カテゴリー「菌類・変形菌等」の25件の記事

2009年10月29日 (木)

オオシロカラカサタケ

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 キノコにも「帰化キノコ」があります。 オオシロカラカサタケも熱帯性のキノコで、1980年頃から見られるようになりました。 自然豊かな野山にではなく、都市部の公園などでよく見られます。 多くのエネルギーを消費している都市部では冬季の最低気温がそんなに低温にならず、菌糸が生き残ることができるようです。 写真は大阪市内で撮ったものですが、ここではこのところ毎年見ることができます。

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 オオシロカラカサタケは、幼菌時は淡褐色の表皮に包まれていますが、生長するとこの表皮が破れ、白い傘の上に片鱗となって散在します。 傘の裏のヒダも白いのですが、胞子が緑色で、ヒダの表面の胞子の色で、老成するとオリーブ褐色になります。 カサも柄もヒダも傷つくと褐色に変色するのも特徴のひとつです。
 下の写真は傘の一部を割いて内部が見えるようにしたのですが、厚いツバが見えます。

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2009年8月24日 (月)

シロオニタケ

 シロオニタケは夏から秋に、里山のコナラ・マツの混生林やシイ・カシ林などに発生するキノコです。
 シロオニタケは昨日記事にしたタマゴタケと同じテングタケ科のキノコですので、両者を比較しながら見ていくことにします。
 球形の幼菌を覆っていた膜は、シロオニタケの場合はもろいもので、キノコが育ってくるにしたがって、はちきれて、尖った錘状のイボになります。
 下の写真の左端の幼菌はまだほぼ球形を保っていますが、傘になる部分が成長をはじめて少し盛り上がりかけている部分では、既にイボ状になりかけています。 中央や右の幼菌では既に傘になる部分がはっきりしていて、イボ状の突起に覆われています。 でも、小首をかしげたような幼菌の姿は、なかなかかわいいものですね(下の写真)。

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 上に書いたように、シロオニタケの幼菌の表面を覆っていた膜は、タマゴタケのような丈夫なものではありませんので、タマゴタケで見られたような「つぼ」としては残りません。 タマゴタケの「つぼ」に相当するものが、シロオニタケではキノコの成長と共にボロボロになり、イボ状になってキノコ全体の表面に分散してしまったと理解すればいいでしょう。
 傘の裏の胞子を作る部分を覆っていた内被膜が傘の成長と共に破れるのはタマゴタケもシロオニタケも同じですが、タマゴタケの場合は傘の縁から内被膜が離れるのに対し、シロオニタケの場合は、条件によってはタマゴタケのようになることもありますが、多くの場合、破れた被膜は、傘の縁にくっついて垂れ下がり(下の写真)、まもなく脱落してしまいます。 つまり、シロオニタケの場合は、タマゴタケで見られたような「つば」も、多くの場合、見ることができません。

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 上の写真からさらに時が経過すると、傘は広がり、水平からやや反り返るまでになります(下の写真)。 テングタケ科のキノコでは、このような傘の姿になるものがほとんどです。
 傘の表面についていた錘状のイボは、雨で流れ落ちたりして少なくなっていきます。 下の写真で柄の根元付近に落ちている膜状のものは、内被膜の一部でしょう。

Siroonitake070716_1

 キノコの場合は、同種であっても、大きさには幅があります。 上の写真のシロオニタケは比較的大きな方で、大きさがわかるように10円玉を置いてみました。

 

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2009年8月23日 (日)

タマゴタケ

 金剛山で、いろんな状態のタマゴタケが並んでいるところに出会いました('09.8.8.)。 たぶん菌糸はつながっているのだと思います。
 これらのタマゴタケの写真を、傘が開いていく順に並べると、次のようになります。

① 保護されていた白い「つぼ」を破って、キノコが伸びてきます。 もっと幼いキノコの段階では、この白い膜でキノコ全体がすっぽり覆われて保護されていたわけです。

Tamagotake090808_1

② 傘が大きくなりながら開くにつれ、傘の裏の胞子をつける部分を保護していた被膜(内被膜)が傘の縁から離れ、垂れ下がって「つば」となります。 下の写真では、傘の右下の部分で、まだ内被膜が傘の縁とくっついていますので、両者の関係が分かり易いでしょう。

Tamagotake090808_2

③ 傘は広がり、水平からやや反り返るまでになります。 柄の表面を覆っていた膜も、柄が伸びるにつれて引き裂かれ、だんだら模様になっています。
 下の写真のキノコは傘が裂けていますので、タマゴタケの傘の肉が白い色であることも、よく分かります。

Tamagotake090808_3

 いわゆるキノコ形をしたキノコは上のような経過で大きくなるのですが、「つぼ」や「つば」がもろく、キノコが少し大きくなるとすぐにその存在すら分らなくなるキノコの種類もたくさんあります。 「つぼ」や「つば」の様子は、キノコを見分けるときの着目点のひとつです。
 タマゴタケはテングタケ科に分類されています。 テングタケ科のキノコには、「つぼ」や「つば」が残るものが多いのですが、そうでないものもあります。 明日は「つぼ」や「つば」がはっきりしないテングタケ科のキノコで比較してみたいと思います。

 テングタケ科のキノコのほとんどは毒キノコです。 猛毒キノコの御三家と云われているドクツルタケ、タマゴテングタケ、シロタマゴテングタケは、全てこのテングタケ科に分類されています。 その中にあって、このタマゴタケは無毒でおいしく、食用にされるキノコです。 色や形などでは食用キノコと毒キノコには分けられませんので、注意が必要です。

clip 9月19日から11月3日まで、大阪市立自然史博物館で、特別展「きのこのヒミツ」が催されます。 副題は「きのこで世界はまわっている」で、生態系の中でのきのこの果たす大切な役割が、わかりやすく解説されるはずです。

 

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2009年8月 3日 (月)

ツヤエリホコリ

 昨日のニホントカゲの3枚目の写真に写っていた黒いツブツブをもう少し拡大したものが、下の写真です。 ツブツブはこの写真よりもかなり広い範囲で見られるのですが、あまり広い範囲を写すと、一つひとつのツブツブが小さくなってしまいますので・・・

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 じつはこのツブツブ、さらに拡大したのが下の写真ですが、粘菌(真正粘菌)の仲間の「子嚢(しのう)体」です(以下、「嚢」はひらがな書きにします)。 種類はたぶんツヤエリホコリだと思います。

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 横から見ると、柄があります。 光沢のあるものと無いものが見えますが、子のう壁(子のう表面の膜)に光沢があり、光沢の無いものは、この膜が破れ、これから子のう胞子を飛散させようという状態です。

Tuyaerihokori090725_1

 粘菌(真正粘菌)についての記載はムラサキホコリの記事に書きましたので、ここでは重複を避けることにします。
 ツヤエリホコリは、春~秋、特に夏の初めによく見られる粘菌です。 変形体は倒木の内部で生活をしていて、この時期に倒木の表面に出てきて子のう体を形成します。
 写真のツヤエリホコリは、切られた丸太が立てかけられたままで腐った表面に子のう体を形成していました。 2枚目の写真がよく分かると思いますが、子のう体を形成している場所は、いずれも倒木の内部から這い出てきた割れ目や窪みのすぐ傍です。

 ツヤエリホコリのすぐ側には下のような子のう体もありました。 こちらはコムラサキホコリの仲間でしょうか。

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2009年8月 1日 (土)

ツネノチャダイゴケの幼菌

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 上は、キノコの一種、ツネノチャダイゴケの幼菌です('09.7.25. 金剛山にて撮影)。 1円玉はメジャーの代りに置きました。
 この幼菌が熟すると、表隔膜が裂開し、こちらに載せたようなコップ形に“変身”します。
 近くには、表隔膜が裂開して小塊粒も出てしまった空の“コップ”もありました(下の写真)。

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shine

(以下、8月9日追記)
 下は、上の最初の写真と同じ場所の、ちょうど14日後の写真です。 2週間後、新しい幼菌は急速に大きくなっていますが、小塊粒の完成までには時間がかかるようです。

Tsunenochadaigoke090808_1

 

 

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2008年11月28日 (金)

スッポンタケ

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 スッポンタケは梅雨のころから秋まで、湿ったところで見られるキノコです。 名前はもちろんスッポンが首を伸ばしたところに似ているから。 珍しくはないのですが、柔らかくて寿命が短いので、なかなかいい姿の時に出会えません。 写真は「堺自然ふれあいの森」で見かけたものですが、傾いてしまっています。
 スッポンタケは腹菌類に分類されます。 腹菌類は、ホコリタケのように“腹の中”つまりキノコの内部で胞子が作られるのですが、スッポンタケなどはなぜ腹菌類なのか? これを理解しやすくするために、私の頭の中にあるイメージを図にしたのが下です。

Fukkin

 つまり、スッポンタケなどでは、袋状の中で胞子が作られるのですが、その胞子をハエなどに運んでもらいやすくするために、表面に胞子をつけた部分(傘)が、「托」と呼ばれる部分によって押し上げられるのです。
 ホコリタケなどでも、若い時(図の①)には胞子の作られる部分(図の褐色の部分)はドロドロですが、スッポンタケなどではそれがドロドロのままで傘に張付いて持ち上げられるわけです。 この部分を「グレバ」と呼んでいて、ハエを呼び寄せ、ハエの体にグレバをつけて胞子を運んでもらうわけです。
 グレバはハエの好きなにおい、つまり人にはくさくてたまらないにおい(なかにはこのにおいが好きだという人もいますが・・・)がします。 でも、このグレバを洗い流し、根元のツボを取り除いて湯がき、水に晒すか乾燥させて、天ぷら、煮つけ、澄まし汁に入れるなどすると、いい食材になるようです(私はまだ試していません)。

※ じつはこのスッポンタケをみつけたのは11月15日でしたが、図を描くソフトに慣れるのに時間がかかって・・・
 ここに載せた図は Pixia というフリーソフトを使って最初に描いた図です。 Pixia は最初は分かりにくいのですが、分かってしまうと使いやすいソフトという印象です。

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2008年10月27日 (月)

ハリガネオチバタケ

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 林の中で見つけたかわいいキノコ、ハリガネオチバタケです。 ハナオチバタケもこのような色になることはあるのですが、ハリガネオチバタケのほうが大きくなります。 近くにもっと大きなハリガネオチバタケがあるのですが、残念ながらしおれていました。 ほぼ同時期に同種のキノコが出る場合は、少し早いほうが大きいようです。
 下は傘の裏から見たところ。 傘の肉はきわめて薄く、ひだはきわめて疎です。

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 柄は黒っぽく、名前のとおり針金のように硬くなっています。
 下は柄の付け根を写したものですが、このようにハリガネオチバタケの菌糸は一枚の落葉の上に広がり、柄の根元では少し盛り上がり、綿毛状の菌糸叢(そう)となっています。 このように、ハリガネオチバタケは小型のキノコですが、森林の落葉分解をつかさどり、物質循環に重要な役割を担っています。
Hariganeochibatake081025_2

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2008年10月26日 (日)

ハナビラニカワタケ

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 ハナビラニカワタケは、異形担子菌類(菌類の分類についてはこちらをどうぞ)のシロキクラゲ科に分類されていて、主に秋から冬にかけて見られるキノコで、世界的に広く分布しています。
 数日続いた雨で、ハナビラニカワタケが水をいっぱい吸って膨れていました(25日:堺自然ふれあいの森)。
 ハナビラニカワタケは、湿ったときと乾燥したときでは外見が著しく異なり、乾燥すると小さく縮んで暗色になり、硬くなります。
 倒木などに発生し、見た目は少し気持ちが悪いのですが、食用菌で、かんこん、かんてん、きくらげ、こんにゃく、やまくらげ、ふさきくらげ、みみきのこ、みみぶさ、など、いろんな方言で呼ばれて親しまれています(ここに書いた名前は方言で、例えば和名の「キクラゲ」は別の種類です)。 さっと湯がいてからポン酢などで食べたり、良い出汁が出るので汁物とも相性が良いと言われています。
 ただし、写真のものについては、少し老菌だったこともあり、私は食べていません。
 写真のキノコには、ショウジョウバエなど、たくさんの小さな虫たちが来ていました。 これらの昆虫は胞子の散布に関係するのでしょうか?

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2008年10月25日 (土)

ムジナタケ

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 キノコの色や表面がムジナを連想させるムジナタケ、庭や道ばた、草地などに生える身近なキノコです。 「堺自然ふれあいの森」で見つけました。 なお、ムジナとはアナグマのことなのですが、タヌキなどと混同されている場合があります。
 ムジナタケの傘は繊維状の鱗片に覆われていて、柄も同色の繊維毛に覆われています。 傘の縁部には、幼菌の時にひだを覆っていた被膜の名残がついています。
 下は裏から見たところ。 ひだは若い頃は灰褐色ですが、次第に写真のような暗紫褐色になってきます。 それぞれのひだの奥には、黒い斑点の模様が見えます。 ひだの縁部は白粉状です
 柄のつばは繊維状で、黒くなり、柄にくっついてしまっています。 このつばより上部の柄の表面は白粉状になっています。

Mujinatake081013_2

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2008年10月24日 (金)

ツネノチャダイゴケ

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 山でよく木で階段を作ってある場所がありますが、金剛山で、その横木にツネノチャダイゴケが生えていました。
 「チャダイ」は「茶台」で、茶托(ちゃたく)の昔の言い方でしょう。 小さなものによく「コケ」という名前がつけられていますが、チャダイゴケの仲間は「腹菌類」とよばれているキノコの仲間です(昨日の記事参照)。
 いわゆる一般的なキノコは「帽菌類」と呼ばれていて、一般的には傘の裏など、外に接する所に胞子を作るのに対し、「腹菌類」のキノコは組織の内部で胞子を作り(「被実」といいます)、胞子が完成するとキノコの頂に穴が開き、そこから胞子が放出されます。
 チャダイゴケの仲間は腹菌類の中でも変わっています。 上の写真で、茶台のような「殻皮」の中に円盤状のものが入っていますが、これを「小塊粒(ペリディオールまたはペリジオール)」とよび、胞子はこの中に詰め込まれています。
 胞子が広がるしくみについては、雨が降ると小塊粒が雨粒に弾き飛ばされ、近くの草などにくっついた小塊粒が草と共に草食獣に食べられ、草食獣の糞と共に胞子が散布される、と考えられています。
 チャダイゴケの仲間の多くでは、ファニクルスと呼ばれるへその緒状のものが見られ、これで殻皮と小塊粒が結合されています。 下の写真では、多くの小塊粒が既に“茶台”から飛び出していて、へその緒が残っているのが分かります。

Chadaigoke081012_1

 このへその緒(ファニクルス)は、どんな役割をしているのでしょうか。 壁を伝って流れ込むような静かな雨水の動きでは小塊粒が流れ出ないようにしているのでしょうか。 未熟な小塊粒をしっかりつなぎ止めておくためのものでしょうか。 それとも、まさにへその緒のように、小塊粒へ栄養分を送り込むためのものなのでしょうか。 もしこのあたりの情報情報がありましたら、ぜひ教えてください。

 もう一度、最初の写真を見ていただくと、小塊粒の周囲に小さな虫がたくさんいます。 下はもう少し大きく写したものですが、この虫はトビムシの仲間です。 トビムシは土中生物の一種で普段は落ち葉などの下で分解者として働いているのですが、これだけ集まっているのは偶然とは考えられません。 いったい何を食べに集まっているのでしょうか。
 もしかしたら、子実体の組織の中で作られた小塊粒の表面についている組織の残りをトビムシがきれいに食べることによって小塊粒の表面がツルツルになり、雨粒に弾き飛ばされやすくなるのかもしれません。

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 チャダイゴケの仲間は、キノコらしからぬユニークな形態をしていて、英語では「 Bird's nest fungus 」、つまり「鳥の巣キノコ」と呼ばれます。 でも、胞子の散布の方法など、ユニークなのは形態だけではありません。 なかなか興味を引かれるかわいいキノコです。

※ ツネノチャダイゴケの幼菌の様子はこちらに載せています。

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2008年10月23日 (木)

ヒイロチャワンタケ(キノコの仲間の分類)

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 ヒイロチャワンタケは、緋色の、茶碗というよりは深皿様のキノコです。 金剛山でみつけました。

 キノコやカビの仲間を「菌類」と呼んでいます。 「菌類」と聞いてよく混同されるのが「細菌類」で、こちらは大腸菌などたいへん小さな生物です。

 菌類をもう少し分類すると、下のようになります。
    菌類
        子のう菌類
        担子菌類
            異形担子菌類(キクラゲ、ハナビラニカワタケなど)
            真正担子菌類
                帽菌類(いわゆるキノコ型をしたキノコ)
                腹菌類(ホオベニタケなど)

 ヒイロチャワンタケは子のう菌類です。 多くのいわゆるカビと言われているものも子のう菌類に分類されていて、キノコの仲間と言っても、胞子のでき方など、いわゆる普通のキノコとはかなり違っています。 胞子のでき方などについては顕微鏡レベルの話なので、とりあえず今日は、これ以上の話は置いておきます。
 ヒイロチャワンタケなどでは、胞子は「子のう盤」というところで作られますが、この子のう盤は、キノコの裏側ではなく、表の緋色の部分です。
 下は大きなヒイロチャワンタケ。 大きさの比較のために10円玉を置いてみました。

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2008年10月22日 (水)

イヌセンボンタケ

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 腐った切り株にイヌセンボンタケ('08.10.12.金剛山)。 一つひとつのキノコは小さくても、これだけ群生していると見事です。 傘の周縁には溝線が見られます。
 下は傘が半分なくなっていて内側が見えるキノコの拡大。 ひだは若いうちは白色ですが、これだけ傘が開いてしまうと暗灰色になっています。 傘の表面も柄も白色の微毛に覆われています。
 イヌセンボンタケはヒトヨタケ科ヒトヨタケ属に分類されます。 この仲間の多くは時間が経つとひだが液化するのですが、イヌセンボンタケではこの現象は見られません。

Inusenbontake081012_2

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2008年10月21日 (火)

ツチスギタケ

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 金剛山で見かけたツチスギタケです。 傘の表面にも柄にも淡褐色の鱗片があります。 下は傘の裏側の様子。 胞子を作るひだを幼菌時に守っていた繊維膜状のつばが破れつつあります。

Tutisugitake081012_2

 このキノコは東北地方などでは食用とされたりもしていますが、消化器系の中毒例があります。
 キノコでは、同種のキノコでも、毒があったり無かったりする場合があります。 今まで食用とされていたスギヒラタケで、平成16年と昨年、急性脳症を疑う事例が発生し、昨年は大きなニュースになりました。
 キノコと種子植物とでは大きく系統が違っていて、種子植物には存在しないさまざまな化学物質をキノコが生産していて、それが毒にも薬にもなるわけですが、まだまだどのキノコがどんな条件でどんな化学物質を作っているのか、よく分かっていません。 というよりも、まだまだ名前の付けられていないキノコもたくさんあるのが現状です。

 今年はキノコが多いようです。 何回か連続でキノコを載せたいと思います。

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2008年10月 2日 (木)

キクバナイグチ

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 昨日に続いてもう一種、オニイグチ科のキノコを・・・ 今日はキクバナイグチ、傘の裏は、昨日のセイタカイグチ同様、胞子の出てくる小さな穴(「管孔」と言います)がたくさん並んでいます(上の写真)。
 キクバナイグチには2種類のタイプがあります。 ひとつは、傘の表面の色はくすんだうすい赤褐色で、大型の鱗片で覆われていて、傘が成長するにつれて傘の表面に亀裂が生じてささくれ立ってくるタイプ(上の写真)で、キクバナイグチの名前はこの様子をキクの花に見立てたものです。
 他のひとつは、赤みが濃く、かさの表面の鱗片は細かくてあまりささくれないタイプです(下の写真)。

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 キクバナイグチの特徴のひとつに、傘の周縁の様子があります。 キノコ(=子実体)が若い時は、管孔は被膜で覆われて保護されています。 キクバナイグチでは、傘が広がると、この被膜が破れ、傘の周縁に残って垂れ下がります。 この様子は1枚目の写真でも2枚目の写真でも確認できます。
※ 写真は2枚とも、堺市南区岩室での撮影です。

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2008年10月 1日 (水)

セイタカイグチ

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 セイタカイグチはオニイグチ科に分類されます。 似たグループにイグチ科があるのですが、多くはそれよりも少し荒々しい印象を受けるグループです。
 セイタカイグチは、コナラ林などの地上に生えるキノコで(上の写真:堺市南区岩室で撮影)、傘は淡色、柄は赤褐色で粗い網目状の隆起が目立ちます。
 キノコの仲間の本体は菌糸、キノコは胞子を作り、ばらまく生殖用の器官ですが、いわゆるキノコ型のキノコの多くは傘の裏で胞子を作り、飛散させます。
 イグチ科やオニイグチ科のキノコの傘の裏のほとんどは、小さな穴が一面にあいているように見えます(下の写真)。 これは細い管がたくさんくっつきあっているような構造をしているためですが、胞子はこの管の壁面で作られ、写真に写っている孔から散布されます。

Seitakaiguchi001001

 イグチやオニイグチの仲間の多く(全部ではありません!)は食べられるキノコですが、セイタカイグチも食べることができます。 傘の肉は柔らかく、いろんな虫が食べるために潜り込んでいる場合がありますが、柄の肉はしまっていて美味しくいただけます。

 今年の夏の終わりから秋にかけては雨が多く、いろんなキノコがよく見られます。
 キノコは似た種類が多いうえに、同じ種が大きさ、傘の開き方、色など、さまざまに変化しますので、顕微鏡で胞子を観察するなどしないと分類が難しいものも多いのですが、このブログで取り上げるのは、外見で種が決められるものだけにしたいと思います。

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2008年9月23日 (火)

ホオベニタケ

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 頬紅を塗ったように上がほんのり赤い丸いキノコ、ホオベニタケです。
 丸いキノコの内部は胞子塊となっていて、胞子はここで成熟します。
 いわゆるキノコ型をしたキノコを「帽菌類」というのに対し、このようなキノコを「腹菌類」と呼んでいます。

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2008年9月 8日 (月)

キツネノハナガサ

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 林の中の落ち葉に生える美しくてかわいいキノコ、キツネノハナガサです。 子狐だとしても、花笠にするには少し小さすぎるような・・・ 堺自然ふれあいの森での撮影です。
 キツネノハナガサはハラタケ科に分類されています。 淡黄色粉状の鱗片が全体を覆っていて、きな粉をまぶしたよう。 つばも弱々しく、消えてなくなってしまいがちです。
 本などで発生時期を調べると夏から秋とあるのですが、過去の写真を調べてみると、ここ9年間に4回撮っていますが、いずれも9月5日から9月10日の間でした。
 下は槇尾山で撮った、まだ傘が開いていないキツネノハナガサです。

Kitunenohanagasa010909

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2008年9月 7日 (日)

ヒメカバイロタケを食べるニッポンマイマイ

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 このところ、雨の降る日が続きます。 でも、雨が多いことで観察の機会が増える生きものたちもいます。
 カタツムリの仲間も元気です。 雨続きでマツの切り株に生えたヒメカバイロタケを食べにニッポンマイマイが来ていました('08年9月6日「堺自然ふれあいの森」の林の中で撮影)。

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 ニッポンマイマイは、山型に尖った殻を持つ、山林などで見ることのできるカタツムリです。

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 下のヒメカバイロタケ(キシメジ科)はかじられています。 そのため、ひだが垂生している様子など、キノコを見分けるときに大切になるひだの様子がよく分かります。

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2008年9月 2日 (火)

ツブカラカサタケ

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 「堺自然ふれあいの森」で、林内の環境を整えるために間伐した木などをチップにして積み上げてある場所があります。 そこにたくさんのツブカラカサタケが生えていました。
 ツブカラカサタケはこのように植物質を腐らせて栄養分を取るキノコで、おがくずや堆肥などからも生えます。 傷をつけると赤く変色するのも特徴です。
 キノコと聞くとすぐ食べることを考える人がいますが、このキノコの食毒は不明です。
 キノコは時間経過とともに見かけが変化します。 このページにあるのは、すべてツブカラカサタケです。

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2008年7月 8日 (火)

ムラサキホコリ

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 倒木にムラサキホコリの仲間(スミスムラサキホコリかな?)がたくさんの子実体を形成していました。(堺市南区岩室にて7月5日に撮影)
 '07年の6月18日にはタマツノホコリについて、'07年8月26日にはツノホコリについて書きましたが、これらは原生粘菌類でした。 ムラサキホコリは真正粘菌です。
 原生粘菌と真正粘菌は、基本的な生活史はよく似ていますが、原生粘菌の子実体はどうにか写真に写る程度の大きさで、子実体1個の胞子のうに含まれる胞子は1~2個と少なかったのに対し、真正粘菌の子実体は大きく、たくさんの胞子を持っています。 写真に写っているムラサキホコリは、すべて子実体そのものです。
 ムラサキホコリの仲間の多くは、大きなアメーバ状の変形体は倒木の内部で生活していて、表面に出てくるとすぐに子実体を形成し始めます。
 たくさんの胞子を入れる子実体の胞子のうは、その形態を保つために、細毛体という網状の構造があります。 写真のムラサキホコリは子実体ができてからすこし時間が経っていて、出てきた胞子で胞子のうの表面が乱れています。 なかには多くの胞子が既に飛んでいってしまい、網状の細毛体が確認できる子実体もたくさんありました(下の写真)。 変形体を見ればだれもキノコの仲間とは思わないでしょうが、真正粘菌の子実体は時々小さなキノコと間違われることがあります。 しかしキノコには細毛体はありませんから、もっとキノコによく似た子実体であっても見分けることが可能です。

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2008年1月23日 (水)

ツメゴケ

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 滝畑ダムの近くで、ツメゴケを見つけました。 黒いシート状の植物体に、褐色の爪のようなものが生えています。 小さい植物で地面を這っていますので、名前には「コケ」とついていますが、「コケ植物」ではありません。
 ツメゴケは「地衣類」と呼ばれている仲間です。 地衣類は藻類と菌類が共生し、お互いの依存度が高く、あたかも一個体であるかのように暮らしている生物で、多くの種類があります。
 ツメゴケの“爪”の部分は「子器」と呼ばれていて、ここで胞子が作られます。

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2007年8月26日 (日)

ツノホコリ

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 8月22日夜から23日朝にかけて、大雨警報が出る雷を伴った激しい雨。 そして25日、ツノホコリが倒木の上で、変形体から担子体へと、その姿を変えていました。
 ツノホコリは原生粘菌類に属します。 原生粘菌類については、6月18日のタマツノホコリのところで書きました。 このツノホコリもタマツノホコリに近い仲間です。
 タマツノホコリのところでも書きましたが、原生粘菌類の変形体は、普段は湿ったところで生活していますが、胞子を散布するためには、風通しのいい場所に移動する必要があります。 でも、この移動途中に乾燥してしまっては子孫を残せません。 ですから、このように雨の後に倒木の上などに移動し、胞子を生産するわけです。

 下の写真は、上の一部の拡大ですが、チューブのようなものの表面が、白い粉のようなものに覆われています。 写真をクリックして拡大してよく見ていただくと、この白い粉のようなものには柄があります。 このチューブのようなものを「担子体」といい、小さな「子実体」が多数集まってできています。 担子体の表面の白い粉のようなもの一つひとつが子実体の「子のう」で、この中には1~2個の胞子が入っています。
 担子体の内部は粘液で満たされていて、表面の子のうが完成していない部分では透明感があります。

 このような写真に美しさを感じるのか、気持ち悪さを感じるのか、人それぞれなんでしょうね。 でも、気持ち悪さも、得体の知れないものに対する恐怖感みたいなものに発するのでしょうから、これも自然の懐の深さだと思うのですが、いかがでしょうか?

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2007年7月 9日 (月)

キノコを“食べる”キノコ -ヤグラタケ-

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 上は、少し分かりにくい写真ですが、黒っぽいキノコの上に白いキノコが乗っているように見えます。 黒っぽいキノコを盆踊りの時などに組む櫓(やぐら)に見立て、その上に乗っている白いキノコをヤグラタケと言います。
 キノコは光合成できません。 つまり、生きていくためには、有機物を取り込まなくてはなりません。 多くのキノコは、落ち葉を分解して得られる有機物や、マツタケなどのように生きている木などから有機物を分けてもらったりしています。 ところが、このヤグラタケ、写真のように、他のキノコに寄生して、そのキノコの体を作っている有機物を“食べて”成長します。
 写真の黒っぽい“食べられている”キノコは、クロハツモドキです。

 

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 新鮮なクロハツモドキ

 

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 ヤグラタケの白い菌糸がクロハツモドキの組織を侵しはじめ、キノコの形成も始まった

 

 ヤグラタケの胞子散布の方法も変わっています。 通常、胞子はきのこの傘の下面に形成されますが、ヤグラタケでは傘の上面に形成されます。 下の写真の薄茶色の部分かそれで、写真は雨上がりのためによく分かりませんが、粉塊状になっています。

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 秋、クロハツに寄生したヤグラタケは、こちらで紹介しています。

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2007年6月19日 (火)

キノコの水滴とモンキゴミムシダマシ

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 若いサルノコシカケの仲間と思われるキノコに水滴がいっぱいついているのを、「堺自然ふれあいの森」で6月17日にみつけました。 2日前の朝に雨が上がってその後ずっと晴れていましたから、雨の雫ではありません。 この水滴はキノコの内側から出てきた水によるものと思います。
 このような現象は、今まで何度か、いずれもサルノコシカケの仲間の若いキノコと思われるもので観察しています。 種子植物の水孔と同じようなしくみがあるのでしょうか? キノコの上側からも下面からも出ているようです。

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 ところで、上の写真2枚とも、写真の下側に昆虫が写っています。 モンキゴミムシダマシで、このキノコを食べにきたのだと思います。 下に拡大した写真を載せておきます。

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 モンキゴミムシダマシの顔のアップはこちらでどうぞ。

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2007年6月18日 (月)

タマツノホコリの担子体

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 タマツノホコリは原生粘菌類に属します。 とは言っても、「原生粘菌類って何?」という人も多いのではないでしょうか?
 原生粘菌類は、ムラサキホコリなどの真正粘菌(=変形菌)に近い仲間です。 その一生を簡単に説明しますと、胞子から粘菌アメーバが生まれます。 粘菌アメーバ(=単細胞)は、性の異なる相性のいい粘菌アメーバに出会うと合体します。 その後は細胞の核は分裂しますが、細胞質は分裂せず、次第に大きな変形体に育っていきます。 通常何10cmという大きさでゆっくり動き回り、細菌や菌類を餌として十分に成長して成熟した変形体は、胞子を作る体制に入ります。 それがこの担子体です。
 原生粘菌類や真正粘菌類の変形体は湿ったところで生活していますが、胞子を風に乗せて散布するには風通しのよい場所のほうがいいので、これからの季節、倒木の上などでこの担子体を目にすることが多くなります。
 写真は'07年6月16日に、家から歩いて20分ほどの陶器山の斜面で撮ったものです。 そしてここにも小さな小さな甲虫が来ていました。 タマツノホコリの担子体を食べに来ているのだと思います。 ひょっとしたら、種子植物が果実を食べてもらって糞といっしょに種子を散布してもらうように、タマツノホコリにも胞子を食べてもらって運んでもらうという戦略があるのかもしれません。

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