スベリヒユ
暑いと元気になる植物の1つにスベリヒユがあります。 スベリヒユは熱帯にも分布していて、史前帰化植物ではないかとも言われています。
前にマツバギクのところで、光合成の3種類の型を簡単にまとめておきましたが、スベリヒユはC4型光合成を行なうと同時にCAM型光合成を行う多肉植物です。 ですから暑さにも乾燥にも強い植物ということになります。
しかし地面を這うように生長しますので、他の植物などに上を覆われると生長できません。 ですから、スベリヒユの見られるのは、畑の雑草としてであったり、路傍や荒れ地ということになります。
スベリヒユは、ゆでておひたしにするなど、食用になりますし、一部栽培もされている所もあるようです。 味は少し酸味があります。 これはCAM型光合成に関係するリンゴ酸によるものです。
ゆでると粘液が出ますが、このヌルヌルが「スベリ」の由来のようです。 ちなみに「ヒユ」の方は、一説には「ひよこ」と同語源で「小さく可愛らしい」の意であると言われています(Wikipediaより)。
スベリヒユは黄色のかわいい花を茎の先端に咲かせるのですが、この花は日が当たらないと咲きませんし、咲いても午後にはしぼんでしまいます。
果実は蓋果で、熟すと蓋が取れ、種子が周辺にばら撒かれます。 蓋が下に落ちてしまわず、葉にひっかかっていたものを撮ってみました(上の写真)。
スベリヒユの学名は Portulacea oleracea で、同じ属で園芸的によく栽培されているものに、ハナスベリヒユやマツバボタンがあります。 ハナスベリヒユは属名のポーチュラカという名で扱われていることもあります。
上は混植されているマツバボタン(左)とハナスベリヒユ(右)を撮ったものです。 マツバボタンの葉は「松葉」の名前のように細く、ハナスベリヒユの葉はスベリヒユの葉に似ています。 なお、マツバボタン(スベリヒユ科)と混同しやすいものにマツバギク(ハマミズナ科)があります。 両者の葉はよく似ていますが、マツバボタンの花弁はボタンのように広く、マツバギクの花弁のようなものは菊のように細いものです。
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