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2014年5月23日 (金)

ヤママユの繭からヒメバチが羽化

Himebachi140511_1

 4月、ヤママユの繭をみつけました。 繭は破れてなく、重さもあり、中にまだいるようなので、持ち帰ることにしました。
 ヤママユガは卵の状態で越冬し、春に孵化、幼虫はクヌギやコナラなどを食べて5齢まで育つと繭を作り、8月に羽化します。 4月にヤママユの蛹がいるわけはありません。 きっと何かに寄生され、繭の中では寄生者が育っているのでしょう。 繭はPET製の透明ケースにぶら下がるように木工用接着剤でくっつけ、何が出て来るのか、楽しみに待つことにしました。

 5月11日の日曜日午前8時20分、繭を入れていたケースからカリカリと音がします。 ケースで反響して音が大きく聞こえるようです。 いよいよ繭から出て来るようです。 撮影の準備をしました(上の写真)。

 上は午前9時6分に撮った写真ですが、繭の上部の糸がほぐれ、牙のようなものが少し見えます。 ヤママユガはこんな牙を持っていませんから、繭の中にいるのは、やはり寄生者です。
 しかしその後、しばらく見ていましたが、牙が少し見えたり引っ込んだりしているだけで、状況は遅々として変化しません。 数分間少し別のことをしていて、ふと見ると、ヒメバチが壁を歩いていました。 それが1枚目の写真です。 せっかくの繭を出る瞬間を撮り損ねましたが、体を出しかけると、非常に短い時間で出てしまうようです。
 1枚目の写真のように、翅は蝶や蝉の羽化の時のようにゆっくり広がってくるのではなく、繭から出た段階で広がっていました。 体は濡れていて(だから繭からスムースに抜け出ることができたのでしょう)、この後、後脚で体のあちこちをしごいて、水分を拭い去ろうとするような行動を繰り返しました。
 繭を出てからの約20分間は、歩くことはできても、飛べないようでした。 下はこの間に撮った写真です。 コンボウアメバチ亜科かとも思うのですが、よく分かりません。

 下は抜け出た後の繭を切って中を見たものです。 蛹にもヒメバチが抜け出た穴が開いていました。

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