マツモムシ
写真は水面近くの水中にいるマツモムシを真上から撮ったものです。 通常はこのように腹面を上にしています。 マツモムシの名前は、マツモ(いわゆる金魚藻の一種)の生えているような水に棲むところからでしょう。
マツモムシは、成虫は飛ぶことはできますが、普段は水中で暮らす肉食性のカメムシ類で、小魚、オタマジャクシや他の虫などを捕まえて、口吻を獲物に突き刺して体液を吸います。 前脚と中脚は獲物を捕えることに使い、後脚は発達していて、遊泳脚とし使われます。
体表面に空気の層を保っていますので、水中にいるマツモムシの背側は白っぽく見えます。 上の写真では、少し背側が見えています。 これ以上背側を見ようとすれば、水中から撮るか、マツモムシを捕えて陸上で撮るかですが、捕える時はよほど注意しないと、口吻に刺されて、蜂に刺されたような痛みを味わわなければなりません。 今回は網を持っておらず、捕らえるのはあきらめました。 なお、マツモムシの仲間も何種類かいて、特にキイロマツモムシは大きさもマツモムシとほぼ同じです。 いまのところ、成虫の背面を見ないと私には同定ができませんから、最も普通種であるマツモムシだろうと思って書いていますが、もしかしたら違うかもしれません。(マツモムシ Notonecta triguttata の背面の写真が撮れましたので、こちらに載せました。)
マツモムシは、この空気層のため、泳ぐか水中の何かにつかまらないかぎり、自然に水面近くまで浮き上がります。
下は昨年の6月中旬に撮ったマツモムシの幼虫です。 小さな透明の水槽に入れ、横から撮っています。 下が本物のマツモムシで、上は水面に映った像です。 幼虫では特に背面の白さが目立ちます。 明るい水面近くにいるマツモムシを水中から見ると、白っぽい色はいい隠蔽色になるのでしょうね。
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