アカオビアザミウマ( Selenothrips rubrocinctus )というおもしろい虫がいることを、昨年のおちゃたてむしさん(成虫、幼虫)やBABAさん(幼虫)のブログで知りました。
ネットで検索してみると、アカオビアザミウマはハウス栽培のマンゴーなどに加害する農業害虫として話題になっているようです。 暖地性のアザミウマですが、どうやら北上してきているということで、私の家の近所ではどうだろうと気になっていました。 多食性のようですが、おちゃたてむしさんはタイワンフウ(フウ、サンカクバフウ)で、BABAさんはアメリカフウ(モミジバフウ)で見つけられたということでしたので、我家のすぐ近くのタイワンフウもアメリカフウもある公園に探しに行ってきました。
※ 今日の写真(全て)はクリックしても拡大しません。
アメリカフウの葉の裏で、何やら黒い小さな虫が歩き回っていました(上の写真)。 アザミウマなら細長い体型のはずで、これは違うと思いながらも、とりあえず撮っておこうと何枚か撮っているうちに気づきました。 腹部を持ち上げて歩き回っていたのでした。
横から撮ると、腹部を反らしているのが分かります(上の写真)。 1枚目の写真は、腹部をもっと反らしていた個体を真上から見ていたことになります。
しばらく見ていると静止しました(上の写真)。 落ち着いた状態では腹部を伸ばすようです。 体長は1.3mmでした。
成虫では名前の「赤帯」の意味がはっきりしませんが・・・
上は、これだけ翅原基が大きいと、たぶん終齢の幼虫でしょう。 おちゃたてむしさんより、触角が背中にくっついた状態になっているので蛹か前蛹ではないか、とのコメントをいただきました。 歩いていたので幼虫と思い込んでいたのですが、調べてみると、アザミウマ類には摂食はしなくなるが動けるという蛹のような時期があるようです。 おちゃたてむしさん、いつもありがとうございます m(_ _)m
小さくてよく分かりませんが、腹部の第2・3節が赤くなっているようです。 腹部末端にも小さく赤い部分があります。 体長は、成虫とそんなに変わらず、1.1~1.2mmほどでした。
上はもう少し齢の若い幼虫でしょう。 おもしろいのは、腹部の末端に長い毛があり、そこに排泄物と思われる液体を溜め、それを持ち上げて歩き回ることです。
上は真上から見たものです。 この液体の球は、もっともっと大きくなります。 それを撮りたかったのですが、残念ながら大きな球形の液体を持ったものは見つかりませんでした。
他の記事でこれまで何度か書いてきたように、植物から吸汁する虫は、その液が栄養的に偏りがあるため、必要な成分を吸収し、残りを排泄します。 しかし、アカオビアザミウマの場合は、単なる排泄目的なら、このように球状にして持ち上げておくようなことをする必要はありません。 球状の液体はたぶん防衛に役立っているのでしょうが、具体的にどのように役立っているのでしょうか。
それと、最初に書いたように、成虫も活発に活動する時には腹部を持ち上げているということです。 幼虫の行動と、どのような関連性があるのでしょうか。
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