでした。

Warekara140502_1

 このブログでは前にヨコエビを載せていますが、ワレカラもヨコエビと同じ端脚目です。
 写真はたぶん丸い鰓を持つマルエラワレカラだと思います。 他の多くのワレカラよりも体は太めで分かり易いのですが・・・。 上の写真は下が頭で、腹側から見ています。
 ワレカラの体をできるだけ分かり易く撮ろうとするのですが、ワレカラも褐藻と一体になって分かりにくい姿勢を取ろうとしているようです。

 上の写真では、ワレカラを掌に載せようとしたのですが、ワレカラは、褐藻が唯一保護色の機能する場所だと、褐藻から離れようとしませんでした。 頭部付近はこの写真が比較的分かり易いでしょう。
 頭部には2対の触角があります。 複眼は小さなものです。 胸部には2対の顎脚があります。 また、第3胸節と第4胸節には、葉状の鰓があります。(写真はクリックで拡大します。)

 体の後方には3対の歩脚があります。 この歩脚でしっかりと海藻をつかんでいます。

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2014年3月11日 (火)

クモマルトビムシの仲間

 3月3日、堺自然ふれあいの森のスチール製物置の壁面のあちこちに、写真のマルトビムシがいました。 たぶん何かの目的で集まってきたのではなく、近くで発生したように思います。 体長は多少の大小があったのですが、写真のものは1.7mmでした。

 このマルトビムシは、こちらに載せたものと同種で、クモマルトビムシ亜科のコシジママルトビムシではないかと思うのですが、自信はありません。
 たくさんいたので1頭持ち帰り深度合成してみました。

Marutobimusi140303_czp11

 上は頭部です。 眼は8個の小さな眼が集まっていますが、互いにくっつきあった複眼とまでは言えない状態です。 このような眼は「集眼」と呼ばれているようです。

Marutobimusi140303_czp22

 上は腹側を見たもので、上方が頭です。 ここにはトビムシ目の独特の器官である腹管と叉状器が写っています。
 腹管(粘管)は、ここから出される粘液で体の保持に役立てているとか、体内の浸透圧を調整する機能を持つといわれている管状の器官です。 トビムシ目は以前は粘管目と言われていました。
 叉状器(跳躍器)は、普段は腹部下面にくっついているのですが、危険を感じた時などは、勢いよくこれを伸ばして地面などを叩き、写真のような状態になることで、大きくジャンプします (これが「トビムシ」の名前の由来です)。

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2014年3月 7日 (金)

イソフサヤスデ

この記事はこちらに引っ越しています。

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2014年3月 6日 (木)

ヨコエビ

 大阪府南部、大阪湾に流入する河口の石を持ち上げると、大小さまざまなヨコエビが跳ねたり走ったり・・・。 瞬間的に散らばってしまい、とても写真に撮れる状態ではなく、しかたなく死んでもらってからの写真です。
 下のヨコエビは体長8mmほどで、写真の場所にいたヨコエビの中では比較的大型でした。 あちこち砂粒がついたままですが・・・。

Yokoebi140224_1

 ヨコエビはヨコエビ目(=端脚目)ヨコエビ亜目(Gammaridea)に属する甲殻類の総称で、「エビ」とついていますが、エビの仲間(十脚目)ではありません。 たくさんの種類がいて、生活している場所も陸上から深海まで様々です。 大きさもさまざまで、私たちがよく見るのは数mmのものですが、深海には20cmを超えるものもいます。

 「ヨコエビ」と言われるのは、扁平な体を倒して(横にして)生活している種類が多いからです。 上の写真で、体の中央付近に2対の長い脚があります。 生きている時にはこの脚は体の左右に持ち上げています。 つまり体を倒して生活している時には、この長い脚は体の下と上に位置します。 土と石の間で体を倒して生活しているなら、長い脚の2本は土に、もう2本は石に接していることになり、この脚を使って動きまわります。
 下は腹側から見た状態での手持ち撮影7枚からの深度合成です。

 下は同じ石の下にいたヨコエビですが、上とは別種でしょう。 大きさも体長6mmと小さく、長い脚の位置も体の後端近くにあります。

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2013年12月11日 (水)

ウスアカフサヤスデ

ここに掲載していた記事は削除し、載せていた内容はこちらに含ませています。

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2013年11月14日 (木)

トゲトビムシ科の一種

こちらに引っ越しています。

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2013年10月 5日 (土)

景観形成作物としてのホテイアオイとスクミリンゴガイ

 ホテイアオイは、水と高い気温があれば驚異的な増殖力を示し、増えすぎて水路を妨げたり水力発電に弊害をもたらしたり、日本などでは冬に枯れますのでその腐敗臭が問題になったりと、「青い悪魔」などと呼ばれて嫌われています(こちら)。 しかし花は美しいのですから、きちんとコントロールできれば、いい観賞植物となります。
 奈良県の橿原市は、水田の持つ多面的な機能を利用する農業施策の一環として、本薬師寺周辺の米の生産調整地約1.4haを利用し、もう10年以上も前から、ホテイアオイを景観形成作物として栽培しています(こちら)。 その様子を見てきました。

Hoteiaoi131003_1   後ろの木のある場所は本薬師寺東塔跡、その右は香久山

 ホテイアオイは、水に浮いているよりは、根が地中に伸びている方がたくさんの花が咲くことを既に書きました(こちら)。 本薬師寺周辺の休耕田では、毎年ホテイアオイが植え付けられています。

 いちめんに同じ植物が育てられていれば、それを餌とするものが増えるのは道理です。 ホテイアオイには害虫は少ないのですが、あちこちにスクミリンゴガイにかじられた跡や、その卵塊が見られました。

 上の写真の、左下のホテイアオイの葉の上の赤っぽい色をしたものが、スクミリンゴガイの卵塊です。 卵は水中では孵化できないので、濡れない場所に産み付けられます。
 スクミリンゴガイはジャンボタニシとも呼ばれている南アメリカ原産の外来種です。 東アジアや東南アジア各地ではイネの害虫となっていて、世界の侵略的外来種ワースト100リスト選定種の1種となっています。
 日本へは1980年代に食用として持ち込まれましたが、採算が取れないために廃棄され、養殖場から逸出したものが野生化し、分布を広げています。 下は本薬師寺のホテイアオイ栽培場所の一角にいたスクミリンゴガイです。

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2013年6月27日 (木)

フナムシ、アラレタマキビ

 前々回の予告どおり、今日はフナムシとアラレタマキビです。 前々回、生命は海ではじまり、陸に上がるのはたいへんで、ほんの一部の動物しか陸に上がっていないと書きました。 上陸にはそれなりの工夫が必要です。 その工夫に成功したものは陸へ向かいました。 つまり水中で生活するものと陸上生活に適応したものとに分かれていきました。
 フナムシは節足動物、アラレタマキビは軟体動物で、かなりかけ離れた動物ですが、両者の共通点は、生態的なところにあって、陸上と水中の境という、中途半端な限られた環境に住む生物だということです。

● フナムシ
 節足動物は体の表面を硬くしました。 これは海中での暮らしでは防御のためだったのでしょうが、上陸時には乾燥を防ぐことにも役立ったことでしょう。 しかし陸上に適応するためには、呼吸の方法を変更しなければなりません。 節足動物は陸上生活に適応するために、エラを気管に変更しました。

 フナムシは節足動物門・甲殻綱・等脚目に分類されています。 陸上生活をするこの仲間には、ワラジムシやダンゴムシ、それに同じフナムシ科のヒメフナムシなどがいます。 これらはみんなデトリタス(腐敗物)食性であり、乾燥に対してもまだ十分に対応しきれていません。

 フナムシ科は、まだエラ呼吸です。 ただし、このエラ呼吸はエラの表面を湿らせておいて、そこに空気中の豊富な酸素を溶け込ませるものになっていますので、湿らせておく水は絶対必要ですが、長時間海水中に入れられると、水中の少ない酸素では窒息死してしまいます。
 海岸にはフナムシの餌となるデトリタスはたくさんあります。 この豊富な餌のある環境で生活するために、フナムシの7対の脚のうちの後ろの2対の脚には細かい溝が刻まれています。 この脚を揃えると、毛細管現象で水が昇ってくるしくみになっています。

● アラレタマキビ
 軟体動物は身を守る手段として貝殻を作るという方法を手に入れました。 この貝殻も乾燥から身を守る1つの手段として有効で、カタツムリなど陸生の貝が生じました。
 軟体動物も、大部分は水中に残り、その一部は陸での生活へと進化したわけですが、アラレタマキビのような、海と陸の境という中途半端な場所を生活の場にするものも出てきました。
 中途半端な環境は住みにくいものでしょう。 しかし、他の生物が住みにくい環境は、そこに住むことのできる生物にとっては、競争相手も無く、住み易い環境になるのでしょう。
 アラレタマキビは殻高5mmほどの小さな巻貝です。 アラレタマキビの住む環境は、飛沫帯と呼ばれる場所で、満潮線よりも上で、満潮でも海水につからず、時々波しぶきが飛んで来る岩の上です。 アラレタマキビは、この波しぶきで岩の表面に生える微細な藻類を餌にしています。
 海水につかることの無い海辺の岩は、夏には70℃にもなります。 そのような時には、アラレタマキビは粘液で殻口の一部分だけを岩に張りつけ、岩との間に隙間を作り、蓋を閉じてじっと耐えています。

 アラレタマキビに混じって他の生物を見ることはほとんどありません。

※ 大阪市立自然史博物館では、7月20日~10月14日の日程で、第44回特別展「 いきもの いっぱい 大阪湾 ~フナムシからクジラまで~」が開催されます。 さまざまな生きものの姿や人とのかかわりなどについて展示されるとのことです。

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2013年6月23日 (日)

アカクラゲ・ミズクラゲ

 大阪府と和歌山県の境と淡路島の間に位置している友ヶ島に行ってきました(詳しくはこちら)。 これから何回かは友ヶ島で撮った生物を載せるつもりです。

 アカクラゲもミズクラゲも、大阪湾では最も普通のクラゲと言っていいでしょう。 どちらも友ヶ島の桟橋(さんばし)から撮ったもので、たくさんいました。 ただ、海水中に浮遊しているものを偏光フィルターもつけずに撮りましたので、画像処理したところ、少し色が変になってしまいました。 海水の色はともかくとして、ミズクラゲはもっと白い色です。

● アカクラゲ

Akakurage130616_1

 よく「クラゲに刺された」と言われますが、クラゲの仲間は多い少ないの違いはあっても、触手に刺胞を持っています。 クラゲの状態にもよりますが、新鮮なアカクラゲの触手に触れると、人によっては触れた所が数日続く炎症を起こす可能性がありますし、場合によってはアナフィラキシーショックを起こす可能性もあります。
 アカクラゲを乾燥させて粉末にしたものは、これも刺胞が持つ成分によるものでしょうが、粘膜を刺激し、クシャミや涙が止まらなくなるようで、「ハクションクラゲ」という別名を持っており、忍者はこれを目潰しとして使用したと言われています。 地方によっては、真田幸村がこの乾燥粉末を攻撃に用いたとして「サナダクラゲ」とも言われているようです。

● ミズクラゲ

 上の写真は、傘の下側が上になった状態のミズクラゲを撮りましたので、口の周囲にある口腕がゴチャゴチャしたように写っています。 傘の上から見るとドーナツ形をした生殖腺が4つ見えることから、ヨツメクラゲとも呼ばれています。 傘の縁にある触手も短く、刺されてもあまり痛みを感じない人がほとんどです。
 下は昔水族館で撮った元気なミズクラゲで、生殖腺の卵に色がついています。

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2013年3月12日 (火)

マクラギヤスデ

Makuragiyasude130225_2

 写真はオビヤスデ目シロハダヤスデ科のマクラギヤスデの幼体でしょう。 朽木の半分地中に埋まった湿った所にいました。

 なかなか繊細なつくりです。

(2013.2.25. 堺市南区岩室)

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