ケブカクロナガハムシ
写真はケブカクロナガハムシだと思います。 和名は、全身に毛が密生していて、体色が黒いナガハムシ、ということでしょうが、触角もハムシにしては長い触角です。
ホストはヤマハンノキとのことですが、離れた数か所のモチツツジに1個体ずつ観察しましたし、近くにヤマハンノキはありませんでした。
(2014.4.22. 堺自然ふれあいの森)
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写真はケブカクロナガハムシだと思います。 和名は、全身に毛が密生していて、体色が黒いナガハムシ、ということでしょうが、触角もハムシにしては長い触角です。
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タガネソウはカヤツリグサ科スゲ属の植物です。 根茎は地中を這い、春にあちこちから葉を出すのとほぼ同時期に、昨年葉のあった所から花茎を立ち上げます。
花茎のあちこちに小穂がつきますが、1つの小穂は先端部に雄花を、下部に雌花をつけます。
上は小穂の先の方を撮ったもので、先端部からは細長い葯を持ったオシベがたくさん出ています。 右下の少しピンクがかっているのは雌花の柱頭です。
上の写真では、雌花の柱頭が3裂していることが分かります。
タガネソウは、スゲ属にしては長さのわりに幅の広い葉を持っています。 「タガネソウ」の名は、この葉を、岩石を割ったり金属板を加工したりする鏨(たがね)に見立てたものとされています。
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ツクバネウツギ属( Abelia )はAPG分類体系ではリンネソウ科または広義のスイカズラ科に分類されています。 名前の「ツクバネ」はガクの様子が羽根つきのはねに似ているところからです。
大阪府下でも見られるタイトルの3種は、花の大きさも異なりますが、このガクの様子も異なり、花が落ちてしまった後も見分けることができます。
● オオツクバネウツギ
オオツクバネウツギの花は5枚のガク片からなりますが、そのうちの1枚が小さく( 上の写真 )、欠けて4枚のガク片になることもあります。
● ツクバネウツギ
ツクバネウツギの花のガク片は5枚がほぼ同じ大きさです。 上の写真は6月はじめに撮ったもので、花が終わりかけていて、ガクがよく目立ちます。
● コツクバネウツギ
コツクバネウツギの花は黄色で、これだけでも区別できますが、花は小さく、ガク片の数も2~3枚に減少しています。
● 備考
日本に自生している植物ではありませんが、公園などあちこちによく植えられているツクバネウツギ属( Abelia )があります。 春から秋まで花が咲き、特に花が少なくなる真夏にも花を咲かせてくれるので便利です。 これは中国原産のタイワンツクバネウツギを基に交雑により作られた園芸植物で、ハナツクバネウツギ、ハナゾノツクバネウツギ、または属名のアベリアなどの名前で呼ばれています。 花の色は白以外にも、ピンクのものも作られています。
この花のガク片は5枚が多いのですが、交雑種だけあって一定していません。
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アラカシの若葉の上にいた蜂です。 昨日記事にしたタマバチのすぐ近くにいました。 体長は5mmほどです。 タマバチのようにも見えますが、触角がタマバチの触角とは異なるようです。 コガネコバチ科かと思いましたが・・・
写真を撮り始めると、すぐに歩きはじめました。 上の写真を見ると、頭部がおもしろい形をしています。 こんな頭部のコガネコバチがいるのでしょうか。
おちゃたてむしさんにマルハラコバチ科だと教えていただきました(コメント参照)。 日本では Perilampus属の数種しか知られていない科で、私も初めて見る科の蜂でした。 タイトルも変更しました。
形態的にはコガネコバチ科に似ていますが、鱗翅類やハバチの体内に寄生するヤドリバエや寄生蜂の幼虫に寄生するようです(こちら)。
腹部には光沢があります。
真正面から
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葉を広げ始めたばかりのアラカシの新梢に体長3mmほどのタマバチがいました。 上の写真では2頭ですが、周囲に少なくとも5~6頭はいました。
じっとしているように見えたタマバチをよく見ると、産卵中でした。 新梢に産卵管が挿入されています(上の写真)。
4月7日の記事で、コナラの雄花序に産卵しているタマバチを載せましたが、今回は新梢への産卵です。 タマバチは芽や葉に産卵してゴール(虫こぶ)を形成すると思っていましたので、意外でした。 なお、この2例のタマバチは、体色も体の点刻の様子も異なり、明らかに別種でしょう。
上は、頭部はボケますが、もう少し産卵管にピントを持ってきたものです。
上は若葉の上のタマバチです。 動きませんし、腹部を葉に密着させていますので、産卵管を刺しているのかもしれませんが、同種のタマバチが茎にも葉にも産卵するのか、疑問は残ります。
なお、この写真で、アラカシの若葉の表面にたくさんの小粒が見られます。 これはアラカシ以外の植物でも観察され、私は若葉のボディガードとしてアリを呼ぶためのものではないかと思っているのですが、このことについては、近いうちに別の記事として書くつもりでいます。
このタマバチを上から見たものも載せておきます(上の写真)。
(2014.4.27.追記)
おちゃたてむしさんからのコメントで、これはマスダアラカシタマバチ( Plagiotrochus masudai )の両性世代メスだろうと教えていただきましたので、タイトルを変更します。 同種と思われるタマバチが、おちゃたてむしさんやハンマーさんのブログに載せられています。
気になったのは、ハンマーさんのブログではアラカシの芽に産卵していますし、おちゃたてむしさんのブログでは、この記事と同じくアラカシの茎に産卵し虫こぶの形成は見られなかったということです。 私も産卵していた枝を数日後に慎重に見たのですが、枝には何の変化も認められませんでした。
マスダアラカシタマバチは、九州大学の安部らにより2010年にコナラ属アカガシ亜属を寄主にするタマバチで世界で初めて記載・命名されたタマバチですが、九大からのプレスリリースに載せられている写真は単性世代のもので、体色はかなり異なります。 同種のタマバチが両性世代と単性世代で異なる形質を持ち、異なるゴール(虫こぶ)を作ることにも注意して見ていく必要がありそうです。
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オガワコマドリは、夏季はユーラシア大陸の中部以北で繁殖し、冬期はアフリカ中部、アラビア半島から東南アジアで暮らすツグミ科の鳥です。 日本では稀に旅鳥または冬鳥として観察されています。 少なくとも日本では、河川や湖沼近くの草地や葦原で観察されることが多いようです。
なお、名前の「オガワ」は鳥類学者小川三紀の名前から付けられたものです。
そのオガワコマドリが淀川に来ています。 もう10日ほど居続けてくれているようです。 広い淀川の葦原で探す自信は無かったのですが、せめて声でも聴けて、生活の一端を想像できればと思い、行ってきました。
行ってみて驚きました。 昨日からのようですが、いい写真が撮れるようにとオガワコマドリが乗る木の“舞台”が作られ、餌付けされていました。 そして、それを囲むように200人以上の人がカメラを並べています。
探鳥は鳥の生活になるべく影響を及ぼさないように注意しながら、そっとその生活を覗かせてもらい、同じ地球の住人の生活を理解する楽しみだと思っています。 もちろん研究のためには捕らえたりすることも必要な場合もあるでしょうが、我々アマチュアは写真のために鳥の生活を乱すべきではないと思います。
写真目的で野鳥に餌を与えることは、鳥の本来の生活パターンを乱すことになるのではないでしょうか。
今回は人垣の後ろの方からとりあえず写真を撮ってきた( 画質は悪くなっています )ものの、載せるかどうか迷ったのですが、オガワコマドリについて知ってもらうとともに、ここに載せた写真に類似した写真は餌付けされた個体であることを示すことにもなり、この文を書くことで問題提起ができればと思い、載せることにしました。
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ヒメナベワリの分布は中国地方以西ですから、大阪府下には自生地は無く、写真は京都府立植物園で撮ったものです。 ほんとうは大阪府下にもあるナベワリを載せたかったので、10年ほど前にはたくさんあった所に撮りに行ったのですが、消えてしまっていました。
しかし、そこまでしてナベワリ属をブログに載せておきたかったのは、ナベワリ属が次の2点でおもしろい植物だからです。 ひとつはナベワリ属の分布ですし、もう一つはナベワリ属はビャクブ科という、あまり聞き慣れない科に分類されていることです。
分布に関しては、ナベワリ属が分布しているのは他には北アメリカ東部のみで、これは東アジアと北アメリカ東岸の隔離分布の一例とされています。
東アジアと北アメリカ東岸の隔離分布は、温暖な新生代第三紀に北極周辺に生息していた植物が、第四紀の寒冷化に伴って東アジアと北アメリカ東部に南下したものと考えられています。 このような分布地の南北の移動は、ヒマラヤ山脈やアルプス山脈などの東西に延びる山脈がある所では不可能です。
次にビャクブ科に関してですが、聞き慣れない科の植物は見慣れない植物です。 ビャクブ科は、一見双子葉植物のようですが、単子葉植物で、葉は並行脈です。
ヒメナベワリの花は、葉の付け根から出て、細い柄があって垂れ下がります。 花被片は4、オシベは4本です。 メシベはオシベに隠されています。
なお、ナベワリの花は、花被片が幅広く、そのうちの1つは大きくなっています。
ナベワリの名前の由来は、一説には「舐め割り」からと言われています。 葉に毒があり、舐めると舌が割れるというのですが・・・。
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堺自然ふれあいの森で、写真のような甲虫がいました。 私が近づくとパチンと跳ねて20cmほど飛び上がり、落ちた所が板の上で、裏向けになって暫く偽死状態でしたが、すぐに回転して元通りの姿になったところを撮ったのが写真です。 このような跳ね方や形態からしても、コメツキムシの仲間だと思うのですが、ネットで検索しても探すことができませんでした。
美しい体の色ですし、まずはブログに載せておき、種名はどなたかに教えていただけることに期待したいと思います。
さっそくそらさんが調べてくださり、ムラサキヒメカネコメツキではないかとのコメントをいただきました。 そらさん、ありがとうございます! それにしても、金属光沢をもつものは、光の当たり方で色が変わるし、甲虫は似た形態のものが多いし、難しいですね。
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ヒカゲツツジは、関東地方以西から四国・九州に分布するツツジ科の常緑低木です。
名前は、やや日当たりの悪い所でよく見られるからでしょうが、岩の多い急斜面でよく咲いているように思います。
ヒカゲツツジの花の色は、ツツジ属のなかでは少数派の黄色です。 あまり目立たない花の色で、静かな森の中によく似あいます。 光が当たればくっきりはしますが、落ち着いた雰囲気は変わりません。
以上は自生地の、急斜面でなかなか近寄れない所に咲いていたものを望遠で撮ったものですが、下は京都府立植物園で咲いていたものです。 花のつくりなどをじっくり見ることができるのは、やはり植物園ですね。
オシベは10本です。 自生のものの写真より葯の色が濃い理由は分かりません。 時期的な違いなのか、環境の違いによるものなのか、それとも植物園のものは色の濃いものが選択されているのでしょうか。
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大きなガガンボです。 上の写真でメジャーを沿わせていますが、目盛は右がインチ、左がcmですので、写真のものの体長は4cmほどになります。
写真は4月9日の撮影ですが、4月はちょうど出現期で、今春もあちこちでじっとしている本種をよく見ました。
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写真はイワウメ科のイワウチワです。 名前は、岩地などに咲き、葉が団扇(うちわ)のように丸いところからでしょう。
イワウチワは、同じイワウメ科のイワカガミとは、特に葉はよく似ていますが、イワカガミは1本の茎に数個の花をつけるのに対し、イワウチワは1本の茎に1輪の花をつけます。
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写真はセイヨウアブラナのメシベの先につかまっているキバネニセハムシハナカミキリです。 たしかにハムシの仲間的な形態をしています。
このハナカミキリは、春から初夏にかけて、主に樹木の白い花によく集まるのですが、菜の花畑では珍しいと思います。 他に花が無かったからでしょうか・・・。 背景が美しい写真が撮れたのでいいんですけどね。
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このブログではこれまでにタネツケバナ、オオバタネツケバナ、ミチタネツケバナと、タネツケバナ属( Cardamine )の植物を載せています。 「○○タネツケバナ」というタネツケバナ属の植物はまだあるのですが、タネツケバナ属には「○○コンロンソウ」という名の植物も何種類かあります。
コンロンソウはこのブログで前に載せています(こちら)が、今回はマルバコンロンソウです。 コンロンソウは大きな植物ですが、マルバコンロンソウはそんなに大きな植物ではありません。 他のタネツケバナ属に比較してのマルバコンロンソウのいちばんの特徴は、最も毛が目立つということではないでしょうか。
マルバコンロンソウには茎にも葉にもガクにも毛が目立ちます(上の写真)。 また、花の子房にも毛が生えていて(下の写真)、子房から変化する果実にも毛があります。
マルバコンロンソウの葉では、下の写真のように、葉の付け根が茎の左右に張り出すことがよくあります。
マルバコンロンソウは、山地のやや湿り気のある林下などでよく見られます。 写真は生駒山の山裾にある枚岡公園で撮ったものです。
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スギ(ヒノキだったかな?)の樹皮をめくったら、このクモがいました。 調べてみると、アワセグモ科のアワセグモのようで、比較的珍しいクモのようです。
和名の意味は、「袷(あわせ)蜘蛛」のようです。 「袷」とは裏地付きの和服のことで、このクモの名前は、平べったいけれど、裏地の無い単衣(ひとえ)よりは厚みがある、ということのようです。 ちなみに、ヒトエグモというクモも、ちゃんと実在します。
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自生のランに出会えると、それだけで嬉しくなりますし、それが珍しいランであれば、嬉しさは一層大きくなります。 しかし少なくとも大阪府下では、数種類を除くと、自生のランに出会う機会はたいへん減ってしまったように思います。
写真のランは、対生する2枚の葉を茎の途中につけ、花は複数つけていますので、フタバラン属です。 フタバラン属にも多くの種類がありますが、それぞれ唇弁の形が少しずつ異なっていて、写真のランはヒメフタバランということになります。
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レンプクソウの分布は近畿地方以東で、北海道や北半球の温帯には広く分布します。 細長い地下茎を引き、湿り気のある林内などに群生します。
レンプクソウの名前を漢字で書くと「連福草」で、福が連なるというめでたい名前ですが、小さな植物で、目立ちません。 なぜこんな素晴らしい名前になったのかは、いろんな説があるのですが、一説には、福寿草を引っこ抜いた時に、この草が連なってついてきた、とも言われています。 長い地下茎を持っていますので、有りうる話ですが、レンプクソウに福はありそうにありません。
花は3~4月頃に咲くのですが、1つの花の最大の径が6mmほどの小さな花ですし、色も少し緑がかった黄色で、決して目立つ花ではありません。 レンプクソウの学名 Adoxa moschatellina の属名 Adoxa は、「何の取り柄もない」という意味のラテン語からきています。
しかしこの花、じっくり見れば、とてもおもしろい花です。
花は茎の先端に5つ咲きます。 真上を向いた花と、そのすぐ下に4方を向いた花が咲きます(上の写真)。 この花の咲き方もおもしろいのですが、レンプクソウは葉も対生ですので、茎の先端が花芽になって成長が止まり、そのすぐ下の十字対生の芽が花芽に分化したと考えれば、いちおう納得はできます。 しかし、もっとおもしろいのは、この頂につく花と、そのすぐ下の4つの花は、そのつくりが異なっています。 それも雌花と雄花に分化しているような違いではありません。
花はそれぞれの植物の種によって決まった数があります。 例えばチューリップは、ガク片と花弁はそっくりですが、ガク片3、花弁3、オシベ6(3+3)ですし、サクラは、オシベはたくさんあります(5×?)が、ガク片も花弁も5枚です。 ところが、レンプクソウの花は、頂の花は花弁が4裂し、オシベも8本(4+4)で、メシベの柱頭は少し不安定ですが4本が多いのに対し、その下の四方を向いている花の花弁は5裂していて、オシベは10本(5+5)で、メシベの柱頭は5本が多いようです。 同じ茎に咲くすぐ近くの花のつくりがこのように異なるのは、とても珍しいことでしょう。
上は頂の花を真上から見たところです。 柱頭の1つは手前に突き出ていて、はっきりしていません。
上も頂の花ですが、柱頭は5つあります。 ただし距離の近い3つは小さくなっています。
上は四方を向いている花の1つを正面から撮ったものです。
さらに、ガクを見ると、頂の花のガクは2方向に伸びていますし、四方を向いている花のガクは3方向に伸びて三角形のような形になっています。 ガクの様子は花弁が散った後の方が撮りやすいので、下の写真はそのような時期の花を選んでいます。
このような変わった花をつけるので、従来はレンプクソウは1属1種でレンプクソウ科を形成しているとされてきました。
ところが近年は遺伝子を解析することで植物の近縁関係を調べ、それを基に分類する方法を取るようになってきました(APG植物分類体系)。 それによると、これまでスイカズラ科とされていたサンゴジュ、ヤブデマリ、ガマズミなどのガマズミ属( Viburnum )やニワトコ属( Sambucus )の植物がレンプクソウに近いことが分かり、これらはレンプクソウ科に移されることになりました。 よく見ているこれらの植物がレンプクソウと遺伝子的に似ているというのは驚きです。
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上の写真のような、ヤブニッケイの葉の葉脈の側にできている褐色の虫えい(=虫こぶ=ゴール)、これはニッケイハミャクイボフシという名前が付けられています。 和名はカタカナで書きますが、漢字で書けば「肉桂葉脈疣附子」となります。
この虫えいはよく見るのですが、ほとんどは虫えいを作った虫が出てしまった後でした。 今回は時期が良く、葉の裏側に、その“住人”を見ることができました(下の写真)。
正面から撮ったので写真からはよく分かりませんが、凹んでいる底に虫がいます。 この1つを拡大したのが下です。
これはニッケイトガリキジラミの幼虫です。 下に体の名称を書き加えておきました。
(撮影:2014.4.5. 堺自然ふれあいの森)
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春になり、鳥たちも繁殖の時期を迎えようとしています。 繁殖期に入り、縄張りをつくってメスを誘う鳥も多くいます。 キジもそのうちの一種です。
キジの縄張りの主張とメスの誘いは鳴き声と羽ばたきの音で行いますが、この羽ばたきは「母衣打ち」と呼ばれています。
「母衣(ほろ)」とは戦国時代の武者が背中につけた布製の袋状のもので、これをつけて馬で疾走すると、母衣が風をはらんで膨らみ、背面からの矢を防いでくれます。 疾走すると母衣が風のために震えて音が出ますが、キジの激しい羽ばたきで出る音を、この母衣の音に喩えたものでしょう。
鳴き声の前後に母衣打ちを行う場合もありますが、下の写真( クリックで拡大します )のケースでは・・・
草むらから登場したオスは・・・
よく目立つ場所に立ち・・・
背筋を伸ばし・・・
大きく口を開けて一声「ケ・エーン」と鳴き・・・
母衣打ちの後・・・
草むらに戻っていきました。
繁殖期のオスは顔の赤い肉腫が肥大しています。 非繁殖期のオスや飛翔の様子はこちらに載せています。
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オオバタネツケバナは、タネツケバナに似て、もう少し山地の谷川のほとりや湿地でよく見られます。
外見上はタネツケバナと識別の難しい場合もありますが、タネツケバナが越年草であるのに対し、オオバタネツケバナは多年草で、別種です。
オオバタネツケバナは、生育条件などで見かけは違ってきますが、その名のとおり、タネツケバナよりは葉が目立ちます。 オオバタネツケバナの複葉は、頂小葉が大きく、側小葉は全縁です。
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ツマキチョウについては、過去にオスとメスを別記事として載せています。 この時は、オスはメスを探してか飛び続け、メスはあまり飛ばないと書きました。
今回堺市内の、ツマキチョウの幼虫の食草であるタネツケバナがたくさん咲いている所で、ツマキチョウのオスもメスもたくさん飛び交っている所がありました。 その場所では、メスは次々と産卵場所を探すためでしょうか、よく飛んでいました。 そして、メスがたくさんいるのでオスもメスを探し続ける必要が無いということなのでしょうか、オスもよくタネツケバナの花にとまってくれました。
花の蜜を吸うのなら、どんな花でもいいと思うのですが、オスもタネツケバナの花にこだわっているように見えるのは、何か理由があるのでしょうか。
今回の写真は、その全てにタネツケバナが写っています。
メス(前翅の先端近くの橙色がありません)
産卵中のメス
タネツケバナの花に口吻を伸ばすオス
オスの翅の裏の模様
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オドリバエの仲間は日本では200種ほどが記録されていますが、未記録の種もまだ多数生息しているようです。 また、そのほとんどが捕食性ですが、捕食の態様は多様です。 求愛行動も多様で、オスがメスに餌を差し出し、メスが餌に夢中になっているうちに交尾する種もたくさんいます。
写真の交尾中のオドリバエの場合も、上がオスで下がメスですが、メスはオスからプレゼントされた餌を抱きかかえています。 なかには肥大した前脚から糸を出し、その糸で餌を“包装”してオスにプレゼントする種もあるのですが、写真の場合は“包装”はされていないようです。
このオドリバエは、種名はもちろん、属名も分かりません。 というのは、翅脈の様子を撮る前に逃げられてしまいました。 何かに夢中になっている虫はそう簡単には逃げないものと安心したのがいけなかったようです・・・。
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芽吹き始めたコナラの芽を、タマバチと思われる蜂が歩き回っていました。 これに似た黒いタマバチがクヌギの芽にいるところを1年ほど前のブログに載せています(こちら)が、これと同種かもしれません。
しばらく見ていると、産卵(と思われる行動)を始めました。
下の3枚は、回り込みながら撮っていますので、背景の色は違っていますが、1分以内に連続して撮った写真です。
触角で産卵に適した場所を探りながら歩いています。 腹部の端には産卵管が見えます。
産卵管を突き立てて・・・
体を沈めました。 しばらくこのままの姿勢でいましたから、その時に産卵しているのでしょう。 腹部の一部が白く見えていますが、特に腹部は光沢が強く、光の反射によるものでしょう。
近くには同種と思われる蜂が数頭いました。 その様子からすると、近くで羽化したようです。 ということは、羽化して少し経過すると産卵を始めるのでしょうか。 この間、交尾するのか単為発生なのか(=オスが出現しているのかいないのか )は分かりません。
もうひとつの疑問点は、上の写真で産卵した場所は雄花序となる所です。 こんな場所では虫えい(ゴール)は作れないと思うのですが・・・。
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( 撮影 2014.4.6. 11:12 )
コナラの枝で、ウロコアシナガグモがいつもと違ったへばりつくような姿勢、よく見ると何かを押さえ込んでいるように見えました(上の写真)。 捕らえた獲物を食べているのかと思い、カメラを近づけて何枚か撮っていると、危険を感じたのか、ウロコアシナガグモは去って行きました。
( 撮影 2014.4.6. 11:13 )
ウロコアシナガグモの去った後に残っていたのは、オオワラジカイガラムシでした(上の写真)。 しかしクモに体液を吸われて縮んだようなところは見られません。
( 撮影 2014.4.6. 11:30 )
もしやと思い、しばらくしてから戻ってみると、予想どおりウロコアシナガグモがオオワラジカイガラムシの所に戻ってきていました(上の写真)。
これまで何度も書いてきたように、植物の汁を吸って生活している虫は、糖以外の栄養素を摂取するために、植物の汁をどんどん吸い、余分な糖を甘露やワックスなどの形で体外へ捨てます。 オオワラジカイガラムシも、体の表面に付けている白い粉状のワックス以外に、甘露も出すようです。
直接写真には撮れなかったのですが、状況から見て、ウロコアシナガグモはオオワラジカイガラムシの甘露を目的に来ていた可能性が大きいと思います。
クモは生きて動くものしか口にしないように思われがちですが、このブログではアシダカグモが砂糖水を吸いに来ることを載せています(こちら)。
もしウロコアシナガグモがオオワラジカイガラムシの甘露を吸うために来ていたとするなら、アシダカグモと同様なことが他のクモの行動でも観察できたことになり、とてもおもしろいことだと思います。
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白っぽい壁で、まるで日向ぼっこでもしているように、ガザミグモのメスが、頭を下にしてじっとしていました(4月2日撮影)。 カメラを近づけてもそのままです。 まだ活発に動くには気温が低すぎるのかもしれません。
ガザミグモはカニグモ科に分類されています。 獲物を待ち構える時は、写真のように、長い第1歩脚と第2歩脚を揃えて広げていて、ガザミの長い鋏脚を連想させてくれます。
ガザミグモの狩りは、網を張らず、獲物が来るのを待ち伏せします。 同じカニグモ科のクモで、ハナグモなど花で待ち伏せするものは多いのですが、ガザミグモは木や木の葉の上で待ち伏せしていることが多いようです。 上は10月の中旬に撮ったものですが、アラカシの枝で待ち伏せしているガザミグモのメスです。
ガザミグモのオスは、メスと比較すると、小型で、体色も黒っぽく、茶色っぽいメスとはかなり異なります。
上がガザミグモのオスです。 左の第2歩脚は失われています。 下は上の写真の頭部付近を拡大したものです。
オスもメスも、網を張らずに獲物を狩るにしては、小さな眼をしています。 獲物を狩るのは視力に頼らず、接触刺激や振動などを頼りにしているのでしょうか。
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写真のようなヒメバチがいました。(3月28日撮影)
渡辺恭平氏らによる寄生蜂に関するホームページ(こちら)では、ヒメバチ科などについては特に詳しく書かれているので、ここに載せられている「大型でアメ色の体をもつ寄生蜂の検索表」を使って属までの検索を試みてみました。
検索の結果は、ヒメバチ科アメバチ亜科アメバチ属(Ophion)にたどり着いたのですが、ここでは検索表で注目したいくつかの形質について載せておきます。
翅脈を見ることで、似た形質を持つアメバチモドキ(ハバチヤドリヒメバチ亜科)やXiphozelinae(コマユバチ科)などと区別できます。
下は上の写真の赤い□で囲った部分の拡大です。
上の写真は、前翅のすぐ後ろに後翅があって、両者の翅脈が重なって見づらいのですが、前翅の翅脈1m-cuには、短い翅脈の分岐が見られます(赤い矢印)。 また、前翅の縁紋の後方に微毛に覆われない透明域がある(緑の矢印)のですが、この部分の面積は狭いものです。
上の写真で、頭頂と後頭との境界にあたる後頭隆起線(緑色の矢印)は明瞭に認識できます。
アメバチ亜科のなかには大顎がねじれたようになっているものもいるのですが、アメバチ属ではねじれは見られません(上の写真)。
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写真のようなクモが「堺自然ふれあいの森」の地面を走っていました。 走り回るスピードはけっこう速く、今日の写真は短時間止まってくれた時に撮った下の1枚だけです。(写真はクリックで拡大します。)
腹部末端の特徴的な糸疣などからワシグモ科のクモでしょう。
ワシグモ科のクモのほとんどは、地上を走り回る徘徊性の黒っぽい種がほとんどです。 ただ、徘徊性といっても、ハエトリグモのような大きな眼を持っているわけではなく、触覚に頼って獲物を狙うと考えられていて、多くのクモと同様な形態をしているという点では、特徴の無いクモと言えるでしょう。 歩脚は、いわゆる前行性と言われているパターンで、手前2対が前を向き、後ろ2対が後ろを向いています。
ワシグモ科には非常に多くの種がありますし、互いによく似た種も多く、通常は種の同定には生殖器官を見る必要があるようですが、写真のクモは、普通種のマエトビケムリグモとしておきます。 ケムリグモ属も沖縄を除いて7種存在していて、腹部の模様には変異が大きいとのことですので、マエトビケムリグモでいいのかどうか、少し心配ですが・・・。
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上の写真、コナラの枝にサカハチトガリバがとまっていますが、わかりますか? 下はその拡大です。
頭近くの毛の束が前方に突き出して、耳のように見えます。
突いてみると、飛び去らずに、下へ落ちました(下の写真)。 昼間は飛び回らないようです。
平らな所では翅を丸めることができずに少し広げていますので、名前の「サカハチ」は逆さまの「八」の字だと分かります。 しかし翅が尖っているようには見えないのに「トガリバ」とは? じつはこれは分類学上の名称です。 サカハチトガリバはカギバガ科トガリバガ亜科に分類されています。 もちろん仲間の蛾には翅の尖っているものがいます。
サカハチトガリバの成虫は年1回の発生で、出現時期は4月頃です。 なお、幼虫の食餌植物は、クヌギ、ミズナラ、アカガシなどのブナ科です。
この仲間は複眼全体に長い毛が生えています。 長い毛といっても細いので、その全貌を撮ろうとすれば室内で照明を工夫しなければならないでしょう。 野外で撮った上の写真では、生えている毛の一部しか写っていません。
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イソヒヨドリは、その名のように、磯の岩場などでよく見られます。 しかし街の特に複雑な凸凹のあるつくりは、イソヒヨドリにとっては岩場に類似するものなのか、最近はイソヒヨドリの街への進出が目立ってきています。 下は和泉市の和泉中央駅付近ですが、赤い矢印の所にイソヒヨドリがいます。
イソヒヨドリは留鳥で、そろそろ繁殖期を迎えています。 ここでは2羽のオスがさかんに鳴き交わし、追っかけっこをしていました。 時にはメスと思われる1羽を含めて3羽で飛んでいました。 この3羽はどのような関係なんでしょうね。
オスの2羽 互いに体を膨らませ、大きく見せようとしているようです
飛んでいるところの写真は、ことごとくブレブレで、とても載せられるものではありませんでした・・・(-_-;
以下はあちこちにとまった時の様子です。
※ イソヒヨドリのメスの写真はこちらに載せています。
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