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2013年5月30日 (木)

マオウ

 下の3枚の写真の植物、区別できるでしょうか。

正解は
 1枚目は、逆光で撮っていますが、シダ植物小葉類のスギナ、
 2枚目は、裸子植物グネツム目のフタマタマオウ、
 3枚目は、被子植物モクマオウ目のモクマオウです。
 進化的に大きく異なるシダ植物、裸子植物、被子植物で、こんなによく似たものが存在するのですが、“他人の空似”です。

 スギナモクマオウは別の所で取り上げていますので、今日の“主役”は、フタマタマオウなどのマオウです。
 マオウ科マオウ属( Ephedra )の植物には、フタマタマオウ、シナマオウ、キダチマオウなどが知られています。 いずれも常緑低木で、節に鱗片状の葉がつきます。
 マオウ属の植物は日本に自生はありませんが、古くから生薬の「麻黄」として知られていて、葛根湯などにも入れられています。 また、麻黄から抽出された化学成分のエフェドリンは気管支喘息に、プソイドエフェドリンは鼻詰まりに効果のあることで知られています。

 マオウ属の植物は雌雄異株です。 上はキダチマオウの雄株で、たくさんの雄花をつけています。

 キダチマオウの雄花は穂状花序につき、オシベが飛び出しています。 オシベは複数の葯が共通の短柄についています(上の写真)。
 雌花は節にむきだしの胚珠がつきます。

※ フタマタマオウおよびキダチマオウは京都府立植物園で撮影しました。 マオウの仲間は互いによく似ていて同定は難しいのですが、植物園ではラベルがあったので、間違いないでしょう。

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