6年前に記事にした「クマゼミの抜け殻の白い糸の正体は?」は、例年夏になるとアクセス数が増えるのですが、それが年々多くなってきています。 管理者として嬉しく思っています。
上記の記事の内容はクマゼミに限ったことではないのですが、これに関して、クマゼミの抜け殻を他のセミの抜け殻と区別する方法について質問をいただきました。
クマゼミは南方系のセミで、温暖化の影響でしょうか、西日本の市街地で見ることのできるセミは、ほとんどがクマゼミになってしまいました。 しかし、林の中に入れば、アブラゼミなども見ることができます。 下は堺市で住宅地のすぐ近くにある「堺自然ふれあいの森」で昨日撮ったアブラゼミです。 つまり西日本の平地でも、いろいろなセミの抜け殻が混じる可能性があります。
クマゼミは、日本産のセミの中では、石垣島や西表島に分布するヤエヤマクマゼミに次ぐ大きさです。 ですから、近畿地方などでは、大きなセミの抜け殻であればクマゼミのものと思えばいいのですが、大小は比較するものがあって分かることで、抜け殻1つでは、見慣れていないと難しいでしょう。
前振りが大変長くなってしまいました。 クマゼミの抜け殻を他のセミの抜け殻と見分ける確実な方法、それは“でべそ”の有無を確認することです。
上はクマゼミの抜け殻を腹面から撮ったもので、中脚と後脚の真ん中に“でべそ”のような膨らみがあります。 このような“でべそ”を持ったセミが他にもいるのかどうかは知りませんが、少なくとも、関西で夏に見られるセミで、このような“でべそ”が見られるセミの抜け殻は、クマゼミのものだけです。
ちなみに、大阪府では、小学生を中心に、セミの抜け殻で、どのような環境にどのようなセミがいるのか調べようと、「セミのぬけがら探し」をしています。 その時に使用している、6種類のセミの抜け殻の見分け方にリンクしておきます。(こちら)
“でべそ”のついでに、クマゼミの抜け殻の各部の拡大写真( 1,024×768 )を下に載せておきます。 土がついたままですが・・・。
顔の正面から
口吻
前脚
“でべそ”(上に載せたのとは、撮影の角度を少し変えています)
このようにしてみると、クマゼミの抜け殻にはけっこう毛が生えているのですね。
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