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2013年7月14日 (日)

アクシバ

Akusiba130714_1

 アクシバはツツジ科の落葉低木です。 上は斜面に生えている所を撮ったので、平らな所のものとは少し印象が違いますが、樹高はせいぜい数十cmで横に広がります。 上はほとんどツボミですが、花は大阪付近では7月が中心です。
 アクシバの名前は、たぶんアク(灰汁)を取る柴(=雑木)ということでしょう。 昔はアクシバの灰汁を何かに利用していたのでしょうか。

 上の写真のメジャーは右がインチ、左がセンチメートルです。 花は1cmほどで、1cmほどの花柄があります。

 花はガクが4裂、花弁も4裂し、花弁の先は巻き込みます。 オシベはくっついていて、上の写真では本数は分かりにくいですが、8本あります。 オシベの先は長く伸びています。
 保育社の『原色日本植物図鑑 木本編[I]』(初版)のアクシバのところには、「花柱は無毛、雄ずいより少し短い。」と記載されています。 しかし上の写真では、明らかにオシベより長いメシベが見られます。 これはまだ確認したわけではありませんが、花の初期には花粉を出しているオシベの方が長く、メシベはオシベに隠されていて自家受粉を防ぎ、その後にメシベが伸び出してくるのではないかと思っています。
 上の話を理解していただくには、花粉がどこからどのように出るのかを理解してもらわなければなりません。 花粉は長いオシベの先端にある小さな孔から出てきます。

 上はいちばん手前のオシベを除去して撮ったものですが、オシベの先端に小さな孔があることと、オシベが裂けて花粉が出ている形跡は無いことが確認できます。

 ところで、下の写真のツポミには、穴が複数開けられています。

 これは何者かが蜜を盗もうとしたものでしょう。 植物は花粉媒介をしてもらうために虫に来てもらおうと蜜を作りますが、ツボミの段階で蜜を盗まれたのでは被害大です。
 同様の穴は上から2枚目の写真にも見られます。 犯人はだれなんでしょうね。

 上はアクシバに来ていたトラマルハナバチです。 トラマルハナバチにとっては、アクシバの花は小さすぎて窮屈そうですが、それでもちゃんと植物の想定どおりの場所に口吻を差し込み、腹にオシベとメシベの先端が触れています。 トラマルハナバチはちゃんと送粉者としての役割を果たしているようです。
 このトラマルハナバチは次から次へとアクシバの花を訪れていました。 アクシバの花は小さいのですが、蜜は比較的たくさんあるように思えました。 だからこそ盗蜜もされるのでしょうが・・・。

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