カテゴリー「植物(種子植物以外)」の57件の記事

2014年3月12日 (水)

チャボヒラゴケ

Chabohiragoke140308_1

 写真は堺自然ふれあいの森の樹幹に生えていたコケで、ヒラゴケ科のチャボヒラゴケだと思います。
 チャボヒラゴケは一次茎が不規則に分枝しながら樹幹を這い、そこから伸びた二次茎は斜上し、乾くと上の写真のように跳ね上がります。

 蒴は葉先近くにつき、長さは2mmほどです。 蒴柄は非常に短く、蒴のかなりの部分は雌苞葉に隠されています。 蓋は嘴状に尖っています。

 蒴歯は1列16枚です。

◎ チャボヒラゴケの葉を顕微鏡で観察した結果などはこちらに載せています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年2月 9日 (日)

ヒロハツヤゴケ

Tsuyagoke140128_1

 樹幹に生えていたツヤゴケ、たぶんヒロハツヤゴケだと思います。
 下の写真 (クリックで拡大します) は手持ちで撮った6枚の写真から深度合成してみたものですが、やはり手持ちでは無理があって、部分的に輪郭が2重になったり上下関係がおかしくなったりしています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年1月29日 (水)

タチヒダゴケ

Tachihidagoke140120_1

 昨日のカラフトキンモウゴケと同じ木の幹に生えていた、同じタチヒダゴケ科のタチヒダゴケ (Orthotrichum consobrium) です。 カラフトキンモウゴケなどは乾くと葉が縮れますが、タチヒダゴケの葉は、上の写真のように、乾いても茎にくっつくだけで縮れません。
 タチヒダゴケの蒴は大きくて、長さが1㎜ほどの卵形で、蒴帽には縦の深い襞があります。

 タチヒダゴケも水に触れると、すぐに葉を広げます。 下がその葉を広げた状態です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年1月28日 (火)

カラフトキンモウゴケ

Karafutokinmougoke140120_1

 写真はタチヒダゴケ科のカラフトキンモウゴケ (Ulota crispa) です。 1月20日の撮影で、ほとんどの蒴 (さく:胞子を入れておくところ) は胞子を飛散させてしまっていますが、ほんの少し蒴帽 (蒴の“帽子”) をかぶった若い蒴も見られました (下の写真)。

 上の写真の中央と右に写っているのが蒴帽です。 カラフトキンモウゴケの蒴帽はたくさんの毛があるタイプです。 胞子の飛散は、この蒴帽が取れて、蒴の口にある蒴歯 (さくし) が開いて行われます。

Karafutokinmougoke140120_3

 上がカラフトキンモウゴケの蒴歯です。 蒴歯は外に反り返っています。 カラフトキンモウゴケの蒴歯は8対あります。

 カラフトキンモウゴケは木の幹に着生する蘚類です。 上がその様子です。
 木の幹はすぐに乾燥します。 コケは湿った所に多いイメージを持っている人が多いようですが、一般的にはコケは乾燥に耐える能力が高い植物です。
 カラフトキンモウゴケなどのキンモウゴケ属は、上の写真のように、葉を縮れさせて乾燥に耐えていますが、水に濡れると、下の動画のように、すぐに葉を広げます。

 上の動画は微速度撮影ではありません。 通常の時間経過です。 片手でカメラを構え、もう片手で霧吹きでカラフトキンモウゴケに水をかけましたので、画面が揺れて見苦しいですが・・・。
 シュッシュッ・・・というのが霧吹きで水をかけている音です。 水に濡れると、葉はすぐに広がります。 なお、途中でカカカカ・・という音が入っていますが、これはカメラがピントを合わそうとしている音です。

 上は水を吸って葉が広がった状態です。 蒴も膨らみ、襞が消えています。

(2014.1.20.、1.28. 堺市南区岩室)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月 9日 (金)

イワヒメワラビ

 イワヒメワラビは、昨日記事にしたヒメワラビやミドリヒメワラビ( 以下「ヒメワラビなど」と書くことにします )と一見よく似ています。 しかし昨日書いたように、ヒメワラビやミドリヒメワラビがヒメシダ科であるのに対し、イワヒメワラビはワラビなどと同じコバノイシカグマ科です。

 葉が展開する時期だと、イワヒメワラビとヒメワラビなどとの違いはすぐにわかります。 イワヒメワラビでは、ワラビなどと同様、羽片の展開に時間差が見られ、下部の羽片がある程度開いてから、その上の羽片が開きはじめます。
 化石から陸上植物の進化を考えると、根・茎・葉の区別が無かったところから、大葉類の葉は平面的に分岐を繰り返した枝から作られていったと考えられています。 枝は下から上へ伸びながら分化していきますから、羽片の展開に時間差が見られるのは、葉が枝の性質を残しているからではないかと考えられています。

 ヒメワラビなどより毛の多いのもイワヒメワラビの特徴です。 上はまだ開ききっていない上部の羽片を撮ったものですが、たくさんの白毛が見られます。

 ソーラスの様子を見ればヒメワラビなどとの違いは、もっとはっきりします。 イワヒメワラビのソーラスには包膜がありません。 上の写真でも毛がたくさん確認できますが、よく見ると、毛の先が膨れています。 これは腺毛で、指で触れても少し粘ります。 下はこの部分の腺毛をもう少し拡大したものです。

 視点を下に下げます。 下は葉柄下部の、根茎に接する部分を撮ったもので、右に葉身があります。 この部分も、毛は太くなっていますが、毛だけで、ヒメワラビなどのように鱗片はありません。 鱗片が無いというのも、コバノイシカグマ科の特徴です。

 ところで、イワヒメワラビの地下茎は長く地中の浅い所を這い、まばらに葉を出す比較的大型のシダですが、葉柄は、根茎に接する所でも、そんなに太くはありません。 そんな葉がどうして真っ直ぐに立っていられるのでしょうか。 左右に長い棒(地下茎)の中央に垂直に棒をくっつければ(葉)、前後にユラユラするはずです。
 じつはイワヒメワラビの地下茎と葉との関係は、3本足のマイクスタンドが安定して立っているようなしくみになっています。

 上はイワヒメワラビの根茎を掘り出してみたものです。 石か何か障害物があったのでしょう、“マイクスタンドの足”の1本は波打っていますが、安定して葉をほぼ垂直に展開しておけるつくりになっています。 このようなしくみはどのようにしてできるのでしょうか。

 上はイワヒメワラビの地下茎の先端付近を撮ったものです。 右から伸びてきた地下茎が二股に分岐し、奥の方は地下茎として伸び続け、手前は葉として上に伸びようとしはじめていますが、その葉柄になる部分の下部に、新しい芽ができています。 この芽は「腋外芽」と呼ばれているのですが、手前に伸びてきて新しい地下茎となっていくはずです。 つまり、葉柄を中心に考えると、3方向に地下茎が走っている姿になります。
 腋外芽は、コバノイシカグマ科ではよく見られるのですが、特にイワヒメワラビでよく発達しているようです。

(写真は全て「堺自然ふれあいの森」に生えていたイワヒメワラビです。)

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2013年8月 8日 (木)

ヒメワラビ、ミドリヒメワラビ

 ヒメワラビとミドリヒメワラビは、どちらもヒメシダ科に分類されていて、よく似ています。 どちらも名前に「ワラビ」とついていますが、ワラビはコバノイシカグマ科で、そんなに似ているとは思いませんが・・・。
 コバノイシカグマ科にイワヒメワラビというシダがあり、このシダは、同じ科ですから当然ですが、ワラビとも共通点が多く、一見ヒメワラビやミドリヒメワラビとも似ていますので、そのようなつながりで名前が付けられたのかもしれません。 なお、イワヒメワラビは明日載せる予定でいます。
 一般的には、ヒメワラビは向陽地を好み、ミドリヒメワラビは日陰を好むということですが、この2種が並んで生えている場所があったので、比較してみました。

 ヒメワラビは黄緑色でミドリヒメワラビは鮮緑色と言われていますが・・・。 特に新しい葉では両者の色の違いはわずかのようです。

● 小羽片の基部


ヒメワラビ


ミドリヒメワラビ

 小羽片の基部は、一般的にはヒメワラビは無柄でミドリヒメワラビは有柄です。 写真のヒメワラビには短い柄がありますが、このようなものも出現するようです。
 小羽片が羽片の中軸につく角度を見ると、ヒメワラビの方が鋭角で、ミドリヒメワラビでは直角に近くなります。
 ヒメワラビには細かい毛(腺毛)がたくさん見られます。 ミドリヒメワラビの毛はとても短く、ほとんど目立ちません。

● ソーラス


ヒメワラビ


ミドリヒメワラビ

 上の2枚は同じ倍率で撮っています。 両者ともソーラス(胞子嚢群)は中間性で包膜は円腎形ですが、ヒメワラビのソーラスの方が大きいようです。 ヒメワラビの包膜の縁には腺毛があります。 ミドリヒメワラビのソーラスにも毛は見られますが、腺毛ではないようです。(写真はクリックで拡大します。)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年7月24日 (水)

ナンゴクナライシダ

 ナライシダの名は、長野県の奈良井に由来します。 従来ナライシダとされていたものに2つのタイプがあることが分かり、1986年にナンゴクナライシダとホソバナライシダに分けられました。 ナンゴクナライシダは暖地性で西日本を中心に、ホソバナライシダは温帯性で東日本を中心に分布しています。

Nangokunaraisida130719_1

 上は堺自然ふれあいの森にあったナンゴクナライシダです。 葉の形は、最下羽片が発達し、そのなかでも基部の小羽片が発達しているので、全体としては五角形になります。 小羽片のつく順序は、上向の小羽片が先になります。

 上は葉の表の一部を撮ったものです。 葉はうすい草質です。 細い毛は光の当たり方でうまく写らないことが多いのですが、よく見るとあちこちで毛が写っていて、特に羽軸の溝に多く見られます。 この毛はホソバナライシダでは無いか、あってもごくわずかとのことです。

 上は葉の裏面の拡大で、写真をクリックし「オリジナルの表示」で1024×768まで拡大できます。 包膜は円腎形、中軸や羽軸には、扁平で袋状の鱗片があちこちについています。

 ところで、ナンゴクナライシダの葉の表には、あちこちに下のようなものが見られます。 影でわかるように葉面に乗っているのではなく、葉面に立っています。

Nangokunaraisida130719_3

 この正体は → こちら

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年5月24日 (金)

コウヤノマンネングサ

Kouyanomannengusa130412_3

 コウヤノマンネングサはコウヤノマンネンゴケやコウヤノマンネンソウと呼ばれることもあります。 山地の林内に生える大型のコケで、高さは5~10cmほどにもなります。
 一次茎は地上を這って時々枝分かれし、先は二次茎となって起き上がり、上部で樹状に多くの枝を出します。 葉はコケ植物らしい小さな葉です。

 二次茎(直立茎)にも葉は付きます。 下は二次茎を横にして撮っています。 岩にくっついているコケはコウヤノマンネングサとは関係ありません。

Kouyanomannengusa130412_4

 コウヤノマンネングサも、稀ではありますが、胞子体をつけます。 その胞子体が見られる確率の高いのが、ちょうど今頃です。 上の写真は全て4月中旬に撮ったものですが、胞子体の写真も載せたいものと、今まで記事にすることは控えていました。 ところが先日写真を撮りに行くと、たくさんあったコウヤノマンネングサが全部無くなっていました。 渓流の側でしたが、全部が無くなるほど増水した形跡はありません。 たぶん盗られたのだと思います。
 コケの葉は長期間放置された後でも、水に浸すと元の姿に戻ります。 大きなコケであるコウヤノマンネングサも、水に浸すと元の美しい姿に戻るので、昔はよく、そのまままたは染めたものを水中花として利用していました。 今回もその目的で盗られたのかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月20日 (土)

スギナの胞子の乾湿運動

 ツクシ(土筆)はスギナの胞子茎(または胞子穂)です。 ここから放出される胞子には弾糸と呼ばれるひも状のものがついていて、乾湿運動をします。
 前にツクシの胞子のうや胞子の写真を載せています(こちら)が、今回はこの乾湿運動を動画で記録してみました。

 動画の中で、暗くなるのは、私が息を吹きかけようと顔を近づけたためです。 この動画のように、弾糸は呼気に含まれる水分により湿度が高くなると胞子に巻き付き、乾燥すると伸びます。 この運動は胞子の散布に役立つと考えられています。
 なお、撮影は、オリンパスの TG-2 単独で行っています。 また、動画の時間経過も、微速度撮影や高速度撮影などではなく、通常です。
 息を吹きかけるのは、強く吹きかけると胞子が飛んでしまうので、そっとですし、胞子のある所の1cmほど上はカメラが覆っていますので、胞子に届く呼気はほんのわずかでしょう。 このように弾糸は、わずかな湿度変化に敏感に反応します。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年2月22日 (金)

ノキシノブの前葉体

Nokisinobu130214_1

 ノキシノブが上の方までたくさん付いたコナラの木がありました(下の写真)。

 出会ったノキシノブは、まだ胞子のうをつけていない若いものがほとんどで、とても小さな葉のものも多く(下の写真)、もしかして前葉体もあるのではないか、と、目を凝らしてみつけたのが、1枚目の写真の前葉体でした。

 ノキシノブとその胞子のうや、そこからの胞子散布のことは以前載せました(こちら)が、その胞子が発芽してできるのが前葉体です。 前葉体で卵と精子が作られ、受精卵からできるのが私たちが目にするノキシノブです。
 前葉体は目を凝らさないと見えませんが、生殖活動をするのですから、立派な“大人”で、私たちが目にするノキシノブはその子供であることは、前に別のシダで書いています(こちら)。
 下の写真で、緑の濃いハート型をしたものが前葉体で、少し薄い緑色のものが、受精卵からできた小さなノキシノブ(胞子体)です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧