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2013年5月15日 (水)

カラスムギ・マカラスムギ

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 カラスムギはイネ科の越年草で、春から初夏にかけてまばらに小穂をつけた花序が見られます。 原産地はヨーロッパから西アジアにかけての地域で、日本には古くから入ってきている史前帰化植物です。
 1つの小穂には3つ(まれに2つ)の小花(=イネ科のほんとうの花)が存在しますが、3つの小花のうちの1つは小さいものです。 残りの2つの小花の護穎には硬くて長い芒(のぎ)があります。 そしてこれらの小花を2枚の包穎(ほうえい)で包み込んで保護しています。

 上は包穎を左右に開いた1つの小穂を撮ったものです。 私の御幼少のみぎり、小穂をこのようにして見せてくれ、
「ほれ、カラスだ。」
と教えてくれた人がいました。 私は、こんな足の長いカラスはいない、サギだ! 鷺なら分かるが・・・と言ったとか言わなかったとか・・・。
 人の利用できる植物ではないことを示すのに、利用できる植物の名に「イヌ」や「カラス」をよくつけます。 人が利用できないカラスの麦でカラスムギ、ところがこのカラスムギは食用になります。 しかし野生植物は、種子を散布しないことには子孫を残して行けませんから、カラスムギの果実(穎果)も熟せば地上に落下します。
 上の写真で、それぞれの芒(のぎ)の中央には、少し屈曲しているところがあります。 穎果が熟して落ちると、芒は乾湿運動により、この屈曲点を軸にして回転します。 この回転運動によって、穎果は土壌中に潜っていく事ができます。 芒も単なる飾りではありません。
 カラスムギの果実は、熟せば食用になるのですが、「収穫」という作業にとっては、熟すと落ちてしまうのは困ったことです。 ところが、5,000年ほど前、人類は熟しても落ちないカラスムギの仲間を見つけました。 自然界に生きる植物としては大きなウイークポイントですが、収穫作業を行おうとする人類の営みにはたいへん便利で、栽培されはじめました。 これがマカラスムギ(=エンバク)、英語では oat(オート)です。 烏(からす)の麦が燕の麦に変化したのですが、寒さに強いことから、特に北ヨーロッパでよく栽培されました。

 上がマカラスムギです。 カラスムギによく似ていますが、芒は1本で、包穎に包まれた中にある小花も2つです。
 脱穀したマカラスムギ(エンバク)を粉状などに加工したものが oatmeal(オートミール: meal は「あらびき粉」の意)です。 このオートミールは栄養価も高く、水や牛乳で煮て粥状にして食べるほか、パンやクッキーなどの生地に混ぜ込むなど、さまざまに活用されています。

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コメント

つい最近のこと
カラスムギの穂を摘んで開いて見せて貰ったことがありました
「あぁ ナルホド」って素直にカンシンしたもんでした。
鷺ねぇ・・・

投稿: わんちゃん | 2013年6月19日 (水) 11時06分

ちなみに、イヌムギという植物もあるんですよ。道端でよく見かけます。

投稿: そよかぜ | 2013年6月19日 (水) 22時55分

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