カテゴリー「菌類・変形菌等」の26件の記事

2009年12月17日 (木)

ツチグリ

 ツチグリは夏から秋に林内の道端や崖などにみられるキノコです。 胞子を入れた扁球形の袋の外側に外皮があります。 胞子が未熟なうちは白く、食べることもできますが、成熟してくると黒褐色になり、粉っぽくなってきます。
 下は10月に撮ったもので、成熟したツチグリが、適度に湿り気を帯び、数片に裂けた外皮が星型に開き、外皮が反ったことでひび割れた外皮内側の網目模様がきれいに見えています。 胞子を入れた扁球形の袋の中央には小さな穴が開いていて、ここから胞子が出ます。

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 外皮の外側は黒っぽい色をしています。 外皮は乾燥すると閉じて胞子の袋を包み、全体が球形になります。 下は12月13日に撮ったものですが、4つ(そのうち1つは小さい)のツチグリが写っていて、胞子はどれも十分成熟しているのですが、冬の乾燥で外皮を開くチャンスが無いまま、開く能力を失ってしまっているようです。

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 近くには胞子を飛散させてしまって袋もなくなり、白っぽくなった外皮だけが残っているものもありました。

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2009年10月29日 (木)

オオシロカラカサタケ

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 キノコにも「帰化キノコ」があります。 オオシロカラカサタケも熱帯性のキノコで、1980年頃から見られるようになりました。 自然豊かな野山にではなく、都市部の公園などでよく見られます。 多くのエネルギーを消費している都市部では冬季の最低気温がそんなに低温にならず、菌糸が生き残ることができるようです。 写真は大阪市内で撮ったものですが、ここではこのところ毎年見ることができます。

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 オオシロカラカサタケは、幼菌時は淡褐色の表皮に包まれていますが、生長するとこの表皮が破れ、白い傘の上に片鱗となって散在します。 傘の裏のヒダも白いのですが、胞子が緑色で、ヒダの表面の胞子の色で、老成するとオリーブ褐色になります。 カサも柄もヒダも傷つくと褐色に変色するのも特徴のひとつです。
 下の写真は傘の一部を割いて内部が見えるようにしたのですが、厚いツバが見えます。

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2009年8月24日 (月)

シロオニタケ

 シロオニタケは夏から秋に、里山のコナラ・マツの混生林やシイ・カシ林などに発生するキノコです。
 シロオニタケは昨日記事にしたタマゴタケと同じテングタケ科のキノコですので、両者を比較しながら見ていくことにします。
 球形の幼菌を覆っていた膜は、シロオニタケの場合はもろいもので、キノコが育ってくるにしたがって、はちきれて、尖った錘状のイボになります。
 下の写真の左端の幼菌はまだほぼ球形を保っていますが、傘になる部分が成長をはじめて少し盛り上がりかけている部分では、既にイボ状になりかけています。 中央や右の幼菌では既に傘になる部分がはっきりしていて、イボ状の突起に覆われています。 でも、小首をかしげたような幼菌の姿は、なかなかかわいいものですね(下の写真)。

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 上に書いたように、シロオニタケの幼菌の表面を覆っていた膜は、タマゴタケのような丈夫なものではありませんので、タマゴタケで見られたような「つぼ」としては残りません。 タマゴタケの「つぼ」に相当するものが、シロオニタケではキノコの成長と共にボロボロになり、イボ状になってキノコ全体の表面に分散してしまったと理解すればいいでしょう。
 傘の裏の胞子を作る部分を覆っていた内被膜が傘の成長と共に破れるのはタマゴタケもシロオニタケも同じですが、タマゴタケの場合は傘の縁から内被膜が離れるのに対し、シロオニタケの場合は、条件によってはタマゴタケのようになることもありますが、多くの場合、破れた被膜は、傘の縁にくっついて垂れ下がり(下の写真)、まもなく脱落してしまいます。 つまり、シロオニタケの場合は、タマゴタケで見られたような「つば」も、多くの場合、見ることができません。

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 上の写真からさらに時が経過すると、傘は広がり、水平からやや反り返るまでになります(下の写真)。 テングタケ科のキノコでは、このような傘の姿になるものがほとんどです。
 傘の表面についていた錘状のイボは、雨で流れ落ちたりして少なくなっていきます。 下の写真で柄の根元付近に落ちている膜状のものは、内被膜の一部でしょう。

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 キノコの場合は、同種であっても、大きさには幅があります。 上の写真のシロオニタケは比較的大きな方で、大きさがわかるように10円玉を置いてみました。

 

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2009年8月23日 (日)

タマゴタケ

 金剛山で、いろんな状態のタマゴタケが並んでいるところに出会いました('09.8.8.)。 たぶん菌糸はつながっているのだと思います。
 これらのタマゴタケの写真を、傘が開いていく順に並べると、次のようになります。

① 保護されていた白い「つぼ」を破って、キノコが伸びてきます。 もっと幼いキノコの段階では、この白い膜でキノコ全体がすっぽり覆われて保護されていたわけです。

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② 傘が大きくなりながら開くにつれ、傘の裏の胞子をつける部分を保護していた被膜(内被膜)が傘の縁から離れ、垂れ下がって「つば」となります。 下の写真では、傘の右下の部分で、まだ内被膜が傘の縁とくっついていますので、両者の関係が分かり易いでしょう。

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③ 傘は広がり、水平からやや反り返るまでになります。 柄の表面を覆っていた膜も、柄が伸びるにつれて引き裂かれ、だんだら模様になっています。
 下の写真のキノコは傘が裂けていますので、タマゴタケの傘の肉が白い色であることも、よく分かります。

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 いわゆるキノコ形をしたキノコは上のような経過で大きくなるのですが、「つぼ」や「つば」がもろく、キノコが少し大きくなるとすぐにその存在すら分らなくなるキノコの種類もたくさんあります。 「つぼ」や「つば」の様子は、キノコを見分けるときの着目点のひとつです。
 タマゴタケはテングタケ科に分類されています。 テングタケ科のキノコには、「つぼ」や「つば」が残るものが多いのですが、そうでないものもあります。 明日は「つぼ」や「つば」がはっきりしないテングタケ科のキノコで比較してみたいと思います。

 テングタケ科のキノコのほとんどは毒キノコです。 猛毒キノコの御三家と云われているドクツルタケ、タマゴテングタケ、シロタマゴテングタケは、全てこのテングタケ科に分類されています。 その中にあって、このタマゴタケは無毒でおいしく、食用にされるキノコです。 色や形などでは食用キノコと毒キノコには分けられませんので、注意が必要です。

clip 9月19日から11月3日まで、大阪市立自然史博物館で、特別展「きのこのヒミツ」が催されます。 副題は「きのこで世界はまわっている」で、生態系の中でのきのこの果たす大切な役割が、わかりやすく解説されるはずです。

 

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2009年8月 3日 (月)

ツヤエリホコリ

 昨日のニホントカゲの3枚目の写真に写っていた黒いツブツブをもう少し拡大したものが、下の写真です。 ツブツブはこの写真よりもかなり広い範囲で見られるのですが、あまり広い範囲を写すと、一つひとつのツブツブが小さくなってしまいますので・・・

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 じつはこのツブツブ、さらに拡大したのが下の写真ですが、粘菌(真正粘菌)の仲間の「子嚢(しのう)体」です(以下、「嚢」はひらがな書きにします)。 種類はたぶんツヤエリホコリだと思います。

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 横から見ると、柄があります。 光沢のあるものと無いものが見えますが、子のう壁(子のう表面の膜)に光沢があり、光沢の無いものは、この膜が破れ、これから子のう胞子を飛散させようという状態です。

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 粘菌(真正粘菌)についての記載はムラサキホコリの記事に書きましたので、ここでは重複を避けることにします。
 ツヤエリホコリは、春~秋、特に夏の初めによく見られる粘菌です。 変形体は倒木の内部で生活をしていて、この時期に倒木の表面に出てきて子のう体を形成します。
 写真のツヤエリホコリは、切られた丸太が立てかけられたままで腐った表面に子のう体を形成していました。 2枚目の写真がよく分かると思いますが、子のう体を形成している場所は、いずれも倒木の内部から這い出てきた割れ目や窪みのすぐ傍です。

 ツヤエリホコリのすぐ側には下のような子のう体もありました。 こちらはコムラサキホコリの仲間でしょうか。

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2009年8月 1日 (土)

ツネノチャダイゴケの幼菌

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 上は、キノコの一種、ツネノチャダイゴケの幼菌です('09.7.25. 金剛山にて撮影)。 1円玉はメジャーの代りに置きました。
 この幼菌が熟すると、表隔膜が裂開し、こちらに載せたようなコップ形に“変身”します。
 近くには、表隔膜が裂開して小塊粒も出てしまった空の“コップ”もありました(下の写真)。

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(以下、8月9日追記)
 下は、上の最初の写真と同じ場所の、ちょうど14日後の写真です。 2週間後、新しい幼菌は急速に大きくなっていますが、小塊粒の完成までには時間がかかるようです。

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2008年11月28日 (金)

スッポンタケ

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 スッポンタケは梅雨のころから秋まで、湿ったところで見られるキノコです。 名前はもちろんスッポンが首を伸ばしたところに似ているから。 珍しくはないのですが、柔らかくて寿命が短いので、なかなかいい姿の時に出会えません。 写真は「堺自然ふれあいの森」で見かけたものですが、傾いてしまっています。
 スッポンタケは腹菌類に分類されます。 腹菌類は、ホコリタケのように“腹の中”つまりキノコの内部で胞子が作られるのですが、スッポンタケなどはなぜ腹菌類なのか? これを理解しやすくするために、私の頭の中にあるイメージを図にしたのが下です。

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 つまり、スッポンタケなどでは、袋状の中で胞子が作られるのですが、その胞子をハエなどに運んでもらいやすくするために、表面に胞子をつけた部分(傘)が、「托」と呼ばれる部分によって押し上げられるのです。
 ホコリタケなどでも、若い時(図の①)には胞子の作られる部分(図の褐色の部分)はドロドロですが、スッポンタケなどではそれがドロドロのままで傘に張付いて持ち上げられるわけです。 この部分を「グレバ」と呼んでいて、ハエを呼び寄せ、ハエの体にグレバをつけて胞子を運んでもらうわけです。
 グレバはハエの好きなにおい、つまり人にはくさくてたまらないにおい(なかにはこのにおいが好きだという人もいますが・・・)がします。 でも、このグレバを洗い流し、根元のツボを取り除いて湯がき、水に晒すか乾燥させて、天ぷら、煮つけ、澄まし汁に入れるなどすると、いい食材になるようです(私はまだ試していません)。

※ じつはこのスッポンタケをみつけたのは11月15日でしたが、図を描くソフトに慣れるのに時間がかかって・・・
 ここに載せた図は Pixia というフリーソフトを使って最初に描いた図です。 Pixia は最初は分かりにくいのですが、分かってしまうと使いやすいソフトという印象です。

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2008年10月27日 (月)

ハリガネオチバタケ

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 林の中で見つけたかわいいキノコ、ハリガネオチバタケです。 ハナオチバタケもこのような色になることはあるのですが、ハリガネオチバタケのほうが大きくなります。 近くにもっと大きなハリガネオチバタケがあるのですが、残念ながらしおれていました。 ほぼ同時期に同種のキノコが出る場合は、少し早いほうが大きいようです。
 下は傘の裏から見たところ。 傘の肉はきわめて薄く、ひだはきわめて疎です。

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 柄は黒っぽく、名前のとおり針金のように硬くなっています。
 下は柄の付け根を写したものですが、このようにハリガネオチバタケの菌糸は一枚の落葉の上に広がり、柄の根元では少し盛り上がり、綿毛状の菌糸叢(そう)となっています。 このように、ハリガネオチバタケは小型のキノコですが、森林の落葉分解をつかさどり、物質循環に重要な役割を担っています。
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2008年10月26日 (日)

ハナビラニカワタケ

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 ハナビラニカワタケは、異形担子菌類(菌類の分類についてはこちらをどうぞ)のシロキクラゲ科に分類されていて、主に秋から冬にかけて見られるキノコで、世界的に広く分布しています。
 数日続いた雨で、ハナビラニカワタケが水をいっぱい吸って膨れていました(25日:堺自然ふれあいの森)。
 ハナビラニカワタケは、湿ったときと乾燥したときでは外見が著しく異なり、乾燥すると小さく縮んで暗色になり、硬くなります。
 倒木などに発生し、見た目は少し気持ちが悪いのですが、食用菌で、かんこん、かんてん、きくらげ、こんにゃく、やまくらげ、ふさきくらげ、みみきのこ、みみぶさ、など、いろんな方言で呼ばれて親しまれています(ここに書いた名前は方言で、例えば和名の「キクラゲ」は別の種類です)。 さっと湯がいてからポン酢などで食べたり、良い出汁が出るので汁物とも相性が良いと言われています。
 ただし、写真のものについては、少し老菌だったこともあり、私は食べていません。
 写真のキノコには、ショウジョウバエなど、たくさんの小さな虫たちが来ていました。 これらの昆虫は胞子の散布に関係するのでしょうか?

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2008年10月25日 (土)

ムジナタケ

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 キノコの色や表面がムジナを連想させるムジナタケ、庭や道ばた、草地などに生える身近なキノコです。 「堺自然ふれあいの森」で見つけました。 なお、ムジナとはアナグマのことなのですが、タヌキなどと混同されている場合があります。
 ムジナタケの傘は繊維状の鱗片に覆われていて、柄も同色の繊維毛に覆われています。 傘の縁部には、幼菌の時にひだを覆っていた被膜の名残がついています。
 下は裏から見たところ。 ひだは若い頃は灰褐色ですが、次第に写真のような暗紫褐色になってきます。 それぞれのひだの奥には、黒い斑点の模様が見えます。 ひだの縁部は白粉状です
 柄のつばは繊維状で、黒くなり、柄にくっついてしまっています。 このつばより上部の柄の表面は白粉状になっています。

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