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2014年6月 2日 (月)

キリの葉の皿状器官など

Kiri140524_1

 上がタイトルに書いた、キリの葉の表面に見られる「皿状器官」で、、斜め上から見ています。 深皿状の皿状器官に液体が盛られているものも、空の皿状器官も見られます。 大きさは大きいもので皿の直径が 0.4mm ほどです。
 下は真上から見た皿状器官です。(写真はクリックで拡大します。)

 キリの葉の表面にこんなものがあることを教えてくれたのは、以下に書くように、アリさんです。
 キリの葉にはカメムシなどがよくいます。 何かいないかと探していると、あちこちの葉でクロヤマアリが何か去り難そうにうろうろしています。 アブラムシがいるわけでもないのに、と、しばらくみていると、葉身の葉柄に続く所に特にこだわりがあるようです。 その部分をよく見ると何か白い粒がたくさんついています(下の写真)。

 今まで気づかなかったのですが、この白い粒は、キリのどの葉にもあるようで、葉身の基部に多いのですが、少数は葉面全体に散在しているようです。 下の写真でも、クロヤマアリの口は葉の表面に接していますし、よ~く見れば、大顎の下に少しだけですが白いものが見えています。

 この白い粒は何だろうかと帰宅後に検索してみると、東京工業大学・辛島研究室のHP(こちら)に載せられている皿状器官だと分かりました。
 葉を食害されたり吸汁されたりすることを防ぐためにアリをボディガードとする植物はいろいろあります。 アリを葉に留まらせるために花外蜜腺を持つ植物も少なくありません。 キリの皿状器官も、アリを葉に留まらせるための餌のようで、上記辛島研究室のHPによれば、糖を含む液体が皿状器官から分泌されるようです。

 このHPによれば、キリは皿状器官以外にも、腺毛や樹枝状毛でも防衛に努めているようです。 腺毛は粘性の高い液体で、樹枝状毛は絡まることで、植物に害を与える虫たちの活動を妨害しているのでしょう。

Kiri140524_5

 上は葉の縁で見られた腺毛、下は手前が葉脈上で見られた樹枝状毛、奥が皿状器官です。

Kiri140524_6

 下は若い小さな、これから大きく広がっていくであろう葉の一部を拡大したものです。 腺毛や樹枝状毛は密生していますが、皿状器官は数も少なく、液もまだ分泌されていないようです。

 下は皿状器官の多い所に来ていたスズキクサカゲロウです。

 クサカゲロウの仲間の成虫は花粉やアブラムシの甘露を主食としていますので、皿状器官に飛来することは理解できますが、キリの防衛には役立っているのでしょうか。

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