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2013年2月28日 (木)

ヤマトデオキノコムシ

Yamatodeokinokomusi130216_1

 倒木の下にいた越冬中のヤマトデオキノコムシです。 脚の長い甲虫なのですが、脚を縮めて冬眠している姿では、上の写真のように横から撮って複眼が見えるとどちらが頭か分かりますが、下の写真のように上から見ると、頭部が見えません。

 「キノコムシ」は朽ち木などにはえたキノコに集まるからですが、「デオ」は「出尾」で、前翅(上翅)から腹部が3節はみ出しているところからです。 前翅から腹部がはみ出している点ではハネカクシと同様の体型で、デオキノコムシの仲間は、分類学的にはキノコムシの仲間より、ハネカクシやシデムシに近いとされています。

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2013年2月27日 (水)

越冬中のコアシダカグモ

Koasidakagumo130216_1

 朽木を割ると、コアシダカグモがこちらを睨んでいました。
 上の写真より、もう少しカメラを引いたのが下の写真です。

 大きさや脚の模様からコアシダカグモと思ったのですが、いちおう確認のために出てきてもらいました(下の写真)。

 木の葉の裏などで越冬している小さなクモはすぐ動き出すのですが、このように大きなクモになると、体温がなかなか上がらないようで、ズルズルと引きずり出しても、最後までこちらのなすがままで、写真を撮った後は、元の場所に戻し、割った朽木を上に載せておきました。

 主に屋内にいるアシダカグモに対して、それに近い仲間で野外で活動するのがコアシダカグモであることは以前に書きました(こちら)。

 この冬はよく越冬中のコアシダカグモに出会います。 上の写真も下の写真も、最初の個体とは別個体で、コアシダカグモの周囲の様子が違います。

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2013年2月26日 (火)

ニホンヒメフナムシ

Nihonhimefunamusi130216_1

 海岸には素早く動き回るフナムシがいますが、ニホンヒメフナムシはその仲間(甲殻綱等脚目フナムシ科)で、森林内の倒木や落葉の下などの湿ったところに生息しています。

 写真は「堺自然ふれあいの森」で、切られて地上に置かれていた木の幹の下にいたもので、たくさんいたのですが、幹を持ち上げると、すごいスピードで四方に逃げて行きました。 冬の寒さでも、運動能力は全く低下していないようです。
 とても写真に撮れないスピードで逃げるのですが、中に、頭隠して尻隠さず状態で、落ち葉の下に潜って動かなくなったものがいました。 その落ち葉をそ~~~っと取り除いて撮ったのが下の写真です。

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2013年2月25日 (月)

オリンパス TG-2 スーパーマクロ

 2月8日に、オリンパス TG-2 というコンパクトデジカメが発売されました。 このカメラは、防水防塵、耐衝撃、耐低温、GPS・電子コンパス搭載などの特徴がありますが、私の最大関心事は小さな虫を大きく撮れるということで、購入し、使ってみました。
 オリンパス TG-2 にはスーパーマクロモードというのがあって、画質劣化をおさえて光学ズームより大きく撮れる超解像ズームというのがついています。 これを使うと、ほぼ3.2mm×2.4mmの範囲(私の実測で、正確ではありません)が、3968×2976ピクセルの画像となります。
 今までの私の手持ちの機材でこれと同様の倍率を得るには、3倍テレコンに28mm広角レンズを逆向きに付けていました(方法a)が、これだと暗いし、写せる面積も狭くて被写界深度も浅く、被写体を探すのもピント合わせも大変でした。(ですから、ほとんど使っていません。)
 TG-2 のスーパーマクロモードでは、カメラの液晶モニタには電気的に増幅された明るい像が映し出されますし、ズームがついていますから、被写体を探すのもたいへん楽です。
 しかし、小さなものを大きく撮るのは、そんなに簡単ではありませんでした。 最大のネックになるのは、最大倍率を得る場合の被写体とレンズとの距離は1cmしか無いということでしょう。
 このカメラは光軸折り曲げ式ズームですので、この距離は被写体とカメラ本体との距離ということになります。 カメラで被写体を覆い隠してピントを合わせることになりますから、活動している虫に1cmまでカメラを近づけて撮ることは諦めなければならないようです。
 次にライティングです。 小さな面積をこれだけ拡大して撮るということは、そこに当たっている光を広げることになりますから、かなり暗くなります。 シャッタースピードを遅くするとブレますし、ISO感度を上げるとノイズが多くなります。 しかし被写体とレンズとの距離は1cmしかありませんから、フラッシュなどの光を当てようとしても、横からしか当てられません。 きれいに撮ろうとすれば、レンズに近い位置から光を当てる必要があります。 そういうことも考慮されてのことだと思いますが、このカメラには、フラッシュとは別に「スーパーマクロLED」というのが付けられていて、シャッター半押しで光らせることができます。 しかしこれが中途半端です。 被写体とカメラ本体との距離を1cmまで近づけるとかなり横からの光になり、光量も不足ぎみです。 もっとレンズの近くに持って来るべきでしょう。
 メーカーもこの問題には気付いているようで、フラッシュの光をレンズの周囲に導く仕様のリングライトを参考商品として作成しています。 しかしまだ商品化されていないところをみると、まだ性能が十分ではないのでしょうね。 TG-3(?)の発売に合わせて、別売のシステムアクセサリーとして販売されるのでしょうか。

 つぎに、これはコンパクトデジカメの宿命でしょうが、フィルムに相当する撮像素子は 1/2.3型、つまり約6.2mm×4.6mmです。 今私の使っている1眼デジカメは、フルサイズではありませんが、それでも撮像素子は23.6mm×15.8mmあります。 小さな面積に当たる少ない光の情報量で画像を作るわけですから、やはり限界があります。 特に感じるのは階調表現で、上に書いた光を横から当てると明暗差が大きくなることと関連して、なかなかいい画像が得られません。
 もうひとつ、このカメラにはファインダーはありません。 ピント合わせはもちろんカメラが自動的にやってくれますが、浅い被写界深度ですので、思い通りの所にきれいにピントを合わせるには微調整が必要です。 それにはピントを固定してカメラを少し前後させればいいのですが、液晶モニタでは細かいピントの確認がとても難しくなります。

 いろいろ不便な点も書いてきましたが、メーカーとしてはたくさんのユーザーに購入してもらわねばならず、ほんの一握りのスーパーマクロファンのためだけにカメラを設計するわけにはいかないでしょうから、スーパーマクロはカメラの持つ多機能のうちの1つに限定されるのは止むを得ないことでしょう。 しかし単独でこんな顕微鏡的な写真の撮れるカメラははじめてです。
 最近はスマートフォンや携帯などで写真を撮る人が増え、コンパクトカメラは何らかの特徴を持たさないと売れなくなってきています。 このようなスーパーマクロも1機種発売されれば、他のメーカーからも似た機能を持ったものが発売されるでしょうし、今後もいろいろ改良されると思いますので、それに期待したいと思います。 私も、無理せず気長に撮り方を工夫したいと思います。(上に書いたように、野外で動く虫は撮りにくいですし、今後このブログが TG-2 の写真でいっぱいになることは無いでしょう。)
 下は TG-2 で撮った、体長2mmのヒメコバチ科 Apleurotropis sp.です(トリミングしています)。

Apleurotropis130221_1

 それと個人的には、これだけ拡大して撮れるなら深度合成を!と試みてみたのですが、何十枚もの深度合成用の写真を用意するには微動装置(持っていません・・・)が必要だということが分かりました。
 下は、たった2枚で深度合成したヒメコバチ科Tetrastichinae亜科の一種(これも体長2mm)の写真です。 ライティングなど課題が多い写真ですが、最初の深度合成記念として載せておきます。

Tetrastichinae130220_1

※ その後、 TG-2 の使用に関して、ライティングも工夫しましたし、微動装置を購入して深度合成にもチャレンジしました。 これらの取り組みについては、こちらに載せています。

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2013年2月24日 (日)

冬のナガニジゴミムシダマシ

Naganijigomimusidamasi130214_5

 昨日予告した、ヒメマルムネゴミムシダマシらしき甲虫と一緒にいたナガニジゴミムシダマシと思われる甲虫です。
 ナガニジゴミムシダマシにも、ホソナガニジゴミムシダマシ、フトナガニジゴミムシダマシ、オオナガニジゴミムシダマシなど、似た種がいて、あまり自信はありません。
 ナガニジゴミムシダマシと思われる甲虫も以前にいちど載せています(こちら)が、この時はすぐに逃げられています。 その時にも書きましたが、この虫の虹色は光の当たり方でいろいろ変化します。 見つけた時は、まだ穴に頭を突っこんでいましたので、引きずり出して少し歩いてもらい、陽の当たる所や陰の場所、自然光やフラッシュ併用など、いろいろ条件を変えて撮ってみましたので、下に写真を並べておきます。 もちろん同一個体です。 なお、撮影後は元いた場所に戻しておきました。

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2013年2月23日 (土)

朽木の中にいたオオクチキムシ

 当初タイトルを「ヒメマルムネゴミムシダマシ?」としていましたが、ヒメマルムネゴミムシダマシはもっと艶があり、おなじゴミムシダマシ科のオオクチキムシだろうと教えていただき、タイトルと文を少し変更しました。

Kimawari130214_3

 朽木を割ると、その中に尻を突き合わせた甲虫が2頭(下の写真)。 越冬中に交尾!? と思いましたが、落ち着いてよく見ると、オオクチキムシとナガニジゴミムシダマシのようです。
 ナガニジゴミムシダマシは明日載せる予定ですが、もう片方は、最初はよく見るキマワリだと思いました。 しかし、キマワリは幼虫で越冬するようです。 キマワリを含むゴミムシダマシ科には似たものが多く、よく理解できていませんが、とりあえず「?」付きでヒメマルムネゴミムシダマシとしておきます。 オオクチキムシでした。

 これくらいの大きさの甲虫になると、朽木を割ってもなかなか出会えないのですが、2種が同じ所にいるということは、体の大きさに合った適当な越冬場所はそんなに無いのでしょうね。
 角度を変えて見ると、あたりまえですが、2頭のお尻はちゃんと離れています(下の写真)。

 比較のために、昨年の6月下旬に撮ったキマワリの写真(交尾中)を下に載せておきます。

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2013年2月22日 (金)

ノキシノブの前葉体

Nokisinobu130214_1

 ノキシノブが上の方までたくさん付いたコナラの木がありました(下の写真)。

 出会ったノキシノブは、まだ胞子のうをつけていない若いものがほとんどで、とても小さな葉のものも多く(下の写真)、もしかして前葉体もあるのではないか、と、目を凝らしてみつけたのが、1枚目の写真の前葉体でした。

 ノキシノブとその胞子のうや、そこからの胞子散布のことは以前載せました(こちら)が、その胞子が発芽してできるのが前葉体です。 前葉体で卵と精子が作られ、受精卵からできるのが私たちが目にするノキシノブです。
 前葉体は目を凝らさないと見えませんが、生殖活動をするのですから、立派な“大人”で、私たちが目にするノキシノブはその子供であることは、前に別のシダで書いています(こちら)。
 下の写真で、緑の濃いハート型をしたものが前葉体で、少し薄い緑色のものが、受精卵からできた小さなノキシノブ(胞子体)です。

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2013年2月21日 (木)

マネキグモ

Manekigumo130214_1

 マネキグモは、色彩的には地味な色をしていますが、歩脚四対のうちの第一脚が他の三対に比較して長く太く、おもしろい姿をしています。 冬場ですので葉の裏でじっとしていましたが、なかなかおもしろい餌の取り方をするようです。
 マネキグモは森林に生息するクモですが、活動期の様子は次のようです。 網はごく簡単で、互いに繋がった数本の糸が張られていて、中央部が幅広くなっていて、そこだけに粘着糸があります。 マネキグモは糸の端にいて脚を前後に揃えて木の枝のようにしてじっとしています。 時々第一脚で糸を引き寄せてたるみを保持しておくのですが、この時の第一脚の動きが、人が手の甲を上にして招くような動きであるところから、マネキグモの名前が付けられたようです。 そして獲物が粘着糸にくっつくと、そのたるみを開放するので、獲物は粘着部にからまるのだそうです。

 多くのクモでは眼は8個ですが、マネキグモの眼は4個しかありません。 しかも頭胸部の最前列ではありません。 少し明るく撮って眼が分かりやすくなっている写真を下に載せておきます。

 下は腹側から撮った写真です。

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2013年2月20日 (水)

アリガタバチ科の一種

Arigatabachi130211_1

 写真は、平たく細い体や、大あごが前を向いているなどの人相ならぬ虫相などから、アリガタバチ科の一種だと思います。 ケヤキの樹皮の下にいました。 体長は8.5mmで、アリガタバチとしては大型です。
 アリガタバチ科の多くは小さくて、アリとよく間違えられます。 例えば、身近なところで見られるシバンムシアリガタバチは、体長は2mmほどです。 しかし、大きなものもいるようで、例えば「蜂が好き」のこちらには体長12mmのアリガタバチが載せられています。

 アリガタバチは有剣類のセイボウ上科に分類されている蜂です。 平たく細い体で隙間にもぐり込み、主に蛾や甲虫の幼虫に卵を産み付けます。
 アリガタバチがアリによく間違えられるのは、上に書いた大きさ以外にも、翅の無いものも多いからです。 翅はオスメス共に無い種や、メスだけ無い種、メスの翅が短くなった種も、オスメス共にちゃんとした翅を持っているものもあるようです。

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2013年2月19日 (火)

ユアサハナゾウムシの越冬姿

Yuasahanazoumusi130209_1

 ケヤキの樹皮の下にいたユアサハナゾウムシです。 上翅に半円周状黒紋があります。 よく似たものに、イチゴやバラなどを食害するイチゴハナゾウムシがいて、これも成虫で越冬するようですが、少し上翅の模様が異なるようです。
 ケヤキの樹皮下でよく見られるアカアシノミゾウムシなどは、長い口吻を体の下に入れて冬眠していますが、さらに長い口吻を持ったユアサハナゾウムシでは、口吻を前に突き出したままです。
 ところで、長い口吻を前に突き出しているユアサハナゾウムシの体長はどのようにして測ればいいのでしょうね。 とりあえず、口吻を除いた長さは3mmほどでした。

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2013年2月18日 (月)

コガネコバチ科の一種(Moranila sp.)

Koganekobachi130209_4

 写真の蜂は、おちゃたてむしさんのところに載せられているのと、少し体の色は異なるものの、外部形態的にはよく似ていて、そこではezo-aphidさんと上條先生により、Moranila sp. とされていますので、ここでのタイトルも、そうしました。

 この写真の背景も、私の手です。 最初は枯れたヤツデの葉にいたのですが、撮りだすと私の手に歩いて乗り移ってきて、触角で私の皮膚をたたきながら歩き回っていました。 コガネコバチ科の触角の多くは11節とのことで、上の写真でも、そのように見えないこともありませんが、確信が持てるほど写真がクリアではありません。
 こうしてみると、触角がずいぶん下の方から出ています。 前に載せたコガネコバチ科の Acroclisoides sp. とは、同じ科でありながら、触角の付いている場所は、ずいぶんと違うようです。

 下は歩き出す前の、ヤツデの枯れた葉の上にいた時の様子です。

 上の写真を見ると、前胸背板が横長で、小楯板とその両側の三角板の前縁が1本の線状に並んでいますが、これらはコガネコバチ科によく見られる特徴のようです。

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2013年2月17日 (日)

2月中旬のイヌガシ

 イヌガシの花は以前に載せました(こちら)が、花芽がかなり膨らんできています。 花芽と葉芽の違いも、はっきり分かります。 丸いのが花芽で、尖ったのが葉芽です。

 まだ実のついている枝がありました(上の写真)。 本来なら秋に黒紫色に熟し、もうとっくに鳥に食べつくされているはずなのですが、写真の実はまだ熟していません。 何かの原因で生長不良となった枝なのでしょうか。

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2013年2月16日 (土)

アジアコブカタキモグリバエ

 写真のハエの背景は、私の爪です。 葉の裏にいるところを撮ろうとすると、爪に飛び乗ってきました。
 似たキモグリバエの仲間(例えばこちら)に比べて、頭部の背単眼の場所のきれいな三角形が印象的です。

 このハエは、そらさんのところに載せられているものと同種だと思います。 そらさんへのコメントでは、フッカーSさんが、小楯板の剛毛2本、胸部側板の剛毛2本、腹部が丸っこいことなどから、Meijerella属ではないかと指摘され、ezo-aphidさんとKanmiya先生によって、アジアコブカタキモグリバエ(Meijerella inaqualis)と同定されています。
 下は‘赤坂御用他のキモグリバエ科(双翅目)’(上宮健吉;国立科学博物館専報 39, 337-345, 2005)に載せられている Meijerella inaqualis の図です。

 このアジアコブカタキモグリバエは、みなさん撮っておられて、おちゃたてむしさんのところ、BABAさんのところ、tukikuiさんのところなどにも載せられています。

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2013年2月15日 (金)

ミドリシャミセンガイ

Midorishamisengai130202_1

 上がミドリシャミセンガイです。 上の写真では三味線の棹の部分がグニャグニャしていますが、本来はまっすぐです。 全体の長さは10cmあまりです。
 ミドリシャミセンガイは海の砂泥地に住み、日本では九州の有明海や岡山県の児島湾などでは、たくさん見られます。 左上の黒くなっている部分で体を固定し、体全体を泥の中に隠し、触手を海中に伸ばして(詳しくは下に書いています)、海中に浮かぶ有機物(デトリタス)を食べています。
 ミドリシャミセンガイは食用になり、福岡県や佐賀県では「メカジャ(女冠者)」という名前で、5~9月には店に並びます。 ここに載せたミドリシャミセンガイも、福岡県の知人から送ってもらったものです。 ちなみに、「男冠者」というものがあるのかと思い、調べて見ましたが、分かりませんでした。
 なお、食べるのは貝殻の中です。 足の部分がおいしそうに見えますが、この部分は弾力がありすぎてダメです。 つまり、味はいいのですが、可食部分がわずかで、このあたりが広く全国的に食べられない理由のひとつではないでしょうか。

 上は食べた後の貝殻を並べてみたものです( 後に書いているように「貝殻」という言葉を使っていいものか、疑問ですが・・・ )。 内側(内臓に接する側)と外側を交互に並べています。 個体差はありますが、内側の方が美しい色をしています。

 じつはミドリシャミセンガイは、二枚貝や巻貝などの、いわゆる貝の仲間(軟体動物)ではありません。 シャミセンガイの仲間は腕足動物に分類されています。 この仲間は古生代に繁栄しましたが、現存している仲間はわずかです。

 軟体動物と腕足動物を比較すると、まず、内臓の様子が違います。 上は貝殻の内側の様子を書いた模式図ですが、触手冠が目につきます。 図では殻の中に巻き込んでいますが、採餌のときはこれを海中に伸ばします。 この触手冠には短い触手が多数並んでいて、その触手に生える繊毛で水中のデトリタスなどを集めるしくみです。 このようなしくみを持った軟体動物はありません。 また、 二枚貝は体の左右に貝殻がありますが、シャミセンガイの仲間では、体の背と腹を貝殻で覆っています。
 貝殻を構成している成分も異なります。 二枚貝や巻貝などの軟体動物の貝殻の主成分は炭酸カルシウムですが、シャミセンガイの仲間の貝殻の主成分はリン酸カルシウムです。

 貝殻の成分の違いを確かめるために実験してみました。 上は酢を入れたガラスコップに、ミドリシャミセンガイの殻(左側)と二枚貝の貝殻(中央~右)を入れて、様子を見たものです。 炭酸カルシウムでできた貝殻は、酢(酢酸)のような弱酸にでも、さかんに二酸化炭素の泡を発生して溶けますが、リン酸カルシウムが主成分のミドリシャミセンガイの殻は泡を発生しません。 写真では、ミドリシャミセンガイの殻にも少し泡がついているようですが、これは酢の中の二酸化炭素が飽和状態であるためでしょう。

(関連メモ)
 明治10年の大森貝塚の発見は、考古学の始まりとしての意義や、有史以前の石器時代人の生活の痕跡が東京の郊外に残されていたという、当時誰も考えなかった事実を内外に明らかにしたという点で、大きな意義をもっています。 この大森貝塚を発見したエドワード・モースは、じつはシャミセンガイの研究のために来日していました。

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2013年2月14日 (木)

ムツボシテントウ

Mutsubositentou130211_1

 ケヤキの樹皮の下にいたムツボシテントウです。 1枚の写真に納まらないほどの距離を置いて数頭いました。 体長は2.3mmでした。

 最初は上の写真のような状態で、半球形で、頭の様子もよく分かりません。 仕方がないので、手の上に落としてしばらくすると、手のぬくもりのせいだと思いますが、歩きはじめました。

 おもしろいことに、このムツボシテントウは樹皮の下などで冬眠している状態ではよく見つかるのですが、どういうわけか暖かい時期にはほとんど見つかっておらず、生態には謎が多いテントウムシです。 また採集して調べられたもの(=越冬中の個体)は全てメスだそうです。 単為生殖をしているのか、秋に交尾して冬にはオスは死に絶えているのでしょうか。

 上はムツボシテントウの頭部を拡大したものです。 下のナミテントウ(食事中)の頭部やその下のナナホシテントウと比較すると、これらのテントウムシの触角は先に進むにつれて幅が広くなっていますが、ムツボシテントウの触角の先はラグビーボール状です。 また小顎鬚の様子も、ナミテントウ(写る角度が悪く分かりにくいですが・・・)もナナホシテントウも先が広がっているのに対し、ムツボシテントウの小顎鬚は先が尖っています。

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2013年2月13日 (水)

アラゲキクラゲ

 アラゲキクラゲがマメヅタと絡み合うようにして発生していました。(2月11日撮影)

 アラゲキクラゲは広葉樹の枯木などに発生する担子菌です。 よく発生するのは夏~秋ですが、冬にも発生します。
 名前のとおり、キクラゲよりも背面の細かい毛が目立ちますが、キクラゲ同様食べられますし、キクラゲよりも歯ごたえが良いと好む人もあります。 栽培もされ、「アラゲキクラゲ」や「毛木耳」などの名前で販売されていますが、キクラゲと区別せずに「木耳」の名前で売られていることもあるようです。

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2013年2月12日 (火)

樹皮の下のトビムシいろいろ

 昨日は葉の裏にいたマルトビムシ科の一種を載せましたが、樹皮を剥いでも、いろいろなトビムシが見られます。

 上の写真では、左上の3本の横帯のあるトビムシ(体長1.1mm)と、右下の白っぽいトビムシ(体長1.5mm)の、2種類のトビムシがみられます。

 3本の横帯のあるトビムシはアヤトビムシ科だと思います。 このトビムシは最初の写真では陰の所にいましたので、明るい所に出てきた写真も載せておきます(上の写真)。

 上はまた違う種のトビムシでしょう。 体長は1.3mmです。 ちなみに、上の写真には、いろんな昆虫の体の一部が写っていますが、左上はクロハナカメムシ、右上と下はアカアシノミゾウムシです。

 上は集団でいた黄色っぽいトビムシです。 下はその1頭を拡大したものです。 集団を見ると小さいのもいますが、下は比較的大きいもので、体長は1.2mmでした。 なお、トビムシは変態せず、脱皮を繰り返して成長します。

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2013年2月11日 (月)

マルトビムシ科の一種

Marutobimusi130209_1

 丸い頭に膨らんだ腹部、写真はマルトビムシ科の一種です。 複雑な模様などからクモマルトビムシ亜科のコシジママルトビムシ( Dicyrtomina leptothrix )ではないかと思いますが、自信がありません。 体長は1.2mm、ヤツデの葉の裏の地上1.5mほどの高さの所にいました。
 前にムラサキトビムシ科の一種を載せましたが、それに比べると、マルトビムシは、触角も足も長いトビムシです。

 上の写真で、腹の下に細長いものが見えます。 たぶんこれが、ジャンプする時に使う跳躍器(または叉状器)とよばれるものなのでしょう。

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2013年2月10日 (日)

シロヒメヨコバイ

 ネットでシロヒメヨコバイを検索してみると、少しずつ色や模様の異なるものが、いろいろ出てきます。 たぶん個体差で、これもシロヒメヨコバイ( Eurhadina betularia )でいいと思うのですが・・・。
 マエムキダマシ(クロスジホソサジヨコバイ)にも似た雰囲気を持っていますが、上の写真はそれを意識して意図的に頭部のピントをはずしたものではありません。 撮りはじめてすぐに動き出し、追いかけながらたくさん撮ったのですが、後で見るとほとんどが白とびで、画像編集ソフトを使って補正しても、見られるのはここに載せた2枚だけ、という結果になってしまいました。

(2013.2.9. 富田林市 錦織公園)

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2013年2月 9日 (土)

マダラヒメヨコバイ

Madarahimeyokobai130209_1

 アラカシの葉の裏にいました。 マダラヒメヨコバイ( Platytettix pulchrus )だろうと思います。 写真の個体の体長は2.8mmで、肉眼で見ると、この複雑な模様は識別できず、全体が灰色がかった褐色のように見えました。
 画像を検索してみると、橙色の部分は、黄色から褐色を帯びたものまで、いろいろ個体差があるようです。

 多くの場合、ヒメヨコバイは写真を撮りだすとすぐ動き出すのですが、今回は全く動きませんでした。 この記事に写真を挿入する作業中に気がついたのですが、上から見ると左右の翅が少し開いています。 また横からの写真では葉と体の間にたくさんの糸状のものが見えます。 このマダラヒメヨコバイは絶命していた可能性が高いですね。

(2013.2.9. 富田林市 錦織公園)

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2013年2月 8日 (金)

冬のウミネコ

 カモメ類の識別は、なかなか難しいものです。 どのカモメ類も成鳥は黒と白のモノトーン、幼鳥は褐色で互いによく似ていますし、夏羽と冬羽の違いがあり、成鳥になるまでに何年もかかり、年齢によって少しずつ羽衣に違いが見られます。
 今回は海近くで普通に見られるウミネコの冬のいろんな状態を集めてみました。

 ウミネコの繁殖期は4~7月ですが、上のピントの合っているのは生まれて最初の冬を迎えた状態だと思います。 顔は白味を帯びていますが、全体に褐色部分が多く、嘴は肉色で先が黒く、脚も肉色です。

 上は、淡い黄色の光彩や、赤いアイリングなど、ほとんど成鳥と同じですが、嘴の先の赤い部分が少なくて黒い部分が多く、まだ完全な成鳥にはなっていないと思われます。 生まれて3年目あたりではないでしょうか。

 上が成鳥でしょう。 嘴の先端には、赤と黒の斑紋があります。 脚は黄色です。
 尾の端付近には黒い帯があります。 多くのカモメ類では幼いうちは尾に黒帯があっても、成鳥になると黒帯は無くなるのですが、ウミネコでは齢を重ねても尾の黒帯は消えません。
 ウミネコの名前はその鳴き声が猫の声に似ているところからですが、英語では black-tailed gull と言います。 gull はカモメ類のことですが、black-tailed は上記の尾の黒帯からきているのでしょう。
 ところで、最初の写真もウミネコの成鳥で、後頭部に暗色の部分がありますが、上の写真ではこの部分がまっ白です。 頭の後ろに暗色部分があるのは冬羽で、まっ白なのは夏羽です。 最初の写真は昨年の11月中旬に撮ったもので、上の写真は1月31日に撮ったものです。 ウミネコでは1月に白くなるものがほとんどのようです。

 最後に、比較の意味で、内陸部でよく見るユリカモメと一緒にいるところを載せておきます。

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2013年2月 7日 (木)

ナガケチャタテ

 ヤツデの葉の裏にいたニセケチャタテ科のナガケチャタテだと思います。 たしかに長い毛が多いですね。 体長は2.5mm、翅端までは3.0mmでした。
 側面からの写真も撮りたかったのですが、動き回られ、撮ることができませんでした。

 下は別のヤツデにいたもので、体長は2.8mm、翅端までは3.4mmと、上より少し大きいのですが、同種だと思います。

(2013.2.5. 堺市南区 茶山公園)

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2013年2月 6日 (水)

木の芽をついばむ小鳥たち

 小鳥たちに食べられて、木の実が少なくなってきました。 堺自然ふれあいの森では、ヒガラもヤマガラもシジュウカラ(写真略)も、膨らみかけた木の芽を食べていました。

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2013年2月 5日 (火)

ユウレイグモ

 ユウレイグモ科にも何種類かいるのですが、写真はユウレイグモ科のなかでは日本の野外で最も普通なユウレイグモ( Pholcidae crypticolens )だと思います。 枯れたヤツデの葉にいました。
 ユウレイグモ科の眼の配列はかわっています。 多くのクモの単眼は8個あるのですが、ユウレイグモ科では3個の単眼が集まって左右に配置し、その間に1対の個眼が離れて位置します(下の写真)。 ユウレイグモの仲間には、この中央の1対の単眼が無くなっていて、6眼になってしまっているものもいます。

Yuureigumo130205_5

 ユウレイグモの名前は、脚がたいへん細く長く、体がフワフワと浮いているように見えるからでしょう。 その点では、分類学的にはかなりかけはなれていますが、ザトウムシの仲間に似ています。 しかしザトウムシなどと違って、暖かい時期には、網の中央に下向きにぶら下がっていて、危険が迫った場合などには、網をとても激しく揺さぶる行動をとることが知られています。 寒い時期は、この行動が見られず残念ですが、動きが鈍くて写真に撮りやすいことは喜ぶべきなのでしょうね。

 ユウレイグモの頭胸部は、ほぼ長さと幅が同じです。 頭胸部の模様には個体差があるように思います。 腹部背面には矢筈状の模様があります。

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2013年2月 4日 (月)

カリンの実

 風邪が流行っているようです。 カリンの実の成分は咳や痰などノドの炎症に効くので、のど飴に入れられたりしています。

 上がそのカリンの実です。 大きくて硬く、少なくとも日本では、これをつつく鳥はいないようです。
 このカリンの実を1つ部屋に置いておくと、とてもいい香りがします。 私の主観では、食欲が増す香りです。 果実の表面を撫でて手に香りを移して楽しむのもいいものです。

 1ヶ月ほど部屋に置いて香りも薄れてきたので、断面を作って、庭の木に刺しておきました。 メジロもシジュウカラも来ましたが、すぐに立ち去りました。 小鳥たちにとっては、果実(正確には偽果)の内部でも、まだ硬いのでしょうか、それともお好みの味ではないのでしょうか・・・。
 では、カリンの種子散布作戦はどのようなものなのでしょうか。 カリンは中国東部の原産です。 原産地の様子を知らないと、種子散布のしくみは分かりませんが、私の勝手な想像では、地面に落ちたカリンの果実を大型の動物が食べ、種子は糞と共に排泄されるのではないでしょうか。
 小鳥は食べなくても、人間はカリンの実を食べます。 ただそのままでは硬く渋いため、よく行われるのは、加熱して砂糖漬けにすることです。 また、果実酒としても利用されます。
 ちなみに「かりん糖」は材料的にはカリンとは何の関係もありません。 一説にはかりん糖(花林糖)の色がカリン(花梨)の木の色に似ているところから名付けられたとも言われていますが、かりん糖の語源には諸説があります。

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2013年2月 3日 (日)

オオタカの飛翔

 これまでオオタカは何度か載せてきました(たとえばこちら)が、いずれも止まっていたり、低い位置での飛翔でした。
 今回は若草山の山焼きを見に行ったおりに撮った大空を舞うオオタカの成鳥です。

 不思議なもので、いちど見ると続けて見るということがよくあります。 今日も堺市の鉢ヶ峯でオオタカ成鳥の飛翔を観察し、同様の写真を撮ることができましたが、こちらの方は少し小さくしか撮れませんでしたので、ここに載せるのは止めておきます。

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2013年2月 2日 (土)

竹にムラサキトビムシ

 枯れたモウソウチクの上に、たくさんのムラサキトビムシが集まっていました。

 竹に集まるムラサキトビムシは以前にも書きました(こちら)が、この時は切られたばかりの竹でしたので、竹の維管束からしみ出した樹液に集まっているのだと思いました。 しかし今回は切られて柵として使われている竹で、完全に枯れています。

 ムラサキトビムシは菌類を好むようなので、竹の表面の菌類を食べに来たのかもしれません。 しかし、下の写真のように、並んで竹の割れ目に頭を突っこんでいる様子を見ると、竹の成分に何か惹かれるものがあるのかもしれません。

 ムラサキトビムシは集団を作る性質の強いトビムシです。 ですから、たくさんある枯れた竹のうちで、この数本の竹にだけ集まっている理由は、あまり考える意味は無いでしょう。

 トビムシの仲間は、体の下に跳躍器を持っています。 カメラを近づけて撮っていると、跳ねて、どんどん数が少なくなっていきました。 体長は、個体差がありますが、2mm前後でした。

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2013年2月 1日 (金)

キクラゲの一種

 写真はキクラゲの一種だと思います。 冬にもこんなきのこが発生するのだということで載せておきます。

 大きくなるとコップ状になっていました。 下はその断面です。

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