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2013年1月 4日 (金)

マンリョウ(3)

 このブログでは、2年前の1月3日4日に、マンリョウをとりあげました((1)と(2))が、この中で、次のような疑問を書いています。

  1. マンリョウの実はまずく、あまり鳥にも食べられず、遅くまで残っている。 実を食べてもらって種子を運んでもらわなければ、あんな実をつける意味が無いのではないか。
  2. 葉の縁の盛り上がった部分の内側に球形の部屋があるが、どんな機能を担っているのか。
  3. 葉や花に見られる褐色~黒色の小斑点は何か

 これらの疑問に応えてくれる本を見つけました。 多田多恵子著『野に咲く花の生態図鑑』(河出書房新社:2012年10月30日初版発行)です。 上記の疑問に対して、この本では次のようなことが書かれています。(「 」は引用部分です。)
 1. については、「もし実がおいしくて鳥が一気に食べたら、種子は同じ場所に落とされてしまう。」と書かれています。 マンリョウは小さな木で、実の数も限られています。 実がおいしくて一時に全ての実が食い尽くされ、その種子が同じ糞に混じって同じ場所に排泄されるとすると、その場所がたとえマンリョウの木から離れていたとしても、決して効率的とは言えないでしょう。 おいしそうに見えて、食べてみるとそんなにおいしくなく、少し食べて飛び去ってしまうということが何度もある方が、種子は「時間的にも空間的にも幅広く運ばれることになる」わけです。 マンリョウはあえてあまりおいしくない実を用意しているのだ、というわけです。 「美しい外見とまずい中身。 食べてね、でも、ちょっとだけよ。」というわけで、著者はこれを「ちょっとだけよの法則」と呼んでいます。
 2. の葉の鋸歯のへこみ部分にある小さな隆起は「葉粒(ようりゅう)」と呼ばれていて、「共生細菌のドームハウス」だそうです。この中には葉粒菌がいて、窒素同化(水と空気中の窒素から、タンパク質を作る材料となるアンモニアを合成)を行っているようです。 この葉粒菌は「茎の先端、芽の内部に巣くっており、そこから「感染」する形で新しい枝や葉に移り住む。 さらに花や実を経て種子にも「垂直感染」し、次世代に受け継がれる。」ということです。
 また、3. の小斑点は油点で、「被食防止の防衛物質を貯めている。」と書かれています。

Manryou110103_2   (再掲)太陽の光に透かしたマンリョウの葉の葉粒と油点

(以下、2013.1.25.追記)
 マンリョウの「葉粒」に関して書かれているHPがありました。 植物と微生物との関係について書かれているHP(こちら)で、それによると、ヤブコウジ科の数種に見られる葉粒にいるのはザントモナスという菌のようです。 また、菌は違いますが、葉粒そのものはアカネ科の数種やグンネラ科 (HPではアリノトウグサ科になっています) のグンネラなどにも見られるということです。

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