サンゴジュの芽鱗の正体は
春が近づき、芽鱗でしっかりガードされていたサンゴジュの冬芽でも、芽鱗の間から新しい葉が顔を出していました。
下の写真、サンゴジュは常緑樹で、①は昨年からの葉です。 ②と③は冬芽を構成していた芽鱗で、④が伸び始めた新しい葉です。
ところで、冬の間内部を守っていたサンゴジュの冬芽の芽鱗の正体は何でしょうか。 ホオノキやアラカシなどの芽鱗は托葉が変化したものでした(こちら)。 サンゴジュではどうでしょうか。
この問題を考えるために、芽鱗と葉の付き方の関係を確認してみます。 サンゴジュは、横に伸びた枝では太陽の光をうまく利用するために葉がねじれますが、基本的には葉は十字対生です。 つまり、葉は向かい合わせにつき、下の葉とは90゜異なる方向につきます。 上の写真でも、①の葉は、その下の葉(番号はつけていません)とは90゜ずれています。
①の葉と②③の芽鱗と④の新しい葉との位置関係はどうかと見てみると、みんな90゜ずれた位置関係になっています。 つまり芽鱗は葉の位置にあるということになります。
芽鱗が托葉起源なら、托葉は葉の左右にあるものですから、こういうふうにはなりません。
では芽鱗は葉そのものでしょうか。 しかしそれも、上の②③④が全く同じものだとは考えにくいですね。
下の写真のようなものを見つけました。 「異常は正常を知る手がかり」です。
葉は、光合成を行う工場で多くの場合は扁平な「葉身」と、この葉身を枝につけておく「葉柄」とからできています。(上の写真に名称を入れておきました。) 上の写真の芽鱗には葉身がついています。 つまりサンゴジュの芽鱗は葉柄が変化したものでした。
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