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2013年12月29日 (日)

TG-2のスーパーマクロ

 デジカメで昆虫などを撮る人の増加など、マクロ撮影に関する関心が高まってきているようです。 多くのコンパクトデジカメで1cmマクロが可能になってきましたが、近づいて撮れることと、大きく撮れることとは微妙に違います。 オリンパスの TG-2 のスーパーマクロモードは、単体で“顕微鏡並みの撮影”が可能(オリンパスのホームページ)ということで注目されているようです。
 このブログの左にある「人気記事ランキング」でも、オリンパスのTG-2 スーパーマクロの記事が、2013.12.29.現在で2位になっています。 なお、人気記事ランキングは最近の4ヶ月でアクセス数の多かった記事です。
 上記の記事は、今年の2月25日に載せたものですが、ここではその後のTG-2スーパーマクロによる撮影に関して、特に光源の工夫と深度合成についてまとめておきます。

● 光源の工夫
 何をどのように撮りたいかで、カメラに対する要求は違ってくるでしょうが、私の場合は、TG-2スーパーマクロモードにおける最大の不満は、フラッシュが使えないというライティングの問題でした。(なぜライティングが必要なのか、なぜフラッシュが使えないのかは、前回のTG-2の記事をお読みください。)
 そこで、身近にあったものをかき集め、下のような装置を工夫しました。

Souchi_3

 上の図のが被写体です。 光源はLEDのヘッドランプを使いました。 ここからの光を、直接カメラのレンズに入らないようにして被写体を照らすため、使わなくなった豆電球の懐中電灯を分解して取り出した反射板を使用しました。
 実際の写真を下に載せておきます。

 上が光源として使用したヘッドランプです。

 上の写真の右のように、ヘッドランプを上に向け、その上に台(写真では黒い円形のプレート)を載せ、その上に被写体を載せます。 上の写真の被写体は、白い紙の上の褐色の荷造り用テープの切れ端にくっつけられた小さな蜂です。 そしてこれの上に写真の左の反射板を被せ、この反射板の穴の真上にレンズが来るようにTG-2をセットします。
 このようにして撮ったのが下の写真です(トリミングしています)。 体長は1.8mmで、ヒメコバチ科の一種だと思います。(写真はクリックで拡大します。)

● 深度合成について
 小さいものを大きく撮ろうとすると、ピントの合う奥行き(被写界深度)は浅くなります。 上の写真では胸部の背面にピントを合わせてありますが、それよりほんの少し低い位置にある翅にはピントが合っていませんし、それよりさらに低い位置にある脚は消えかけています。 この被写界深度は、デジイチよりも、CCDの小さいコンデジの方が深いのですが、それでもこれくらいの倍率になると、この程度です。
 最近は小さなものをくっきりと写す方法として、深度合成がよく使われるようになってきました。 昨日の記事(こちら)の最後にも深度合成した写真を載せています。
 深度合成は、焦点合成、多重焦点などとも呼ばれていて、同じ被写体を、距離を少しずつ変えて撮り、複数の写真のピントの合っている部分をコンピュータのデジタル処理によってつなぎ合わせ、1枚の写真にする方法です。 この処理をするソフトは、いろいろ販売もされていますが、私はフリーソフトの CombineZP を使用しています。
 これは例えば上の写真の場合で書けば、胸にピントの合った写真と翅にピントの合った写真から、胸にも翅にもピントの合った写真を得る方法です。 2枚の写真からでも深度合成できます(例えばタマバエの2枚目の写真)が、深度合成らしい写真を作ろうとすれは、少しずつピントの合っている場所の異なる写真を何十枚も、場合によっては100枚以上も準備します。
 この深度合成をTG-2で撮った写真で可能かどうかを確かめてみました。
 結果は、なかなか満足のいく写真を得ることはできませんでした。 その最大の理由は、TG-2にはリモコン撮影の機能が無いということでした。
 あたりまえのことですが、TG-2で写真を撮る時にはシャッターを指で押します。 カメラはもちろん三脚に固定していますが、これくらいの倍率になると、このシャッターを押し込む時にカメラが動き、被写体の位置が微妙に変化します。 セルフタイマーを使ってカメラに手を触れないでシャッターを切ろうとしても、カメラを動かさないように最新の注意を払い、セルフタイマーを何十回もセットすることは耐えられません。
 最近のコンデジには、スマートフォンでカメラを操作できるものがあります。 もしTG-2にスマートフォンからシャッターを切ることのできる機能がつけば、もしかしたら、この問題はクリアできるかもしれません。
 もうひとつの問題は、最初に載せた照明装置では、被写体を平面に置くしかなく、撮りたい方向から撮ることはできないという点です。
 昨日の記事の最後に載せた深度合成の写真(こちら)は、46枚の写真を合成して作成しています。 この46枚の写真は、上記のような理由で、TG-2 ではなく、デジイチで撮りました。 被写体は細い針の頭に軽くくっつけてあるので、いろんな方向から撮ることができます。 また、カメラに触れずにシャッターを切るために、カメラ用のリモコンを使用しています。 たいていのデジイチはリモコン使用可能です。
 一眼レフのカメラは、中にミラーがあり、シャッターを切った瞬間にこのミラーを跳ね上げ、ファインダーを通して見ていた像を撮像素子に送るしくみになっていますが、このミラーを跳ね上げる時に小さな振動が生じ、これがこのような小さなものを撮る時にはブレの原因になります。 しかしデジイチにはミラーアップ撮影機能が準備されていて、シャッターを切る前に予めミラーを上げておくことができ(ファインダーを覗いても真っ黒です)、カメラ用のリモコンでは、このミラーアップ撮影もできるようになっています。 なお、レンズ交換式アドバンスカメラにはミラーがありませんから、この心配はありません。

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