« 2013年7月 | トップページ | 2013年9月 »

2013年8月31日 (土)

ヤブガラシグンバイ

Yabugarasigunbai130816_1

 写真はヤブガラシグンバイだと思うのですが・・・。 ヤブガラシグンバイはヤブガラシにいるのですが、写真はクズの葉です。 もっとも、近くにはヤブガラシもありましたが・・・。

 もうひとつ、よくわからないのは、葉から吸汁しているのではなく、何か白い物質に口吻を刺しています。

 この白い物質、ちゃんと撮れば何か分かるかと思い、ヤブガラシグンバイには無理やり離れてもらったのですが、特にこれといった特徴もありません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月30日 (金)

アズチグモ(オス)

Azuchigumo130827_1

 クズの葉にいたアズチグモのオスです。 体長は 2.5mm、上から見ただけではカニグモの仲間としか分からなかったのですが、特徴のある顔を正面から見て、すぐにアズチグモと分かりました。

 もっと大きくて白っぽいアズチグモのメスは前に載せています (こちら) が、その時には載せられなかった腹面から撮った写真を下に載せておきます。 オモダカの花の上で、じっと獲物が来るのを待ち構えているアズチグモのメスです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月29日 (木)

マツムシモドキ

Matsumushimodoki130814_1

 マツムシモドキは樹上性のマツムシの仲間(マツムシ科)です。 長い触角を持っていますので、触角を含めた全身を撮ってみたものが、上の写真です。 写真はたぶんオスだと思いますが、オスとメスは上から見るとよく似ています。
 翅は発達していますが、発音器は無く、オスも鳴きません。 オスは体を振動させ、メスは枝を伝わる振動をたどってオスの所にたどりつくようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月28日 (水)

コゴメガヤツリ

 コゴメガヤツリはカヤツリグサ科カヤツリグサ属( Cyperus )の1年草です。

Kogomegayatsuri120731_1

 上は7月下旬に撮ったコゴメガヤツリです。 花序は最初写真のように上を向いているのですが・・・

 上は8月23日の撮影です。 果期に入ると、花序は写真のように横に傾き、先が垂れてきます。 カヤツリグサ属のなかでこのような姿になるのは、コゴメガヤツリだけです。

 上の写真のように、花序は複雑に枝分かれしています。

 上の写真、もうほとんどの小花は果実になりかけていますが、まだメシベを出している小花がありました。 カヤツリグサ属には2花柱(柱頭が2つに分かれている)のものと3花柱(柱頭が3裂)のものとがありますが、写真のように、コゴメガヤツリは3花柱です。 2花柱のものは平たい果実を、3花柱のものは3稜形の果実を作ります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月27日 (火)

ホオズキカメムシの卵にトビコバチ(?)が産卵

Tobikobachi130811_1

 ピーマンの葉の裏にホオズキカメムシの卵が産み付けられていて、その卵にトビコバチの仲間 ( だと思いますが、とにかく小さくてよく分かりません ) が産卵に来ていました。
 上の写真では産卵管が差し込まれていますが、ホオズキカメムシの卵の長さが1.3mmほどで、トビコバチ(?)が1.0mmほどでしたから、当日持参していた撮影道具では、これくらいの写真が限度です。 (最初から3枚目までの写真は、クリックしても拡大しません。)

Tobikobachi130811_2

 上は1枚目と同じ個体です。 下は別の葉で撮った別の個体です。

Tobikobachi130811_3

 当日はたくさんのトビコバチ(?)がいました。 下の写真には大きさも腹部の色も異なる2種類の個体が写っていますが、これが雌雄なのか別種なのかは分かりません。

 数日後に見に行くと、下のような口の開いた卵殻がありました。

 ホオズキカメムシが無事に孵化したのなら、蓋が開くようにきれいな孔が開くはずですし、寄生者が脱出する孔はそんなにきれいではないはずです。 上の写真の孔はどちらなんでしょうね。 大きさが揃っていないので両方が混じっているのかもしれません。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年8月26日 (月)

ヒゲナガヤチバエ

 昨日のタマガヤツリの所で登場したヒゲナガヤチバエを、もう少し詳しく・・・。

Higenagayachibae130823_1

 写真を撮っていて、誤って飛ばれてしまったのですが、なんと私の手に着地し、口吻を伸ばしていました(上の写真)。 そっとタマガヤツリに乗り移らせて、写真撮影を継続。 そんなに飛翔力が無いのか、タマガヤツリが気に入っているのか、とにかくカメラを近づけても、全く平気です。

 ヒゲナガヤチバエはヤチバエ科に分類されていています。 「ヤチ」とは「谷地」で、ヤチバエ科の幼虫は貝類を餌としています。 ヒゲナガヤチバエの幼虫もヒメモノアラガイなどの淡水産巻貝を食べているようで、成虫も水辺からそんなには離れないようです。
 永冨昭・櫛下町鉦敏「ヒゲナガヤチバエの生活史」(昆蟲33(1)1965)によれば、成虫は貝の死体やアリマキの分泌物などをなめて餌としているとのことですが、今回はタマガヤツリの花序に口吻を伸ばしていました。 タマガヤツリのあちこちにアリマキがいたとは思えないのですが・・・。

※ 冬に撮った体色の異なるヒゲナガヤチバエはこちらに載せています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月25日 (日)

タマガヤツリ

Tamagayatsuri130823_1

 タマガヤツリは、湿地に生え、全体が柔らかいカヤツリグサ科の1年草です。 花茎の先端には3枚ほどの長い苞葉があり、そこに数個の花序がつきます。

 花序には数cmほどの柄があるものや、ほとんど柄の無いものもあります。

 タマガヤツリの名前は、小穂が玉のような形に集まっているからです。 小穂は咲き始めは淡緑色です、種子が熟すにしたがって暗紫褐色を帯びてきます。 上の写真では種子の熟したものから順に落ちはじめています。

 このタマガヤツリにヒゲナガヤチバエがいました。 上の写真では小穂に邪魔されて口吻の全体がはっきり見えていませんが、太い口吻を伸ばしていました。 かなり小穂に執着している様子でしたので、何かを食べているのでしょうが、タマガヤツリは風媒花ですから、蜜は期待できないはずです。 花粉を食べていたのでしょうか。 (明日の記事に続きます)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月24日 (土)

ハラアカヤドリハキリバチ

Haraakayadorihakiribachi130821_2

 堺自然ふれあいの森でイヌザンショウの花が咲きはじめ、さまざまな虫たちが来ていました。 今日はそのうちのハラアカヤドリハキリバチ(ハラアカハキリヤドリ)です。 ハラアカヤドリハキリバチは、その名のとおり、ハキリバチ科の蜂です。
 ハキリバチの仲間は、既存孔や地中に巣を作ります。 その時に、植物の葉を丸く切り取って巣材にする種が多く、そのことが科名になっています。 巣には花粉と花蜜を混ぜた花粉団子を蓄え、そこに産卵します。
 ところがこのハラアカヤドリハキリバチは、同じハキリバチ科のオオハキリバチの巣を乗っ取り、卵を産み付けます。 つまり巣作りの苦労も花粉団子作りの苦労もオオハキリバチにさせるわけで、このような宿主の労働を搾取する形の行動を「労働寄生」と呼んでいます。
 同じイヌザンショウの花には、ハキリバチ科のツルガハキリバチも来ていて、熱心に花粉を集めていました。 ところがハラアカヤドリハキリバチは自分の腹を満たす蜜を吸えばいいのですから、訪花時間は短く、蜜の少ない花を次から次へと移動します。 つまり、なかなかまともな写真が撮れません・・・。

 ハラアカヤドリハキリバチの体には、短い毛は生えていても、目立つ毛はありません。 花粉を毛にくっつけて集める必要が無くなったからでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月23日 (金)

クスノキの葉のダニ

 上はクスノキの葉です。 クスノキの葉の特徴としては、全体的な葉形に加えて、多くのクスノキ科の葉同様、葉身の基部付近の主脈から左右に太い側脈が出ている(これを「三行脈」と呼んでいます)ことと、特有のにおいがあることでしょう。
 クスノキからは、防虫剤などに使われる樟脳(しょうのう)が得られます。 ですからクスノキの葉には虫がつかないかというと、そうでもなく、いろんな虫が葉に害を与えます。 上の写真の中央から右に出ている葉でも、黒い点や白い小さな点がたくさん見られますし、アオスジアゲハの幼虫をはじめ、クスノキの葉を食害する比較的大きな昆虫もいろいろいます。
 少しミクロの話になりますが、クスノキの葉を他のクスノキ科の葉と見分けるポイントとして、クスノキの葉の三行脈の分岐点には、小さな膨らみが見られます。

 上がその膨らみです。 大きさは季節によって少し異なり、春の若葉では小さく秋から冬には大きいように思います。 この膨らみを切ると、膨らみの中にはダニがいます。 ただしこのダニは、ルーペで確認できても、私の今のカメラシステムでは満足に撮れないので、写真はありません。
 以後、この膨らみは「ダニ室」と呼ぶことにします。 下はこのダニ室を葉の裏から撮ったもので、毛の生えた出入り口が開いています。

 このダニ室はクスノキ自ら作るようで、芽生えて間もないクスノキの若い葉では、ダニのいない小さなダニ室を見ることもあります。
 たくさんの葉のダニ室を調べると、たくさんの種類のダニが見られるのですが、最もよく見られるのは、フシダニの仲間です。
 フシダニの仲間の多くはフシ(=虫えい=虫こぶ)を作り、全てのフシダニは植物寄生性です。 クスノキはなぜ自らに害を与えるダニのためにダニ室を準備してやるのでしょうか。
 次のような内容の論文(笠井敦 2006)があります。 ダニ室で見られるフシダニは比較的おとなしいフシダニで、クスノキに大きな害を与えませんが、クスノキの葉に大きな害を与えるフシダニもいます。 クスノキの葉にはコウズケカブリダニなどの肉食性のカブリダニもいます。 クスノキの葉の敵(フシダニ)の敵(カブリダニ)は味方ですから、クスノキはカブリダニにパトロールし続けてほしいわけです。 ダニ室で比較的おとなしいフシダニが増えると、ダニ室からフシダニが溢れ出て、カブリダニの餌となり、カブリダニを引き留めておくことができます。(論文の内容は平たく書いています。)
 先日、この説が納得できるようなできごとを観察することができました。

 上の写真で、ダニ室の傍に写っているのは、カブリダニです。 コウズケカブリダニかもしれません。 見ていると、かなりのスピードで葉のあちこちを歩き回り、餌は無いかとでもいうふうに、ダニ室を確かめに来たところのように見えました。 このダニの大きさでは、大きすぎてダニ室に入ることはできません。 以前ビノキュラーで観察したことを思い出すと、フシダニはもっと小さく、細長く、短い脚で、進む速度はゆっくりでした。

 大きなクスノキの葉では、三行脈の分岐点に加えて、他の側脈の分岐点にもダニ室が作られていることもあります(上の写真)。 ここでも、速足で歩いてきたカブリダニが、ダニ室の前で立ち止まっていました。

 クスノキの葉のダニ室の役割については、他の説もあります。 名古屋大学の西田佐知子氏は、ダニ室の出入り口は秋には小さくなることから、ダニ室はダニを誘いこみ、閉じ込め、春の落葉とともにダニを排除するしくみだと考えられています(詳しくはこちら)。
 はたしてクスノキの葉のダニ室は、クスノキにどんなメリットをもたらしているのでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月22日 (木)

ツマグロスケバ

Tsumagurosukeba130821_1

 上はツマグロスケバの幼虫でしょう。 複雑な色彩と模様で、最初見た時は、どこがどうなっているのか、よく分かりませんでした。

Tsumagurosukeba130821_2

 上は1枚目の写真の頭部を拡大したものです。

 上は斜め横から撮ったもので、口吻を茎に刺しています。 ツマグロスケバはテングスケバ科の昆虫で、もう少し広い範囲で捉えれば、ヨコバイの仲間です。

 上は横から撮ったものですが、この角度から見ると、複眼がはっきりします。
 ところで、上の写真の背景の黒い斜め線は・・・

 じつはすぐ近くにベッコウハゴロモの成虫がいました。 同じような複眼の模様を持った2種が左右に並んでいたのですが、単なる偶然でしょうね。

shine

 上はツマグロスケバの成虫を横から見たところです。 ツマグロスケバを漢字で書くと褄黒透翅で、透明な翅の端(褄)が黒いという意味です。
 下は成虫を上から見たところです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月21日 (水)

ヤマノイモ

 ヤマノイモは、ジネンジョ(自然薯)、ヤマイモ(山芋)などとも呼ばれ、栽培もされています。(長芋は同じヤマノイモ科ヤマノイモ属の植物ですが、中国原産の別種です。)
 これまで、オニドコロヒメドコロカエデドコロなどのヤマノイモ科の植物について書いてきましたが、ヤマノイモについてはまだ載せていませんでした。 ヤマノイモも今が花の時期です。

Yamanoimo130818_1

 ヤマノイモの葉は対生です。 ヤマノイモも雌雄異株で、上は雄株です。 雄花序は上方に伸びます。

 上はヤマノイモの雄花です。3枚の白いガク片の内側に、少し小さい3枚の白い花弁が見えます。 雄花はもうこれ以上は開きません。 甘いにおいで虫を誘い、花弁の細い隙間から出入りできるアザミウマ(注1)などの小さな虫によって花粉媒介が行われているようです。
 (注1) アザミウマの例として、サカキの花に来ているアザミウマはこちらに載せています。

 雄花の内部を確認するために、手前のガク片2枚を除去し、花弁1枚を押し下げたのが上の写真です。 緑色のオシベからは、ちゃんと花粉が出ています。 花弁はかなりの厚さで、内部をしっかりガードしているようです。

 写真を撮り始めてすぐに、ヨツボシオオアリが蜜を求めてやってきました(上の写真)。 ヤマノイモの花の蜜は、虫たちにとっては、なかなか魅力的な蜜のようですが、ヤマノイモはほんの一部の虫にしかその蜜を飲むことを許していないようです。 だから虫たちは花を外からかじるのでしょう。 ヤマノイモの雄花序を見ると、1枚目の写真の茶色く見えている部分のように、かじられた花がたくさんあります。

 上はヤマノイモの雌株です。 ヤマノイモの雌花序も、他のヤマノイモ属の植物同様、下垂します。

 上はヤマノイモの雌花です。 ヤマノイモでは雌花もそんなに開きません。

 上はヤマノイモの雌花を正面から撮ったものです。 雄花同様、3枚の白いガク片の内側に3枚の白い花弁があります。 雄花よりはよく開いていますが、いちばん開いた状態でこの程度です。 内側には枝分かれしたメシベの柱頭が見えます。 またピントは合っていませんが、退化したオシベも写っています。

 上は9月中旬に撮ったヤマノイモの雌株です。 ヤマノイモはむかごを作ります。 ヤマノイモのむかごは芽が栄養分を貯め込んで肥大化したもので、これが落ちると、そこから新たなヤマノイモが生じます。 上のむかごは少し根を出しはじめています。
 上の写真でもうひとつ注目したいのは、果実の向きです。 これまで書いてきたように、多くのヤマノイモ属では、雌花は最初ほぼ横向きに咲き、子房が発達しはじめると上を向きます。 ところがヤマノイモでは、果実になっても下を向いたままです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月20日 (火)

クチバスズメ?に寄生していたコマユバチ

Komayubachi130816_1

 ソメイヨシノの葉の裏に、綿に絡まったようなスズメガ科の幼虫がいました。 クチバスズメの幼虫だろうと思います。 綿のようなものは、寄生者のしわざでしょう。
 クチバスズメ?の幼虫はダランとぶら下がっていますが、指で触れてみると、力強く頭を左右に振ります。 しかし体の後半は綿のようなもので固定されているのでしょうか、動けないようです。 これも寄生者のしわざで、宿主に力強く頭を振るだけの能力を残しておくことで、宿主が何かに捕食されてしまうことを防いでいるのかもしれません。
 葉ごと取って、地面の上で、もう少し調べることにしました。

 綿くずのようなものは密に絡み合っていて、中心部は思ったよりも固い状態でした。 それを少しほぐしたのが上の写真です。 綿くずの中にはコマユバチの繭がぎっしり詰まっていました。 下はもう少しほぐした状態の拡大です。

 繭を少しだけ持ち帰ったところ、2日後・・・

 成虫が次々と羽化してきました。 体の途中まで出るのは2~3秒かかりますが、そこから先は、体全体が出るのは一瞬です。 そして繭から出ると、すぐに元気に歩き回り、数秒後には飛び立ちます。

 出てきたのは上のようなコマユバチでした。 種名も属名も分かりません。 体長は、少し個体差があるようですが、3mm前後でした。
 容器の中で羽化させたのですが、はっきりとした正の走光性を示していました。 そして羽化のピークから1日半後、全部死んでしまいました。 もちろん餌も何も与えませんでしたが、思ったより短い寿命でした。
 死んだ個体で深度合成してみたのが下です。 少ない枚数で合成しましたので、あちこちで輪郭が二重になってしまいましたが・・・。

 上は背中側から撮ったものですが、頭部は横を向いていて、口は下側になります。 下は腹側からの撮影で、産卵管がよく分かります。 やはり顔は横を向いていて、口は上側です。

※ 1枚目を除いて、写真はクリックで拡大します。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月19日 (月)

オニドコロ

 少し前にこのブログでヒメドコロを載せましたが、今日はヒメドコロに似たオニドコロです。
 オニドコロは全国に分布します。 なぜ「オニ」なのかは、よく分かりませんが、ヒメドコロやヤマノイモなどに比べると葉が大きくなるからでしょうか。
 オニドコロは古くから知られている植物です。 古事記に書かれている「野老蔓(ところづら)」や、万葉集の「冬薯蕷葛(ところつら)」は、オニドコロであるとされています。
 「ところ」の語源についてはよく分かりませんが、オニドコロの根茎にはひげ根が多く、いつの頃からかは分かりませんが、これを腰が曲がり髭を蓄えた老人に喩え、海の腰の曲がった老人=海老(エビ)に対比させて、野の老人というとで、「ところ」(=オニドコロ)に「野老」の漢字を充てるようになったようです。 PCで「ところ」で漢字変換すれば「野老」が出てきますし、広辞苑などでも、トコロ(野老)は通常はオニドコロをさす旨の記載があります。
 オニドコロつまり野老の根茎は、長寿の象徴として、正月に飾る風習が少し前まで見られたようです。 ただし、オニドコロの根茎は有毒成分を含んでいて、そのままでは食用にはなりません。
 このように古くから親しまれてきたオニドコロですが、ヤマノイモ科には、ヒメドコロをはじめ、オニドコロと似たものが何種類かあります。 これまでに何度か書きましたが、葉の形は環境によって変化しやすいものですが、自生している植物の花の形質は、生殖に関するものですから、そう簡単には変わりません。 以下、オニドコロの花について書きますが、ヒメドコロと比較すると分かりやすいでしょう。 比較しやすいように、ヒメドコロと同じ順序で書くことにします。

 オニドコロも雌雄異株であるのはヒメドコロと同じで、雌花序の垂れ下がっている様子などもよく似ていますが、ヒメドコロと異なり、雄花序は上方に伸びます(上の写真)。
 雌花はほぼ横向きに咲き、子房が生長を始めるにしたがって上を向くようになるのはヒメドコロと同じです。 ただ、1つの花を拡大して見ると・・・

 上はオニドコロの雌花です。 退化したオシベはヒメドコロの雌花のオシベに比べると長く、6本の存在が分かります。
 オニドコロではヒメドコロのように果実の外側から種子の様子が分かる写真は撮れなかったのですが、オニドコロの種子のひれは一方向にのみ付きます。

 上はオニドコロの雄花です。 雄花の柄はヒメドコロより短く、オシベはヒメドコロと異なり、寄り集まってはいません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月18日 (日)

ツノヤセバチ科の一種

 後脚を左右に大きく開き、葉の上にたたずむ蜂がいました。 検索してみると、おちゃたてむしさんそらさんのところに載せられているものと同種のようです。 おちゃたてむしさんのところには産卵中の様子も載せられています。
 お二人のブログを見ても、すぐに飛んで逃げるような蜂ではないのですが、葉の混んでいるところにいて風もあって、枝を手に持って葉の揺れを防ごうとすると、異変を感じて歩き回りますし、満足のいく写真は撮れませんでした。 ちゃんと撮れば、名前のように頭部に角があるのが分かるのですが、小さな角で、よく分かる角度は、かなり限られます。

 寄生蜂を研究されている渡辺さんのサイトでは、ツノヤセバチ科について、次のように書かれています。
 中型の寄生蜂で、熱帯や亜熱帯地域に多いグループであり、日本ではどちらかというと稀な寄生蜂である。殆どの寄主記録はタマムシ科とカミキリムシ科といった鞘翅目昆虫の幼虫であり、一部原始的な属ではキバチの幼虫に寄生することが知られている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月17日 (土)

フユイチゴ

Fuyuichigo130814_1

 堺ふれあい自然の森で、はやくもフユイチゴの花が咲き始めていました。 フユイチゴの名前は、冬に赤く熟すからで、花の盛りは9月から10月です。

 フユイチゴは常緑の匍匐性小低木で、関東以西に分布します。 浅く3裂する丸い葉の裏面には細かい毛があります。 茎にはトゲが散生していることが多いので、注意が必要です。
 花は、オシベもメシベも多数で、ガク片よりも短い5枚の白い花弁があります。 最初は1枚目の写真のように斜め下向きに咲くのですが・・・

 花はそのうちに次第に上を向いてきます(上の写真)。 花は雌性先熟で、この頃にはメシベは縮れてもう見えません。

 果実は11月頃から熟しはじめます。 上は11月上旬に撮ったものです。 嫌みのない、なかなかおいしい果実です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月16日 (金)

マダラエグリバ

Madaraeguriba130811_1

 マダラエグリバは成虫が春から夏に出現するヤガ科エグリバ亜科の蛾です。 写真のように、頭を下にして白い壁にとまっていました。
 特に珍しい蛾でもありませんが、写真のマダラエグリバは羽化したばかりのようで、とても美しい色をしています。 ウェブで検索しても、これほど青い色がきれいに出ている状態は少ないようです。
 下は鱗粉の1つひとつが確認できるところまで拡大してみました。 写真はクリックで拡大します。

 幼虫は黒と白で、鳥の糞に擬態していると思われます。 幼虫の食餌植物はアオツヅラフジです。 なお、同じエグリバの仲間のアカエグリバヒメエグリバなども、幼虫の食餌植物はアオツヅラフジです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月15日 (木)

ヒメドコロ

Himedokoro130806_1

 暑い日が続いています。 上は8月6日に撮ったヒメドコロの雌花序です。 この日から今日まで、堺市では一滴の雨も降っていません・・・。
 少しでも涼しそうな話題をと思うのですが、なかなかありませんね。 ヤマノイモ科のなかでは、このヒメドコロあたりは、かろやかで風情があるような気がしますが・・・。

 ヒメドコロは関東南部以南に分布する多年生のつる植物です。 多くの葉はオニドコロより幅が狭いのですが、葉だけからオニドコロと区別するのは危険なようです。
 ヒメドコロは、雌雄異株であるのはオニドコロなどと同じですが、雌花序も雄花序も垂れ下がります。 上の写真では、左に雌株、右に雄株が写っています。

 上は雌花です。 花被片は細く6枚(ガク片3+花弁3)、柱頭は3、退化したオシベは6本あるのですが、ほとんど分かりません。

 雌花は最初ほぼ横を向いていますが、受粉し、子房が生長しはじめると、上を向きます(上の写真)。

 上の写真では、果実が生長してきています。 果実の中に、全周にひれがある種子が透けて見えています。 花はかなり傷んでいますが、この写真の方が退化したオシベの存在がよく分かりますね。(写真はクリックで拡大します)

 上は雄花序です。 雄花序の方が花が集まってついていますが、雄花にも長い柄があり、1つの花だけを見ると、一見雌花によく似ています。 雄花の花被片の幅は雌花のそれよりも少し広く、オシベ6本の葯は寄り集まっています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月14日 (水)

ヒロオビジョウカイモドキ

Hiroobijoukaimodoki130814_1

 上はヒロオビジョウカイモドキのオスです。 近くで羽化したばかりだったのでしょうか、オスもメスもたくさんいました。

 ヒロオビジョウカイモドキは、体長が3mm前後の小さな虫ですが、赤みがかった広い帯が目立ち、存在していればすぐに分かります。 しかしこの虫のおもしろさは、拡大して見てはじめてわかるオスの触角の様子でしょう(上の写真)。
 触角の基部近くの2節が、膨らんでいるだけではなく、窪みや突起もあります。

 上はメスです。 メスの触角は、基部近くの節に少し膨らみが見られるものの、オスの触角ほどには異形ではありません。
 オスとメスで形態的に異なるケースの多くは、交尾か産卵に関するものでしょう。 オスの触角はどのような機能を担っているのでしょうか。
 おちゃたてむしさんのところでは、雌雄が触角をこすり合わせる求愛行動らしきものが載せられています(こちら)。 この時、オスの触角は折りたたまれ、窪みがメスの方に向き、何か物質のやり取りをしているようにも見えます。

 ところで、上の写真のメスは、葉をかじっているようにも見えます。 ジョウカイモドキ科の昆虫は、ジョウカイボン科に似ているところからの名前でしょうが、分類学的には離れています。 似ている点といえばどちらも肉食で、花や葉の近くをうろうろしながら獲物を待ち構えるといった生態的な類似点でしょう。 しかしジョウカイモドキ科の昆虫は、幼虫はたしかに肉食なのですが、成虫では植物を食べるケースもあるようです。
 上の写真のメスは、葉の表面で小さな虫を食べていたのでしょうか、それとも葉をかじろうとしていたのでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月13日 (火)

「ハスの葉の上で水が沸騰!?」を改良しました

 2007年8月6日に載せた記事「 ハスの葉の上で水が沸騰 !? 」の動画のリンクが外れていましたので、改めて動画を挿入し、別の写真や動画も付け加えました。
 本日は忙しくて、それだけ。 新たな記事の追加はありません。 なぜ忙しかったのかは、お墓参りもありましたが、大きな理由はこちら

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月12日 (月)

クマゼミの抜け殻

 6年前に記事にした「クマゼミの抜け殻の白い糸の正体は?」は、例年夏になるとアクセス数が増えるのですが、それが年々多くなってきています。 管理者として嬉しく思っています。
 上記の記事の内容はクマゼミに限ったことではないのですが、これに関して、クマゼミの抜け殻を他のセミの抜け殻と区別する方法について質問をいただきました。
 クマゼミは南方系のセミで、温暖化の影響でしょうか、西日本の市街地で見ることのできるセミは、ほとんどがクマゼミになってしまいました。 しかし、林の中に入れば、アブラゼミなども見ることができます。 下は堺市で住宅地のすぐ近くにある「堺自然ふれあいの森」で昨日撮ったアブラゼミです。 つまり西日本の平地でも、いろいろなセミの抜け殻が混じる可能性があります。

 クマゼミは、日本産のセミの中では、石垣島や西表島に分布するヤエヤマクマゼミに次ぐ大きさです。 ですから、近畿地方などでは、大きなセミの抜け殻であればクマゼミのものと思えばいいのですが、大小は比較するものがあって分かることで、抜け殻1つでは、見慣れていないと難しいでしょう。

 前振りが大変長くなってしまいました。 クマゼミの抜け殻を他のセミの抜け殻と見分ける確実な方法、それは“でべそ”の有無を確認することです。

Kumazemi130812_1

 上はクマゼミの抜け殻を腹面から撮ったもので、中脚と後脚の真ん中に“でべそ”のような膨らみがあります。 このような“でべそ”を持ったセミが他にもいるのかどうかは知りませんが、少なくとも、関西で夏に見られるセミで、このような“でべそ”が見られるセミの抜け殻は、クマゼミのものだけです。
 ちなみに、大阪府では、小学生を中心に、セミの抜け殻で、どのような環境にどのようなセミがいるのか調べようと、「セミのぬけがら探し」をしています。 その時に使用している、6種類のセミの抜け殻の見分け方にリンクしておきます。(こちら)

 “でべそ”のついでに、クマゼミの抜け殻の各部の拡大写真( 1,024×768 )を下に載せておきます。 土がついたままですが・・・。


顔の正面から


口吻


前脚


“でべそ”(上に載せたのとは、撮影の角度を少し変えています)

 このようにしてみると、クマゼミの抜け殻にはけっこう毛が生えているのですね。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2013年8月11日 (日)

ハマスゲ

Hamasuge130723_1

 ハマスゲはカヤツリグサ科の多年草です。 名前に「スゲ」とついていますが、スゲ属ではなく、カヤツリグサ属です。 また、名前に「ハマ」とついていますが、海浜植物ではありません。 写真のハマスゲも芝生の雑草として生えていたもので、乾燥しやすい所によく生えています。 浜も乾燥しやすい所が多いので、こういう名前になったのでしょうか。

 根出葉は長く、たくさんあるのですが、上の写真では芝の葉といっしょになってしまって、よく分かりません。 匍匐茎を伸ばして広がり、そのあちこちから花茎を立ち上げます。 花茎には3枚ほどの包葉があります。

 上の小穂の写真で、鱗片の間から出ている白いものはメシベの柱頭で、2裂しています。 黄色い細長いものはオシベの葯です。

 冬にハマスゲの根茎を掘り取って乾燥させたものは香附子(こうぶし)と呼ばれ、生薬として用いられてきました。 漢方では、芳香性健胃、浄血、通経、沈痙の効能があるとされているようです。(Wikipedia)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月10日 (土)

フタスジモンカゲロウ(オスの亜成虫)とトウヨウモンカゲロウ(成虫)

Futasujimonkagerou130714_1

 上はフタスジモンカゲロウの亜成虫だと思います。 載せるのが少し遅くなりましたが、7月中旬に撮りました。
 前にガガンボカゲロウの所で書いたように、カゲロウの仲間は、水中生活の幼虫から羽化して飛び立つのは「亜成虫」で、この亜成虫が脱皮して成虫になるという「半変態」を行います。 翅が伸びた後に脱皮する昆虫はカゲロウの仲間だけです。

 上の写真、長い尾毛と、触角のように前方に伸ばしている前脚を入れて撮ると、体がとても小さくしか撮れませんので、体だけの写真も載せました。
 フタスジモンカゲロウの亜成虫の翅は黄色の半透明で、フラッシュの光を当てると金色に美しく輝きますが、成虫の翅は透明になります。 複眼は黒色で、腹部の体節ごとに斜めの暗色紋があるなど、体の他の部分の特徴は、亜成虫と成虫とで大きな違いはありません。 なお、雌雄の差として、オスの方が複眼が少し大きく、前脚の長さが長くなります。 こちらに載せたフタスジモンカゲロウの成虫のメスと比較してみてください。

 フタスジモンカゲロウに紋があるわけではありません。 翅に紋のあるモンカゲロウに似て二筋の模様があるところからの名前だと思いますが、二筋の模様がどの部分を指すのか、私にはよくわかっていません。

 下は同じ属のトウヨウモンカゲロウの成虫です。 撮りにくい所にいて、無理に撮ろうとして飛ばれてしまい、写真はこれだけですが、翅に紋があり、複眼の色も、腹部の模様も違います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月 9日 (金)

イワヒメワラビ

 イワヒメワラビは、昨日記事にしたヒメワラビやミドリヒメワラビ( 以下「ヒメワラビなど」と書くことにします )と一見よく似ています。 しかし昨日書いたように、ヒメワラビやミドリヒメワラビがヒメシダ科であるのに対し、イワヒメワラビはワラビなどと同じコバノイシカグマ科です。

 葉が展開する時期だと、イワヒメワラビとヒメワラビなどとの違いはすぐにわかります。 イワヒメワラビでは、ワラビなどと同様、羽片の展開に時間差が見られ、下部の羽片がある程度開いてから、その上の羽片が開きはじめます。
 化石から陸上植物の進化を考えると、根・茎・葉の区別が無かったところから、大葉類の葉は平面的に分岐を繰り返した枝から作られていったと考えられています。 枝は下から上へ伸びながら分化していきますから、羽片の展開に時間差が見られるのは、葉が枝の性質を残しているからではないかと考えられています。

 ヒメワラビなどより毛の多いのもイワヒメワラビの特徴です。 上はまだ開ききっていない上部の羽片を撮ったものですが、たくさんの白毛が見られます。

 ソーラスの様子を見ればヒメワラビなどとの違いは、もっとはっきりします。 イワヒメワラビのソーラスには包膜がありません。 上の写真でも毛がたくさん確認できますが、よく見ると、毛の先が膨れています。 これは腺毛で、指で触れても少し粘ります。 下はこの部分の腺毛をもう少し拡大したものです。

 視点を下に下げます。 下は葉柄下部の、根茎に接する部分を撮ったもので、右に葉身があります。 この部分も、毛は太くなっていますが、毛だけで、ヒメワラビなどのように鱗片はありません。 鱗片が無いというのも、コバノイシカグマ科の特徴です。

 ところで、イワヒメワラビの地下茎は長く地中の浅い所を這い、まばらに葉を出す比較的大型のシダですが、葉柄は、根茎に接する所でも、そんなに太くはありません。 そんな葉がどうして真っ直ぐに立っていられるのでしょうか。 左右に長い棒(地下茎)の中央に垂直に棒をくっつければ(葉)、前後にユラユラするはずです。
 じつはイワヒメワラビの地下茎と葉との関係は、3本足のマイクスタンドが安定して立っているようなしくみになっています。

 上はイワヒメワラビの根茎を掘り出してみたものです。 石か何か障害物があったのでしょう、“マイクスタンドの足”の1本は波打っていますが、安定して葉をほぼ垂直に展開しておけるつくりになっています。 このようなしくみはどのようにしてできるのでしょうか。

 上はイワヒメワラビの地下茎の先端付近を撮ったものです。 右から伸びてきた地下茎が二股に分岐し、奥の方は地下茎として伸び続け、手前は葉として上に伸びようとしはじめていますが、その葉柄になる部分の下部に、新しい芽ができています。 この芽は「腋外芽」と呼ばれているのですが、手前に伸びてきて新しい地下茎となっていくはずです。 つまり、葉柄を中心に考えると、3方向に地下茎が走っている姿になります。
 腋外芽は、コバノイシカグマ科ではよく見られるのですが、特にイワヒメワラビでよく発達しているようです。

(写真は全て「堺自然ふれあいの森」に生えていたイワヒメワラビです。)

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2013年8月 8日 (木)

ヒメワラビ、ミドリヒメワラビ

 ヒメワラビとミドリヒメワラビは、どちらもヒメシダ科に分類されていて、よく似ています。 どちらも名前に「ワラビ」とついていますが、ワラビはコバノイシカグマ科で、そんなに似ているとは思いませんが・・・。
 コバノイシカグマ科にイワヒメワラビというシダがあり、このシダは、同じ科ですから当然ですが、ワラビとも共通点が多く、一見ヒメワラビやミドリヒメワラビとも似ていますので、そのようなつながりで名前が付けられたのかもしれません。 なお、イワヒメワラビは明日載せる予定でいます。
 一般的には、ヒメワラビは向陽地を好み、ミドリヒメワラビは日陰を好むということですが、この2種が並んで生えている場所があったので、比較してみました。

 ヒメワラビは黄緑色でミドリヒメワラビは鮮緑色と言われていますが・・・。 特に新しい葉では両者の色の違いはわずかのようです。

● 小羽片の基部


ヒメワラビ


ミドリヒメワラビ

 小羽片の基部は、一般的にはヒメワラビは無柄でミドリヒメワラビは有柄です。 写真のヒメワラビには短い柄がありますが、このようなものも出現するようです。
 小羽片が羽片の中軸につく角度を見ると、ヒメワラビの方が鋭角で、ミドリヒメワラビでは直角に近くなります。
 ヒメワラビには細かい毛(腺毛)がたくさん見られます。 ミドリヒメワラビの毛はとても短く、ほとんど目立ちません。

● ソーラス


ヒメワラビ


ミドリヒメワラビ

 上の2枚は同じ倍率で撮っています。 両者ともソーラス(胞子嚢群)は中間性で包膜は円腎形ですが、ヒメワラビのソーラスの方が大きいようです。 ヒメワラビの包膜の縁には腺毛があります。 ミドリヒメワラビのソーラスにも毛は見られますが、腺毛ではないようです。(写真はクリックで拡大します。)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年8月 7日 (水)

コガタスズメバチの巣の観察記録 ②

 昨日はコガタスズメバチの冬を越した女王バチが、1頭で徳利を逆さにしたような特徴的な巣を作るところまでを書きました(こちら)。 巣の出入り口の細い部分は、昨日の最後の写真より、もう少し長くなったのですが、いちばん長くなった状態を撮ってやろうとしているうちに、油断して撮るチャンスを逃してしまいました・・・。
 今日はその続きです。 前回の最後からは、3週間あまりが経過しています。

● 6月5日

 働きバチが誕生したようです。 上の写真で下に1頭と、左上にも1頭います。 働きバチは下に長く伸びた出入り口を壊しています。 下に長く伸びた出入り口は、外敵の侵入を防ぐには役立ちますが、複数で出入りするには不便だということでしょうか。 たしかにこの細い部分で2頭がすれちがうのは難しそうですね。

● 6月6日

 巣が拡張されはじめています。 外皮の外側にさらに外皮が作られています。

● 6月8日

 巣はどんどん変化していきます。 出入り口は斜め下になりました。 外皮の付け加えも進行しています。

● 6月30日

 巣の出入り口は下から横に変わりました。 外皮は何層にもなっています。 外皮の内側は順次壊して内部のスペースを拡げますが、何層かは残されていて、その隙間は空気室となっています。 空気室の存在で外皮の断熱効果が大きくなっているようです。

● 8月2日
 上の状態から1ヶ月過ぎました。 この間、巣はどんどん大きくなり、働きバチの数も増えてきました。

● 8月5日

 巣の出入り口にはいつも見張り役ががんばっています。 上の写真で右下の蜂の翅が無いように見えますが、翅を激しく振動させて、巣の中に空気を入れています。 中にどれくらいの数の個体がいるのかは分かりませんが、外皮の断熱効果だけでは、内部の温度が上がりすぎるようです。
 下は翅の振動が分かる角度から撮ったものです。

 終わりは突然訪れます。 個体数が増えて巣への出入りが頻繁になり、巣の存在が広く知られるようになってしまいました。 そして、市役所への通報が行われ、巣は除去されてしまいました。
 秋の新女王と雄バチの誕生を見たかったのですが、もし誰かが刺されても私が責任を取るわけにもいきませんから、止むを得ません。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年8月 6日 (火)

コガタスズメバチの巣の観察記録 ①

 コガタスズメバチの1つの巣の様子を、5月1日から8月5日まで、続けて観察してきました。 その結果を、今日と明日の2回に分けてまとめておきます。

● 5月1日

 コガタスズメバチが巣を作りかけているところをみつけました。 このコガタスズメバチは越冬した女王バチでしょう。
 既に六角形の育房が並ぶ巣盤と、後にこの巣盤の外側を覆うことになる外皮が屋根のように作られています。
 コガタスズメバチは比較的おとなしいスズメバチで、刺激を与えなければ攻撃されることはほとんどありません。 そのまま巣作りの様子を継続観察することにしました。

● 5月3日

 上の写真は下方から撮っています。 屋根のような外皮は、かなり大きくなっています。 新しく付け加えられたばかりの所は、まだ乾いていなくて、黒く光っています。 巣盤の育房は5室で、うち1室には既に卵が産み付けられています。

 最初の働きバチが生まれるまでは、巣作りも、産卵も、幼虫の世話も、全て女王バチ1頭での作業です。 女王バチも疲れることでしょう。 昼間でも時々休んでいました。 休む時は、上のように巣盤を吊り下げている柄の部分に体を巻きつけるようにしていました。

● 5月7日

 育房は13室になりました。 外皮も巣盤の横まで延びてきました。 巣は2色になってきました。
 スズメバチ類の巣は樹皮を噛み砕き、唾液と混ぜたものを材料として作られます。 唾液に含まれるタンパク質が接着剤の役割をしているようですが、色は樹皮の材料で決まります。

● 5月10日

 巣盤は外皮にすっぽりと覆われてしまいました。

● 5月13日

 巣の出入り口が下に伸びています。 このような徳利を逆さにしたような特徴的な巣を作るのは、コガタスズメバチと、八重山諸島に分布するツマグロスズメバチだけです。

 載せた写真の枚数も多くなりましたので、この続きは明日に載せることにします(こちら)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月 5日 (月)

ナス(茄子)の不思議発見

Nasu130804_1

 身近な植物で不思議発見! - とても身近な野菜のナスでも、注意して見てみると、いろいろおもしろい特徴がみつかります。

 上はナスの花です。 合弁花で花冠は5裂しています。 オシベは5本です。

 上は花のオシベとメシベを拡大したものです。 1本のオシベは2室の葯からなりますが、葯の先端に孔が開いていて、花粉はここからこぼれ落ちます。 ナス科の植物にはこのようなオシベが数多く見られます。
 ナスはインドの東部が原産と考えられていますが、野性のナスでは花の中心部に来た虫がオシベに触れると、その振動で虫の背中に花粉を振りかけ、他の花へ花粉を運んでもらうしくみだと思われますが、野菜としての品種改良の過程ででしょうか、栽培されているナスは自家受粉で果実を稔らせるようになっています。
 なお、ナスの花には、長花柱花(オシベよりメシベが長い)、中花柱花(オシベとメシベがほぼ同じ長さ)、短花柱花(オシベよりメシベが短い)の3種の花が混じって咲きます。 上の写真は中花柱花でしょう。 3種類の花があるのは野生の時には意味があったのでしょうが、自家受粉をする栽培されているナスではほとんど意味を持たないのでしょう。 もちろん、花は斜め下を向いて咲き、花粉は下に落ちるわけですから、長花柱花が最も自家受粉しやすく、収穫されたナスはほとんどが長花柱花由来のものと考えられます。 下は花が終わり、メシベの基部にある子房が膨れつつある状態ですが、長い花柱がついています。

 上の写真で、あちこちに白くモヤモヤしたものがついていますが、星状毛です。 ナスの星状毛は比較的大きなものですから、星状毛の観察には適した材料と言えるでしょう。


ガク筒の星状毛


葉柄の星状毛

 ナスの葉にとまっているアカガネコハナバチのところにも、ナスの葉の表面の星状毛が写っています。

 ところで、1枚目のナスや2枚目の花の写真で、そのついている所に違和感を感じませんでしたか?
 ガクも花弁もオシベもメシベも葉が変化したものと考えられていますから、起源的には花はたくさんの葉の集まりです。 たくさんの葉は枝につきます。 枝が伸びてたくさんの葉をつける出発点は芽です。 そして、芽のつく位置は葉の腋(腋芽)か茎の頂(頂芽)です。 つまり花のつく位置も、葉の腋か茎の頂です。 ところがナスの花は茎の途中に咲き、花から果実ができるのですから、ナスも茎の途中にぶら下がることになります。
 この不思議な花のつき方は、次のように考えられています。


一般的な花のつき方(模式図)


ナスの花のつき方(模式図)

 つまり、ナスの花も葉腋から出ているのですが、花柄が一部茎と融合しているのだと考えられます。 これもナス科植物によく見られる特徴です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月 4日 (日)

アオスジアゲハの卵と若齢幼虫

 我が家の庭に、鳥が運んできた種子から芽生えて高さ30cmほどになったクスノキがあります。 そんな小さなクスノキですが、アオスジアゲハが飛来して産卵していました。
 産卵を確実にするために産卵の様子は撮らず、飛び去ってから腹部を近づけていた葉の裏を見ると、卵がみつかりました。

 上の写真で、右が生みつけられたばかりの卵です。 真珠のようです。 側に古い卵もありましたが、これは残念ながら死んでいるようです。

 上は1齢幼虫で、トゲがいっぱいです。 2齢幼虫の写真はありませんが、色は1齢とよく似ていて、トゲが目立たなくなります。

 上は2齢から3齢への脱皮の直後です。 茶色系から緑色系への変身です。 右にあるのは脱皮殻です。

 上は3齢幼虫を正面から見たものです。 脱皮から時間が経つと、角状の突起の色は美しい青色金属光沢になります。

 上は3齢幼虫を上から見たものです。 腹部の端を持ち上げて糞をしています。

 4齢幼虫になると、3番目の角状の左右の突起をつなぐように黄色の線が入ります。 確認はしていたのですが、撮ろうとした時には消えていました。 蜂か何かの犠牲になったのでしょう。
 5齢幼虫は、上に書いた黄色の線はそのままで、角状の突起が目立たなくなります。 蛹や羽化の様子も撮りたいのですが・・・。
 成虫はこのブログでも何度も登場していますが、再度下に載せておきます。

※ 今日の卵~若齢幼虫の写真は、全て昨年の夏に撮ったものですが、これからの観察に備えて整理の意味でまとめてみました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月 3日 (土)

ニホンカナヘビ

Kanahebi130726_1

 ニホンカナヘビは、このブログには既に登場済み(こちら)ですが、その時のものより腹面が美しい黄色です。
 ニホンカナヘビはニホントカゲと混同される場合もありますが、色も違いますし、ニホントカゲの尾の長さが全身のほぼ1/2であるのに対し、ニホンカナヘビの場合は、尾が全身の長さの2/3を占めています。
 上で色がニホントカゲとは異なると書きましたが、ニホンカナヘビにもいろんなタイプがいるようで、大阪付近で多く見るのは、写真のように、背が茶色で、脇腹が白く、腹が黄色のものですが、全身が茶色のものや灰色のものもいるようで、地域的な偏りがあるようです。

 上2枚は、PCでは、写真をクリックして「オリジナルの表示」で、どちらも 1024×768 まで拡大できます。 以上の3枚は同一個体ですが、撮り方によって、かなり印象が違ってきますね。

 この日はよくニホンカナヘビに出会いました。 下は別個体です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月 2日 (金)

アカガネコハナバチ(オス)

Akaganekohanabachi130726_1

 上はアカガネコハナバチのオスだろうと思います。 ナスの葉の上にいました。 少しピントがナスの葉の表面の方に行ってしまって、星状毛がきれいに撮れていますが・・・。
 カメラを近づけると飛ばれてしまいましたが、すぐ近くの竹の支柱にとまってくれました(下の写真)。 飛び回る気配はなく、訪花するでもなく、何かを待っているようでした。 メスの飛来を待っているのでしょうか。

 コハナバチの仲間も似たものが多く、なかなか種名まで分からないのですが、このアカガネコハナバチの赤銅色の金属光沢では間違わないと思うのですが・・・。
 メスは、触角がオスより短くオスのように直線的ではなく、脚ももう少し黒っぽい部分が増えるようです。 巣は地中に作り、幼虫の餌は花粉だんごです。
 と、ここまで少し自信なさげに書いてきたのは、今頃オスが見られるのか、少し不安だからです。 オスが見られるのは秋のはずなのですが・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年8月 1日 (木)

スベリヒユの閉鎖花、そして自家受粉について考える

 スベリヒユの閉鎖花について、質問をいただきました。
 閉鎖花というのは、花が開かないままで種子を作る花です。 閉鎖花に対して、“ちゃんと”咲く花を開放花といいます。
 閉鎖花といってもいろいろで、例えばスミレ類などのように開放花とは異なる閉鎖化をつくる植物もあります(下の写真)し、オシベもメシベも成熟しているのに花を開くだけの“元気”が無いといったケースもあるでしょう。


タチツボスミレの閉鎖花の果実(2013.6.8.撮影)

 この場合、花が開くか開かないかの前に、その植物が自家受粉を拒否するのか許すのかという問題があります。 自家受粉とは、メシベに同一の花のオシベの花粉がついて種子ができることを言います。
 植物の中には、メシベの柱頭に同じ花の花粉がついても、自己の花粉の花粉管を伸ばすことを抑制する物質を出し、自家受粉を不可能にしているものもあります。 自家受粉が許されないなら、閉鎖花の意義はありません。 閉鎖花は自家受粉を積極的に行うためのひとつの手段でしょう。
 なぜこのような自家受粉を拒否しようとする植物も、自家受粉を積極的に行おうとする植物もあるのか、それは、自家受粉には長所も短所もあるからでしょう。

自家受粉の長所:
 花粉媒介をしてくれる昆虫などがいなくても種子生産ができる。
自家受粉の短所:
 さまざまな形質を持った多様な子孫を作り、より環境に適応した子孫誕生に期待するという有性生殖の意義が制限される。

 この問題をさらに掘り下げると、有性生殖の意義や、生物に寿命があることの意義などにも関ってきますが、とりあえずはここで止めておく事にします。


スベリヒユの花と種子

 スベリヒユに話を戻します。 スベリヒユについて閉鎖化の存在を確認する実験を行ったわけではありませんし、文献も見当たりませんでしたので、以下は私見になります。
 スベリヒユの場合は、開花している時間が短いことや、花のつくりを見るとオシベとメシベが接していることからも、自家受粉している可能性が高いと思います。 またスベリヒユの生えている場所を見ても、そんなに昆虫相が豊かだとは思えません。
 スベリヒユは、昆虫に花粉を運んでもらうことを期待しながらも、花粉を運んでもらえない場合は自家受粉で種子を生産し、秋に気温が低くなるなど、花が開けない場合には、閉鎖花のようなふるまいをするのではないでしょうか。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2013年7月 | トップページ | 2013年9月 »