ハマヒサカキは、その名のとおり、本州中部以南の海岸斜面等に自生する常緑低木で、ヒサカキとは同じ属( Eurya )です。
潮風にさらされた場所で生育している木ですから、乾燥にも強いだろうと、一時は道路の分離植栽や緑地帯にたくさん植えられましたが、耐乾性はそれほどでもなかったようです。 それに花にはガス臭に似たにおいがあり、ガス漏れ騒動を起こしたこともありました。
雌雄異株で、上の写真は雌株の枝と雄株の枝が交差している所を撮ったもので、上に雄花が、下に雌花が写っています。
葉はまるく厚く、光沢があり、低い鋸歯があります。 鋸歯の窪みには黒紫色の腺点状構造物があります(上の写真)。
上はもう少し引いて撮ってみたものです。 左が雄株、右が雌株です。 葉は2列互生です。 自生地では風衝樹形が見られたりしますが、温暖な都市公園では素直に伸びています。
写真の背景の赤っぽいのはメタセコイアで、花は10月~12月頃に咲きます。
上は雌花です。 雌花には柱頭が3裂したメシベのみで、オシベは見られません。
上は雄花です。 雄花は雌花より幅が大きく、枝につく花の数も多いようです。 雄花にはメシベは見当たりません。
葉の印象はヒサカキと異なりますが、花はヒサカキによく似ています。 ヒサカキには両性花もあるようです(私は未確認です)が、ハマヒサカキはどうなんでしょうね。
花の少ない季節とあって、花にはたくさんの種類のハエ目やハチ目が来ていました。
(以上、2013.12.11. 堺市南区の大蓮公園にて撮影)
ハマヒサカキは植えられている場所に寄って花の時期にかなりの幅があり、したがって実が熟す時期にも違いが見られますが、果実は熟すまでにほぼ1年かかり、完熟すると黒くなります。 上は大阪府南部の泉南で1月下旬に撮ったハマヒサカキのまだ若い果実です。 こちらには、ハマヒサカキの果実を食べに来ているメジロを載せています。
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