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2013年5月17日 (金)

チガヤ

 イネ科のチガヤは、花の目立たない風媒花でありながら、なかなか豊かな色彩変化を見せてくれます。 花穂は白い毛が密生していて陽光を浴びると銀色に光り、種子ができると野を白い綿毛で埋め、秋には葉が美しく紅葉します。 なお、草盆栽などとして取り扱われる紅チガヤは、コバノウシノシッペイという別の植物です。

Chigaya130516_1

 チガヤは、ツバナなどの名前で古事記や万葉集などにも載せられている身近な雑草で、昔から親しまれていました。 まだ白い毛が顔を見せない頃の若い穂は、甘い味がして、昔の子供たちのおやつになりました。 また粽(ちまき)も、本来は「茅巻き」で、チガヤで巻いたものであったようです。 この他、チガヤは屋根を葺くのに使ったり、種子が飛散する前の穂は火口(ほくち)にも使われたようです。

 そのチガヤは、今がちょうど花の時期です。 上はたくさんのオシベを出している穂ですが、穂によって少しずつ状態が異なり、まだオシベが出ないで銀色の毛が目立つものから、花粉を出し終えて茶色くなったオシベが花序を覆うものまで、さまざまです。

 オシベは肉眼でもよく分かるのですが、メシベは肉眼ではなかなか気付きません。 上は花序の一部を拡大したものですが、白い毛の間に紅色のものがあちこちに見えます。 これがメシベの柱頭です。

 上は花穂を曲げ、白い毛を広げてメシベを分かりやすくしたものです。 この花序ではメシベは元気に伸びていますが、オシベはまだ若く、オシベも紅色を帯びています。 つまりチガヤも、多くの風媒花同様、雌性先熟です。

 上は6月上旬に撮ったチガヤです。 花序の軸は赤く染まり、もう種子は成熟し、下の写真のように飛び始めています。

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