昨年('08年)は源氏物語千年紀ということで、様々な記念イベントが催されました。 その源氏物語ゆかりの地で「源氏物語ミュージアム」などのある宇治に行って来ました。
ミュージアムから宇治十帖モニュメントを見ながら朝霧橋を渡り「中の島」を経て橘橋から平等院と宇治川との間にある「あじろぎの道」などを散策。 宇治川には、キンクロハジロ、ホシハジロ、マガモ、カルガモやカワウなど、岸にはシメやハクセキレイなどの姿が見られました。 そして、この付近の木には、たくさんのヤドリギもくっついていました(下の写真)。
上の写真はソメイヨシノについたヤドリギですが、ケヤキなどにもたくさんついていました。
ヤドリギは万葉の古名では「ほよ」。 生命力の強い木とされ、挿頭にすると長寿になると伝えられていたようです。
あしひきの 山の木末の ほよ取りて かざしつらくは 千年寿くとぞ
(万葉集巻18-4136)
たしかに冬に葉を落とした落葉樹の、ヤドリギのついている部分だけが青々と茂る様子は、生命力がその部分だけに集中した印象を与えます。
※ 「源氏物語」五十四帖のうちの第49帖も「宿木(やどりぎ)」ですが、こちらの宿木は、他の木にくっついてよじのぼるツタの異名と、「宿りき(かつて宿った)」の掛詞からきています。
ヤドリギは半寄生植物で、樹上に付いた種子から出た根が枝に入り込み、寄生している木から養分を吸収するとともに、自身も葉を広げて光合成を行い、成長するにつれて枝をあらゆる方向に伸ばし、球形に繁茂します。
「ヤドリギ」の名前は、上記のように「他の木に宿る」という意味の他に、古代の人にとっては、「神の宿る木」としての意味もあったようです。 落葉した林の中で葉を落とさないところがある、これはきっとあの球形の葉のかたまりの中に神様がおられて、自分の姿を隠すためにそこだけ葉を落とさないようにしておられるからに違いない、と、考えたのでしょう。 新酒ができたときに吊るす杉玉も、本来はヤドリギであったものが、ヤドリギは乾燥すると葉がポロポロと落ちてしまうので、常緑の針葉樹で代用したのだと聞いたことがあります。
(ヤドリギ ② に続く)
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