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2013年4月30日 (火)

モミジバフウの花

 「楓」という漢字は、本来はフウ(タイワンフウ)という植物を意味する漢字でしたが、日本に入ってきた時に、フウとカエデの葉が似ていたために、カエデを意味する漢字だと誤ってしまったようです。
 フウの仲間はアメリカ大陸にも自生していて、こちらはモミジバフウまたはアメリカフウと呼ばれています。 モミジバフウの紅葉は以前このブログにも載せました(こちら)が、モミジバフウの葉も、その名前からも想像できるように、よりカエデの仲間にそっくりです。 しかしモミジバフウもタイワンフウも、花を見ると、カエデの仲間の花とは全く異なり、別のグループの植物だと分かります。

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 モミジバフウの花は、春、葉の展開と共に花序が伸びてきます(上の写真)。 花序は球形のものが集まってつき、それより少し大きな球形のものが、少し離れて垂れ下がっています。 前者が雄花序で、後者は雌花序です。

 上は雄花序の拡大です。 雄花序は不定数のオシベが小鱗片と混生しています。

 上は雌花序です。 雌花はメシベが目立ちますが、その基部には鱗片と退化雄ずいがあります。

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2013年4月29日 (月)

ムナグロ(夏羽)

 ムナグロは、南西諸島や小笠原諸島では越冬しますし、本州の中部以南でも越冬個体が少数いるようですが、多くは旅鳥として春と秋に全国に飛来するチドリ科の鳥です。
 成鳥の夏羽は、写真のように、顔~胸~腹の下部が黒い色をしています。 雌雄ではほぼ同色です。 冬羽の体の下面は淡い褐色になります。

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 夏羽・冬羽共にムナグロによく似た鳥にダイゼン(冬羽はこちら)がいます。 ムナグロの方が少し小さく黄褐色味が強いのですが、最もはっきりとした違いは後趾の有無です。 しかし今回の撮影では、鳥との距離も大きく、後趾の有無は撮ることができませんでした。

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2013年4月28日 (日)

クロモジのトゲキジラミ

 落葉樹のクロモジにトゲキジラミの成虫がいました。

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 トゲキジラミについては、このブログで、2012年2月19日にシロダモの葉に成虫、卵、幼虫がいたこと、他のブログなどを見ると成虫は12月~5月に観察されていること、シロダモの葉でみつかっているケースが多いことなどを書きました(こちら)。
 その後、上で3月の成虫の観察例が少ないことと、シロダモ以外の寄主植物を調べる目的で、シロダモと同じクスノキ科のイヌガシを2012年3月24日に調べたところ、卵から5齢幼虫までの各ステージは確認できたが成虫は見られなかったことを書きました(こちら)。
 イヌガシの様子は、その後も機会を見て観察していましたが、2013年2月11日には卵と3齢(?)までの幼虫を、3月19日には卵と4齢(?)までの幼虫を(そばに捕食性のヒラタアブ幼虫)、3月31日には卵と5齢までの幼虫を確認していますが、いずれも成虫は見当たりませんでした。 羽化した成虫はイヌガシに留まって次の産卵に移るのではなく、どこかへ行ってしまうように感じていました。

 クロモジもクスノキ科ですから、トゲキジラミがいても当然のようにも思えます。 しかし、クロモジは落葉樹ですから、冬にクロモジの葉に存在した卵から羽化したトゲキジラミの成虫だとは考えられません。 念のため、伸びだしたばかりのクロモジの葉を調べてみましたが、トゲキジラミの卵や幼虫は確認できませんでした。
 クロモジにいたトゲキジラミの成虫は、どこかから飛来した成虫でしょう。 しかし、風に乗ってたまたまクロモジにたどり着いたと考えるには、成虫の密度が高すぎるように思います。 下の写真で、黒い点は全てトゲキジラミの成虫です。
 トゲキジラミの成虫は、フェロモンなど何らかの方法で個体間の連絡を取り合い、生殖活動など何かの目的で集まっているのではないでしょうか。

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2013年4月27日 (土)

シナサワグルミ

 シナサワグルミは中国原産の落葉高木で、日本には明治初期に入ってきており、街路樹や公園木としてよく植栽されています。

 雌雄同株で、花は葉の展開と同時に、雌雄別々に尾状花序を作って下垂します。 雄花序は本年枝のつけ根近くに(上の写真)、雌花序は本年枝にできます。

 上は雄花序の一部を撮ったもので、苞が長く伸び、そこにオシベがつきます。 苞の先には小苞と花被片がついています。

 上は雌花序の一部です。 赤い柱頭が少し見えていますが、まだ完全には出ていません。 雌花は受粉すると、直立する2翼を持った果実形成に向かいます。
 下は7月中旬の写真ですが、垂れ下がった長い果穂が形成されています。

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2013年4月26日 (金)

ヤブサメ

 ヤブサメはウグイス科の夏鳥です。 ウグイスと同様に眉斑は明色で明瞭ですが、尾は短く、全長はメジロほどの小さな鳥です。
 夏季には屋久島から北海道まで分布し、個体数も多いのですが、森林や藪に潜んでいることが多く、見かける機会はあまりありません。

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 写真は23日に大阪城公園で撮ったもので、この日は比較的多くのヤブサメがいました。 しかし植え込みの中や薄暗い所にしか出て来ず、そのうえ曇り空で、ISOを800にしていたのですが、シャッター速度は1/60秒より上がらず、ブレブレ写真ばかりになりました。
 下はISOを1250まで上げて撮ったものですが、それでもシャッター速度は1/80秒にしかなりませんでした。

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 この日大阪城公園で見た他の鳥も下に載せておきます。


コマドリ


オオルリ


キビタキ

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2013年4月25日 (木)

ミツモンハチモドキバエ

 写真はデガシラバエ科のミツモンハチモドキバエです。 「堺自然ふれあいの森」にいました。 ちょうど発生時期だったのかもしれませんが、別の日にも複数の個体を見ていますので、特に珍しい種ではなさそうですが、みつかっているのはメスばかりで、生態はまだよくわかっていないようです。

 翅にはぼんやりとした3本の黒帯がありますが、名前の「ミツモン」は頭部前方の3つの黒紋(下の写真)に由来しているようです。

 デガシラバエ科のハエは捕食寄生性で、幼虫は甲虫やハチ目の昆虫に内部寄生するようです。 このミツモンハチモドキバエも、幼虫はコガネムシ類に寄生すると言われています。
 下は産卵管ですが、まるで事故防止のために、危険な針先にビニールチューブをかぶせているように見えます。 実際のところはどうなっているのでしょうね。

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2013年4月24日 (水)

クマシデ

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 クマシデの花が咲いていました(4月19日)。 シデの仲間は雌雄同株で、雌雄別々に尾状花序を作って下垂します。 雄花序は前年枝に側生し、雌花序は新枝に頂生します。 なお、和名の「シデ」は、この尾状花序を、注連縄(しめなわ)などに付ける四手に見立てたものと言われています。
 上の写真には雄花序も雌花序もあるのですが、雄花序がすぐ目につくのに対し、雌花序は新葉にまぎれ、知らないと見過ごしてしまいがちです。

 上の写真で、右側の新葉に混じって少し赤い部分の見られるのが雌花序で、中央左が雄花序です。

 上は雄花序の一部を拡大したものです。 雄花には花被はなく、苞の中には10個前後のオシベがあるだけです。 オシベの葯の先には毛があります。

 上は雌花序の一部を拡大したもので、①は苞です。 ②は苞の下にある1対の小苞で、②の場所では苞を除去してあります。 各小苞は1つの雌花を保護しています。 上の写真では、雌花の柱頭があちこちに見えています。
 苞は脱落性で、小苞は花後に伸長して果実を抱く果苞となります。 下は6月上旬に撮ったもので、果序が垂れ下がっています。 花から約1ヶ月半でここまで生長するのですね。 なお、果実が成熟するのは、10月頃になります。

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 このような花と実の様子は、基本的にはシデの仲間(クマシデ属)全てにあてはまります。

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2013年4月23日 (火)

ハネカクシの翅隠さず

 水溜りに落ちて溺れかけているハネカクシを助けて連れ帰りました。 体長は1cmほどで比較的大きなハネカクシですが、種名は分かりません。

 最初は弱っていたハネカクシですが、元気を回復すると共に、翅を出して震わせるのですが、飛び立つには至らず、また翅を隠す、ということを何度か繰り返し、ついには飛び去ってしまいました。
 下は翅を出した時の様子です。 こんなに立派な翅を持っていたのですね。

 翅を出すことも収納することも一瞬でした。 どのように翅を出し入れしているのか、ハイスピード撮影すれば良かったのですが、その前に飛ばれてしまいました・・・。

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2013年4月22日 (月)

メギ

 メギは漢字では「目木」で、葉や樹皮の煮汁を洗眼に用いたようです。 花、果実、紅葉が楽しめる木として植栽されますが、コトリトマラズという別名があるほどで、鋭い棘には注意が必要です。

 メギは関東地方以西の山地に自生する落葉低木ですが、植栽されているのは、野生種であることはほとんど無く、品種改良されて葉が写真のように赤や黄色である場合がほとんどです。 しかし、品種改良されたものでも、花のつくりなど基本的な特徴は、野生種と同じです。

 上は棘の位置がよく分かるように撮ったものです。 葉、花、棘の位置関係を見ると、棘が葉の位置にあることが分かります。 つまり、メギの棘は葉の変態したものと言えるでしょう。 赤い葉や花は、棘である葉の腋芽が伸びだしたものだと理解することができます。

 花は4月に咲きます。 ガク片6枚、花弁6枚、オシベ6本です。 このオシベは触れると内側(=メシベの方向)に曲がります。 花に入ってきた虫の体に花粉を効率よく付けるためだと考えられます。 このオシベの動きは、同じメギ科のヒイラギナンテンのところでは、写真を載せています。

 オシベの葯は、上の写真のように、2個の弁で裂開します。

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2013年4月21日 (日)

コナラのにぎわい

 コナラの白っぽい新緑はなかなか美しいものですが、この時期はたくさんの虫たちがコナラに集まる時期でもあります。 あるものは樹液を吸いに、あるものは新葉を食べに、あるものは新葉を幼虫に食べさせようと産卵に、あるものはそれらの虫に寄生または捕食のためにと、さまざまな目的で虫たちは集まります。

 これらの虫の多くは小さくて目立ちませんが、枝の前でじっとしていると、いろんな虫たちが見えてきます。 ムシクソハムシは、葉の上にいる姿からは想像できないようなすばらしい飛行術を披露してくれますし、いろんな蜂たちも忙しそうに動き回っています。

 しかし、忙しく動き回る虫たちの様子を撮ろうとすれば、なかなか種名の分かるような写真は撮れません。 上はハバチの仲間かもしれませんし、下はヒメバチの仲間だと思いますが、いずれもそれ以上は分かりません。

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2013年4月20日 (土)

スギナの胞子の乾湿運動

 ツクシ(土筆)はスギナの胞子茎(または胞子穂)です。 ここから放出される胞子には弾糸と呼ばれるひも状のものがついていて、乾湿運動をします。
 前にツクシの胞子のうや胞子の写真を載せています(こちら)が、今回はこの乾湿運動を動画で記録してみました。

 動画の中で、暗くなるのは、私が息を吹きかけようと顔を近づけたためです。 この動画のように、弾糸は呼気に含まれる水分により湿度が高くなると胞子に巻き付き、乾燥すると伸びます。 この運動は胞子の散布に役立つと考えられています。
 なお、撮影は、オリンパスの TG-2 単独で行っています。 また、動画の時間経過も、微速度撮影や高速度撮影などではなく、通常です。
 息を吹きかけるのは、強く吹きかけると胞子が飛んでしまうので、そっとですし、胞子のある所の1cmほど上はカメラが覆っていますので、胞子に届く呼気はほんのわずかでしょう。 このように弾糸は、わずかな湿度変化に敏感に反応します。

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2013年4月19日 (金)

ヤツデキジラミの卵と1齢幼虫

 このブログの3月8日の記事(撮影は3月6日)で、ヤツデキジラミの羽化が始まったことを書きました(こちら)。 4月14日に上記とは別の場所で、ヤツデキジラミの成虫がヤツデの葉の裏にも表にも散在しているのを見て、4月15日、羽化を見た最初の場所の様子を見に行きましたが、成虫も幼虫も見当たりません。 しかし、たくさん汁を吸われて黒くなっている付近を注意深く眺めていると、葉をある角度にした時、キラキラと光る小さな点がありました。 ルーペで確認すると、卵のようです。 卵の長さは0.4mmほどでした。

 近くに卵とほぼ同じ大きさの幼虫がいたので、ヤツデキジラミの卵に間違い無いでしょう。 卵には朱色の2つの点が見えます。 たぶん眼ができているのでしょう。 このヤツデの葉の裏では孵化の時期を迎えているようです。

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2013年4月18日 (木)

ヤワゲフウロ

 ヤワゲフウロは、フウロソウ科の越年生草本で、ヨーロッパ原産の外来植物です。 日本では1976年に北海道で野生化が確認されたのが最初で、その後各地から報告されていますが、多い地域とほとんど見られない地域があるようです。
 私が最初にこの植物を見たのは、もう20年以上も前になりますが、大阪府南部のあちこちのミカン畑で、いちめんに生えていました。 使用された有機肥料に種子が混じっていたのだろうと聞いたことがあります。 草丈が低いので、上を他の植物に被われてしまうような所では生きていけず、管理されて草丈の高い雑草の無い果樹園などは適地なんでしょうね。
 葉は長い葉柄があり、葉身は5~9深裂し、さらに浅く切れ込んでいます。 花は春に咲きます。
 名前は、植物全体に軟毛を有することによります。 下は毛を分かりやすくするために、コントラストを強めてあります。

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2013年4月17日 (水)

ウメマツオオアリとツノゼミの幼虫(改題)

 クヌギの芽にミカドオオアリ(だと思います)ウメマツオオアリが張り付いたようにじっとしていました。 死んでいるのかとも思いましたが、とりあえずいろんな方向から撮影。
 ミカドオオアリとした根拠は、体が少し褐色味を帯びた黒色で脚が褐色であること、触角が長いこと、頭部の前の方に凹みがあること、前伸腹節の後背縁が少し角ばっていることなどです。(写真は3枚ともクリックで拡大します。)
 博多権三様よりウメマツオオアリだろうとのコメントをいただきました。 ミカドオオアリの胸部は前方部分だけでなくすべてが黒色で、脚部は個体差はあるが、褐色というより黄褐色であること、また大きさがミカドにしては小さすぎるとのことです。

 

 前から撮って(上の写真)、モニターで拡大して写り具合を確認した時です。 ミカドオオアリウメマツオオアリの前に何かの幼虫らしきものがいるではありませんか! クヌギの芽と似た色に加えてアリが上を覆っているので、肉眼では全く気付きませんでした。
 私は黒っぽい昆虫を撮る時には、虫がまっ黒になるのを避けるために、露出をオーバー気味にしています。 そこでこの幼虫がよく写るように露出を変えて撮ったのが下の写真です。

 ミカドオオアリは、この幼虫の腹端に口を近づけています。 たぶんこの幼虫が甘露のようなものを出しているのでしょう。
 さてこの幼虫ですが、どこかで見たような記憶があるのですが、思い出せません。 たぶんカメムシ目の何かの幼虫だと思うのですが・・・。
 BABAさんから、ツノゼミの幼虫ではないかとのコメントをいただきました。 言われてみれば、この毛むくじゃらの脚はツノゼミの脚ですね。 トビイロツノゼミの幼虫かもしれません。 タイトルも変更しました。

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2013年4月16日 (火)

エイザンスミレ?

 スミレの仲間の同定はとても難しいのですが、葉に深い切れ込みのあるスミレは、エイザンスミレ、ヒゴスミレ、ナンザンスミレくらいで、しかもナンザンスミレの自生地は対馬に限られています。
 ところが、残るエイザンスミレとヒゴスミレの見分け方が、私には難しい・・・。 花の色も葉の形にも変異があります。
 エイザンスミレの特徴としては、花の色は淡紅紫色が多く花弁の縁は波打ち、葉は3裂し、それぞれの裂片が裂けます。 ヒゴスミレは花の色は白色が多く、葉は多くの場合、厳密には3裂ですが、側列片が付け根に近いところから分かれるので、5裂しているように見えます。
 さて、写真のスミレはどちらでしょう?(例によって無責任なブログです (-_-; ) いちおう直感的な雰囲気でエイザンスミレとしましたが・・・。

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 なお、「エイザン」の名は京都府と滋賀県の境にある「比叡山」に、「ヒゴ」は「肥後」つまり熊本県に由来しますが、どちらも本州~九州に分布します。

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2013年4月15日 (月)

ハバチ3種

 カラシナに来ていたハバチ3種です(3月31日撮影)。 aはフキシマハバチでしょうか。 bとcは全く分かりません。

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2013年4月14日 (日)

カテンソウ

 カテンソウはイラクサ科の多年草です。 今の時期、山のふもとを歩いていると、あちこちでこの花に出会います。

 花は春、葉腋から伸びる雄花序には長い柄があります。 小さな植物ですので、花粉を少しでも遠くに飛ばそうと、せいいっぱい雄花を高い位置で咲かそうとしているのでしょうか。 とにかく、雄花は葉の上に咲くことになりますから、目立ちます。 生育環境にもよるのでしょうが、雄花のツボミは赤~緑色で、特に赤いツボミのたくさんある中で白っぽいオシベが広がっていると、よく目立ち、なかなか美しいものです。

 上は数個の花からなる雄花序のうち、1つの花が咲きかけている状態で、他はツボミです。 咲きかけている花では、5枚の花被片は開いていますが、オシベはまだ畳まれたままです。
 下の中央の雄花は、オシベ5本ともが伸びきっています。 いろんな花のオシベ1本ずつを見てみると、オシベは上のように畳まれた状態か、下のような伸びきった状態かのどちらかで、少し伸びかけたオシベといったような中間はありません。 じつはオシベは畳まれた状態から、一気に伸びきった状態になります。 その勢いで、オシベの葯に入っていた花粉は、空中に撒き散らされます。
 カテンソウは風媒花で、虫によって花粉を運んでもらうわけではありません。 このように空中に撒き散らかされた花粉は、風に乗って遠くまで運ばれていきます。

 カテンソウは漢字では「花点草」と書かれています。 この「点」は、このオシベの白い葯を指すとする説があると、そよ風君さんに教えていただきました。
 花の中央にメシベらしきものがありますが、花粉を受け取れるような雰囲気はありません。

 以上、よく目立つ雄花について書きましたが、雌花はどこにあるのでしょうか。

 雌花序は、上部の葉腋から出て、短い柄の先に目立たない数個の雌花をつけます。 上の写真で白っぽいのが雌花の柱頭です。 上に向かって伸びているのが雄花序の柄ですから、その太さと比較して、雌花がいかに小さいかが分かるでしょう。

Katensou130412_3

 雌花序は、全体が周囲と同じ緑色ですし、拡大してもどうなっているのかよく分かりません。 雌花には4花被片があるらしいのですが、上の写真から4枚を確認するのは無理なようです。 ただ、花被片の頂の長毛の存在は分かります。
 カテンソウは風媒花ですから、虫に雌花へ来てもらう必要はありません。 つまり、虫に目立つ必要は全くありません。

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2013年4月13日 (土)

コミミズク

 クリの木の枝をコミミズク(成虫)が歩いていました(上の写真)。 ところがこの写真を撮った時のフラッシュのためでしょうか、枝にピッタリとくっついてしまいました(下の写真)。 隠蔽擬態によほど自信があるのでしょうね。

 下は別の日に撮った、クヌギの枝にいたコミミズクです。 この時は、見つけた時から枝にくっついていました。

 この時は場所を選んでくっついていたのでしょう、より分かりにくい場所です。 小さなタマバチが芽に産卵に来ているのを探していたので、どうにか気付きました。

 コミミズクの幼虫も、成虫と同様に枝の一部に化けます。 枝にくっついている様子はこちらに、歩いている様子(体の下側が見えました)はこちらに載せています。

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2013年4月12日 (金)

カシルリチョッキリの産卵

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 堺市南区にあるフォレストガーデンで、カシルリチョッキリをみつけました。 カシルリチョッキリはカシ類などの新梢に産卵した後、産卵場所より少し幹に近いところで新梢を切断します。
 このブログでは、これと似た行動として、ドングリに産卵し、ドングリのついている枝を切断するハイイロチョッキリのことを書いています(こちら)。 なぜ切断するのかも、そちらに書きました。

 見つけた時は、交尾姿勢のまま、既にアラカシの新梢を切断する作業に入っていました(上の写真)。 下はその拡大です。 メスはオスを背負ったまま、切断作業を続けています。 アラカシは新梢を伸ばそうとしている時期で、活動が盛んな時期です。 新梢の切断面からは、維管束を流れていた液体が漏れ出してきています。

 下の写真、切断作業が進行し、切断面から先の新梢は、かなり垂れ下がってきています。 この角度からみると、オスの複眼の方が、メスの複眼より大きく、横に張り出しているようです。

 この段階では、カシルリチョッキリのいる場所は、切断面より先です。

 ここでカシルリチョッキリは切断面より幹側に移動しました。

 そして新梢を切り落としました。 切断面を確認しているのでしょうか、下の写真のように、しばらくウロウロして・・・

 交尾姿勢のまま、引き上げていきました(下の写真)。 みつけてからここまでに要した時間は9分でした。
 この後、カシルリチョッキリは、近くの新梢で新たな産卵場所を探していました。

 メスの長い口吻は、産卵場所に穴を開けたり、新梢を切断したりと、とても役に立っています。 しかしオスの長い口吻はどのように役立っているのでしょうか。 神様はメスとは全く違うオスの口吻を作るのがめんどうだったのかもしれませんね。

 閑話休題。 下は切り落とされた新梢を拾って撮ったものです。 赤い円で囲んだ所に産卵されたような跡が見えます。

 上の赤い円で囲んだ所を裂いてみると、卵が出てきました(下の写真)。 卵の近くに見える白い糸のようなものは、アラカシの維管束でしょう。

 下は切り落とされた新梢の全体を撮ったものです。 卵のあった位置は、赤い円の部分です。

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2013年4月11日 (木)

セイヨウリンゴの花

 タイトルにセイヨウリンゴと書きましたが、普段食べているリンゴのことです。 日本でいろいろ品種改良され、様々なリンゴが作られていますが、これらは全て「品種」であり、植物学的にはみんな同じ「種」で、カザフスタン南部、キルギスタン、タジキスタンが原産地です。
 リンゴは寒い所でしか育たないと思いがちですが、温帯どころか亜熱帯でも育つ木です。 しかし暖かい所ではリンゴに被害を与える病害虫も増えるため、日本では、北海道、青森県、岩手県、長野県、などが主な産地となっています。
 大阪付近では、今からが花の時期です。 とはいうものの、リンゴの花の写真を撮りたいと思ったのですが、大阪付近でリンゴを大規模に育てている所は、私の調べたところでは無く、近くに植えられていた所も駐車場に変わっていて、探すのに苦労しました。 今回の写真を撮るにあたっては、朝露日記の至誠さんに、たいへんお世話になりました。

※ 写真は全てクリックで大きくなります。

 リンゴの花は、品種によっても異なりますが、赤っぽいつぼみが咲くと白っぽくなるものが多いようです。 花柄やガクには白っぽい毛が生えています。 オシベの葯は黄色~白色です。 メシベは5本で、種子のできる子房の部分は、花托と呼ばれる緑色の部分に埋まっています。 保育社の原色日本植物図鑑(昭和54年発行)では、この花托に接するメシベの基部は合生するとあるのですが、これは確認できませんでした(下の写真)。 特に若い花ではメシベの基部にも綿毛を密生していますので、合生しているように見えたのかもしれません。

 葉は出はじめから緑色で、はじめは両面に毛があるのですが、後に上面は無毛になります。 縁には鈍鋸歯があります。

【 関連項目 】
 食べるリンゴ(セイヨウリンゴ)についてはこちらに書いています。 また、このリンゴとサクランボの果実の比較をこちらに載せています。
 また、リンゴと同じバラ科で、果物のつくりとしても中央に芯があるなど共通点の多いナシの花については、こちらに載せています。

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2013年4月10日 (水)

キバナノアマナ

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 このブログではこれまでにアマナヒロハノアマナを載せてきましたが、これらのかわいい花に会い、もう一種、そんなに無理しなくても会えるアマナの仲間、キバナノアマナ(別名キバナアマナ)にも会いたいものと思っていました。
 上でアマナの仲間と書きましたが、キバナノアマナは、アマナやヒロハアマナのアマナ属(属名も Amana )とは、近縁ではありますが、じつは別のキバナノアマナ属( Gagea )に分類されていて、花の色だけではなく、いろいろな違いがあります。 アマナ属では根出葉は2枚ですが、キバナノアマナは1枚です。 また、数枚の苞葉があるのは共通していますが、キバナノアマナでは、その先に数個の花をつけます。
 上で、そんなに無理しなくても会える、と書きましたが、よく見られるのは本州中部以北で、本州西部や四国での分布地は、かなり限られています。 というわけで、写真のキバナノアマナも、兵庫県西宮市の北山緑化植物園で撮ったものです。

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2013年4月 9日 (火)

カシトガリキジラミの交尾

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 おちゃたてむしさんの今日のブログに、4月8日撮影のカシトガリキジラミの交尾の写真が載せられていました。 同様の観察例を載せることも、自然界で起こっていることを理解するうえで意味があると思い、私の撮った写真を載せておきます。

 上の写真は最初の写真とは別個体です。 ここに載せた2例の写真は、いずれも3月29日に撮ったものです。 おちゃたてむしさんのところでは、3月下旬頃にカシトガリキジラミが羽化し、4月上旬頃に交尾ということですが、私の方は、3月11日(昨年)に羽化を、3月29日に交尾を観察したということで、少し早くなっています。
 同じアラカシで見られた上記の時期の違いが、兵庫県南部と大阪府南部との違いなのか、同様の時期に起こっている現象と見るべきなのかは、もう少し観察例を増やささなければならないでしょうが、アラカシの新葉が広がりだす時期は、日当たりなどの生育環境や株の個体差などで、かなり幅があります。 少なくとも交尾後の産卵時期は、アラカシの葉の状況に合わせて行われているように思います。
 同日の別の場所では、下の写真のように、オスとメスがすぐ近くにいるのも、何例か観察しています。

※ アラカシの新葉の展開時の色は、上に載せた写真のように、紅色の濃いものから淡緑色のものまで、個体差があります。

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2013年4月 8日 (月)

カシワノミゾウムシ

 クヌギで、メスがオスを載せているカシワノミゾウムシをたくさん見かけました。 単独のものもいましたが、それよりもペアになっているものの方が多いようでした。
 下には4組の写真を載せましたが、 いずれも交尾はしていません。 オスとメスが長く一緒にいることに、どんな意味があるのでしょうね。

 近くにはムネスジノミゾウムシ(下の写真)もいました。

 ノミゾウムシの仲間には、幼虫が葉に潜って葉肉組織を食べて育つ( 潜葉性 )ものが多くいます。 カシワノミゾウムシもムネスジノミゾウムシも、幼虫は新葉の先端に潜ります(こちら)。

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2013年4月 7日 (日)

イヌナズナ

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 イヌナズナは北半球に広く分布していて、日本でも全国で見られるはずですが、大阪府下で見ることはあまりありません。 イヌナズナ属( Draba )の日本での分布を見ると、ナンブイヌナズナやクモマナズナなど、高山帯にいろんな種があり、イヌナズナも少し寒い所の方がお好みなのかもしれません。

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 花は3月中旬から6月頃まで見られます。 花の色は黄色、アブラナ科ですので、花弁は4枚、オシベは6本です。 花弁の先端は少しへこんでいます。 ガクには長い毛が生えています。

 果実は平たい長楕円形で、細かい毛が生えています。

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 イヌナズナは越年性の一年草です。 寒さに耐えている葉は赤っぽい色をしています。 成長しだすと緑色になるのですが、上の写真の左の株のように、根が浅く十分に水が吸えなかったものなどは、3月末でも、まだ赤い色の葉を残しています。

 イヌナズナの特徴のひとつとして、茎や葉(表も裏も)に星状毛が密生していることがあげられます。 美しいし分かりやすいので赤い葉の場合を上に載せましたが、もちろん緑の葉でも同じです。

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2013年4月 6日 (土)

オオワラジカイガラムシ

 写真はカメムシ目ワタフキカイガラムシ科のオオワラジカイガラムシだと思います。 まだ幼虫で少し小さいのですが、成虫では1cmを超えるようです。 なお、メスの成虫は写真と同様の姿ですが、オスの成虫には翅があります(こちら)。
 上と下はクヌギの木で撮ったもので、上の写真では触角が、下の写真では触角と脚が見えています。 カイガラムシの仲間は移動しないものも多いのですが、オオワラジカイガラムシは終生歩行が可能です。

 下はアラカシの芽に来ていたものです。 上もクヌギの冬芽で、いずれも冬芽の付け根を狙っています。 この時期の冬芽には、伸び出すための栄養分がどんどん送り込まれてきていて、それを狙っているのでしょう。 なお、オオワラジカイガラムシは、クヌギ、コナラ、アラカシなどのブナ科に寄生することが多いようで、これに似たワタフキカイガラムシはミカン科の木に寄生することが多いようです。

 オオワラジカイガラムシも甘露を少しは出しているのでしょうか、アリが来ていました。 下はアリにピントを合わせてみたものですが、アリはカメラを気にして既にオオワラジカイガラムシから離れています。 結局、枝が邪魔をして、アリの種名を調べるヒントになるような写真を撮ることはできませんでした。

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2013年4月 5日 (金)

マルガタゴミムシ

 写真はオサムシ科マルガタゴミムシ亜科に分類されているマルガタゴミムシだと思います。 金属光沢を持った、なかなか美しい虫です。
 オサムシ科といえば、多くは胸部と腹部の間にくびれがあるのですが、このマルガタゴミムシには、そのくびれがありません。 触角は第1節~第3節が橙赤色で、脚も脛節より先は橙赤色です。

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2013年4月 4日 (木)

クヌギの芽に来ていたタマバチの一種?

 近くにクヌギの木が何本か生えている所があるのですが、その芽のあちこちにタマバチの一種と思われるハチがついていました。 写真では腹部に模様があるように見えますが、これらのハチの腹部には強い光沢があって、フラッシュの光や周囲のものが映りこんだ結果でしょう。
 じっとしているので産卵に来ているのだと思うのですが、なかなか撮り易い場所には居てくれません。 それに、撮り易いように枝を引き下げたりすると、すぐ歩きだします。 で、産卵管を刺しているような写真は1枚も撮れず、明るい空を背景に露出補正もうまくいかなかった写真を並べる結果になってしまいました。
 しかし全部違う芽の写真で、あちこちにタマバチと思われるハチがいたことだけは示せたのではないかと思います。

 下は容器に水が溜まっていて、そこで水死していたタマバチの一種を拾ってきて撮ったものです。 産卵管が見える角度で撮ってみました。

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2013年4月 3日 (水)

コバノミツバツツジ ② 葉の展開

 昨日はコバノミツバツツジの花を中心に書きましたが、今日は花にほんの少し遅れ気味に広がりだす葉について書きます。
 冬芽の中で保護されていた葉が日ごと広がりだす様子は生気に満ちています。 この葉の展開の様子には、それぞれの植物の“個性”がありますが、その様子を見ることができる期間は限られています。
 コバノミツバツツジの葉は3枚セットで冬芽にしまわれていることが多いのですが、下はその葉の展開の様子を示したものです。

 時間を逆に見て行くと、冬芽の中で葉がどのようにしまわれているのかが分かります。 コバノミツバツツジの葉は、葉の裏側を内側にして左右から巻き込んでいるんですね。
 下は1枚の葉を拡大したものですが、若い葉では、表も裏も葉柄も、たくさんの毛が認められます。

 

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2013年4月 2日 (火)

コバノミツバツツジ ① 花を中心に

 コバノミツバツツジは、本州中部以西から四国・九州に分布します。 名前は、中部地方から関東地方に分布するミツバツツジに比べて葉が少し小さく、しばしば葉が3枚セットでつくところからでしょう。
 乾燥気味の酸性土壌に育つツツジ科の植物は多いのですが、コバノミツバツツジもアカマツなどとよく一緒に生えています。

 花は3月終わりから4月初めにかけてが多く、概して葉より先に咲くため、よく目立ちます。 オシベは10本で、著しく不等長です。 コバノミツバツツジの花糸や花柱には毛はありません。

 下はオシベの葯を拡大したものです。 ツツジ科の葯は、縦裂するのではなく、孔開、つまり孔が開いてそこから花粉が出るものが多いのですが、コバノミツバツツジでも、下の写真のように、葯の上に孔が開き、花粉が出てきます。 写真の花はまだ咲いたばかりでよく分かりませんが、花粉は細い糸でつながっていて、昆虫の体に絡まり易くなっています。

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 今回は花を中心に書きましたが、明日は葉の展開を中心に書く予定です。

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2013年4月 1日 (月)

ニュウナイスズメ@ソメイヨシノ

 ソメイヨシノの花にニュウナイスズメ、メジロ、ヒヨドリなど、いろんな鳥が来ていました。 目的は花の蜜でしょう。

 メジロはいかにも桜の花の蜜を吸いやすそうな体のサイズと体型です(上の写真)。 ヒヨドリは、体は大きいのですが、嘴が細く、ソメイヨシノの花に嘴を差し込んで蜜を吸っていました(下の写真)。

 これに対して、ニュウナイスズメの嘴は太く、花筒に嘴を差し込むことができず、花をちぎって食べていました(下の写真)。

 桜にすれば花粉媒介してもらうことは期待できませんが、元来ソメイヨシノは種子で増やしてはいません。
 ニュウナイスズメは、関東地方以南で越冬し、繁殖は本州中部以北で行います。 ですから近畿地方に住む私としては、花が荒らされるのは大目に見て、ニュウナイスズメへのお別れの餞別としたい気がします。

 上の写真2枚はニュウナイスズメのメスです。 メスは薄茶色で、淡色の眉斑が目立ちます。
 これに対してオスはスズメに似ていますが、頭上も背もスズメより明るい赤栗色で、
スズメに見られる頬の黒斑はありません(下の写真)。

 もちろんオスだって桜の花の食べ方はメスと変りません。

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