カテゴリー「ゴール」の3件の記事

2011年11月10日 (木)

ヨモギハシロケタマフシ

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 ヨモギの葉に、白く丸い虫こぶ(虫えい)ができていました。 この虫こぶはヨモギハシロケタマフシと呼ばれています。 漢字で書くと「蓬葉白毛玉附子」でしょう。

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 これまでこのブログでも何種類かの虫こぶを取り上げてきました。 虫こぶは、虫が植物に物質による刺激を与えることで、植物の組織を異常生長させて作った、幼虫の“食事つき住居”です。
 虫こぶを作らせる虫たちは様々です。 このブログでこれまでに取り上げたものでも、エノキの葉にエノキトガリタマフシを作らせたのはハエ(エノキトガリタマバエ)でしたし、クヌギの葉のクヌギハケツボタマフシはハチ(クヌギハケツボタマバチ)によるものでした。 また、イスノキの葉のイスノキハタマフシはアブラムシの1種によるものでした。
 虫こぶは、この他にもダニ類などによっても作られますし、線虫類や菌類、細菌によっても作られます。 こうなると「虫こぶ」と呼ぶのは不適当な場合もあり、まとめて「ゴール」と呼ばれたりします。

 ヨモギは、比較的虫こぶができやすい植物のようで、何種類もの虫こぶを発見することができます。 このヨモギハシロケタマフシは、ヨモギシロケフシタマバエによって作られます。 中を割ってみると、このタマバエの幼虫がいました(下の写真)。

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 虫こぶを作るタマバエの仲間には、成虫の口器が退化しているものが多く、成虫になってからの寿命は短いようです。

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2007年12月11日 (火)

クヌギハケツボタマフシ

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 写真の毛の生えた丸いものがクヌギハケツボタマフシという、クヌギの葉の上にできた直径数mmの虫えい(=虫こぶ)です。 この虫えいは、クヌギハケツボタマバチによって作られ、中にいる幼虫の住み家と餌を提供する場所になっています。
 さて、その横にいる小さなハチです。 カメラを近づけたりしているうちに少し離れましたが、最初は虫えいの上にいました。
 このハチは何者でしょうか? タマバチのようには見えません。 写真のハチは、クヌギハケツボタマバチの幼虫に寄生しようと卵を産みに来たハチではないでしょうか。

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2007年5月22日 (火)

エノキトガリタマフシ

Enokitogaritamafusi

 エノキの葉にトンガリボウシ。 エノキトガリタマフシといいます。
 じつはこれ、虫えい(=虫こぶ)で、中を割ってみると、幼虫が元気に動いていました。 エノキトガリタマバエの幼虫です(下の写真:H19.5.12.堺市のフォレストガーデンで撮影)。
 エノキトガリタマバエは、エノキの新葉が展開する時期に合わせて羽化し、エノキの葉に産卵します。 産卵の刺激を受けたエノキの葉の組織は、幼虫を包み込むように肥大し、幼虫はその中で、安全な住居と餌とを保障されて育ちます。
 間もなく、この虫こぶは落下します。 そしてその中でサナギとなったエノキトガリタマバエは次の年の春まで休眠するのです。

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 先ほど「安全な住居」と書きましたが、葉についた“トンガリボウシ”は鳥に食べられることもあるようです。 中においしい餌の入っていることを学習した鳥たちにとっては、かえって目立つ逃げない餌ですものね・・・。 早々と落ちてしまうのは、鳥たちから逃れることにも役立っているのでしょう。

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