ウスバカゲロウ・アリジゴク
ウスバカゲロウはアミメカゲロウ目(脈翅目)ウスバカゲロウ科に分類されています。 薄翅蜉蝣であり、薄馬鹿下郎(『どくとるマンボウ昆虫記』)ではありません。
このウスバカゲロウの幼虫は、アリジゴクとして知られています。 アリジゴクはウスバカゲロウ科に分類される何種類かが作ります。
「アリジゴク」の名称は、下の写真のような巣の名称としても、そこに棲む幼虫の名称としても使用されるので、使い方が難しいのですが、しかたがありません。
アリジゴクは、雨のかからないサラサラとした砂地に作られます。 上の巣は土壌条件としては良くないのでしょうが、泉北ニュータウンは粘土質土壌が中心ですので、妥協して作られたものなのでしょうね。
幼虫はこのすり鉢状の巣の底に潜んでいます。 アリなどの小昆虫がこの“すり鉢”に迷い込むと、ウスバカゲロウの幼虫は頭を素早く反らし、頭の上に乗っていた砂を小昆虫にぶつけ、小昆虫が“すり鉢”の底に滑り落ちると、鋭い牙で捕えます。
草の細い葉などで“すり鉢”の側面にアリが歩くような振動を与えると、元気な幼虫がいる場合は砂をかけてきますので、その巣を壊すと、下のような幼虫が出てきます。
上の写真は分かりやすいように葉の上に載せて撮っていますが、全く動こうとしません。 ところが腹側からも撮ろうとひっくり返すと、目にも止まらぬ素早さで頭をパンと叩きつけ、写真のような姿勢に戻ります。 何度やっても同じです。 その素早さはコメツキムシの比ではありませんでした。
写真撮影の後の幼虫は元の場所へ戻しておきました。 またすり鉢状の巣を作ってくれることでしょう。
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