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2013年6月30日 (日)

アカマダラメイガ

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 アカマダラメイガはメイガ科マダラメイガ亜科に分類されている蛾です。 マダラメイガの名前は、この亜科だけでも「みんなで作る日本産蛾類図鑑」には170種ほどが記載されていて、その中には斑(まだら)模様の仲間もいろいろいることによるのでしょう。
 メイガ科の幼虫の一部は乾燥食品の害虫として嫌われていますが、多くの幼虫は植食性です。 「メイガ」を漢字で表すと「螟蛾」で、この「螟」はズイムシ、つまり植物の茎の髄を食べる虫のことです。 アカマダラメイガの幼虫も、メドハギミヤコグサシロツメクサなどのマメ科植物を食べて育つと言われています。 さすがにミヤコグサ、シロツメクサなどでは、髄ではなく、葉を食べるのでしょうが・・・。

 アカマダラメイガはなかなか美しい蛾です。 上は最初の個体の一部を拡大したものですが、下に別の場所で撮ったものも載せておきます。

 色彩は光の条件にもよりますし、個体差もあるでしょう。 また蛾の場合は、鱗粉の取れ方でもずいぶん印象が違ってきます。
 下の個体は前翅中央付近の斑がずいぶんはっきりしています。

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2013年6月29日 (土)

ヤマトウバナ

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 ヤマトウバナは「山に生えるトウバナ」、トウバナは「塔花」で、輪状に並ぶ花が何段にもつく様子を塔に見立てたものです。 しかしヤマトウバナは、山地の木陰に生えることもあってか、花が何段にもつくことはなく、塔のイメージはありません。

 ヤマトウバナはシソ科の多年草です。 葉が対生、茎が四角、それに果実が4分果などを見れば、シソ科であることはすぐ分かるのですが、とにかくシソ科は種類が多くて、その先が難しいですね。 トウバナとヤマトウバナ、それにイヌトウバナやクルマバナなど(他にもたくさんあります)は同じ属で、花のつくりなどもよく似ています。

 ヤマトウバナの花は白っぽい色で、メシベもオシベも上唇にくっつくように存在しています。 上のように花を横から見ると、突き出している白いメシベがよく分かります。 ガクは5裂し、裂片の先は鋭く尖っています。

 オシベは長いのが2本と短いのが2本、1本のオシベには葯が2つありますから、8個の葯が2列に並んでいるように見えます。 シソ科の花には、オシベが退化して2本しか機能していないものも多いのですが、この仲間(トウバナ属)のオシベは4本がちゃんと機能しています。

 花の内部には紫色の斑紋が見られます。

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2013年6月28日 (金)

クロオオアリ

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 友ヶ島にいたクロオオアリです。 クロオオアリは普通種のアリで、特に友ヶ島がどうということは無いのですが、ここに載せることになったのは、次のような理由からです。

 上は三角おにぎりを入れていたケースです。 昼食時、広場の縁の木陰でおにぎりを食べていて、ふと見るとケースの中にクロオオアリがいっぱい。 クロオオアリは、このような開けた場所によく巣を作ります。
 食事中のクロオオアリは動き回りませんし、おにぎりケースの色は背景としてもいいので、たくさんの写真を撮ることになったというわけです。

 クロオオアリは、同じオオアリ属のムネアカオオアリと共に、日本に分布する蟻の中では最大級です。 働きアリは、7~9mmのものと、頭部の大きい10~12mmのものの2種類います(最初の写真)。

 形態的な特徴としては、 触角と脚は比較的長く、全身は細かい毛のため光沢が無く、腹部には少し長い褐色の毛が生えています。 側方から見ると、胸部の背縁は緩やかな弧を描き、二山に見えることはありません。

※ 友ヶ島シリーズは今回で終わりにします。

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2013年6月27日 (木)

フナムシ、アラレタマキビ

 前々回の予告どおり、今日はフナムシとアラレタマキビです。 前々回、生命は海ではじまり、陸に上がるのはたいへんで、ほんの一部の動物しか陸に上がっていないと書きました。 上陸にはそれなりの工夫が必要です。 その工夫に成功したものは陸へ向かいました。 つまり水中で生活するものと陸上生活に適応したものとに分かれていきました。
 フナムシは節足動物、アラレタマキビは軟体動物で、かなりかけ離れた動物ですが、両者の共通点は、生態的なところにあって、陸上と水中の境という、中途半端な限られた環境に住む生物だということです。

● フナムシ
 節足動物は体の表面を硬くしました。 これは海中での暮らしでは防御のためだったのでしょうが、上陸時には乾燥を防ぐことにも役立ったことでしょう。 しかし陸上に適応するためには、呼吸の方法を変更しなければなりません。 節足動物は陸上生活に適応するために、エラを気管に変更しました。

 フナムシは節足動物門・甲殻綱・等脚目に分類されています。 陸上生活をするこの仲間には、ワラジムシやダンゴムシ、それに同じフナムシ科のヒメフナムシなどがいます。 これらはみんなデトリタス(腐敗物)食性であり、乾燥に対してもまだ十分に対応しきれていません。

 フナムシ科は、まだエラ呼吸です。 ただし、このエラ呼吸はエラの表面を湿らせておいて、そこに空気中の豊富な酸素を溶け込ませるものになっていますので、湿らせておく水は絶対必要ですが、長時間海水中に入れられると、水中の少ない酸素では窒息死してしまいます。
 海岸にはフナムシの餌となるデトリタスはたくさんあります。 この豊富な餌のある環境で生活するために、フナムシの7対の脚のうちの後ろの2対の脚には細かい溝が刻まれています。 この脚を揃えると、毛細管現象で水が昇ってくるしくみになっています。

● アラレタマキビ
 軟体動物は身を守る手段として貝殻を作るという方法を手に入れました。 この貝殻も乾燥から身を守る1つの手段として有効で、カタツムリなど陸生の貝が生じました。
 軟体動物も、大部分は水中に残り、その一部は陸での生活へと進化したわけですが、アラレタマキビのような、海と陸の境という中途半端な場所を生活の場にするものも出てきました。
 中途半端な環境は住みにくいものでしょう。 しかし、他の生物が住みにくい環境は、そこに住むことのできる生物にとっては、競争相手も無く、住み易い環境になるのでしょう。
 アラレタマキビは殻高5mmほどの小さな巻貝です。 アラレタマキビの住む環境は、飛沫帯と呼ばれる場所で、満潮線よりも上で、満潮でも海水につからず、時々波しぶきが飛んで来る岩の上です。 アラレタマキビは、この波しぶきで岩の表面に生える微細な藻類を餌にしています。
 海水につかることの無い海辺の岩は、夏には70℃にもなります。 そのような時には、アラレタマキビは粘液で殻口の一部分だけを岩に張りつけ、岩との間に隙間を作り、蓋を閉じてじっと耐えています。

 アラレタマキビに混じって他の生物を見ることはほとんどありません。

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※ 大阪市立自然史博物館では、7月20日~10月14日の日程で、第44回特別展「 いきもの いっぱい 大阪湾 ~フナムシからクジラまで~」が開催されます。 さまざまな生きものの姿や人とのかかわりなどについて展示されるとのことです。

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2013年6月26日 (水)

シタキソウ

 写真はシタキソウだと思います。 友ヶ島で咲いていました。

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 シタキソウはキョウチクトウ科の常緑ツル性多年草で、千葉県以西から四国・九州の海岸に近い山林内に分布します。 なお、従来はガガイモ科に分類されていましたが、ガガイモ科はAPG分類体系ではキョウチクトウ科に統合されています。

 葉は大きく柔らかく、対生につき、花はその葉腋に2~3個つきます。 花は6月に咲き、ガクは5裂します。

 花を上から見ると、花弁の裂片は分岐部で交互に重なっています。 メシベやオシベは筒部に隠されていて、表面からは見ることができませんので、花の断面を作ってみました(下の写真)。

 オシベとメシベは合着し、蕊柱(ずいちゅう)となっています。 虫たちが口吻を筒部に差し込むことで、花粉媒介が行われるのでしょう。 子房は上位です。
 断面を作った時、黒い液が流れ出ました。 上の写真でも、花の筒部の中に残っています。 これらの仲間は茎などを切ると白い乳液が出ます。 しかし、黒い液に関しては、最初から花の中にあったのか、断面を作る時に生じたのか、複数の花を切れば分かることですが、集団での行動でしたので、その時間が無く、不明のままです。 最初の写真の下の花からも、この黒い液が流れ出てきています。

※ 園芸店の店先に並ぶマダガスカルジャスミンは、このシタキソウと同じ属の植物です。

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2013年6月25日 (火)

友ヶ島港横の海岸生物

 地球上にはたくさんの生物が存在しますので、似た生物を集めて、整理します。 これを分類と言いますが、分類は次のような階層構造をとっています。
  種(しゅ)-属(ぞく)-科(か)-目(もく)-綱(こう)-門(もん)-界(かい)-ドメイン
 生物の基本は種(しゅ)ですが、似た種を集めて属、似た属を集めて科、・・・というぐあいです。
 生物の世界を大きく眺めるには、門レベルが便利です。 例えば私たちヒトは脊索動物門に属します。 イヌもスズメもメダカも、全部私たちと同じ脊索動物門の動物たちです。
 生物は海で生まれ、進化し、そのうちのほんの一部が、乾燥や紫外線などに耐え、陸に上がることができました。 上に書いた門レベルでも、陸に上がることのできた門はほんのわずかで、多くの門の生物は水中に留まったままです。

 前置きが長くなりましたが、友ヶ島の桟橋の横は礫浜で、その角にほんのわずか岩石海岸があります。 港のすぐ近くで海岸で遊ぶ人も多いのですが、そんな所でも、10分ほどの時間に、たくさんの海岸生物を見ることができました。
 カメラを海中に入れられない理由から、以下に載せているのは潮間帯の生物で、陸と海の狭間で生きている生物ですが、活動的なのは海中にいる時か乾燥の心配の無い時です。 珍しい生物はいませんでしたが、海の生物の多様さを感じ取ってください。

 このブログでは原則1種ずつ記事にしていますが、海の生物を1種ずつ記事にしているとキリがありません。 今回は一挙大公開とします。 全部友ヶ島の港の横で撮ったものです。(写真はクリックで大きくなります。最大にするには、大きくしてから、「オリジナルの表示」を選択してください。)

 上の写真で、生物名の下の( )内は門の名称です。 1枚の写真の中に4種の門の生物がいます。 こんな写真が陸上で撮れるでしょうか。


カメノテ(左上)とイボニシ(中央)


イシダタミ(左と右上)とヒザラガイ(中央)
(周囲はダイダイイソカイメンと無節石灰藻)


カメノテ(左)とマツバガイ(右)


クロフジツボ

※ 海から離れられないけれど海中は嫌いというフナムシとアラレタマキビガイは別の記事にします。

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2013年6月24日 (月)

ホウロクイチゴ

 写真は友ヶ島で撮ったホウロクイチゴです。

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 ホウロクイチゴは、暖地の海岸近くに生える大きく広がる常緑低木で、伊豆と紀伊半島以西に分布します。

 茎はどんどん横に伸び、地面に接した所で根を出します。 上は茎の先端付近です。 写真ではフユイチゴに似ているように見えるかもしれませんが、葉はフユイチゴよりずっと大きく、いかにも潮風に対しても水分を奪われにくい丈夫な印象を受けます。

 上は茎の先端付近を拡大したものですが、茎にも葉柄にも褐色綿毛が密生し、棘がたくさん生えています。 友ヶ島にはタイワンジカが野生化しているのですが、これだけ棘があれば、シカも食べるのをためらうでしょうね。

 花は主に4~5月で、6月中旬ではほとんど花は残っていませんでした。 上は果実とわずかに残っていた花です。 上の写真では、果実と花の後に花の終ったガク筒も写っています。 果実が熟すのをガク筒が保護しているのでしょう。

 果実を横から見ると、丈夫そうな大きなガク筒がほぼ水平に開いて残り、果床を形成しています。 ガク筒に接して後に苞があり、これも補強に役立っているように見えます。
 ホウロクイチゴの名前にある「焙烙(ほうろく)」とは、食材を炒ったり蒸したりするのに用いる素焼きの土鍋の一種ですが、ホウロクイチゴの名前は、果実を果床から外した様子が焙烙に似ているところからだと言われています。
 果実を食べてみると、少しねっとり感があり、甘い味がしました。

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2013年6月23日 (日)

アカクラゲ・ミズクラゲ

 大阪府と和歌山県の境と淡路島の間に位置している友ヶ島に行ってきました(詳しくはこちら)。 これから何回かは友ヶ島で撮った生物を載せるつもりです。

 アカクラゲもミズクラゲも、大阪湾では最も普通のクラゲと言っていいでしょう。 どちらも友ヶ島の桟橋(さんばし)から撮ったもので、たくさんいました。 ただ、海水中に浮遊しているものを偏光フィルターもつけずに撮りましたので、画像処理したところ、少し色が変になってしまいました。 海水の色はともかくとして、ミズクラゲはもっと白い色です。

● アカクラゲ

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 よく「クラゲに刺された」と言われますが、クラゲの仲間は多い少ないの違いはあっても、触手に刺胞を持っています。 クラゲの状態にもよりますが、新鮮なアカクラゲの触手に触れると、人によっては触れた所が数日続く炎症を起こす可能性がありますし、場合によってはアナフィラキシーショックを起こす可能性もあります。
 アカクラゲを乾燥させて粉末にしたものは、これも刺胞が持つ成分によるものでしょうが、粘膜を刺激し、クシャミや涙が止まらなくなるようで、「ハクションクラゲ」という別名を持っており、忍者はこれを目潰しとして使用したと言われています。 地方によっては、真田幸村がこの乾燥粉末を攻撃に用いたとして「サナダクラゲ」とも言われているようです。

● ミズクラゲ

 上の写真は、傘の下側が上になった状態のミズクラゲを撮りましたので、口の周囲にある口腕がゴチャゴチャしたように写っています。 傘の上から見るとドーナツ形をした生殖腺が4つ見えることから、ヨツメクラゲとも呼ばれています。 傘の縁にある触手も短く、刺されてもあまり痛みを感じない人がほとんどです。
 下は昔水族館で撮った元気なミズクラゲで、生殖腺の卵に色がついています。

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2013年6月22日 (土)

ヒメジンガサハムシの幼虫

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 上の写真、ヨモギの葉の上で、黒いもので自身を守っている白っぽいのが本日の主役、ヨモギが食餌植物のヒメジンガサハムシの幼虫だろうと思います。 右下に顔があります。

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 上は顔を拡大したものです。 下は後姿です。

 カメノコハムシまたはジンガサハムシと呼ばれるハムシの仲間(以下「カメノコハムシの仲間」とします)は、成虫はこれまで何度かこのブログに載せていますが、幼虫は今回が初登場になります。 これらの仲間は分類学的には、カタビロトゲハムシなどのトゲハムシの仲間に近いとされています。 トゲハムシの仲間の幼虫は潜葉性で体は扁平ですが、潜葉性ではなくなったカメノコハムシの仲間の幼虫も、体は扁平なままです。 幼虫の体側のトゲトゲもトゲハムシの仲間の成虫のトゲトゲとつながるような気がします。
 カメノコハムシの仲間の幼虫には、尾の先に脱皮殻などをくっつけ、尾を曲げてそれで背面を覆う(Hepotaさんの多摩の生き物たちに倣って、以下これを「蓑」と表すことにします)ものが何種類かいます。

 写真を撮っていると、撮られているのをうるさく思ったのでしょうか、あっちへ行けとばかりに、曲げていた尾を伸ばして(=蓑を振って)くれました(上の写真)。

 蓑は脱皮殻と糞からなりますが、蓑を裏側から見ると、その様子がよく分かります。 上の写真は蓑の部分を拡大したものですが、1の幼虫の腹部末端付近の棘状の突起は2の脱皮殻を突き刺していて、2の脱皮殻の棘状の突起は3の脱皮殻を突き刺していて・・・ということを繰り返しています。 5の位置に1齢幼虫の脱皮殻が紛れているか1齢幼虫の脱皮殻は失われているとすれば、1は5齢幼虫で2は4齢幼虫の脱皮殻ということになりますし、4が1齢幼虫の脱皮殻だとすれば、1は4齢幼虫だということになります。

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2013年6月21日 (金)

ヒナギキョウ

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 ヒナギキョウはキキョウ科キキョウソウ属の多年草です。 前に同じ属のキキョウソウを載せました。 キキョウソウは外来植物でしたが、ヒナギキョウは在来種です。
 キキョウソウもヒナギキョウも、キキョウによく似た小さな花をつけますが、ヒナギキョウはキキョウソウよりもさらに小さな植物です。 葉は茎の下部にしかなく、花は枝先に1つ咲かせるだけです。 しかし、この花、小さな虫たちには人気があるようです。

 上の写真ではヒラタアブが来ています。 小さなヒラタアブが小さな花との比較で大きく見えます。
 下では右に小さなハエの仲間、左の花の中はピントが合っていませんがアザミウマの仲間ではないかと思います。

 ヒナギキョウの花は5月~8月頃に咲きます。 花冠は5深裂し、オシベは5本、花柱はふつうは3裂します。 花は小さくても、オシベやメシベはキキョウとよく似た自家受粉を防ぐための変化をします。

 上は果実です。 子房が3室であることが窺えます。 3数性は単子葉類に多く見られ、キキョウでは双子葉類でよく見られる5数性を示していますが、キキョウソウやヒナギキョウでは、花が小さいので子房の数なども減少したのでしょうね。

 上は1枚の葉を拡大したものです。 葉の縁はやや厚く白っぽくなっています。 先端は尖り、基部は次第に細くなって葉柄との区別はつきません。 ヒナギキョウの葉はキキョウソウの葉のように基部が茎を抱くことはありません。

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2013年6月20日 (木)

ミカドガガンボ

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 上はミカドガガンボのメスです。

 ガガンボの仲間は一見“蚊の親分”のような姿ですが、蚊のように人の血は吸いません。 種類によって違いはありますが、幼虫は土の中や水中で植物の根や腐食質などを食べ、成虫はほとんど何も食べず、食べるとしても、花の蜜やアブラムシの甘露などです。 飛び方も弱々しく、体のつくりも頑丈ではなく、写真の個体も右の後肢が失われています。

 蚊に比べるとずっと大きなガガンボですが、その中でも特に大きいのがミカドガガンボです。 上の写真は最初の写真と同じミカドガガンボのメスですが、メジャーもいっしょに撮っておきました。 メジャーの目盛は、上がインチ、下がメートルです。 上の個体では、体長は口吻の先まで入れると 4.1cm、開張(翅の端から端まで)は 8.5cm あります。

 上で食べ物のことを書きましたので、口吻辺りの拡大写真も上に載せておきます。 口吻に角があるのは、はじめて気付きました。

 ガガンボの仲間には翅に特徴的な模様を持つものもいるのですが、ミカドガガンボの翅には特徴的な模様はありません(上の写真)。

 以上は同一個体(メス)の写真ですが、下にミカドガガンボのオスの写真を載せておきます。 これはガガンボの仲間全般に言えることですが、オスとメスのいちばん簡単な見分け方は腹部でしょう。 メスの腹部の端は産卵のために尖っていますが、オスの腹部は棒状で、端は尖っていません。 なお、ガガンボの種類によっては、オスとメスの触角の発達の程度が明確に違うものもあります(オスの方がふさふさしています)。

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2013年6月19日 (水)

キベリコバネジョウカイ

 短い前翅(=上翅)から長くはみ出した後翅(=下翅)、下はジョウカイボン科コバネジョウカイ亜科のキベリコバネジョウカイでしょう。 それにしても、不思議な甲虫がいるものです。 硬い前翅を持つのは甲虫の仲間ですが前翅が硬いのは後翅を保護するためではなかったのでしょうか。 ハネカクシの仲間は前翅が小さくても、そこにきちんと後翅をたたんで収納しています(こちら)。
 今坂正一氏の日本産ジョウカイボン科のリスト(こちら)には、この変なコバネジョウカイの仲間が8種も載せられています。 もっともジョウカイボン科全体では400種を超えるだろうということですが・・・。

 よく似たものにニセキベリコバネジョウカイがいて、両者の違いは、保育社の甲虫図鑑によると、キベリは前胸背板の幅が長さの約1.3倍、上翅の長さは幅の約1.1倍、ニセキベリの前胸背板の幅は長さの約1.1倍、上翅の長さは幅の約1.3倍ということのようです(BABAさんのところのコメントなど)。
 上の写真で計測すると、特に後翅についてはニセキベリの方に近いのですが、これは虫の体は立体ですから、曲線で計測すべきところを写真という平面で計測したからだと思います。 虫ナビでは、ニセキベリの前翅基部は黄色で縁取られない旨の記載があります。

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2013年6月18日 (火)

カメノコデオキノコムシ?

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 写真はデオキノコムシ科の甲虫で、カメノコデオキノコムシではないかと思います。 なかなかいい顔してます。

 デオキノコムシの「デオ」は、外国語由来のような語感ですが、じつは「出尾」で、前翅(=上翅)の末端より腹端が大きく突出しているところからの名前です。 下の写真で、左下が頭部で、右上の節があるのが腹部(の一部)です。 頭部は下を向いていて、見辛くなっていますが、この状況はヤマトデオキノコムシなどと同じです。
 デオキノコムシの仲間は、成虫も幼虫もキノコを餌としていると考えられています。

 この写真を撮った状況は以下のようでした。

 傘の取れたキノコ(ムジナタケ?)の傘にたくさんの甲虫が見えました(上の写真)ので、もう少し全身を見ようと少し触ると、ほとんどの個体が一目散に四方に逃げ出しました。 そのスピードの速いこと・・・。
 大多数の個体はあっという間に行方知れずになってしまいましたが、一部個体は頭隠して尻隠さず状態で近くにいました。 そのうちの1頭の隠れていた枯葉を慎重に取り除いて撮ったのが、上から3枚目の写真ですし、別の1頭は枯枝と枯葉の間に頭を突っこんでいましたので、枯葉を慎重に取り除き、デオキノコムシの乗った枯枝を慎重に持ち上げて撮ったのが、最初と2枚目の写真です。

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2013年6月17日 (月)

クワキジラミの幼虫

 クワの枝に、白い糸くずのようなものがいっぱい絡まっていました。 この糸はクワキジラミの幼虫が摂取しすぎた糖をワックスに変えて排泄したものでしょう。(同様の現象はトゲキジラミのところに詳しく書いています。)

 葉の裏に幼虫の姿を探したのですが、糸くずが多すぎてなかなか幼虫のくっきりとした姿が捉えられません。 上の写真には5頭の幼虫が写っていますが・・・。

 上は幼虫の全身が比較的よくわかるものです。 下は、頭部は糸で隠されていますが、腹部末端から長いワックスの糸を出しています。

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2013年6月16日 (日)

タゴガエル

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 金剛山の小さな渓流に沿って歩いていると、グゥッグゥッとタゴガエルの大きな声が、あちこちから聞こえてきます(6月8日)。 岩の隙間の奥で鳴いているらしく、なかなか姿が見えませんが、運よく1匹みつけ、逃げるところを追いかけながら、何枚か撮ることができました。
(いろんなものを体の表面にくっつけていますので、体の模様と間違えないよう、注意して見てください。)

 タゴガエルはアカガエルの仲間(アカガエル科アカガエル属)です。 ちなみに、名前は両生類学者の田子勝弥氏に由来します。

 下顎には暗色斑が見られます(上の写真)。
 産卵は、伏流水や、渓流の水が流れ込む岩の奥など、流れのゆるやかな所で行います。 上に書いたように岩の割れ目などから出てくることはあまり無く、泳ぐことはほとんどしませんので、水かきはあまり発達していません(下の写真)。

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2013年6月15日 (土)

キササゲ

 キササゲの花をあちこちで見かける季節になりました。

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 キササゲはノウゼンカズラ科の落葉高木です。 中国原産で、目にするのは主に植栽されたものですが、野生化しているものも見られます。

 上は8月上旬に撮ったキササゲの果実です。 この果実は梓実(しじつ)と言われ、利尿作用があるようですが、食材とはなりません。 ちなみに、「梓」は日本ではアズサ(カバノキ科)を意味しますが、中国ではキササゲのことです。 葉も花も似ていない木がどこでどう取り違えられたのか・・・。
 キササゲの名前は「木のササゲ」の意味で、ササゲはもちろん食材となるササゲ(下の写真)です。

 ただし、似ているのは果実が細長いところだけで、ササゲはマメ科ですから花も全く異なります。 下にササゲの花を載せておきます(かなり拡大してあります)。

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2013年6月14日 (金)

マダラマドガ

 上の写真のように一部が巻かれた葉があちこち目につくシラカシがありました。 オトシブミの仲間の葉の巻き方にしたら不自然だなと思いつつ、よく前を通る場所なので、注意しておればそのうち成虫も見ることができるだろうと思っていました。
 6月5日の朝、見るとあちこちでマダラマドガが巻いた葉の上にとまっています(下の写真)。 葉を巻いたのはマダラマドガの幼虫だったようです。 羽化したばかりのようで、カメラを近づけても逃げません。

 マダラマドガのとまっていない巻いた葉をほどいてみると、蛹の抜け殻がありました(下の写真)。

 インターネットで調べると、マダラマドガの食餌植物としてアラカシが挙げられています。 上記のマダラマドガの発生した近くにはアラカシはありませんから、シラカシでもちゃんと育つことが分かりました。

 マドガ科は熱帯地方を中心に分布しているグループです。 マドガは翅に透明紋があり、これを窓に見立てた名称ですが、マドガ科全体としては、翅に透明紋を持つ種はわずかで、マダラマドガにも透明紋はありません。

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2013年6月13日 (木)

サカキ

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 前にヒサカキのところで、サカキとヒサカキを対比して書きましたが、そのサカキの花が咲いていました。

 サカキはモッコク科の常緑の中高木です。 葉は全縁で、2列互生につきます。
 花は6月に葉腋から1~4個が出て下向きに咲きます。 サカキの花は、ヒサカキのように雌花と雄花には分かれていません。 どの花も1本のメシベと多数のオシベを持っています。

 花を拡大してみると、オシベの葯に毛が生えています(上の写真)。 虫がこの毛に触れると花粉がこぼれ出るなど、何か生態的な意味を持つ毛なのでしょうか。

 花の中を覗くと、アザミウマの仲間がたくさん来ていました。 上の写真では4頭います。 写真の花の高さは地上1.5~2mほどです。 それより上は手が届かず調べられませんでしたが、どのあたりの高さまでアザミウマはいるのでしょうか。 とにかく、アザミウマがこの高さまで飛んで来る(登ってくるとは考えにくいと思います)のには少し驚きました。 彼らは花粉媒介者として役立っているのでしょうか。

 サカキの特徴のひとつは頂芽がカーブして尖っていることでしょう(上の写真)。

 サカキの漢字は「榊」(木へんに神)で、まさに「神の木」です。 Wikipediaによれば、『サカキの語源は、神と人との境であることから「境木(さかき)」の意であるとされる。』とあります。 たしかに2列互生の葉をつける枝はかさばらず、玉串として使うのには適しているのでしょうが、いい香りもなく特に薬効もない(シャーマンが使ったとは思えない)サカキは、どのような理由で神の木になったのでしょうね。

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2013年6月12日 (水)

クヌギミツアブラムシ

 コナラにたくさんのクヌギミツアブラムシ、有翅虫も無翅虫もいました。

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 多くのアブラムシの有翅虫では、翅を交差させず、山形になりますが、ミツアブラムシ亜科とヒラタアブラムシ亜科では、翅を重ねて平らにたたみます。

 クヌギミツアブラムシを狙って、ナナホシテントウ、ナミテントウやヒメカメノコテントウなども来ていました。

 上はクヌギミツアブラムシの近くに生みつけられたナナホシテントウの卵だと思います。

 2枚目のナナホシテントウの成虫の近くにも写っていますが、上の写真の褐色のもの、 短い角状管らしきものも見えますが、どうやらハチに寄生されたクヌギミツアブラムシのマミーのようです。

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2013年6月11日 (火)

ハマクサギ

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 ハマクサギの花は5~6月、円錐状の花序にまばらに1cmほどの淡黄色の花をつけます。 花冠は唇形で、オシベは4本です。
 一見クサギとは似ていないようですが、クサギほどでは無いにしろ、葉にはクサギに似たにおいがあります。 クサギに似ていないような印象を受けるのは、クサギの花弁の各裂片がスラリと伸びて、放射相称の花のように見えるからではないでしょうか。 しかしよく見ると、クサギの花も、横向きに咲き、オシベの数も左右対称の偶数で、唇形の花の裂片が長く伸びたと考えればいいでしょう。
 もちろん、ハマクサギとクサギは同じ科に分類されています。 なお、これらの植物は、従来はクマツヅラ科に分類されていましたが、現在はシソ科に移されています。

 ハマクサギは本州の近畿以南と四国・九州(琉球列島を含む)に分布する落葉小高木です。 海に近い所で見られますが、それは、海に近い所に生える多くの木同様、条件の良い所での生存競争にはそんなに強くないが潮風などの悪条件には強いということであって、内陸部でもちゃんと育ちます。
 ハマクサギの仲間(ハマクサギ属)は、世界に40種ほど知られていますが、分布の中心は熱帯です。

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2013年6月10日 (月)

オナガコバチ科の一種

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 コナラの葉に美しいオナガコバチがいたのですが、数枚撮っただけで逃げられてしまいました。 上は触角を前方に突き出した緊張状態で、翅も既に持ち上げて、既に飛ぶ態勢です。
 最初は下の写真の状態でじっとしていて、休んでいるように見えましたが、このコナラにはたくさんのアブラムシがいて、それを餌にするものなど、いろいろな虫がいましたので、もしかしたら何かに寄生する目的で来たのかも知れません。 とにかく、とまっていた場所はコナラの葉の間で、上からも正面からも撮ることはできませんでした。

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(堺市南部のフォレストガーデンで撮影)

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2013年6月 9日 (日)

クワガタソウ

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 クワガタソウの果実ができていました。 クワガタソウの「クワガタ」は「鍬形」に由来します。

 武士の着用する兜(かぶと)は、特に中世以降、威厳を添えるために装飾を取り付けるようになりますが、その付ける位置が前面の場合、前立物(まえだてもの)と呼ばれ、中世の前立物の代表が、鍬形(くわがた)でした(上の写真)。 語源は農具の鍬先に似ているからと言われています。

 上は果実だけを拡大したものです。 クワガタソウの花のガクは深く4裂していますが、そのガクが、三角おにぎりのような形の果実を前後から挟むような形で、残存します。 クワガタソウの果実では、ガクがちょうど鍬形のように見えます。 なお、昆虫のクワガタも、この鍬形に由来した名前です。
 ところで、クワガタソウは何の仲間でしょうか。 クワガタソウの果実は“三角おにぎり”の中央に花柱が残り、その基部が少し窪んでいます。 この窪みをもう少し深くし、扁平な果実を丸くすれば、おなじみの果実になります。 また、花を見ても何の仲間かは分かるでしょう。

 上がクワガタソウの花です。 クワガタソウはオオイヌノフグリなどと同じ属( Veronica )の花です。
 クワガタソウ属( Veronica )の花は、花冠が深く4裂し、そのうちの上側の弁はやや大きくなっています。 花の中央にはオシベ2本とメシベ1本があります。
 これまでこのブログでは、クワガタソウ属の花として、オオイヌノフグリ以外にも、フラサバソウヒヨクソウなどを載せています。

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2013年6月 8日 (土)

ダイミョウセセリの産卵

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 1頭のダイミョウセセリがヤマノイモのツルに執着して、ツルにつかまったり近くを飛び回ったりしていました。 ヤマノイモのツルといっても、伸びはじめたばかりのツルで、葉は広がりはじめたものが1枚。 上の写真は、その1枚につかまっているダイミョウセセリです。
 ダイミョウセセリの幼虫の食草は、ヤマノイモ、オニドコロなどのヤマノイモ科の植物ですので、産卵ではないかと思い、しばらく見ていると、腹部の先端を茎にくっつけはじめました(下の写真)。
 それにしても、よくこんな伸びはじめたばかりで小さな食草を見つけられるものですね。

 あまりにも近づきすぎると逃げられると思い、一定の距離を置いていましたので、産卵の瞬間は確認できませんでしたが、ダイミョウセセリが飛び去ってから見ると、卵が確認できました(下の写真)。 ダイミョウセセリは産卵時に腹部の毛を卵の表面につけてカモフラージュします。

 ダイミョウセセリの翅の模様が関西と関東とで異なることは以前書きました(こちら)。 今回の写真のダイミョウセセリは「堺自然ふれあいの森」で撮りましたので、もちろん関西型です。
 また、今回はダイミョウセセリの翅の裏しか撮れていません。 翅の表の様子も、上のリンク先を見てください。

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2013年6月 7日 (金)

キブネダイオウ

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 キブネダイオウはタデ科ギシギシ属( Rumex )の、高さが1mほどにもなる多年草です。 エゾノギシギシに似ていますが、エゾノギシギシのように葉の中肋に紅色が出ることはありません。
 キブネダイオウの名前は、生薬として利用されるダイオウ(大黄)に似て、牧野富太郎博士により京都府の貴船川流域で発見されたことによります。 その後、岡山県の高梁川支流域でも発見されましたが、分布地は現在でもこの2ヶ所のみで、環境省の絶滅危惧IB類に指定されています。 近縁種は中国南部からヒマラヤ、東南アジアに分布していますが、キブネダイオウとは変種の関係にあり、キブネダイオウは日本固有変種です。 なお、上でダイオウに似ると書きましたが、ダイオウとは別の属になります。

 果実時に残存しているガク片は横に幅が広く、縁に鈎状の突起があります。 中肋は瘤状に膨れません(上の写真)。

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2013年6月 6日 (木)

ヒゲナガクロバカスミカメ

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 ウツギの花に来ていたカスミカメ、触角の第2節が第1節の3倍より長く、ヒゲナガクロバカスミカメだと思います。 よく似たクロバカスミカメがイラクサ科の汁を吸うのに対し、ヒゲナガクロバカスミカメは、アジサイ科などの花の汁を吸うようです。
 たくさんいたのですが、よく動き、飛んで逃げる個体もいて、なかなか撮らせてくれません。 比較的撮り易そうな個体を追いかけまわしたので、写真は全て同一個体です。 しかし、いろんな個体を見ていると、色彩は黒っぽいものから明るいものまで、変異がありました。 夏になれば、もっと黒くなるのだと思います。

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2013年6月 5日 (水)

ズイナ

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 ズイナは近畿地方南部と四国・九州に自生する落葉低木です。 元はユキノシタ科に分類されていましたが、新しくズイナ科がつくられました。 学名は Itea japonica で、日本固有種です。 なお、Iteaは ギリシャ語で、ヤナギを意味します。

 花は5~6月頃に咲き、リョウブのような花序につきます。 花持ちは良くて花材としても利用されますが、一斉に咲いてしまいますので、利用できる期間は数週間です。 なお、花材としては、「リョウブ」や「ハゼ」の名前で取り扱われることもあるようです。 花は5弁で、5個のオシベがあります(下の写真)。

 多くの場合、「○○ナ」の「ナ」は「菜」で、食用にも利用されてきました。 ズイナも、枝の随を灯心に利用し、若葉を食用にしたことから「髄菜」なのでしょう。 ヨメナノキという別名もあります。

 香川大学に希少糖研究センターがあります。 ここでの研究によると、ズイナにはD-プシコースという希少糖が含まれていて、この糖は、少なくとも今のところ、ズイナ以外からは見つかっていません。
 このD-プシコースについては、上記センターの研究を基に、今年の2月24日のNHK「サイエンス ZERO」で「46億年目の大逆転!「奇跡の糖」が人類を救う」として取り上げられ、5月26日にはアンコール放送が行われました。 このタイトルは、ちょっと大げさすぎると思いますが・・・。 とにかく、取り上げられていた内容を、若干私の独断的かもしれない理解を含めて書くと、以下のようになります。
 D-プシコースの化学式はC6H12O6で、ブドウ糖と同じですが、構造はブドウ糖とは異なります。 46億年の地球の歴史の中で、生物はブドウ糖を利用するように進化してきた結果、ブドウ糖と構造の異なるD-プシコースは生物の持つ代謝経路には入り込めず、生物が利用できなくなりましたし、反応しないのですから、毒にもなりません。 ただ、ブドウ糖に似ていますから、ブドウ糖が利用されるのを邪魔します。 ですから、私たちがD-プシコースを食べると、メタボ対策になります。 また、同様の理由で植物の生長も阻害しますから、雑草対策になりますし、既に育っている作物などを枯らすこともありません。

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2013年6月 4日 (火)

サトジガバチの寝姿

 顎の力の強いハチの仲間は、眠る時、顎で何かにつかまり、体を固定するようです。 そらさんのところでは、サトジカバチのその様子が載せられています(こちらこちら)。 私も別のハチで見たことがありますし、いろんなハチのその様子をあちこちのブログで見た記憶があるのですが、適切な検索キーワードを思いつかず、探せませんでした。

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 今回、そらさんと同じサトジガバチ(だと思います)で、同様の寝姿を記録することができました。 違う点は、季節と、私が見たのは集団で寝ていたことです。 ざっと見ても10頭近くいました。

 写真を撮っていると動きだすものもいましたが、しばらくすると、また顎で葉を咬み、眠りだしました。 撮影時間は午後3時半頃、小雨が降ったり止んだりしていましたが、撮影の場所は道路の高架橋下で、雨のかからない場所でした。 羽化したばかりの兄弟蜂が穴から這い出した疲れを癒しているのでしょうか。 それとも、明るさからして、もうお休みの時間になっていたのでしょうか。

 ところで、ジガバチにもたくさんの種類がいます。 キゴシジガバチやアメリカジガバチなどは色の違いなどで区別できるのですが、フィールドで出会ってややこしいのは、ミカドジガバチ、サトジガバチ、ヤマジガバチです。 近寄って撮れるこの機会に、見分けるポイントとなる部分を撮ってみました。 ただし以下に書くことは、私がそう理解しているということであって、間違っている可能性大です。 ここに書くのは、どなたかからの訂正を期待してのことです。

 ミカドジガバチは腹部第2節の末端が膨大し、サトジガバチやヤマジガバチの腹部第2節は柄状です。 結果として、サトジガバチやヤマジガバチの腹部の柄状の部分は、ミカドジガバチの柄状の部分よりも長く見えます。
 上の写真で黄色の▲の所が節の境だと思いますので、ミカドジガバチではないと思います。 水色の▲の所が気になりますが、単なる模様でしょうか。

 サトジガバチとヤマジガバチの違いについては、生態的にはいろいろ異なる点があるものの、形態的な違いはわずかで、その違いの1つとして、サトジガバチの中胸背板には皺が見られ、ヤマジガバチの中胸背板には皺が無いとのことです。 上の写真(写真をクリックして拡大してご覧ください)がその皺なのでしょうか。

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2013年6月 3日 (月)

マツバギク(特に花弁と光合成について)

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 マツバギクは、暑さにも乾燥にも強く、少なくとも大阪付近では冬の寒さにも露地で耐えることができます。 花は、活発に活動できる温度になった春にたくさん咲き、その後は、温度さえあれば“体力”の回復を待って咲き続ける逞しい花です。 過湿には弱く、光不足では花が少なくなりますが・・・。
 このマツバギクの名前は、葉が松葉のように細長い(葉は多肉質で、松葉に比べれば、かなり太く短いですが・・・)キクということでしょうが、キク科ではありません。 マツバギクはハマミズナ科の植物です。
 キク科の花は、これまでに何度か書いてきたように、たくさんの花が集まって1つの花のように見えます。 また、周辺部の舌状花と中心部の筒状花の2種類の花が、それぞれ複数集まったものもたくさんあります(例えばディモルフォセカ)。
 マツバギクの花は、キク科のように舌状花と筒状花に分かれているように見えますが、花の断面をつくってみると、驚きの事実が見えてきます。

 舌状花のように見えていた部分と筒状花のように見えていた部分とは、基部でまとまっていますし、よく見れば、連続的に変化しています(上の写真:クリックで拡大します)。 つまり、同じものです。 筒状花のように見える部分では花粉を出していますから、オシベです。 つまり、細くたくさんある花弁のように見えるのも、全てオシベだということになります。 花弁状のオシベはありますが、ほんとうの花弁はありません。

 上で、マツバギクは暑さにも乾燥にも強く、花を咲かせ続けると書きました。 暑く水分の多い条件で元気な植物や、乾燥にじっと耐えることのできる植物はいろいろありますが、マツバギクのような植物は、日本で栽培されている植物の中では、少数派です。 その秘密は光合成のしかたにあります。

 以下、文章だけになってしまいますが、光合成について簡単にまとめておきます。 光合成とは、よく知られているように、光エネルギーを利用して、二酸化炭素と水から糖を合成する反応ですが、高等植物の光合成のしかたには、大きく分けて3つのパターンがあります。 C3型光合成、C4型光合成、CAM型光合成の3種類です。
 ここでは植物の細胞内で行われている反応経路には触れませんが、C3型光合成は、いちばん“普通の”光合成です。
 光合成には、光、水、二酸化炭素と、反応が進行するための温度が必要ですが、紫外線は植物にとっても有害ですし、イメージ的には、温度が高すぎると、水も二酸化炭素も分子の運動がさかんになって、光合成に利用しにくくなります。
 C4型光合成は、葉の維管束の周囲に維管束鞘という組織をつくり、C3型光合成に反応経路を付け加えることによって、強すぎる光の害を防いだり、高すぎる温度による光合成効率の低下を防ぎます。 ですからC4型光合成は、強光、高温、乾燥気味の条件下では、C3型光合成に比べて有利になりますが、C3型光合成にはない反応が加わっている分、使用するエネルギーが多く、光合成に適した条件下では、C3型光合成より不利になります。 C4型光合成を行う植物は、猛暑の中で驚くほどの生長を見せるトウモロコシなど、イネ科植物などで見られます。
 第3のパターン、CAM型光合成は、夜のうちに二酸化炭素を取り込んで有機酸の形にしておき、昼間は気孔を閉じたまま光合成を行う様式です。
 光合成に必要な二酸化炭素は気孔から取り込まれますが、気孔を開けば、特に高温の条件下であれば、水分も気孔から出て行ってしまいます。 CAM型光合成は、水分が不足ぎみで、昼夜の温度差が大きい環境に適応したものだと考えられます。 もちろんCAM型光合成では、夜に二酸化炭素を取り込んでおく時にもエネルギーを消費してしまいますし、昼間には二酸化炭素を取り込まないのですから、光合成に適した条件下では不利になります。
 CAM型光合成を行う植物をCAM植物と呼んでいます。 CAM植物としては、サボテン科、ベンケイソウ科、トウダイグサ科などが挙げられます。

 さて、話をマツバギクに戻します。 マツバギクは、CAM型光合成とC3型光合成を、すばやく切り替えて行うことができる植物です。 つまり、条件のいい時にはC3型光合成で効率よく光合成を行い、高温や水分不足など、条件が悪くなるとCAM型光合成を行います。 このようなことができる植物は、そんなに多くはありません。

※ マツバギクと呼ばれているものには、よく似た複数の種が存在します。

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2013年6月 2日 (日)

ビオラの花を食べるツマグロヒョウモンの幼虫

 ツマグロヒョウモンの幼虫がビオラの花弁を食べていました。 ツマグロヒョウモンの幼虫の食餌植物は各種スミレ類です。 しかし、葉の方が栄養価が高いと思うのですが、花弁にも食欲をそそる物質が含まれているのでしょうか・・・。

 ツマグロヒョウモンの幼虫は、以前クロヤマアリに攻撃されている様子を載せています(こちら)が、その時はクロヤマアリに写真の明度を合わせていますので、再度載せることにしました。 それにしても、すごい棘ですね。 毒はありませんが・・・。

 一昨日ハバチの幼虫を載せていますので、顔を比較する意味で、 頭部を拡大してみました(上の写真)。

※ ツマグロヒョウモンの蛹はこちらに、成虫のオスはこちらに、メスはこちらに載せています。

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2013年6月 1日 (土)

オオバウマノスズクサ

 ここに載せた写真は京都府立植物園で撮ったもので、タイトルもその時の植物園の名札の「アリマウマノスズクサ」としていました。 当初からオオバウマノスズクサではないかとのコメントをいただいていたのですが、私が他の所で見たオオバウマノスズクサとはあまりにも葉の大きさが異なっていたことや、この仲間の分類についてはまだ研究中のようなので、タイトルの変更は行いませんでした。 しかし花かんざしさんから、京都府立植物園では「オオバウマノスズクサ」に変更されているとのコメントをいただきましたので、本文の一部に取り消し線を入れ、タイトルも変更しました。(2015.5.9.)

 虫媒花の花は、虫たちによって効率よく花粉を運んでもらうために、さまざまな工夫をしています。 このブログでは前に、ウマノスズクサの花のつくりと、受粉のために虫たちをうまく利用するしくみについて、書いています。 またこの仲間のオオバウマノスズクサについても書いています。
 アリマウマノスズクサもこの仲間(ウマノスズクサ属)で、同じような形の花をつけます。 花の形は食虫植物を連想させますが、食虫植物で特殊な形態をしているのは葉で、ウマノスズクサの仲間の花は、花粉を運んでもらうために特殊化しているのであって、虫を捕えて殺すわけではありません。

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 アリマウマノスズクサの花は5~6月に見られます。 アリマウマノスズクサの「アリマ」は六甲山の北の有馬に由来し、牧野富太郎博士により最初この地で発見されたことによります。 しかし分布の中心は沖縄で、本州や九州で見られるのは一部の地域に限られています。

(2014.2.10. 追記) アリマウマノスズクサとオオバウマノスズクサの関係について
 上の写真は京都府立植物園の植物生態園で撮ったものです。 この区画で見られる植物の多くは園芸種ではありませんが、あちこちのブログなどに載せられている自生地で撮られたアリマウマノスズクサに比較すると、舷部の色の濃い部分と薄い部分が逆になっていて、オオバウマノスズクサに似た色になっています。
 アリマウマノスズクサは分類学的にはオオバウマノスズクサの変種と見られています。 変種ということは同種の中の違いということですから簡単に交雑するはずです。 また、オオバウマノスズクサは、その名のとおり葉が大きいのですが、元来葉は変異幅の大きなものですし、実際私の見たオオバウマノスズクサでは同じ株の葉でも大変大きさが違いました。
 上のようなことを考えると、ここに載せたアリマウマノスズクサは、なかなかなおもしろい問題を提示してくれているのかもしれません。

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