カテゴリー「木1 常緑樹」の22件の記事

2009年10月25日 (日)

ルリミノキ

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 ルリミノキは林下に生えるアカネ科の常緑低木です。 分布は静岡県以西から四国、九州、琉球列島、台湾、中国南部の暖帯から亜熱帯へと続きます。
 アカネ科そのものが熱帯に多い植物ですが、ルリミノキの仲間も主にアジア熱帯に分布しています。 こちらでは西表島で見たマルバルリミノキを記事にしています。
 ルリミノキは5~6月に白い花を咲かせ、果実は光沢のある美しい瑠璃色に染まっていきます。

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 この記事の写真は、10月18日に大阪府の南部にある槇尾山の薄暗い植林下で撮ったもので、ここにはたくさんのルリミノキが生えていました。 高さは人の背丈前後で、ルリミノキはこれくらいの高さにしかなりません。 まだ色づいていない実も多く、もう少しすると、もっと美しくなるのでしょうね。

 

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2009年7月11日 (土)

コケモモ

 コケモモはツツジ科スノキ属( Vaccinium属 )に分類されていて、本州の中部以北や四国の高山に分布します。 樹の下などの日陰で湿度が高い所を好み、多くのツツジ科と同様、酸性土壌を好み、やせた土地でも育つことができます。
 自生地での花期は6~8月ですが、六甲高山植物園(6月14日)では既に花は終わり、実ができていました。

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 スノキ属( Vaccinium属 )の植物には、スノキ、カクミノスノキをはじめ、その多くの果実が食用になります。 世界的に見ても、ブルーベリー、ビルベリー、ハックルベリーなどは、全てスノキ属です。
 コケモモの果実も、北欧などではよく利用されていますが、酸味が強いため、多くは砂糖などで甘みを加え、ジャム、コンポート、ジュース、シロップなどに加工して利用されます。

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2009年4月29日 (水)

クロバイ

 26日、人を迎えに車で関西国際空港へ。 阪和自動車道から見える山の斜面に、黒っぽい葉にいちめんに白い花をつけた木が点々とありました(下の写真)。 きっとクロバイでしょう。

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 下は家の近くの林で2年前の今日(29日)に撮ったクロバイです。 葉の色が濃いうえに葉の量も多く、樹冠の下はたいへん暗くなっています。

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 クロバイはハイノキ科に分類されています。 関東地方以西に生育する常緑高木で、比較的乾燥した場所に生育しています。
 クロバイの名は、枝葉を焼き、その灰を染色の媒染剤として利用することによります。 同様の使い方をするハイノキに比較して、葉の色が濃いところからの名前です。
 花の径は8mmほど。 総状花序は前年枝の上部の葉腋に出て、たくさんの花をつけますので、なかなか見事です。

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2009年3月 2日 (月)

ヤドリギ ②

(「ヤドリギ ①」からの続きです)
 ヤドリギは半寄生植物で、他の木から養分を奪うとともに、高い光合成に有利な場所で自身も光合成を行うというと、ずるい生き方をしているようですが、ヤドリギにも“悩み”はあります。 それは、他の木の上に種子がくっつかなくてはならないことです。
 他の木の上に種子を運んでもらうには、鳥に頼らなければならないのですが、それでも他の木の上で、鳥がヤドリギの種子が入った糞をしてくれるのは確率的には低いことです。 また、ヤドリギの種子がうまく枝にくっついたとしても、その枝が細すぎると、他の枝の成長のために落枝したり、ヤドリギの成長に耐え切れずに落枝してしまう可能性もあります。 ですから、ヤドリギはたくさんの果実を作ります。
 果実は淡黄色で、葉の色とそんなに変わらず、目立ちにくいのですが、たくさんの果実をつけて鳥の“常連さん”に餌のある場所を覚えてもらって何度も通ってもらうためには、“一見(いちげん)さん”を呼び寄せる派手な“広告”は不要なのでしょう。
 下はヤドリギを望遠で写したもので、あちこち淡黄色で丸い果実が写っています(写真はクリックで拡大します)。 写真には果実を食べに来たヒレンジャクという鳥も写っています。 じつはこのヤドリギには、この1週間ほどたくさんのヒレンジャクが通い詰めているのですが、まだまだたくさんの果実が残っています。

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 ヤドリギが他の木の上で生育するための問題点その2です。 鳥がヤドリギの種子を含んだ糞を木の上でしてくれても、その種子が木の上にくっつかなくては意味がありません。 また、ヤドリギの種子から根が出てその根を木の枝に食い込ませるためには時間がかかります。 その間、ヤドリギの種子は、ずっと同じ場所にくっついていなければなりません。
 下の写真はヒレンジャクが糞をしているところです。 ヤドリギの果実では、種子の周囲をヌルヌル・ベタベタした粘液の層が取り囲んでいる(注)のですが、この粘液がほとんど消化されないで、そのまま排出されているようです。 種子も消化されずにそのまま出てきているようです。

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 鳥から排出されたヤドリギの種子は、この粘液によって、木の枝にくっつくことができます。 そしてこの粘液は、時間とともに乾燥し、ヤドリギの種子を木の枝に密着させ、固定させるのです。

(注):3月7日追記
 ヤドリギの果実の果肉は、次の3つの部分に区別できそうです。 つまり、① 枝などにくっついてぶらさがるのに役立つ部分(Viscin組織)、② 種子が枝にくっつくのに役立つ、種子の周囲にある粘着質部分、③ 通常の果肉部分(食べた鳥の栄養分となる部分) です。 なかなかさんのHPの「ヤドリギの果実」には、そのあたりのことが、よく分かる写真とともに、詳しく書かれています。

【関連項目】
 ヤナギバルイラソウの種子の周囲の粘液物質

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2009年3月 1日 (日)

ヤドリギ ①

 昨年('08年)は源氏物語千年紀ということで、様々な記念イベントが催されました。 その源氏物語ゆかりの地で「源氏物語ミュージアム」などのある宇治に行って来ました。
 ミュージアムから宇治十帖モニュメントを見ながら朝霧橋を渡り「中の島」を経て橘橋から平等院と宇治川との間にある「あじろぎの道」などを散策。 宇治川には、キンクロハジロ、ホシハジロ、マガモ、カルガモやカワウなど、岸にはシメやハクセキレイなどの姿が見られました。 そして、この付近の木には、たくさんのヤドリギもくっついていました(下の写真)。

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 上の写真はソメイヨシノについたヤドリギですが、ケヤキなどにもたくさんついていました。
 ヤドリギは万葉の古名では「ほよ」。 生命力の強い木とされ、挿頭にすると長寿になると伝えられていたようです。

   あしひきの 山の木末の ほよ取りて かざしつらくは 千年寿くとぞ
                                   (万葉集巻18-4136)

 たしかに冬に葉を落とした落葉樹の、ヤドリギのついている部分だけが青々と茂る様子は、生命力がその部分だけに集中した印象を与えます。

※ 「源氏物語」五十四帖のうちの第49帖も「宿木(やどりぎ)」ですが、こちらの宿木は、他の木にくっついてよじのぼるツタの異名と、「宿りき(かつて宿った)」の掛詞からきています。

 ヤドリギは半寄生植物で、樹上に付いた種子から出た根が枝に入り込み、寄生している木から養分を吸収するとともに、自身も葉を広げて光合成を行い、成長するにつれて枝をあらゆる方向に伸ばし、球形に繁茂します。
 「ヤドリギ」の名前は、上記のように「他の木に宿る」という意味の他に、古代の人にとっては、「神の宿る木」としての意味もあったようです。 落葉した林の中で葉を落とさないところがある、これはきっとあの球形の葉のかたまりの中に神様がおられて、自分の姿を隠すためにそこだけ葉を落とさないようにしておられるからに違いない、と、考えたのでしょう。 新酒ができたときに吊るす杉玉も、本来はヤドリギであったものが、ヤドリギは乾燥すると葉がポロポロと落ちてしまうので、常緑の針葉樹で代用したのだと聞いたことがあります。

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(ヤドリギ ② に続く)

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2008年12月 4日 (木)

ヒイラギ

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 ヒイラギの花が咲いていました。 キンモクセイなどと同じモクセイ科の植物で、花のつくりもよく似ています。
 クリスマスが近づくとヒイラギの苗木が売られたりしていますが、クリスマスに使うヒイラギは本来まったく別の植物のヒイラギモチなどであることは昨年書きました。
 クリスマスには関係なくても、日本でもヒイラギは昔から魔除けによく使われていました。 特に家の表鬼門(北東)にはヒイラギが植えられていました。 葉の鋭いトゲで鬼が侵入して来れないのでしょうか。
 しかし木が老化したり、古い枝では、この葉の鋭いトゲは無くなり、全縁の葉になってしまいます。 下の写真では、左の葉には鋭いトゲがありますが、右上の葉は全縁です。

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 人間も歳をとると、ヒイラギのように円くなりたいものです。

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2008年11月29日 (土)

シリブカガシ

 シリブカガシのどんぐりがたくさん落ちていました。 私の住むあたりでは、11月の中旬くらいが落果のピークのような気がします。
 シリブカガシは近畿地方以南の太平洋側に分布しますが、分布場所は限られていて、特に近畿地方での分布は少なくなっています。 でも、私の住む付近では、シリブカガシ林が大阪府の天然記念物になっている美多彌(みたみ)神社をはじめとして点々と分布していて、「堺自然ふれあいの森」にもたくさんのシリブカガシがあります。 下はシリブカガシの株立ちの様子を春に写したものですが、手前の2本の幹はコナラで、手前に写っている葉もコナラの葉です。
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 カシといっても、なじみの深いアラカシ、シラカシ、ウラジロガシや、落葉性のクヌギやコナラなどとは属が違います。 後者はすべて Quercus 属(コナラ属)であるのに対し、シリブカガシは Lithocarpus 属(マテバシイ属)に分類されます。
 属が異なるということで、見慣れているカシの仲間とは、いろいろなところで違ってきます。 まず花は、春ではなく、9月の終わりから10月にかけてです。 そしてドングリが熟すのは、翌年の秋です。
 ドングリのつき方も、アラカシなどの見慣れたカシ類の、短い枝に数個のドングリがつく様子とは異なります。 雌花は長い花序につき、それがドングリになりますので、下の写真のように、枝にたくさんのドングリが並んでついたようになります。 枝には受粉できずに成長しなかった小さなドングリもたくさんついています。

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 シリブカガシのドングリの底部の、殻斗(=お椀)にくっついていた部分は凹んでいます。 これが「シリブカ」の名前の由来になっているのですが、ドングリを見分けるいいポイントです。
 Lithocarpus 属(マテバシイ属)のドングリは、シリブカガシもマテバシイも、生でも食べることができます。 渋みはほとんどありません。 でも、軽く炒ると、甘みが増して、一層美味しくなります。

 ドングリが大好きで私もお会いしたことのあるMさんが、「すばらしいドングリの世界」というHPを作成されました。 いろんなドングリがいっぱいです。 もちろんシリブカガシも載っています。 どんぐりの分類や各部の名称についてもまとめられています。

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2008年11月 2日 (日)

Leucadendron②

 この記事は昨日の続きです。 最初にこの記事を目にされた方は、昨日の記事からお読みください。

 断面を作っているうちに、どんどん“マッチ棒の頭”が花粉まみれに変化していきます。 断面を作るために触れたり乾燥していくためでしょう。
 下は断面の一部の拡大です。 “マッチ棒”の根元には白い毛が密生していて、その毛に守られるように子房らしきものが並んでいます。 そして、このように拡大すると、“マッチ棒”に2種類あるのが分かります。 “マッチ棒の軸”が太いものと細いものがあります。 花粉がついている方は“マッチ棒の軸”が細く、その“軸”の周辺がゴチャゴチャしていて、“マッチ棒の頭”の大きさも、一回り小さいようです。

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 この2種類の“マッチ棒”の関係を推測し、その証拠となる状態を撮ろうと探すと・・・ ありました。 それが下の写真です。

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 上の写真、「1」は太い“マッチ棒”ですが、裂け目が入っています。 この裂け目から裂けてできた4個の裂片が「3」、4個の「3」に囲まれて、その中心にあったのが「2」です。 「2」に寄り添っている2つの「3」は、その後ろにある“太いマッチ棒”が邪魔をしていて反り返れないのでしょう。
 「2」は、花の中心部にあったのですから、メシベの柱頭でしょう。
 反り返っている2つの「3」を見ると、2種類のものが重なっています。 内側にあったものは花粉を出しているので、オシベでしょう。 ですから、その外側にあるのは花弁かガクということになりますが、これは「1」のような状態の時にはずっと外側にあって内部を守っていたわけですから、ガクと考えるべきでしょう。 それに、もしも花弁なら、多くの場合はオシベと互生するはずです。 つまりこの花では、花弁は退化して無くなっているのでしょう。
 下に1つの花を取り出したものを載せておきます。

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 さて、花のつくりが分かったところで、この花の名前です。 このような花のつくりは、ヤマモガシ科のものです。 でも、本でもネットでもヤマモガシ科をいろいろ調べたのですが、分かりませんでした。 似た形態のものとして、Leucadendron属の植物があるのですが、この属は雌雄異株だと書かれています。 上で書いたとおり、この花は立派な柱頭を持っていますし、花粉もたくさん出しています。
 写真などから見ると、ルーカデンドロン・ガンダースノーやルーカデンドロン・ディスカラーなどが近いように見えるのですが、上に書いた理由でルーカデンドロン(またはレウカデンドロン)かどうかも疑問です。 この仲間は園芸的に注目され、かけあわせによって多くの園芸品種も作られているようですので、とりあえずこの記事のタイトルは「Leucadendron」としておきました。 
 種名がわからないのは残念ですが、ヤマモガシ科の花のつくりの面白さはお伝えできたでしょうか?

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2008年11月 1日 (土)

Leucadendron①

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 花屋さんの切花セットの中に、上のような花がありました。 黄色い花弁のようなものに囲まれて、マッチ棒の頭のようなものがぎっしり並んでいます。 わけのわからない花を見ると、そのつくりを調べてみたくなるのが、自称「花の解剖マニア」の私です。
 まず、花弁のようなものは、葉から連続していて色が違うだけなので、これは苞だと分かります。 では、ガクは? 花弁は? オシベは? メシベは? “マッチ棒の頭”は、いったい何?
 “マッチ棒の頭”をよく見ると、下の方で少し様子が違っていて、花粉まみれになっているようです(下の写真)。 “マッチ棒の頭”はオシベ? でも割れ目のはいっている“マッチ棒の頭”もあります。

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 訳が分からないので、断面を作ってみることにしました。 そして、断面を作りはじめてすぐに確信しました。 これは1つの花ではない!
 断面を作ろうとナイフを入れ始めましたが、とても硬いのです。 木片を切っているようで、ナイフでは刃が立ちません。 花がこんなに硬いはずは無く、きっと枝の周辺にたくさんの花がついている構造に違いありません。
 ナイフを大型のキッチンバサミに持ち替えて、ようやく作った断面が、下の写真です。 酸化されやすいのか、作ったばかりの断面は緑色をしているのですが、すぐに褐色になってしまいました。

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 この写真から、どんなことが読み取れるでしょうか。 “マッチ棒”の正体は? この続きは明日の記事で・・・

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2008年8月26日 (火)

ノリウツギ

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 写真は神戸市立森林植物園で写したノリウツギです。 写真で見てのとおり、アジサイの仲間(ユキノシタ科アジサイ属)です。 ほとんどの花は、5枚の花弁と10本の雄しべを持つ小さな両性花ですが、周辺に点々と、大きな花弁状に変化したガク片を持つ装飾花をつけます。
 ノリウツギの生育立地は多様です。 とにかく十分な光さえあれば、乾燥した痩せ地では地面を這い、高層湿原の泥炭上にも出現します。

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 和名は、樹液を和紙をすく際の糊に利用したことによります。
 現在普通に使われている機械紙は、製造過程で様々な薬品を使うため、残留した薬品の影響で紙が劣化してきます。 それに対し、和紙は1000年以上前の紙が残っています。
 和紙はコウゾ、ミツマタ、ガンピなどの繊維を絡めて作られます。 コウゾはほとんどの和紙の主原料です。 ミツマタは紙幣や証券用紙に、ガンピは日本画や版画用紙などに使われます。 このときにこれらの繊維をまとめる糊分が必要となり、コウゾ、ミツマタにはノリウツギやトロロアオイが、ガンピにはノリウツギが使われます。
 ノリウツギの皮をはいで叩くと、ねばねばしたのり状のものが出て来ます。それを和紙の材料に混ぜて漉きます。 細い枝の樹皮を剥いで触ってみても、糊状の成分のためでしょう、ツルツルしていました。

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2008年8月24日 (日)

カルーナ

 E・ブロンテの小説「嵐が丘」の舞台ヒースの丘、ヒースは本来はイギリス北部やアイルランドなどの荒れ地のことですが、過放牧が原因とも考えられるヨーロッパのあちこちに広がる痩せた土地もヒースと呼ばれています。
 ヒースに生えることのできる植物は限られていて、主に生えているのは、ツツジ科のエリカ属やカルーナ属の植物です。 エリカ属の植物は何種類かありますが、カルーナは1属1種です。 どちらも乾燥に耐えることのできる小さな葉をつけますが、カルーナは葉が十字対生することやガクが花冠よりも長いことにより、エリカ属と区分することができます。
 カルーナはヨーロッパと北アフリカに分布する常緑低木ですが、様々な園芸品種が作られていて、園芸的には世界中に広がっています。
 六甲高山植物園にも園芸的に改良されたカルーナが植えられていて、葉の色も緑色、黄色、赤色など様々です。 下の写真は'08年4月3日に撮影したものですが、新しい葉が色鮮やかです。 後ろの赤いのもカルーナです。

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 そのカルーナが花の時期を迎えていました。 花の色も白色から深紅色まであります。 下は白い花のカルーナで、ガクも花冠も白ですが、上に書いたようにガクが花冠より長くなっています。

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 昨日は別の記事を入れましたが、六甲高山植物園と神戸市立森林植物園で見た植物や虫たちのシリーズを、もう数回続けたいと思います。 植物園の植物を紹介するのではなく、植物園を利用して、いろんな植物や虫たちを紹介したいと思います。
 このブログは身近な動物や植物を紹介していますが、植物園を利用すると、いろんな植物なども身近に観察することができます。 自然の中での生き様とは少し違うかもしれませんが・・・

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2008年8月20日 (水)

シラタマノキ

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 シラタマノキは本州中部以北の亜高山帯以上の草地等に生えるツツジ科の常緑小低木です。 多くのツツジ科の植物がそうであるように、比較的乾燥した場所に生えます。
 自生地でドウダンツツジのような釣鐘型の花を見ることができるのは7~8月なのですが、標高の低いここ六甲高山植物園では、もう実になっていました。
 実の大きさは1cmたらず。 「実」と言っても本当の果実ではなく、ガクが肥大して果実を覆ったものです。 ちょうど花が終わったばかりの時期でしたので、ガクが肥大していく様子がよく分かります(下の写真)。
 この肥大したガクを潰すとサリチル酸のにおいがするのですが、植物園でそれを確認するのはちょっと・・・。

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 昨日に続いてのツツジ科でしたが、同じツツジ科といってもいろいろです。

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2008年4月30日 (水)

モチツツジ

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 モチツツジの花の美しい季節になりました。
 モチツツジは、花は美しいのですが、ガクや新しい葉を指で触れると、その名のとおり、ベタベタとくっつきます。 下はその粘液を出している腺毛を拡大したものです。

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 このネバネバは、花の後ろから穴をあけて蜜を盗もうとする虫や、新しく柔かい葉を食べようとする虫たちに対する防御なのでしょうが、そうでないような虫たちもたくさん犠牲になっています(下の写真:ガクにくっついた虫たち)。 まるで食虫植物です。

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 でも一方で、このネバネバをものともせず、モチツツジの上を動き回る虫たちもいます。 '07年7月28日には、ヒメクロオトシブミのモチツツジでの揺籃づくりについて書きました。 今月26日にもモチツツジで揺籃づくりに励むヒメクロオトシブミをあちこちで観察しました。
 他にもモチツツジの上で活動する虫たちもいろいろいます。 アカマキバサシガメについてはこちらでどうぞ。

clip(関連記事)モチツツジの花と紅葉

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2008年3月19日 (水)

ヒイラギナンテンの花

 ヒイラギナンテンの花のオシベは、おもしろい動きをします。

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 ヒイラギナンテンは、中国南部、台湾、ヒマラヤの原産で、17世紀末に渡来したといわれています。 メギ科の常緑低木で、庭や公園などでよく栽培されていて、3~4月に総状花序に黄色い花をつけます。
 花のつくりは、黄色いガクが外側から内側に向かって次第に大きくなりながら9枚あり、その内側に、やはり黄色で先が浅裂している花弁が6枚、その花弁にくっつくように、オシベが6本あります(下の写真)。

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 虫が来てこの花の中に入ると、花弁にくっついていたオシベが内側に動き、昆虫の体に花粉をつけるように動きます。 下の写真は、6本のオシベのうちの4本が写っていて、そのうちの下の2本が動いてメシベに近づいています。

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 そして、下の写真は6本のオシベ全てがメシベに近づいたところ。 虫に代わって、私が細い棒でオシベの根元をつついて動かしました。

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 オシベの動きは、07年8月11日に記事にしたコマツナギや9月23日のアレチヌスビトハギのように急ではありませんが、春の光の下で花と戯れてみました。 もちろん本来は、虫の体に花粉をつけて、虫に花粉を運んでもらおうとする動きです。

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2008年1月13日 (日)

トベラ

 トベラの赤い種子がまだ残っています。 この赤い種子は、写真のようにネバネバした粘着質に包まれていますが、このネバネバ物質はどんな働きをしているのでしょうか? 鳥にとっておいしい味がするのでしょうか? それとも鳥にくっついて運ばれることもあるのでしょうか?
 トベラは雌雄異株ですので、この赤い種子は雌株でしか見ることができません。

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 トベラは海岸の崖などに自生する常緑低木で、潮風にさらされることから乾燥に強く(潮は水を奪います)、その性質を利用して、道路の緑化帯などに広く植栽されています。
 トベラには、少し臭気があります。 『日本原色植物図鑑(木本編Ⅱ)』には、「節分に扉に枝をはさみ疫鬼をさけるので扉の木という。」とありますが、この悪臭を魔除けにしたのでしょうね。 この悪臭は、燃やすときつくなるようです。
 トベラはトベラ科に分類されますが、トベラ科は東南アジア、オーストラリア、アフリカなどの主に熱帯に分布します。

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2008年1月 1日 (火)

トウネズミモチ

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 お正月といえばお餅。 子(ね)年のお餅とくればネズミモチですね。
 ネズミモチの名は、葉がモチノキに似ていて、果実がネズミの糞(お正月からスミマセン)に似ているところからきています。 暖地に自生していて公園などにも植えられていますが、イボタロウカイガラムシがつきますので、公園などには、ネズミモチによく似た中国原産のトウネズミモチの方がよく植えられています。 トウネズミモチは大気汚染にも強く、木を害する昆虫もほとんどいません。
 両者の違いは、果実がどちらも楕円形ですが、トウネズミモチの方が球形に近いこと、トウネズミモチの葉脈の方が透けて見えることなどが挙げられます。
 下の写真は大蓮公園で写したトウネズミモチ。 冬のこの時期でもたくさんの果実をつけています。

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2007年12月25日 (火)

ヒイラギモチ

(クリスマス特集 その2 です)
 クリスマス・リースには、救いのためにキリストが流した血を意味するヒイラギの赤い実を添えます。 が、日本のヒイラギの実は黒く、初夏にできます。
 では、この“ヒイラギの赤い実”とは何でしょう。
 じつはこの“ヒイラギ”は、Holly [ha'li] という植物で、日本名ではセイヨウヒイラギと呼ばれています。
※ 賛美歌109番「 Silent Night 」で
    Silent night, holy night  All is calm, all is bright ・・・
 と歌われているのは holy [ho'uli] で、「神聖な」と言う意味。 エルが1つか2つかでエラい違いです。 私も最初は間違っていました (^_^;)
 日本在来のヒイラギとセイヨウヒイラギやアメリカヒイラギは全く別の植物で、前者はモクセイ科に、後者はモチノキ科に分類されます。
 セイヨウヒイラギやアメリカヒイラギに近縁のもので、ヒイラギモチ(=シナヒイラギ)と言う植物があり(下の写真)、こちらは最近よく販売されるようになってきました。

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※ もう少し詳しい記事はこちらでどうぞ

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2007年12月24日 (月)

ドイツトウヒ

Merry Christmas!

 クリスマスと言えばクリスマス・ツリー。 クリスマス・ツリーには、強い生命力の象徴として、冬の間も緑を保つ常緑樹が使われます。
 日本でまっすぐ伸びる常緑樹といえば、大きな庭の庭木などにも使われるモミの木です。 ヨーロッパにもヨーロッパモミ( Abies firma )があり、クリスマス・ツリーとしても使われます。

 「樅の木」(原曲は Traditional German Carol である「 O Tannenbaum 」)

   樅(もみ)の木 樅の木 生(お)いや茂れる
   木蔭(こかげ)をさまよい 語りし思い出
   樅の木 樅の木 いなまお恋し

   乙女よ 乙女よ 汝(なれ)はいずこよ
   木蔭をさまよい 誓いし幸(さち)の日
   乙女よ 乙女よ いずこに行(ゆ)きし

   MIDIは「ぶれすおーる」さんからいただきました。

 ところが、日本でクリスマス・ツリー用に販売されている木は、そのほとんどがドイツトウヒです。 モミよりも葉が混んでいるので、小型のクリスマス・ツリーには良いでしょうし、栽培も容易なのかもしれません。 ヨーロッパでも、ドイツトウヒもクリスマス・ツリーに使われるそうです。
 日本のトウヒの仲間はもう少し寒いところに育ち、近畿の平野部などでは自生は見られませんが、ドイツトウヒは公園などにも植えられ、よく育っています。
 モミの仲間とトウヒの仲間とは、同じマツ科ですが、全く違う木で、モミの仲間の球果は上向きですが、トウヒの仲間の球果は下向きです。

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   ドイツトウヒ H19.11.25. 河内長野市寺ヶ池公園にて

 もう少し詳しいモミやトウヒの見分け方などは、こちらをご覧ください。

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2007年12月20日 (木)

モチツツジの花と紅葉

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 モチツツジの花は多くは4月から6月にかけて、長期間ダラダラと咲きますが、それ以外の時期でもわずかながら、花を見ることができます。 写真の株では、12月だというのに、花をつけていました。
 花とともに、紅葉も進行していました。 紅葉は全ての葉で起こるわけではありませんが、日当たりのいい葉の方が美しく紅葉する傾向があります。
 モチツツジは落葉しますが、芽の付近の葉は落葉せずに残ります。 このような性質を「半落葉」といいますが、花といい、葉といい、中途半端な木です。

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2007年12月17日 (月)

サザンカとツバキ②

 サザンカとツバキの違いについて、12月8日のブログで、この2種を区別する決め手は、花のメシベの子房の毛の有無だと書きました。
 サザンカの花は今が盛りですが、白いツバキの花も咲き始めていましたので、この2種の子房の様子を改めて写真で紹介します。
 まず、サザンカです。 下の写真、子房の部分は白い毛でびっしり覆われています。

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 下は白いツバキです。 オシベの根元はくっついていますし、写真では分かりませんが、落花する時は花弁もくっつきあったまま落ちるなど、ツバキの形質を示しています。 でも、ヤブツバキなど野生のツバキの花の色は赤ですから、白い色のツバキにはサザンカの性質も入っているのでしょう。

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 上の写真のメシベの子房を写したのが下の写真です。 サザンカの性質が入っていても、子房の基部の周囲や柱頭には少し毛がありますが、子房には毛がありません。

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 最初の写真と3枚目の写真を比べてみると、サザンカはオシベや花弁だけでなく、メシベの柱頭も分かれる傾向が強く、それに対してツバキの柱頭が分かれるのは先端の部分だけですし、ガクも互いにくっつきあって、残存する期間が長いようです。

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2007年12月 3日 (月)

センペルセコイア

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 上の写真、右がラクウショウ、左がセコイア(=センペルセコイア:Sequoia sempervirens)です。 平成17年11月23日に堺市南区の荒山(こうぜん)公園で撮りました。
 センペルセコイアはアメリカ合衆国西海岸の海岸山脈に自生し、大高木になります。 樹高で世界1位から3位までが、カリフォルニア州レッドウッド国立公園のセンペルセコイアです。 日本では庭園の木や記念樹として栽培されています(私の家の近くの教会にも植えられています)。
 センペルセコイアの名前は、学名をカタカナにしたものです。 スギ科セコイア属に分類され、セコイア属はこの木一種ですので、単にセコイアと言ってもいいわけです。
 ただ、セコイアデンドロン(Sequoiadendron giganteum:世界一体積が大きくなる木で、ジャイアントセコイアとも言われています)も有名で、昔はこの木もセコイア属に入れていたこともあり、こちらとはっきり区別したい場合には、センペルセコイアと言われています。 また、セコイアデンドロンをセコイアオスギというのに対し、センペルセコイアをセコイアメスギとも言います。 また、レッドウッド、アメリカスギなどとも呼ばれます。
 さて、メタセコイアの所で、三木博士は化石植物に対し、このセコイアに似ているということで、メタセコイアと名付けたと書きました。 メタセコイアがセコイアと異なる点としては、セコイアが最初の写真のように常緑であるのに対し、メタセコイアは落葉樹であること(三木博士は化石から落葉樹であることを読み取っていました!)、セコイアの葉は互生(下の写真)であるのに対し、メタセコイアは対生であること等が挙げられます。

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 でも、それなら、なぜ三木博士はメタセコイアを、同じ落葉樹で明治時代から日本に植えられているラクウショウに似ているとして、「メタラクウショウ」とでも名付けなかったのでしょうか。
 じつは球果の形が、メタセコイアとセコイアで、たいへんよく似ています。 もちろんセコイアは葉が互生ですから、球果の鱗片もメタセコイアのように4列に並ぶようなことはありません。 でも、セコイアの球果は、メタセコイアの球果を少しねじったような形です。
 花や種子は子孫を残す大切なもの。 そう易々と変更はできません。 そのような生殖に関係する部分がよく似ているということは、系統的に近い仲間であることを示しています。
 セコイアの球果の写真も撮りたくて、荒山公園のセコイアで探したのですが、見つかりませんでした。 樹高はかなり高くなっていますが、これでも若い木で球果をまだ付けないのか、高い所にだけつけて見つけられないのかは不明です。

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2007年4月15日 (日)

タブノキの花

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 タブノキの花が咲き始めました。 少し例年より早いようです。
 径1cmに満たない小さな花ですが、オシベの葯が4室に分かれ、そのそれぞれに弁がついているなど、細かいつくりに感動します。
 詳しくは私のホームページでどうぞ。

※ 昨日・今日と、たくさんの写真を撮ることができました。 今週いっぱいかけて、目標1日1記事、できるだけたくさん紹介していきたいと思います。

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