レンリソウ
レンリソウは草地に生えるマメ科の多年草です。 近畿地方では広い草地は開発で消失し、レンリソウなども絶滅に近い状態になりました。 近畿地方のレンリソウは、2012年に和歌山県南部で発見されましたが、それまでは京都府で確認されているだけでした。 京都府でも、1964年に亀岡市で確認されて以降、しばらく情報の無い状態が続きましたが、2007年に京都府南部で確認され、地域の人たちによって見守られています。
その京都府南部のレンリソウを見てきました。
「理」という文字は「すじ目」を意味します。 連理(れんり)とは、2本の枝が癒着し木目(理)が通じた状態で、夫婦和合や縁を結ぶことの象徴として、吉兆とされてきました。
レンリソウの葉は偶数複葉で、小葉が対生しています。 この様子を「連理」の状態に喩えたのでしょう。 なお、複葉の先端は巻きひげになっていますが、レンリソウの巻きひげは分枝しません。
レンリソウの学名は Lathyrus quinquenervius です。 この属名は、la(加える)+ thyros(刺激する)で、種子に催淫性があると信じられた事からですが、種小名の quinquenervius は「5脈」の意味です。 上の写真のように、レンリソウの小葉には5本の葉脈が走っています。
上の写真で、中央少し右寄りに茎が写っています。茎は3稜形で、細い翼があります。
複葉の基部にはたく葉があります。 たく葉は小さく披針形で、両端が尖っています(上の写真)。
上はレンリソウの花です。 最初に書いたように、レンリソウは絶滅が危惧されている植物です。 しかし同じ属には身近な植物もあります。 例えばハマエンドウや、園芸植物ではスイトピーも同じ属の植物です。 花もよく似ています。
明日はレンリソウの保護について考えてみます。
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コメント
レンリソウってホンマに絶滅危惧種なの?っと思うくらい、群生してたことがありました。
同じ場所でもだんだん様子が変わっていくのには、保護するって難しいな、っと思いました。
前にハマエンドウに出会ったときレンリソウ属って教えていただいたことがありました、お花を見てナルホドです。
【わんちゃんの独り言】でレンリソウをチラッと載せてるところがあるんです、こちらへリンクお願いします、事後報告になりましたが・・・
投稿: わんちゃん | 2014年5月14日 (水) 20時09分
> 同じ場所でもだんだん様子が変わっていくのには、保護するって難しいな、っと思いました。
今日(14日)の記事はレンリソウの保護について考えてみました。
リンクの件は了解です。
投稿: そよかぜ | 2014年5月15日 (木) 00時06分