ヌカボシソウ
糠(ぬか)は細かいものの譬え。 ヌカボシソウの名前は、夜空に散らばった星のように、まばらに小さな花や実をつけるところからでしょう。
ヌカボシソウは丘陵地や低山の林縁などに生えるイグサ科の多年草です。
風媒花の花は小さくて、その特徴はよく分かりません。 イネ科、カヤツリグサ科、イグサ科など、科が違っていても互いによく似ている植物があったり、同じ科でも一見全く違った姿をしていたりと、なかなかめんどうです。 でも、子孫を残すための花のつくりには大きな違いがあり、そこに発見のおもしろさがあるとも言えます。
今までにイグサやクサイのところなどでも書いてきましたが、イグサ科の花は、イネ科やカヤツリグサ科などの花のように、特殊化していません。 拡大してみると、花被片6枚(ガク片にあたる外花被片が3枚と花弁に相当する内花被片が3枚)、オシベ6本、メシベ1本が、ちゃんと認識できます。 メシベの柱頭は、上の写真では重なっていて少し分かりにくいですが、3裂しています。
上は果実です。 果実には3稜があり、中に種子が3個入っています。 イグサ科にはイグサ属とスズメノヤリ属の2属があるのですが、イグサ属は果実にたくさんの種子が入っているのに対し、スズメノヤリ属の果実の種子は3個です。 つまり、ヌカボシソウはスズメノヤリと同じ属です。 外見はあまり似ていませんが・・・。
葉の縁には長い白色毛があります。 この点はスズメノヤリと同じですね。
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