カテゴリー「植物(種子植物以外)」の7件の記事

2009年8月15日 (土)

アカミゴケ

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 上はアカミゴケ(の仲間)です。 名前は「赤い実をつけるコケ」という意味ですが、アカミゴケはコケの仲間(蘚苔類)ではなく、地衣類です。
 地衣類は、菌類(カビ・キノコの仲間)が藻類を取り込んだ状態で、つまり2種類の生物が深い共生関係になり、あたかも1種類の生物のように暮らしています。 藻類は光合成による炭水化物を菌類に与え、菌類は藻類に住処と水分などを提供します。
 アカミゴケの赤い部分は、地衣が胞子を作る場所で、「子器」と呼ばれています。 この子器から飛び出した胞子が発芽すると、菌類が作った胞子ですから、菌糸になります。 これが元の地衣に戻るためには、近くにいる藻類を取り込みつつ生長しなければなりません。 もし藻類に出会えなかったら、死ぬしかないのでしょう。 ですから、多くの地衣は、無性生殖によっても繁殖を続けるしくみを持っています。
 白っぽい緑のアカミゴケの体表は、細かい粉状のもので覆われています(上の写真はクリックで拡大できます)。 これを「粉芽」などと呼んでいますが、この粉は菌糸と藻が絡み合ったもので、この粉が飛び散り、新しいアカミゴケになっていきます。

 

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2009年5月25日 (月)

イヌガンソク

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 上は広がりはじめたイヌガンソクの栄養葉。 見つめていると、なんだか「ファイトー!」と言ってくれているようで、造形的におもしろいと感じて撮りました。
 下はその全体の姿です。 イヌガンソクの葉には2つのタイプがあって、1つは栄養葉と呼ばれていて、光合成をして栄養分を作り出す葉、他の1つは、胞子葉と呼ばれていて、胞子をつける生殖用の葉です。 栄養葉は春になって新しい葉を広げ始めますが、胞子葉は秋に作られ、冬を越した春には黒っぽく硬くなっていて、その形のおもしろさから、「がんそく」と呼ばれて花材として用いられています。

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 この植物の和名はイヌガンソクで、その胞子葉を「がんそく」という名で花材に使うと、上に書きました。 たしかに胞子葉は、鳥の雁(ガン)が飛んでいるときの足の形に似ています。 では、和名の「イヌ」は?
 話はややこしくなりますが、「こごみ」という名で山菜として利用されるクサソテツの別名が「ガンソク」なのです。 おいしいガンソク(=こごみ=クサソテツ)に対して、おいしくないイヌガンソクなのです。 つまり、花材のがんそくはイヌガンソクの胞子葉で、食用とするガンソクはクサソテツのことなのです。
 クサソテツの胞子葉も雁の足に似ているというのですが、さて、どうでしょうか。 そのうちこのブログでも紹介したいと思います。

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2009年3月26日 (木)

ツクシ

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 上の写真は昨年の4月5日に撮ったものです。 一面のツクシ、筆舌につくし難し!?
 この場所は1年間休耕田であった所を、秋に火を入れたようです。 条件がそろうと、ツクシもこんなに出るものなのですね。 でも、採って料理に使うには少し時期が遅いようです。
 上の場所はその後、田として使われました。 そして今年はどうなっているのか、気になって3月21日に見に行ってみました。 ツクシの量は8割程度に減っていましたが、ちゃんと出ていました。 ツクシ摘みの適期には少し遅いようでしたが、いくらか摘んできました(下の写真)。

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 このツクシの袴を取って、塩水で茹で、冷水にさらして酢と砂糖で味付けし、ワカメと混ぜてゴマを少々振りかけたのが下の写真、なかなかおいしい春の味覚です。

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 ツクシは花粉症にも効くようで、'06年2月6日の朝日新聞で紹介されているようです。 こちらのサイトには、そのことや、ツクシのさまざまな料理法が紹介されています。

 気持ちのいい春の散歩と味の報告でした。
 最後に、その近くで撮った観賞用の写真を1枚載せておきます。 写真のタイトルは「萌」とでもしましょうか。
(写真はすべてクリックで拡大します。元に戻るには拡大した写真の右上の×をクリックしてください。)

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2008年11月 5日 (水)

フユノハナワラビ

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 フユノハナワラビがたくさん生えている場所がありました。
 フユノハナワラビは、シダ植物です。 多くのシダ植物では葉の裏に胞子嚢(胞子が入っている袋)をつけます。 つまり、葉の表で光合成を行い、葉の裏で生殖活動を行っているわけですが、フユノハナワラビでは栄養葉(光合成をするための葉)と胞子葉(生殖用の葉)とが、きれいに分かれています。 この時期になると、金色に輝くたくさんの胞子嚢をつけた胞子葉が高く伸びてきます。 「ハナワラビ」の名前は、この胞子葉を花に見立てた名前ですが、この様子がおもしろく美しいので、鉢で育てている山草愛好家もたくさんいらっしゃいます。
 栄養葉は夏の終わりごろから葉を広げて光合成を始めますが、写真のようにそんなに高く葉を持ち上げませんので、背の高い草がたくさん生えていると、光合成が十分できず、育つことができません。 写真を撮った場所は、段々畑の畦で、乾燥気味で草があまり生えないうえに、丁寧に草刈りが行われている場所です。
 もうひとつ、フユノハナワラビがよく見られる場所であるための条件、それは人があまり通らないことです。 よく人が通るような場所では、写真のような胞子葉は、すぐに踏まれて折れてしまいます。 特に下の写真のように胞子葉が若いうちは緑色で、気づきにくいものです。
 このフユノハナワラビも、このように人が作った環境で人のあまり通らない場所という、人との微妙な関係のなかで生きているのです。

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2008年3月10日 (月)

トウゲシバ

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 トウゲシバという、林の中に生えている植物があります。 漢字で書くと「峠芝」なのでしょうが、峠のような乾燥した場所には生えていませんし、芝のように硬く種子植物のような葉ではありますが、トウゲシバはシダ植物なのです。
 シダ植物は大葉類と小葉類に大別できます。 普通私たちがシダと聞いてイメージするのは大葉類で、小葉類でよく知られているものといえばスギナやヒカゲノカズラなどがあります。
 トウゲシバはヒカゲノカズラ科に分類されます。 小葉類の葉脈は無いか1本の分枝しない脈だけを持つのですが、トウゲシバの葉脈も1本だけです。
 シダ植物ですので、胞子で増えます。 胞子のう(=胞子が入っている袋)は、その葉の上の基部についているのですが、一見すると茎についているようにも見えます。
 3月8日、ちょうど胞子のうが破れて胞子を出しているトウゲシバに出会いました。 下の写真で中央から上の胞子のうはまだ破れていませんし、下半分の胞子のうは胞子を出してしまっています。 胞子が完成すると、胞子のうが乾燥をはじめ、はじけて胞子を飛ばすのでしょうか、胞子のうの中はほぼ完全に空っぽになっています。 胞子のうの周囲には飛び散った胞子がたくさんくっついています(1枚目と2枚目の写真はクリックすると拡大します)。

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 トウゲシバは胞子生殖だけではなく、栄養体生殖も行います。 下の写真は、最初の写真の右端上部の拡大ですが、赤い丸をつけたところが無性芽(むかご)で、これがはずれて地面に落ち、新しい個体になっていきます。

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2008年1月 4日 (金)

アゾラ

 昨日のバンの写真で、水面に紅色のものが浮かんでいますが、それがアゾラです。
 アゾラ(Azolla)は水生シダの仲間で、アカウキクサやオオアカウキクサなどが属する「属」の名称です。 関西にはアカウキクサもオオアカウキクサも分布しています。 しかし写真のものは、そのどちらでもなく、外国産のもののようですので、以下、「アゾラ」で話を進めていきます。

 話は飛びますが、植物が生育するための3大栄養素として、チッソ、リン酸、カリがあり、販売されている肥料には、これらの含まれている割合が書かれていたりします。
 窒素分子(N2)は空気中にたくさんあるのですが、植物が使えるのは硝酸塩やアンモニウム塩などの形で存在する窒素化合物だけで、空気中にある窒素は使えません。
 自然界で空気中の窒素(N2)を植物が利用できる窒素化合物に変わる(これを「窒素固定」と呼んでいます)のは、雷の放電や紫外線で空気中の窒素分子が酸化され、これらが雨水に溶けること以外に、何種類かのバクテリアが窒素固定能力を持っています。
 一部の植物は、この窒素固定能力を持ったバクテリアを共生させることができます。 マメ科の根粒はこのバクテリアの住処であることはよく知られていますが、じつはこのアゾラも窒素固定能力を持ったバクテリアを共生させている植物なのです。
 上記の理由で、アゾラの窒素含量は高く、例えば中国南部やベトナム北部では水稲の緑肥として利用してきました。 日本では稲が小さいときにアゾラが稲の頂部くっつくと光合成が妨げられるであるとか、アゾラが水面をおおうと水温が低下し、稲の生育を遅らせるなどと言われ、雑草扱いされていましたが、アイガモとアゾラを同時に水田に導入し、相乗効果を狙う試みもなされています。
 熱帯魚の飼育などで利用する水生植物にくっついて日本に入り込んだアゾラもあるようです。 このようにアゾラを取り巻く状況は複雑で、農業的に有用なアゾラの導入が図られる一方で、一部のアゾラは「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(特定外来生物法)の特定外来生物に指定されています。
 アゾラはいつも紅色をしているわけではありません。 温かいうちは緑で、紅色は紅葉の色なのです。 下はバンのいた池のアゾラを写したものですが、まだ緑のものも少し混じっています。

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2007年3月17日 (土)

ツクシ(土筆)

Tukusi1 自宅のすぐ近くでツクシを見つけました。
 まだ胞子を飛ばしていないものから、既に胞子を飛ばし終えたものまで、いろんな状態のものがありました。
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 上のツクシは、既に胞子を飛ばし終えています。胞子の入っていた白い胞子嚢がよく目立ちます。 これを輪切りにして、裏返して撮ったのが、下の写真です。 胞子嚢の中は、もうカラッポ。
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 ツクシの胞子を、大きさが分かるように10円硬貨にふりかけて、撮ってみました。 Tukusi_housi
 緑色の胞子に、弾糸と呼ばれる4本の細い糸状のものがついています。 この弾糸は乾燥すると広がり、風に乗って胞子が遠くまで飛ぶことを助けます。 そして湿ると、緑色の胞子に巻きつきます。 たくさんの胞子が絡まったものに息をかけると、モコモコっと変化するのが肉眼でも分かりますよ。

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