« 2013年6月 | トップページ | 2013年8月 »

2013年7月31日 (水)

スベリヒユ

Suberihiyu130726_1

 暑いと元気になる植物の1つにスベリヒユがあります。 スベリヒユは熱帯にも分布していて、史前帰化植物ではないかとも言われています。
 前にマツバギクのところで、光合成の3種類の型を簡単にまとめておきましたが、スベリヒユはC4型光合成を行なうと同時にCAM型光合成を行う多肉植物です。 ですから暑さにも乾燥にも強い植物ということになります。
 しかし地面を這うように生長しますので、他の植物などに上を覆われると生長できません。 ですから、スベリヒユの見られるのは、畑の雑草としてであったり、路傍や荒れ地ということになります。

 スベリヒユは、ゆでておひたしにするなど、食用になりますし、一部栽培もされている所もあるようです。 味は少し酸味があります。 これはCAM型光合成に関係するリンゴ酸によるものです。
 ゆでると粘液が出ますが、このヌルヌルが「スベリ」の由来のようです。 ちなみに「ヒユ」の方は、一説には「ひよこ」と同語源で「小さく可愛らしい」の意であると言われています(Wikipediaより)。

 スベリヒユは黄色のかわいい花を茎の先端に咲かせるのですが、この花は日が当たらないと咲きませんし、咲いても午後にはしぼんでしまいます。

 果実は蓋果で、熟すと蓋が取れ、種子が周辺にばら撒かれます。 蓋が下に落ちてしまわず、葉にひっかかっていたものを撮ってみました(上の写真)。

 スベリヒユの学名は Portulacea oleracea で、同じ属で園芸的によく栽培されているものに、ハナスベリヒユやマツバボタンがあります。 ハナスベリヒユは属名のポーチュラカという名で扱われていることもあります。

 上は混植されているマツバボタン(左)とハナスベリヒユ(右)を撮ったものです。 マツバボタンの葉は「松葉」の名前のように細く、ハナスベリヒユの葉はスベリヒユの葉に似ています。 なお、マツバボタン(スベリヒユ科)と混同しやすいものにマツバギク(ハマミズナ科)があります。 両者の葉はよく似ていますが、マツバボタンの花弁はボタンのように広く、マツバギクの花弁のようなものは菊のように細いものです。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年7月30日 (火)

セアカゴケグモ

Seakagokegumo130719_1

 セアカゴケグモのメスの腹部は丸く、上から見たのでは、頭胸部に近い腹部の模様はほとんど見えません。 上は前方斜め上から見たセアカゴケグモの若いメスで、メリハリの効いた美しい模様を持っています。 なお、成熟が進行するにつれて、腹部の白い色は無くなっていきます。
 一時はいろいろ騒がれたセアカゴケグモですが、最近は話題になることも少なくなりました。 アシナガバチ並みの“普通の”注意すべき虫になってしまったのでしょうか。
 しかし、少なくとも大阪付近では、今年は暑さ好きのセアカゴケグモが目立っているような気がします。

 上はセアカゴケグモのオス(2頭)と若メスです。 場所は地表から高さ2mほどの壁面で、このすぐ横に街灯がありますので、その光に集まる虫を狙っているのでしょう。
 今までに私がセアカゴケグモを見たのは、溝の蓋の裏など、低い場所のみでした。 こんな高い場所で見たのははじめてでした。 そして、ほぼ同じ高さのすぐ近くには、メスがもう2頭いました。

 上は若メスだけを、ほぼ真上からもう少し大きく撮ってみました。 注意を呼びかけるポスターなどでおなじみの模様ですが、1枚目の写真とは、かなり印象が違います。

 上はオスです。 メスより小さいですが、拡大すると、なかなか美しい模様を持っています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月29日 (月)

ウキヤガラ

Ukiyagara130723_1

 ウキヤガラはカヤツリグサ科の多年草です。 水深の浅い底質に匍匐(ほふく)茎を延ばし、そのところどころから茎を垂直に立てます。 垂直に立つ茎には、花茎と葉のみをつける茎の2種類があります(上の写真)。
 やがら(矢柄/矢幹)とは、矢の鏃(やじり)と羽根を除いた部分です。 ウキヤガラの名前は、秋に枯れて倒れて水に浮く花茎を、水に浮かぶ矢幹に見立てたものでしょうか。

 花茎は断面が三角形で、花茎の先端には数枚の長い苞葉があり、そこに散形の花序がつきます。
 以上2枚の写真は7月下旬に撮ったもので、もう花は終っていました。

 上は同じ所で5月中旬に撮ったもので、ちょうど雄性期でたくさんのオシベが出ています。
 ウキヤガラは雌性先熟で、写真の雄性期に先立って雌性期があります。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年7月28日 (日)

ウスバカゲロウ・アリジゴク

Usubakagerou130714_1

 ウスバカゲロウはアミメカゲロウ目(脈翅目)ウスバカゲロウ科に分類されています。 薄翅蜉蝣であり、薄馬鹿下郎(『どくとるマンボウ昆虫記』)ではありません。

 このウスバカゲロウの幼虫は、アリジゴクとして知られています。 アリジゴクはウスバカゲロウ科に分類される何種類かが作ります。
 「アリジゴク」の名称は、下の写真のような巣の名称としても、そこに棲む幼虫の名称としても使用されるので、使い方が難しいのですが、しかたがありません。

 アリジゴクは、雨のかからないサラサラとした砂地に作られます。 上の巣は土壌条件としては良くないのでしょうが、泉北ニュータウンは粘土質土壌が中心ですので、妥協して作られたものなのでしょうね。
 幼虫はこのすり鉢状の巣の底に潜んでいます。 アリなどの小昆虫がこの“すり鉢”に迷い込むと、ウスバカゲロウの幼虫は頭を素早く反らし、頭の上に乗っていた砂を小昆虫にぶつけ、小昆虫が“すり鉢”の底に滑り落ちると、鋭い牙で捕えます。
 草の細い葉などで“すり鉢”の側面にアリが歩くような振動を与えると、元気な幼虫がいる場合は砂をかけてきますので、その巣を壊すと、下のような幼虫が出てきます。

 上の写真は分かりやすいように葉の上に載せて撮っていますが、全く動こうとしません。 ところが腹側からも撮ろうとひっくり返すと、目にも止まらぬ素早さで頭をパンと叩きつけ、写真のような姿勢に戻ります。 何度やっても同じです。 その素早さはコメツキムシの比ではありませんでした。
 写真撮影の後の幼虫は元の場所へ戻しておきました。 またすり鉢状の巣を作ってくれることでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月27日 (土)

エビガライチゴ

Ebigaraichigo130721_1

 エビガライチゴの実が熟しはじめていました。 熟したものを食べてみると、野生ですので硬い種子はありますが、味は嫌味が無く、おいしかったです。

 未熟な果実はガクに包まれて保護されていますが、ガクの表面には腺毛がビッシリ生えています。 エビガライチゴの名前は、このガクの様子がエビの殻のようにみえるところからと言われています。

 エビガライチゴはつる状に成長する落葉低木で、葉は3~5の小葉からなる複葉です。 上の写真の右下に白っぽい小葉の裏が見えていますが、エビガライチゴにはウラジロイチゴという別名があります。 茎や葉柄などにも赤紫色の腺毛が密生していて、それに混じって鋭い刺が生えています。 下は茎と葉柄の一部を拡大したものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月26日 (金)

マキバサシガメ科の一種の幼虫

 毎日暑い日が続いていますので、涼しそうな体色の虫を・・・

Sasigame130721_1

Sasigame130721_2

 ところで、これは何の幼虫なんでしょうね。 口吻の様子からするとサシガメの仲間だと思いますが・・・。

 サシガメの仲間ではなく、マキバサシガメの仲間でした(おちゃたてむしさんからいただいたコメント)ので、タイトルを変更します。

 このような細い体型の似たサシガメをいろいろ思い浮かべてみると、ヒゲナガサシガメに似ているような気がします。 ところが、ヒゲナガサシガメの幼虫を検索してみると、こちらに載せたようなものの写真はあちこちに載せられているのですが、上のようなものは探せませんでした。
 よく紹介されているようなヒゲナガサシガメの幼虫は、私もよく見かけるので、最近は見てもスルーの状態ですが、今までに撮ったヒゲナガサシガメの幼虫の撮影日を拾い出してみると、1~2月に6回撮影していて、3月下旬を最後に、以後の撮影はありません。 4月になるといろいろ撮るものが多くなって葉の裏を見る機会が減ったことも影響しているのかもしれませんが・・・。
 しかし、この撮影日データから想像を逞しくすると、これらの幼虫が成虫になり、産卵し、生まれた子供の2齢あたりが上の写真だと考えられなくもないと思い、大胆にも上のようなタイトルにしました。
 なお、ヒゲナガサシガメの成虫は9月に撮ったことがありますが、これは産卵後も生き続けていると考えても、ヒゲナガサシガメが年に何回か世代を繰り返すと考えても矛盾は無いでしょう。
 写真の幼虫の正体をご存知の方やヒゲナガサシガメの生活環に関するデータをお持ちでしたら、教えてください。

 先入観念に囚われてしまっていました。 マキバサシガメの幼虫で検索すると、似た色のものが出てきます。 前脚が少し太いことや、口吻が4節からなっていることに気付くべきでした。
 なお、これもおちゃたてむしさんの指摘どおり、ヒゲナガサシガメは、幼虫が冬季にしか見られないということで、1化性なのでしょうね。
 マキバサシガメ科のアカマキバサシガメ(成虫)はこちらに載せています。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年7月25日 (木)

ニセマイコガ科の幼虫

Microlepi130719_1

 上の写真、シダはトウゴクシダだと思うのですが、その表面に小さなミノムシのようなものがついています。 昨日のナンゴクナライシダの所で“予告編”を載せておきましたが、この小さなミノムシのようなものは、いろんな種類のシダについていました。 下の写真では赤い○で囲んだ3箇所についています。

 上で「小さなミノムシのようなもの」と書きましたが、ミノムシにしては少し変です。 周囲の葉にかじられたような形跡はありませんし、“蓑”の表面についている丸いものは何でしょうか。 私も最初はミノムシだと思い、引っ張ってみたのですが、簡単には取れませんでした。
 そして、これのついている葉のちょうど裏を見ると・・・

 上の写真のようにクモの巣のようなものが見られます。 最初は偶然だろうと思っていたのですが、よく見ていくと、葉の表の“ミノムシ”とその裏の“クモの巣”は完全に対応しています。
 こうなると、巣を取り除いてみるしかありません。 注意深く取り除くと・・・

 中にいたのは上の写真のような幼虫でした。 体の後半は隠されているようです。 そしてクモの巣状の糸に隠されていた部分の胞子のうがなくなっています。 離れた場所の胞子のう群は、まだ中の胞子が十分成熟していない時期らしく、包膜に覆われています。
 つまり、葉の表側の“ミノムシ”と葉の裏側の“クモの巣”は葉を貫通してつながっていて、幼虫は葉の裏の胞子のうの中の胞子を食べて育ち、胞子のうを材料として“ミノムシ”を作っておいて、イザという時にはこの中に逃げ込むのでしょう。 ということで、ここで名称変更します。 これまでの“ミノムシ”は、以後“シェルター”と書くことにします。(胞子と胞子のうの関係はノキシノブのところを見てください。)
 じつは上の写真にはからくりがあります。 上の写真は“シェルター”を軽く叩き、幼虫が出てきた所を撮ったものです。

 上は斜め横から撮ったものです。 さすがに“シェルター”と幼虫を1枚の写真に収めることはできませんが、幼虫の体の後半が“シェルター”に入っていることは、この角度の方が分かりやすいですね。

 この幼虫についてはAclerisさんがブログに載せられています。 それによると、雑誌「昆虫と自然」の2003年12月号に「ミクロレピの世界」が特集されていて、この幼虫はニセマイコガ科の Calicotis sp. として載せられているということです。 なお、ミクロレピとは Micro Lepidoptera つまり「小蛾類」のことです。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年7月24日 (水)

ナンゴクナライシダ

 ナライシダの名は、長野県の奈良井に由来します。 従来ナライシダとされていたものに2つのタイプがあることが分かり、1986年にナンゴクナライシダとホソバナライシダに分けられました。 ナンゴクナライシダは暖地性で西日本を中心に、ホソバナライシダは温帯性で東日本を中心に分布しています。

Nangokunaraisida130719_1

 上は堺自然ふれあいの森にあったナンゴクナライシダです。 葉の形は、最下羽片が発達し、そのなかでも基部の小羽片が発達しているので、全体としては五角形になります。 小羽片のつく順序は、上向の小羽片が先になります。

 上は葉の表の一部を撮ったものです。 葉はうすい草質です。 細い毛は光の当たり方でうまく写らないことが多いのですが、よく見るとあちこちで毛が写っていて、特に羽軸の溝に多く見られます。 この毛はホソバナライシダでは無いか、あってもごくわずかとのことです。

 上は葉の裏面の拡大で、写真をクリックし「オリジナルの表示」で1024×768まで拡大できます。 包膜は円腎形、中軸や羽軸には、扁平で袋状の鱗片があちこちについています。

 ところで、ナンゴクナライシダの葉の表には、あちこちに下のようなものが見られます。 影でわかるように葉面に乗っているのではなく、葉面に立っています。

Nangokunaraisida130719_3

 この正体は → こちら

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月23日 (火)

モチツツジカスミカメ

Mochitutujikasumikame130721_1

 モチツツジカスミカメはモチツツジの葉や花柄など、粘液のある所で暮らすカスミカメの仲間です。 多くの虫たちがモチツツジの粘液に捕えられて犠牲になっているのに、このモチツツジカスミカメは平気で歩いています。 写真のモチツツジカスミカメの体長は5mmでした。

 横から見ると、脚も口吻も細く長く、体が粘液に触れないようにして暮らしているのでしょう。
 餌は長い口吻でモチツツジの汁を吸っているのですが、モチツツジの粘液に捕えられた小さな虫たちの体液も吸うようです。

 拡大してみると、体表には褐色の毛がまばらに生えています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月22日 (月)

ヤマドリとの遭遇

 コーナーを曲がったところで、目の前にヤマドリ! 距離は約3m、尾がそんなに長くないので、オスの若鳥でしょう。
 この日は虫と花を撮るつもりで60mmのマクロレンズと、予備のコンデジを持っているだけでしたが、そーっとカメラを取り出して撮影をはじめました。 この間、ヤマドリは私の存在を全く意に介さない様子。  十二分に写真を撮って、その場を立ち去り、その日に撮りたかったものを撮りに向かいました。

Yamadori130719_2

 ふと気がつくと、ヤマドリがついてきています。 最初は10mほど距離を開けてついてきていたのですが、時間が経つにつれて、その距離が次第に短くなります。
 たぶんヤマドリはなわばりを守ろうと、私を追い払おうとしていたのでしょうが、私が離れようとするものですから、ヤマドリに“大きなものに勝っている”という自信を与えてしまったのでしょうか、どうしても離れてくれません。

Yamadori130719_3

 ヤマドリの様子を見ていても、そんなに緊迫感は感じません。 草をついばみながら、私の周囲をうろうろします。 上の写真でも、嘴の間には葉が見えます。
 下の動画は、前にいるヤマドリを追い越して離れようとする私を、警戒音を発しながら追いかけてきて、私の前に回り込もうとするヤマドリです。

 この日は他に出会う人も無く、結局ヤマドリとは、私がその場を離れるまで、約3時間付き合ったことになります。 その間の移動距離は800mほど、とにかく私の前に回りこみ、撮影の邪魔をし続けてくれました。 またその間、しゃがんで植物を撮影する私の背中に、2度跳び蹴りを入れてくれました。

 キツネガヤ(上)を撮りたいのに、その間に入り込むヤマドリ(下)

 これがなわばりを守ろうとする行動であるとして、その日の行動からこのヤマドリのなわばりの範囲を推測してみると、最低でも5haほどの面積になります。

※ ここに載せたヤマドリは、亜種レベルで区別すると、ウスアカヤマドリになるのだと思います。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年7月21日 (日)

キバネトゲアシクモバチ?のコアシダカグモ狩り

Kumobachi130714_1

 山道で大型のクモバチが大きなクモを運んでいる場面に出会いました。 クモは腹面が上を向いています。

 クモバチ科の蜂は、クモを狩って幼虫の餌とする蜂ですが、130種ほどが記載されています。 その中には体長数mmのものもいるのですが、写真の大きさのクモバチにも似たものが何種類かいて同定は難しいのですが、キバネトゲアシクモバチではないかと思います。(タイトルに「?」をつけたのは、そのような理由です。)

 脚にはたくさんのトゲが生えています。 上の写真では中脚と後足の様子が、下では前脚と中脚の様子が分かります。(写真はクリックで拡大します。)

 どうやらクモの触肢をくわえて運んでいるようです。

 このような現場はできるだけ迫力ある写真を撮りたいものと近づいて撮っていると、蜂はクモを放してしまいました。(上の写真はクリック後に「オリジナルの表示」の選択で 1,024×768 まで拡大できます。)

 近くでこちらを見つめているキバネトゲアシクモバチです。

 離れているうちに、クモをひっくり返して見ました。 どうやら犠牲になっていたのはコアシダカグモだったようです。 麻酔されていますが死んではいないようで、体は柔らかく、脚を少し動かしました。

※ このブログで過去に書いたクモバチ科の蜂としては、ナミモンクモバチベッコウクモバチがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月20日 (土)

ミツバ・ウマノミツバ

Mitsuba130714_1

 ミツバは山地の湿り気味の日陰に広く自生するセリ科の植物です。 上の写真のミツバは、よく見ると小さな白い花が咲いています。 ミツバ以外にもいろんな植物の葉が写っていてゴチャゴチャしていますが、これだけくっついて生えているとミツバ以外の植物をぼやけさせて撮ることもできませんので、ご辛抱を・・・。

 ミツバといえば香味野菜として店に並んでいるものを想像する人も多いでしょう。 上の写真のミツバなら、店先に並んでいるミツバとつながるでしょうが、これは若い状態で、最初の写真とは同じ植物です。 生長すると、最初の写真のように、茎が高く伸び、花を咲かせます。

 上はミツバの花を拡大したものです。 セリ科の花には、小さな花が傘状に集まったものが多いのですが、ミツバの花はまばらにつきます。 花弁は5枚、オシベは5本で、メシベはよく見ると柱頭が2つに割れています(写真はクリックで拡大します)。 果実が2分果になるのはセリ科の特徴です。

 ミツバによく似た植物にウマノミツバがあります(上の写真)。 「馬に食べさせる程度のミツバ」といった意味でしょう。 この植物も林下の木陰などで見かけます。 よく育った下の方の葉は写真のように5つに分かれていますが、三つ葉状態の葉は、たしかにミツバによく似ています。 しかし花をみると・・・

 ウマノミツバの花は、同じセリ科ですが、ミツバとは大きく違っています。 1つの花のように見えているものを拡大してみると(上の写真)、複数の、しかも2種類の花の集合です。
 上の写真で、中央に鈎状の突起に囲まれた中心から2又の細いものが伸びていますが、これが両性花です。 鈎状の突起は子房の周囲に生えたもので、2又の細く伸びているのがメシベです。 花弁は5枚あるのですが、小さく、上の写真では1枚だけ残り、他は散ってしまっています。 5本あったオシベも散ってしまっています。
 両性花の周囲には雄花があります。 雄花は子房が退化しているので、小さな花で、5枚の花弁は内側に巻き込んでいます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月19日 (金)

モズのはやにえ?

Hayanie130718_1

 昨日モズの子育てについて書きましたが、巣から3mほど離れた所に上のようなものがあるのに気付きました。 アブラゼミの腹部が枝に刺さっています。
 このようなものは秋によく見られ、「モズのはやにえ(早贄)」と言われていて、「鵙(もず)の贄(にえ)」は秋の季語となっています。 ちなみにはやにえ(早贄)とは、モズが秋の早々の獲物を生け贄として神に奉げたものだろうという言い伝えからのようです。
 実際のところは、はやにえが何のために行われるのかはよくわかっていないようです。 モズは鋭い嘴や爪を持っていて“小さな猛禽”とも言われますが、そんなに逞しい脚を持っていないので、獲物を何かに突き刺して嘴で引っ張って肉を引き裂くのだとも、モズは獲物を見つけると本能的に捕える習性があり、満腹なら獲物を何かに突き刺したまま食べずに去ってしまうのだとも、はやにえは食事中に危険を感じて飛び去った後だとも、秋の獲物の多い時に冬用の餌を準備しているのだとも言われています。
 しかし今回の写真のものは、その位置からして、親鳥が幼鳥のためにアブラゼミの肉を引き裂いた跡だと思います。 タイトルに「?」をつけたのは、上に書いたように「はやにえ」は秋のもので、こんな時期にこの言葉を使っていいのかと思ったからです。

 このアブラゼミはまだ新鮮で肉も残っていたようです。 スズメバチ(コガタスズメバチ?)が来て肉団子を作っていました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月18日 (木)

住宅地でモズが子育て

 モズの営巣は農耕地と低木が混在するような環境の樹上で行われることが多いと言われていますが、堺市南区のニュータウンの庭木で子育てをしているモズがいました。
 今では町の中で営巣しているヒヨドリをよく見ますが、これは1970年頃からで、それまではヒヨドリは、冬季に南下してくるものとの関係が難しいのですが、夏季と冬季で山地と平地を行き来する鳥で、繁殖場所は山地でした。
 モズについても、10年ほど前から、町の中での子育ての話を聞くようになりました。 モズの生活にも変化が起こっているのかもしれません。

 以下はモズの子育ての観察記録です。 撮影日の下にその日の観察内容を書いています。 なお、写真は全てクリックで拡大します。

● 6月30日

 モズがスモモの木に営巣していました。 抱卵中の親鳥は、見られている間は、声も出さず、全く動きません。 立派なものです。 たまたま巣に入る親鳥を見かけて、抱卵にはかなり以前から気付いていたのですが、巣の近くにとまっていることも鳴くことも無く、モズと確認するまでにかなり時間がかかりました。
 巣材には荷造りなどに使われる紐(ビニール紐などと呼ばれていますが、ビニールではなくポリプロピレン製が多いようです)が、かなりたくさん使われているようです。 写真の上下に走る白い紐も、たぶんモズが運んできて巣作りに使わなかった紐だと思います。

● 7月9日

 親の留守の間にヒナを確認できました。 巣の中を覗いていませんのでよくわかりませんが、3羽は確認できました。 動けば目立つことを本能的に知っているのでしょう、見られているうちはヒナも全く動きません。

● 7月10日

 ヒナが巣から離れ、巣の中は、よく見えませんが、たぶん空です。 上の写真は巣の側にいた1羽で、写真の左下に巣の一部が見えています。
 写真ではこのようにはっきり写りますが、実際にはヒナは葉の密集した薄暗い所にいて全く動きませんから、みつけるのはほんとうにたいへんです。
 他のヒナも近くにいるはずなのですが、3m以上は近づかないようにしましたので、見つけることはできませんでした。

 親鳥は餌を運んできていますが、ヒナの居場所を隠そうとしているのでしょう、人がいるとヒナには近づきません。 尾をクルクルと回しながら、嘴に餌をくわえたまま、ギチギチギチ・・・と激しく鳴き続けます。

● 7月11日

 子育てはオスとメスが協力して行っているようです。 上の写真では左のオスがギチギチギチ・・・と鳴き続けています。 右はメスです。
 このギチギチギチ・・・は、注意を自分の方に向けさせるためなのか、ヒナに注意するように呼びかけているのか、おそらくはいろんな意味を持っているのだと思います。

 上はやっとみつけたヒナです。 巣からは2mほど離れた場所にいました。 見られていることがわかっているからなのか、親鳥のギチギチギチ・・・が聞こえてくるからなのか、やはり固まったように動きません。

● 7月12日

 状況に変化はありません。 親鳥のギチギチギチ・・・を動画にしてみました。 手持ちで撮ったので画面がかなり揺れていますが・・・。
 注意して聞くと、別の所でも鳴いています。 夫婦協力体制が続きます。

● 7月18日
 巣離れしてから8日目です。 ヒナの姿は見つけられませんでしたが、親鳥がまだ餌を運んできているのを目撃しました。 ギチギチギチ・・・も続いています。
 この間、猫やイタチがヒナを狙い、親鳥がこれらを激しく攻撃することもありました。 イタチは写真に撮りたかったのですが、私とイタチで、互いの存在に気づいたのがほぼ同時で、すぐに逃げられてしまいました。

 このようにしてみると、モズのヒナは巣を離れた後にも、かなり長期間、親鳥に餌を運んでもらうようです。 これがモズにとっては普通のことなのか、町の中で猫などに狙われやすいためにヒナが早く分散してしまったのか、いろいろ考えられるでしょうが、とりあえずモズの子育ての1例として記録に残しておきます。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年7月17日 (水)

トゲザトウムシの食事

 トゲザトウムシはブナ帯に生息するザトウムシです。 前に大和葛城山(標高959.2m)の山頂近くにある葛城高原ロッジの壁に張り付いているトゲザトウムシのことを書きました(こちら)が、今回は金剛山(標高1,125m)の山頂付近で採餌中のトゲザトウムシをみつけました。

 ユラユラした頼りなさそうなザトウムシの仲間が、しっかり大きな獲物を捕えている姿を見て、妙に感動しました。 しかし冷静に考えてみると、死骸を拾ったという可能性も否定できませんね。
 犠牲になっている甲虫の種類を確認しようとすると、けっこうなスピードで獲物を抱えて去って行きました。

※ 写真はいずれもクリックで拡大できます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月16日 (火)

オオバギボウシ

Oobagibousi130714_1

 オオバギボウシは山地の草原や林縁に見られる多年草です。 早春の頃、若葉はウルイという名で山菜として利用されます。 また、ウルイを乾燥させたものは保存食にもなり、「山かんぴょう」と呼ばれています。
 名前はツボミの姿が和橋の欄干(らんかん)の擬宝珠(ぎぼうし)に似ているところからと言われています。
 ギボウシの仲間(ギボウシ属)は、従来はユリ科に分類されていました。 しかしAPG分類体系ではリュウゼツラン科に移され、さらに2009年に公表されたAPG植物分類体系第3版ではリュウゼツラン科がクサスギカズラ科リュウゼツラン亜科になりましたので、ギボウシの仲間はクサスギカズラ科ということになっています。
 花は6~8月頃、長く伸びた花茎から斜め下向きに咲きます。

 花の花被片は6枚(ガク片由来3+花弁由来3)、オシベは6本です。 オシベとメシベは先の方でくるりと反転しています。 そのわけは・・・

 オオバギボウシの花にトラマルハナバチが来ていました。

 上の写真では、トラマルハナバチが花冠の入口から奥に入ろうとしています。 この時、オシベの葯やメシベの柱頭に体が触れ、花粉の授受が行われます。 上の写真では、柱頭がみごとにトラマルハナバチの背に当たっています。(写真はクリックで拡大できます。)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月15日 (月)

アシナガオニゾウムシ

Asinagaonizoumusi130627_1

 アシナガオニゾウムシはゾウムシ科クチカクシゾウムシ亜科に分類されています。 鬼のような顔かどうかはともかく、ユニークな顔をしているのですが、口だけでなくいつも顔を下に向けて隠しています。 下の写真も、顔に光が入るように撮るのに苦労しました。

 いつも下を向いているのは食べ物が体の下にあるからでしょう。 アシナガオニゾウムシが餌にしているのはエノキの枯木ということです。 幼虫の餌も同じくエノキの枯木で、おちゃたてむしさんのブログには、エノキの枯枝の中で育って成虫になったアシナガオニゾウムシが、外界に通じる穴を開けて脱出してくる様子が載せられています。
 「アシナガ」というほどには脚が長くないようですが、写真はメスで、オスは、交尾時にメスを抱きかかえるためでしょう、長い前脚を持っています(オスの写真はこちら)。

 写真を撮っていると、偽死しましたので、それをいいことにひっくりかえして撮ってみました(上の写真)。

Asinagaonizoumusi130627_4

 上は胸部と上翅の境付近を拡大したものですが、全身が鱗毛(=うろこ状の毛)で覆われています。 ゾウムシの仲間には地色とその上に生える毛の色とで色模様を形成しているものも多いのですが、アシナガオニゾウムシの場合は、白い色も黒い色も鱗毛の色です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月14日 (日)

アクシバ

Akusiba130714_1

 アクシバはツツジ科の落葉低木です。 上は斜面に生えている所を撮ったので、平らな所のものとは少し印象が違いますが、樹高はせいぜい数十cmで横に広がります。 上はほとんどツボミですが、花は大阪付近では7月が中心です。
 アクシバの名前は、たぶんアク(灰汁)を取る柴(=雑木)ということでしょう。 昔はアクシバの灰汁を何かに利用していたのでしょうか。

 上の写真のメジャーは右がインチ、左がセンチメートルです。 花は1cmほどで、1cmほどの花柄があります。

 花はガクが4裂、花弁も4裂し、花弁の先は巻き込みます。 オシベはくっついていて、上の写真では本数は分かりにくいですが、8本あります。 オシベの先は長く伸びています。
 保育社の『原色日本植物図鑑 木本編[I]』(初版)のアクシバのところには、「花柱は無毛、雄ずいより少し短い。」と記載されています。 しかし上の写真では、明らかにオシベより長いメシベが見られます。 これはまだ確認したわけではありませんが、花の初期には花粉を出しているオシベの方が長く、メシベはオシベに隠されていて自家受粉を防ぎ、その後にメシベが伸び出してくるのではないかと思っています。
 上の話を理解していただくには、花粉がどこからどのように出るのかを理解してもらわなければなりません。 花粉は長いオシベの先端にある小さな孔から出てきます。

 上はいちばん手前のオシベを除去して撮ったものですが、オシベの先端に小さな孔があることと、オシベが裂けて花粉が出ている形跡は無いことが確認できます。

 ところで、下の写真のツポミには、穴が複数開けられています。

 これは何者かが蜜を盗もうとしたものでしょう。 植物は花粉媒介をしてもらうために虫に来てもらおうと蜜を作りますが、ツボミの段階で蜜を盗まれたのでは被害大です。
 同様の穴は上から2枚目の写真にも見られます。 犯人はだれなんでしょうね。

 上はアクシバに来ていたトラマルハナバチです。 トラマルハナバチにとっては、アクシバの花は小さすぎて窮屈そうですが、それでもちゃんと植物の想定どおりの場所に口吻を差し込み、腹にオシベとメシベの先端が触れています。 トラマルハナバチはちゃんと送粉者としての役割を果たしているようです。
 このトラマルハナバチは次から次へとアクシバの花を訪れていました。 アクシバの花は小さいのですが、蜜は比較的たくさんあるように思えました。 だからこそ盗蜜もされるのでしょうが・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月13日 (土)

サキグロムシヒキ

Sakiguromusihiki130701_1

 ムシヒキアブの仲間も似た種類が多く難しいのですが、写真はサキグロムシヒキだと思います。 蛾を捕らえていました。
 上下の写真で背景が異なるのは、獲物を持ったまま逃げているからですが、そんなに遠くには逃げません。 自分の強さに自信があるからでしょうか、それとも獲物が重いのでしょうか。

 名前の「サキグロ」は、黄褐色の腹部の端(=先(さき))、つまり交尾器が黒くなっているからでしょう。 写真はオスで、メスの交尾器は尖っていますが、やはり黒い色をしています。
 ムシヒキアブの仲間の多くの脚は黒と黄色の2色ですが、サキグロムシヒキの脚は黒一色です。

 上は捕えられている蛾をはっきり撮るために露出をアンダーにして撮ったものですが、蛾の種名は分かりません。
 サキグロムシヒキの性格は荒いようで、餌は“大物狙い”をするようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月12日 (金)

クロマイコモドキ

Kuromaikomodoki130625_2

 写真はクロマイコモドキだろうと思います。 クマノミズキの花に来ていて、カメラを近づけたために近くの葉に移ったところを撮ったものです。

 翅の色の変異幅が大きいようですが、写真のものはなかなか美しい色をしています。 幼虫の食餌植物はイタドリなどということです。

 ところで、昨年の9月に撮った下の蛾もクロマイコモドキだと思っていたのですが、比較してみると、触角の白い部分がありませんし、下唇髭も少し短いようです。 体型も違うようですが、雌雄差なのか別種なのか・・・。 片方の触角をグルグル回していました。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年7月11日 (木)

ベッコウクモバチ

Bekkoukumobachi130627_1

 6月27日、写真のハチが多数飛び交っていました。 なかなかとまってくれませんし、とまっても、カメラを近づけると、すぐに飛び立ってしまいます。 やっと撮ったのがここに載せている写真です。 雰囲気的には羽化したオスがメスを探しているのではないかと思います。
 オスだろうとの前提で絵合わせをすると、ベッコウクモバチがよく似ているようです。 メスは頭部も胸部ももう少し明るく、触角の先も黒くなりません(こちら)。
 ナミモンクモバチのメスやキオビクモバチのメスなどよく似た体色の蜂もいますが、これらの蜂との区別点は、ベッコウクモバチの前伸腹節には強い横皺があることです。 しかし、この部分は閉じた翅に隠されていて、よく分かりません。 下の写真(拡大してご覧ください)で見える横皺がそれでしょうか。

 ところで、展翅され、きれいに整形されたハチの図鑑を見ると、クモバチ科やアナバチ科など、特定のグループのハチの触角は全てカールしています。 これがこれらの蜂を他の蜂から見分けるポイントだと思っていたのですが、フィールドで見ると、そんな蜂はいません。 どうやら柔軟に曲げることのできる触角が、死後に収縮の強い側に曲げられてしまうようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月10日 (水)

ミゾホオズキ

Mizohoozuki130625_1

 ミゾホオズキは山地の渓流脇や湿地などに生える多年草です。 従来はゴマノハグサ科に分類されていましたが、APG分類体系ではハエドクソウ科になっています。

 花は6~8月に横を向いて咲きます。

 花筒内面の上側には2個の膨らみがあります。

 上は花の終った後の姿です。 ナス科のホオズキとは系統的にはかなり異なり、色もホオズキのように赤くはなりませんが、ガクが発達して果実を守る点は共通です。

 似た植物にオオバミゾホオズキがあります。 ミゾホオズキの葉には上部の葉を除いて柄がありますが、オオバミゾホオズキの葉は全てに葉柄がありません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月 9日 (火)

カバフキシタバ

Kabafukisitaba130701_1

 上の写真、カバフキシタバ(ヤガ科シタバガ亜科)がいるのですが、わかりますか?

 背景も入れて撮りたかったので、薄暗い林の中でフラッシュを使わずに手持ちで何枚か撮り、そのうちでいちばんましなのが上の写真ですが、それでもかなりブレています。

 上2枚はフラッシュを使って撮ったものです。 擬態に自信があるのでしょう、カメラを近づけても、フラッシュを光らせても、全く動きません。
 シタバガの仲間には、シタバつまり下翅に美しい模様を持っているものがたくさんいます。 ふだんは樹皮に似た色と模様で身を守り、イザという場合にはパッと下翅を見せて捕食者を驚かすのでしょう。
 これまでにこのブログではコシロシタバオニベニシタバなどを載せていますが、今回もぜひこの下翅の様子を写真に撮りたいと思い・・・

 カメラを連写モードにして棒を近づけて飛び立たせ、その瞬間を撮ろうとしたのですが・・・

 これじゃ名前のとおり下翅に黄色い部分があるのだろうということしか判りませんね (-_-;  それほど急に飛び立つんだという証明写真です(負け惜しみ)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月 8日 (月)

ヒメバチ科ウスマルヒメバチ亜科の一種の産卵行動

Himebachi130701_1

 数年前に切られたと思われるコナラの切り株に、入れ替わり立ち変わりで常時5~8頭ほど、上の写真のようなヒメバチが群がっていました。 触角を振り回し、体を上下させながら、歩き回っています。 産卵場所を探しているのだろうと、産卵行動に移るのを待ってしばらく見ていましたが、歩き回るばかりでいっこうにその気配がありません。
 待ちきれなくなって写真を撮ってみると、何と産卵管を樹皮に当てています。 産卵管鞘は黒くて肉眼でも見えるのですが、産卵管は色が薄くて細く、肉眼では見えなかったようです。

 触角で樹皮をたたくのは、やはり産卵管を挿入する場所を探しているのでしょう。 産卵管の先端は、前進しながら直前に触角で探った場所に当てられるようです(上の写真:産卵管はサムネイルではほとんど見えていませんので、写真をクリックして拡大して見てください)。

 顔の正面からはなかなか撮らせてくれないので、少し前方から(上の写真)。

 上は少し後方から撮ったものですが、産卵管鞘と産卵管との関係がよく分かります。

 今までの経験からすると、上は産卵管を抜こうとしているのでしょうか。

 しばらく撮り続けましたが、産卵管を深く挿入することはありませんでしたので、実際に産卵したのかは疑問です。 もし産卵しなかったとすれば、その原因はカメラが気になったのか(そうならないようにかなり注意はしたつもりですが・・・)、樹皮下に寄主が見つからなかったのか、何が原因なのかは分かりません。

 この蜂はおちゃたてむしさんのところに載せられているウスマルヒメバチ亜科Lissonota属の一種によく似ています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月 7日 (日)

ミヤマムグラ

Miyamamugura130625_1

 ミヤマムグラ(アカネ科)は深山の木陰に生える多年草です。 写真は金剛山(標高1,125m)の山頂付近で撮りました。

 葉は茎の上・中部では4枚輪生ですが、そのうちの2枚が小さくなっています。 偶然にではなく、必ずこのような違いが見られるのは、大小2種類の葉は異なる起源を想像させます。 また茎の下部では対生になっています。 この葉の不思議な付き方は、次のように考えられます。
 アカネ科の植物の中には、托葉が発達し、葉と変わらないように見えるものがあります。 また、この托葉が融合することもあります。
 ミヤマムグラの葉も、本来は対生で、それぞれの葉の左右には托葉があります。 対生している葉の托葉どうしが融合すれば、4枚の輪生に見えます。 また茎の下部では、托葉が発達せずに早落するのではないでしょうか。

 花の径は、水平に開くと約3mmです。 花は子房下位の合弁花、花冠は白色で4裂します。 オシベは4本、メシベの柱頭は2裂します。(PCの場合、上の写真はクリックで拡大します。 最大にするには、拡大後、「オリジナルの表示」を選択してください。)

 果実は2分果、分果には長いカギ状の毛があります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月 6日 (土)

マイマイカブリ(2齢幼虫)

Maimaikaburi130627_1

 黒い大きな幼虫らしきものが走り回っていました。 動き回って正しい体長は測定できませんが、4~5cmほどだと思います。 よく見ると、大きな牙を持っています。 それに腹部の端には矛のような突起を持っています。 (下2枚の写真はクリックで拡大します。)

 幼虫「らしきもの」と書きましたが、気になったのは、これほどの大きさなら終齢に近いはずなのに翅芽が見当たらないことです。
 帰宅後に調べてみると、マイマイカブリの幼虫のようです。
 マイマイカブリの成虫は、飛行はできないものの、腹部の背面はちゃんと翅で覆われています。 幼虫から蛹を経て成虫への過程で、どのように変化するのか、見たいものです。
 マイマイカブリの幼虫は2齢が終齢のようです。 この後、土中に潜って蛹室を形成し、蛹を経て成虫になるようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月 5日 (金)

ヤマウコギ

Yamaukogi130627_1

 写真はヤマウコギだと思います。 前にほぼ同じ時期にミヤマウコギのことを書いています(こちら)が、ウコギの仲間(ウコギ科ウコギ属)は似た種類が多く、特に花が似ていると印象に残りにくく、難しいものですね。

 ヤマウコギは山野に普通な落葉低木です。 今年伸びた枝は緑色で、葉の付け根にはトゲが見られます

 葉は互生で5小葉からなり、小葉のきょ歯は低くて内曲しています。

 花は5月で、撮影した6月25日には、もう果実がほとんど黒くなっていました。 花序は今年伸びた枝には付かず、昨年の褐色の枝につきます。

Yamaukogi130627_5

 果実の先には花柱が残っています。 これを見ると、メシベの花柱は2裂していたことが分かります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月 4日 (木)

ミドリシジミ

Midorisijimi130702_1

 笹の葉の上で翅を広げてじっとしているゼフィルス、とりあえずカメラにつけていたレンズで数枚撮って(上の写真)、レンズを付け替えて本格的に撮ろうとすると、もういなくなっていました。 というわけで、上のゼフィルスの翅の裏の確認はできていません。 しかし、この日目撃したゼフィルスはミドリシジミだけでしたので、上の写真もミドリシジミのオスだと思います。
 ミドリシジミのオスは、その名のとおり、翅の表は金属光沢を持った緑色なのですが、光の当たり方によっては、写真のような金属光沢を持った青い色に見えます。
 ミドリシジミの幼虫の食餌植物は、ハンノキやヤマハンノキなどです。 ハンノキは湿地に育つ樹で、昔は稲のはざ掛け用に、水田の畔に植えられたりしていたようですが、少なくとも大阪付近では、そのようなハンノキは全く無くなってしまい、水田地帯でよく見られたというミドリシジミも、珍しい蝶になってしまいました。

 上はハンノキの近くのイソノキに来ていたミドリシジミ(2枚の写真は別個体)です。 この時期のイソノキは咲きはじめで、たぶん吸蜜目的で来ていたのでしょうが、私の見た時間帯はお休みタイムだったのか、じっとしたままで、翅を開いてもくれませんでした。

 上はシロツメクサとミドリシジミ、ミドリシジミがこのような草地にいることは稀でしょう。 じつはこのミドリシジミ、上から急降下してきて地面に激突したように見えました。 上を見るとツバメが数羽旋回していましたので、木から木への移動中に、ツバメから逃れるために急降下したのではないかと思います。
 しばらく草の間を歩き回っていましたが、林の中に飛び去りました。 ちなみに、その瞬間に見えた翅の表から、メスでした。 ミドリシジミのメスの翅の表の模様は4タイプほどに整理されていますが、ほとんど暗褐色で、そこに青藍紋や小さな燈色紋が入るものがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月 3日 (水)

カシコスカシバ

Kasikosukasiba130624_1

 アカメガシワの雄花に来ていたカシコスカシバ(スカシバガ科)でしょう。 ハチに擬態して身を守っているようで、姿だけではなく、飛び方もハチによく似ています。 ただ、このアカメガシワの花にはハラナガツチバチやキオビツチバチなども来ていましたが、これらのハチは花の上へ横へと歩き回るのに対し、カシコスカシバは花から花へと飛び回ってはいますが、いつも縦位置でした。

 カシコスカシバの名前の「カシ」は、アラカシ、コナラ、シイなどのブナ科の幹に産卵するところからでしょう。 おちゃたてむしさんのところには産卵中のカシコスカシバが載せられています。 カシコスカシバの幼虫は、生きた木の中を食べて育つようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月 2日 (火)

クマイチゴ

Kumaichigo130625_1

 上は6月下旬に撮ったクマイチゴです。 この果実、味は少し癖がありますが、おいしく食べることができます。
 クマイチゴは山地の伐採跡や林縁など、陽の当たる所でよく育つ落葉低木です。 キイチゴ類にも多くの種類がありますが、そのなかでは比較的大型です。

 上は葉の裏を撮ったものですが、葉柄や太い葉脈にはたくさんの鋭い棘がついています。

 花は4~5月に咲きます。 5枚の白い花弁はやや貧弱で、散りやすいのですが、反り返ったガクはなかなかしっかりしていて、果実時にも残っています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年7月 1日 (月)

メダカナガカメムシ

Medakanagakamemusi130701_1

 写真はクズの葉にいた交尾中のメダカナガカメムシです。 メダカナガカメムシはクズやダイズなどのマメ科植物の汁を吸います。

 メダカナガカメムシは、写真のように複眼が側方へ突出するのが特徴です。 メダカナガカメムシ科に分類されていますが、日本産のメダカナガカメムシ科に分類されているのは、このメダカナガカメムシと、クワにつくオオメダカナガカメムシの2種だけです。
 体長は2~3mmです。 上の写真では体長は測定できませんでしたが、壁にいた下の写真の個体の体長は 2.8mmでした。

※ 幼虫はこちらに載せています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2013年6月 | トップページ | 2013年8月 »