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2012年12月31日 (月)

ムクノトガリキジラミのダンス

 少し前のできごとになりますが、11月22日にたくさんのムクノトガリキジラミらしきものが、いろんな木の主に葉の裏にいました。

Togarikijirami121122_1    トウネズミモチの葉の裏にいたムクノトガリキジラミ

 ムクノトガリキジラミはこのブログに既に載せています(こちら)が、まだ生活環は十分理解されているとは言えないようですし、たくさんの成虫がいたということは羽化の時期だと思いますので、記録の意味で載せておきます。
 またこのとき、さかんに体を振っている個体も見られました。 オスがメスを引き付けるためのダンスなのか、メスが性フェロモンを拡散させてオスを呼ぼうとしているのか、ダンスの理由は分かりません。

 今年はこの“バイバイダンス”で締めくくりたいと思います。 いろいろあった辰年よ、さようなら・・・

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2012年12月30日 (日)

クズヒメヨコバイ

 クズの葉の裏にいたヒメヨコバイ亜科、クズヒメヨコバイでしょう。 体長は2.5mmほどでした。 クズを寄主植物としていますが、さまざまな植物からも採集されています(2001年日本応用動物昆虫学会大会講演要旨)。
 下もクズヒメヨコバイでしょう。 上と同じ日に、上のすぐ側のクズの葉の裏にいました。 上とは模様が違うようですが、よく見ると同じパターンです。

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2012年12月29日 (土)

ジョウビタキのメスの尾羽

 ジョウビタキは身近な野鳥で、下のメスも、これまでにこのブログでも何度か登場しています。

 鳥を撮る場合、顔が写っていないと表情が無くなり、おもしろくありません。 ですから、後向きの時はあまりシャッターを押す気にはなりません。 特にメスはオスに比べて地味なものが多く、せめて表情だけでもと、その傾向が強くなります。
 ところが、ジョウビタキのメスが、たまたま尾羽を広げました。 腰から続く橙色がパッと広がります。こんなに美しい外側尾羽を重ねて隠していたんですね。 慌てて撮ったのでピントが甘くなりましたが・・・。

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2012年12月28日 (金)

テラニシシリアゲアリ

 写真のアリは、腹部の先端が尖っていて、後腹柄節が腹部の背面に接続しています(上の写真)ので、シリアゲアリの仲間(アリ科フタフシアリ亜科シリアゲアリ属)でしょう。 前伸腹節刺は細長く鋭く(下の写真)、色からしても、テラニシシリアゲアリだと思います。
 テラニシシリアゲアリは攻撃的なアリなのですが、寒さのせいか、カメラに向かってくるでもなく、逃げるでもなく、擬木の上をウロウロとしていました。

 テラニシシリアゲアリは普通に見られるシリアゲアリの一種で、樹上性のアリです。 Wikipedia によれば、「ツノゼミの幼虫と共生関係にあり、ツノゼミ幼虫が出す液体を受け取る代わりに、ツノゼミ幼虫を天敵から守る」とのことです。

shine

 ここ数日虫が続いています。 野生の花の少ない時期は、どうしても虫中心になってしまいます。 そこで時々は「そよ風に乗って」に温室の花を載せることにしました。

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2012年12月27日 (木)

クロオビフユナミシャクのメス

 クロオビフユナミシャクのメスは、フユシャク(冬尺)の仲間のメスとしては、比較的長い翅を持っています。 もちろんこの長さの翅では飛ぶことはできません。
 フユシャクについては、これまで何度か書いています(例えばこちら)ので、繰り返しませんが、12月23日にはたくさんのクロオビフユナミシャクのメスに出会えましたので、そのうちのいくつかを、個体変異の幅を知る意味で、並べてみます。 翅や胸部・腹部の模様や、全体的な明るさ(白っぽいものから黒っぽいものまで)などに、違いが認められます。

Kuroobifuyunamishaku121223_7

 これらのメスは、一部は壁にくっついていましたが、多くは擬木の上端近くの側面または上にいました。 写真は午前9:15からの3時間で撮りましたが、メスはみんなじっとしていました。 が、あるメスにアリが近づいたことがありました。 この時にはメスは前脚でアリを叩いて追い払っていました。 動けないわけではなさそうです。
 クロオビフユナミシャクは夜行性ですので、これだけのメスがいるのに、オスは壁にとまっている1頭しか見かけませんでした。

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2012年12月26日 (水)

オオスジチャタテ

 写真のオオスジチャタテは体長5mm、翅端までは7.5mmでした。 チャタテムシとしては大型です。 白い壁の上にじっとしていました。

 顔の模様が気に入って、どうしても正面から撮りたくなって、指の爪の上に乗り移ってもらって撮ったのが、下の写真です。 頭の幅(複眼の端から端まで)は1.3mmです。

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2012年12月25日 (火)

ツルウメモドキ

 家の近くのツルウメモドキ、日当たりがあまり良くないせいもあるのか、12月中旬になって、やっと黄色の果皮が割れ、赤い仮種皮が見えだしました。 上の写真の左上には、まだ果皮が割れていないものがたくさん残っています。
 果皮は3つに裂開し、黄色と赤との対比は色彩的になかなかのものです。

 ツルウメモドキはニシキギ科の落葉つる性木本で、雌雄異株です。 もちろん上は雌株ということになります。

 花は5月頃に咲きますが、小さな淡緑色の花で、あまり目立ちません。 ですから、花材などに使われるのは果実の方になります。
 上と下の写真は雌株の花(雌花)です。 雌花はガク片と花弁が5枚で、メシベは柱頭が3裂し、退化した5本のオシベがあります。

 雄株の花(雄花)は、写真は載せていませんが、5本のオシベが目立ち、中央に退化したメシベがあります。

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2012年12月24日 (月)

ヘイケガニ

 NHK大河「平清盛」終ってしまいましたね。 人気はなかったけれど、私は好きでした。 登場人物が多くて難しかったけど・・・。

 ヘイケガニは、壇ノ浦で海に沈んだ平家の人々の怨念がカニの甲羅に乗り移って、怒りの表情になったとして知られています。

 事実は、平家が世に出るず~~~っと前の化石の段階から、ヘイケガニの甲は人の顔の模様なんですけれど・・・。 それに分布域も、壇ノ浦周辺に限らず、北海道南部、相模湾~紀伊半島、瀬戸内海、有明海などに分布していますし朝鮮半島、中国北部、ベトナムなどの東アジア沿岸域にも分布しています。
 ヘイケガニの名前はよく知られているのですが、実際のヘイケガニを見た人は、そんなに多くはないのではないでしょうか。 ヘイケガニは水深10~30mほどの海中で生活していて、海辺で見ることはほとんど無いでしょうし、網にはかかりますが、甲の幅は2~3cmほどのカニで、サワガニのようにから揚げにするには大きく硬く、下の写真のように脚も細くて食べる所が無く、市場にも並びません。

 ヘイケガニはヘイケガニ科に分類されていますが、後ろの歩脚2本は小さくなっていて、ヤドカリなどに近い仲間です。 この小さな歩脚は貝殻や海綿などを背負うのに使います。
 下は裏側を撮ったものです。 鋏脚(ハサミ)は、小さいですが、ちゃんとあります。

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2012年12月23日 (日)

冬のクヌギカメムシ

 クヌギカメムシが冬の寒さのせいでしょうか、赤っぽくなっていました。

 クヌギカメムシの丸みを帯びた体型は他の多くのカメムシとは少し違い、卵の様子(こちら)も違います。 クヌギカメムシは、カメムシ科とは別の、クヌギカメムシ科に分類されています。
 クヌギカメムシは年一化性で、早春に孵化したこの個体も、まもなく命尽きることでしょう。

 上は仰向けにして腹部を撮ったもので、黒い点は空気の出入り口となる気門です。
 クヌギカメムシの仲間(同じ属)には、よく似たクヌギカメムシ、ヘラクヌギカメムシ、サジクヌギカメムシがいます。 このうち気門が黒いのはクヌギカメムシだけです。
 ちなみにヘラクヌギカメムシらしきものはこちらに載せています。

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2012年12月22日 (土)

チョウゲンボウ@堺市南区

 区画整理された農耕地にいたチョウゲンボウです。 鋭い爪と嘴を持っています。

 撮影場所は私の家の近くで、よく車で通るのですが、今までも何度かチョウゲンボウを見ています。 カラスも多い場所で、よく集団のカラスに追いかけられたりしていますが、この日のカラスは集団で少し離れた所の田に降りていて、チョウゲンボウは自由に行動できていたようです。
 前に淀川で撮ったチョウゲンボウを載せています(こちら)が、この時はこちらに向かって飛んできたチョウゲンボウを下から撮ったので、腹側しか撮れていませんでした。 そこで今回は、背中側が見えている写真を中心に載せておきます。

 オスの尾羽を背中側から見ると、青灰色をしていて、その先端に黒色の太い横帯があります。 メスの尾は青灰色ではなく、褐色で数本の黒帯がありますから、写真のチョウゲンボウはオスでしょう。

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2012年12月21日 (金)

ハナレメイエバエの一種

 写真はイエバエ科ハナレメイエバエ亜科の一種だと思うのですが・・・。 イエバエ科のイエバエは、その名前のとおり人家に多く発生し、腐った食物や水洗トイレが普及するまではトイレにもよくいたハエですが、ハナレメイエバエ亜科のハエは小さな昆虫を捕食します。
 そらさんのブログに載せられているハナレメイエバエ亜科シリボソハナレメイエバエ属の1種(Pygophora sp.)に雰囲気的にはよく似ていると思うのですが、脚の毛の生え方が少し違うような・・・。
 分類には脚の毛も大切になるので、その部分が比較的鮮明に撮れているものを下に載せておきます。

 とにかく複眼の美しいハエでした。 しかしフラッシュを使用すると、複眼は自然光下の色ではなく、上の2枚のように赤っぽくなってしまいます。
 下の2枚の写真は、フラッシュを使用せずに撮りました。

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2012年12月20日 (木)

セコイアの球果

 セコイア(センペルセコイア)については、このブログに既に載せています(こちら)が、その時は球果の写真は載せられませんでした。
 今回、木の頂近くにたくさんの球果をつけたセコイアに会えました(11月25日、長居植物園)。

 下は9月に落ちていたセコイアの球果を撮ったものです。

 三木博士はこのセコイアに似た日本でたくさん見つかる化石植物にメタセコイアという名前をつけ、後に生きたメタセコイアが中国大陸で見つかったことを、メタセコイアのところで書きました。 化石植物の葉などは、同じく落葉樹で、当時既に日本に導入されていたラクウショウに似ていました。 それにも拘らず、ラクウショウよりセコイアに似ているとしたのは、球果がラクウショウよりセコイアに似ていたからです。
 下にセコイアの球果(左)とメタセコイアの球果(右)を並べたものを載せておきます。

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2012年12月19日 (水)

シワバネキノコバエ

 写真はシワバネキノコバエだと思います。 腹部は白黒の縞状で、前脚と中脚の腿節中央部が白っぽくなっています。
 このシワバネキノコバエ、11月上旬にはよく見たのですが、それ以後は見かけなくなってしまいました。 BBS「一寸のハエにも五分の大和魂・改」でアノニモミイア氏は、シワバネキノコバエはもともと熱帯系のキノコバエで、冬は越せずに毎年温暖地から渡って来る可能性もある旨のことを書いておられます。

 キノコバエの仲間は、「ハエ」とついていますが、分類学的にはハエやアブの仲間(短角亜目)ではなく、カの仲間(糸角亜目または長角亜目)です。
 キノコバエの名前は、仲間の多くの幼虫がキノコを食べて育つからですが、キノコバエの仲間のうちには、幼虫がキノコ以外のものを食べて育つ種も多く、肉食性のものもいます。 私が以前行ったボルネオのグルンムル国立公園にある鍾乳洞で見た「土ボタル」も、キノコバエの仲間の幼虫が光で餌を呼び寄せていたようです。
 シワバネキノコバエの幼虫の餌も、キノコではなく、腐敗した植物質だということです。

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2012年12月18日 (火)

メジロガモ(オス幼鳥)

 この記事は当初「メジロガモとアカハジロの交雑種?(オス)」としていましたが、 Shin’sさんから、メジロガモとホシハジロの種間雑種またはその継代雑種ではないかと考えられる(その根拠等はコメントを見てください)が、メジロガモ純粋種の変異の範囲内と考える人もいるとのコメントをいただき、タイトルと記事も少し訂正しました。 なお、メジロガモとアカハジロの雑種オスの写真は、Shin’sさんのブログに載せられています。

 2月4日に再度Shin'sさんから、メジロガモのオスの幼鳥だったとのコメントをいただきました(詳しくは下のコメントを見てください)。 分かりにくい幼鳥の状態から、時間の経過と共に、メジロガモの特徴がハッキリしだしてきているようです。 まだいるようなので再度撮りに行かなくっちゃなりませんね。
 これに伴い、タイトルを変更しました。

  写真は大阪南部の池で撮りました。 上の写真の水の様子で分かるでしょうか、近くにいたホシハジロやヒドリガモなどに比べると、かなり速いスピードで泳ぎ回っていました。

 私は純粋種のメジロガモもアカハジロも過去に見たことが無いのでよく分かりませんが・・・。 いずれにしてもハジロ属(=スズガモ属: Aythya )のうちで白い虹彩を持つのは、メジロガモとアカハジロのオスに限られます。 ちなみに、大阪付近でもよく見られるハジロ属としては、キンクロハジロホシハジロスズガモが挙げられます。
 メジロガモのオスの繁殖羽は、頭部から胸部にかけての羽衣が赤褐色で、体上面の羽衣は緑がかった黒褐色です。 分布地はユーラシア大陸の西側で、日本とはかなりかけ離れています。 ですから、メジロガモが日本に飛来することは稀なことです。 過去に記録のあるメジロガモも、雑種だったものも多かったのかもしれません。
 ちなみに、アカハジロの繁殖期のオスは、頭部や頸部の羽衣が緑色の光沢がある黒、体上面の羽衣は褐色や黒褐色です。 分布地はユーラシア大陸の東側、つまりメジロガモの分布地に接して、その東側に分布します。 アカハジロの分布地は日本に近いので、稀に越冬地として日本に飛来しています。

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2012年12月17日 (月)

ヒメアカホシテントウ

 前にアカホシテントウを載せましたが、今日は、これと同じ属( Chilocorus )ですが、大きさはかなり異なるヒメアカホシテントウ(またはヒメアカボシテントウ)です。
 ヒメアカホシテントウの体長は3.5~5mmほどです。 年間を通して見られ、成虫越冬をするようです。 幼虫も成虫もクワカイガラムシ、クワシロカイガラムシやルビーロウムシなどのカイガラムシを食べる捕食性テントウムシです。

 黒い地色に赤斑が2つという体色は、二紋型のナミテントウに似ていますが、ナミテントウの方が大型でやや平べったい体です。 また、前胸背板を比較すると、形が微妙に違いますし、ナミテントウにある白い模様がヒメアカホシテントウにはありません。
 比較のために、ナミテントウの二紋型を下に載せておきます。

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2012年12月16日 (日)

クヌギとアベマキ

 もう雪が深く積っているところもありますが、大阪付近の里山では落ち葉を踏み分けて歩く季節となりました。

 上の写真では、クヌギ、アベマキ、ナラガシワなどの落ち葉が写っています。 これらはみんなブナ科の同じ属( Quercus )ですが、特にクヌギとアベマキの葉の形態は、とてもよく似ています。 しかし、両者の葉の裏の色は、かなり違います。
 上の写真で、右下の葉の裏が茶色のものはクヌギの葉で、左上の白っぽい葉の裏はアベマキのものです。 この違いは、生葉よりも落ち葉の方が、よく分かります。

 上はクヌギ(左)とアベマキ(右)の葉を並べて撮ったものです。 どちらも葉の裏です。 側脈がほぼ一直線に鋸歯の先端に達しているのはブナ科の特徴で、鋸歯の形なども両者はよく似ていますが、色の違いは、はっきりしています。
 アベマキの葉の裏が白っぽいのは、じつはアベマキの葉の裏には星状毛がびっしりと生えているからです。 この星状毛は、細く短い毛がびっしりと重なり合って生えていて、いくら目を凝らしても見えないほどの毛ですが、人の指先の感覚は鋭いもので、両方の葉を指で触って比較すると、はっきりと違いが分かります。

 上はアベマキの葉をちぎって、その断面を撮ったもので、上側が葉の裏です。 これくらい(葉の厚さで想像してください)に拡大すると、やっと毛の存在が分かります。

 クヌギとアベマキの幹も比べておきます。 上の写真で、右がアベマキ、左がクヌギです。 アベマキの幹の方が荒々しい印象を受けます。 アベマキではコルク層がよく発達し、樹皮が厚くなるため、樹皮の裂け目が強調されています。

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2012年12月15日 (土)

ルリビタキ若オスのさえずり

 今日、ルリビタキがきれいな声で「ルリビタキダヨ」(聞きなし)と囀っていました。 その囀っている所を撮ったのが下の写真で、口が少し開いています。 ルリビタキの囀りは、このように、あまり口を大きく開きません。
 体の色はメスに似ていますが、囀っているのですから、オスです。 まだオス本来の色が出ていない若鳥でしょう。

 こんな時期から囀るのかと驚き、インターネットで調べてみると、囀っていた日付がきちんと記録されているものは案外少なかったのですが、どうも早くから囀っているルリビタキは若鳥が多いようです。

 成鳥のオスも近くにいましたので、載せておきます。

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2012年12月14日 (金)

ムラクモハマダラミバエ(オス)

 写真はミバエ科ハマダラミバエ亜科のムラクモハマダラミバエまたはその近縁種でしょう。 腹部の端(第7腹節)が長く伸びていないので、オスです。 体長は7mm、翅端までは8.5mmです。
 ミバエの仲間は、このブログでも以前にミスジミバエを載せましたが、翅に模様があり、眼が美しいものが多いのですが・・・

 ムラクモハマダラミバエを上から撮ると、少しフラッシュの光を反射するかな、という程度ですが、

 横から撮ると、眼におもしろい模様があり、複眼の下部前方はフラッシュの光をよく反射しています。

 それならばと正面から撮ると、複眼の下部はフラッシュの光を強く反射して、ファインダーを通して見ていると、まるで複眼の下部から光が出されたような印象を受けます(上の写真)。
 なぜこのように眼が光るのでしょうか。 多くの哺乳類では、網膜の下にタペタムと呼ばれる反射層があります(詳しくはこちら)。 昆虫の複眼のつくりは詳しくは知りませんが、複眼に入った光が反射するのは、やはり少ない光を有効に利用するしくみがあるためではないでしょうか。 つまり、複眼を構成している各個眼では、入ってきた光情報を視細胞層が受け取り、視細胞層を通り抜けた光を反射させ、再度視細胞層に光を通すしくみを持つ昆虫もいるのではないでしょうか。 もしそうなら、そのような昆虫では、少ない光から外界の情報を取ろうとする場所ほどよく光ることになります。
 ムラクモハマダラミバエの場合、下の方からの光が少ないのは理解できます。 また、赤茶色の縞模様の部分では、全く光っていません。 もしかしたら複眼を構成している個眼に機能的な分化があるのではないでしょうか。 例えば、物の形を見る部分、物の動きを知る部分、それらの情報を処理する部分などです。
 ムラクモハマダラミバエの生態は、まだよく分かっていないようです。 この複眼は、生態と関係して、どのような機能を持っているのでしょうね。

 一般的に、ミバエは植物の組織内部に卵を産み、孵化した幼虫は周囲の組織を食べて育ちます。 ミバエの仲間にも多くの種類がいて、幼虫の食べるものも違ってきます。 もし農業などの人の営みにマイナスになる植物を食べてくれるなら益虫ですが、果物などを食べるのなら害虫です。 ミバエは漢字では「実蠅」で、やはり後者のミバエが目立つのでしょうね。
 ムラクモハマダラミバエの生態は、上に書いたように、よく分かっていませんが、幹にいるのがよく観察されています。 よく見られるのは早春と晩秋です。 ミバエの成虫は一般的には寿命が短いのですが、ムラクモハマダラミバエは成虫越冬しているのでしょうか。
 いる場所からしても、出現時期からしても、ムラクモハマダラミバエは人の営みに大きな害は与えていないようです。 だからこんな美しい眼を持っているのに研究が遅れているのでしょうね。

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2012年12月13日 (木)

ウスイロアシブトケバエ

 ケバエ(毛蝿)の名前は、体にたくさんの小剛毛が生えているところからでしょう。 ハエとついていますが、ハエやアブの仲間(短角亜目)ではなく、カの仲間(糸角亜目)になります。 幼虫は腐食質や動物の糞などを食べています。
 ケバエの仲間は、このブログでも、これまでにメスアカケバエハグロケバエなどを載せてきました。 上に書いたのはいずれも春ですが、ケバエの仲間は春に出現する種が多いようです。 しかし秋に出現する種もいて、今日のウスイロアシブトケバエもそのうちの一種です。 この秋は、なぜだかウスイロアシブトケバエをあちこちで見ました。

 上はウスイロアシブトケバエのメスです。 前脚脛節には端に1対の棘があり、途中には棘はみあたりません。 これがケバエ科のうちで、Bibio属の特徴です。 Bibio属には数種確認されていますが、平均棍が黄色く、体を覆う毛が白っぽいところから、ウスイロアシブトケバエと判断しました。
 胸部背面の色には個体差があるようで、下は別の日に別の場所で撮ったものですが、これもウスイロアシブトケバエのメスでしょう。

 上と横からの写真だけではおもしろくないので、顔のアップも載せておきます。

 ところで、オスとメスとで外観がたいへん違うのも、ケバエの仲間の特徴のひとつです。 オスの複眼は、メスを探すためでしょうか、たいへん大きくなっていて、左右の複眼が接しています。
 下は、上に書いた前脚脛節の棘の特徴から、Bibio属のオスには違いがありません。 また、後脚の付節の第1小節が膨らんでいますが、これはウスイロアシブトケバエのオスの特徴のようです。 秋に出現するケバエの種類は少ないことからも、ウスイロアシブトケバエのオスに間違いはないと思います。

 おちゃたてむしさんのブログには交尾中のウスイロアシブトケバエが載せられています。 このオスと比較すると、上の写真のオスは脚の色が黒っぽいのですが、個体変異の範囲内だと思います。

shine

 12月9日より写真の表示方法を変更しました(こちら)。 今回も、従来のココログでは、これだけの写真を1つの記事の中に入れることはできません。 しかし、ログインしたままにしている私の SkyDrive と皆様とは使用感が違っているはずで、少し気にはなっています。 このあたりの感想もお聞かせいただければと思います。

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2012年12月12日 (水)

種子とは

 昆虫も魚も、動物は卵を産んで仲間を増やし、種子植物は種子を散布して仲間を増やそうとする・・・ この言い方は、間違いとは言えないまでも、卵と種子を同列に並べるのは適切とは言えないでしょう。

 じつは種子植物の種子も、メシベの根元にある子房の中につくられる卵細胞が受精卵になるところからスタートします。 種子は、この受精卵からつくられた植物の“赤ちゃん”が、当面の“お弁当”も準備してもらい、成長に適する時期まで殻に閉じこもって待機している状態だと言えるでしょう。
 下はカキの種子の断面です。 ちゃんとカキの木の“赤ちゃん”が入っています。 正確には「胚」という言葉を使うべきでしょうが・・・。
 最近は種子の無いカキも多いのですが、カキの種子は身近で、断面を作るのに手頃な大きさです。 もし断面を作って自分の目で確かめたい場合は、怪我をしやすいので、くれぐれも慎重にしてくださいね。

 上の写真で、「子葉」や「幼根」は胚の各部の名称です。 そして「胚乳」が胚の“お乳”つまり、殻に閉じこもって光合成できない間の、そして土の中から陽の当たる所まで成長するための“お弁当”です。
 なお、胚によっては、胚乳の栄養分を吸収して、すっかり子葉に移し替えてしまう植物もあります。 このような種子では、種皮の内側のほとんどが子葉で占められていて、「無胚乳種子」と呼ばれています。
 無胚乳種子の例として、お正月用の黒豆(=大豆の品種)を載せておきます。 下は黒豆に水を吸わせて膨らませたもの(奥)と、それから黒い皮(=種皮)を取り去ったもの(手前)です。

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2012年12月11日 (火)

オオキモンノミバエ

 下はオオキモンノミバエだろうと思います。 写真から体長を測定すると、産卵管を含め、3mmです。

Ookimonnomibae121205_1

 ノミバエの仲間は、腐敗物や腐葉土などに発生し、脚の腿節が発達していて、行動は飛ぶよりも素早く歩くことを優先しています。 名前は背中を丸めた姿や太い腿節などが蚤を連想させるところからでしょう。 体の色は、下の写真のように、黒っぽいものが多いのですが、オオキモンノミバエやコシアキノミバエなどは黄色っぽい色をしています。

            ノミバエの一種

 ノミバエの仲間の特徴としては、上に書いた腿節が太い以外に、頭を上にして翅を左右に広げた時の、翅の上側の付け根近くの翅脈が太く、上側の縁に毛が生えていて、その下側にある翅脈は4本ほどで、直線的であることが挙げられます。 下はオオキモンノミバエのその部分の拡大です。

 上でオオキモンノミバエと体色の似たものにコシアキノミバエがあると書きましたが、中脚脛節の毛を見ると、コシアキノミバエでは基部に2本ですが、オオキモンノミバエでは側面に多数の毛が並んでいます(下の写真:写真をクリックし、拡大してご覧ください)。

 あちこちの方向から写真を撮っていると、何を思ったのか、後脚を持ち上げてくれました(下の写真:クリックで拡大します)。 産卵管や後脚の毛の様子などが良く分かります。

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2012年12月10日 (月)

顔の黄色いハクセキレイ

 下が顔の黄色いハクセキレイです。 11月21日の撮影です。 距離があったので、画像が粗くなっていますが・・・。

 比較のために、同時期(11月30日)に撮った、よく見る顔の白いハクセキレイを下に載せておきます。(ハクセキレイはこちらにも載せています。)

 顔の黄色いのはキセキレイとの雑種!? ではありません。 じつは顔が黄色いのは、ハクセキレイの幼鳥です。
 下は2月13日に撮ったもので、かなり薄くはなっていますが、まだほんのりほっぺが黄色です。

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2012年12月 9日 (日)

クロスジフユエダシャク写真集

 クロスジフユシャクの写真をたくさん撮りましたので、これまでに載せたのとは少し違った角度からの写真を載せてみます。 クロスジフユエダシャクについては、こちらをご覧ください。
 なお、ここに載せた写真は、現地で撮ったものを写真編集ソフトで背景などを少し加工したもので、採集はしていません。

※ この記事から、写真は SkyDrive から読み込む方式に変更しています(詳しくはこちら)。 写真の表示に従来よりも少し時間がかかりますが、ご容赦ください。

【 メス 】

【 オス 】

 オスの触角はメスのフェロモンを効率良く受け取ることができるよう、細かく枝分かれしています。

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写真表示方法の変更

 このブログは @nifty のココログのフリープランで作成していますが、この場合の利用可能なディスク容量は2GB に限られています。 そして、そろそろ残り容量が少なくなってきて、今後のことを考えねばならない時期になってきました。 新しいアカウントで「そよ風のなかで II」を作成してもいいのですが、記事相互のリンクなどを考えると、それもためらわれます。
 そこで写真をココログ以外の場所、具体的にはマイクロソフトの無料クラウドサービスである SkyDrive に置き、そこから写真を記事の中に呼び出すことにしました。 これまでこのブログでも YouTube の動画を記事に挿入してきましたが、この方法と似ています。 SkyDrive の利用できる容量は7GBありますので、当面はいくらたくさん写真を載せても大丈夫です。
 このようなブログと写真の置き場所との連携は、同じ Google 内での Blogger と Picasaウェブアルバムとの連携にはとてもかないませんが、充実してきたクラウド環境を利用する1方法だろうと思います。
 このブログを訪問していただいている皆様には、当初は違和感を感じられることだと思いますが、この点に関しても、ご意見をいただければ、改善できるところは改善していきたいと思います。

【 変更によるメリット 】

  • ココログの容量制限を回避できる(このまま「そよ風のなかで」を継続できる)。
  • ココログの1つの記事に添付できる写真は1MBまでに制限されていましたが、この制限も回避できる。
  • ブログの写真のクリックで SkyDrive に移り、PCでは、大きな写真と共に、写真データも見ていただける。

【 変更によるデメリット 】

  • 記事と共に表示される写真は、今までは横幅 460ピクセルにしていましたが、縦横共に最大 320ピクセルに制限されます(今までの7割ほどの大きさになってしまいます)。 いろいろ工夫はしてみたのですが、今のところ大きく表示する方法はわかりません。 ただこれも、タブレットやスマートフォンで見ていただく場合のスマートフォン表示では、この方が適しているかもしれません。
  • 別の所に写真を呼び出しに行くので、今までより表示に時間がかかります。 写真をクリックして拡大するにも、今までよりも時間がかかります。 通信速度はどんどん速くなってきているので、次第に改善はされていくことだとは思いますが・・・。

 今後時間を見つけて、過去の記事についても、写真の容量の大きいものを SkyDriveに移していきたいと思います。

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2012年12月 8日 (土)

クロスジフユエダシャクのメス

 冬尺(フユシャク)は冬季に出現する蛾で、メスの翅は退化しています(詳しくはこちら)。
 冬尺には多くの種類がいますが、その中で、少なくとも私の場合は、いちばん多く目にする活動している冬尺は、昼間活動するクロスジフユエダシャクです。
 クロスジフユエダシャクのメス探しは、これまで何度かチャレンジしてきましたが、オスはたくさんいるのに、メスはなかなか見つけられませんでした(こちら)。
 1年前の冬には、シロオビフユシャクのメス(こちら)を見てからは、目が慣れたのでしょうか、何度か冬尺のメスを見ています。 が、翅が退化して全く無い冬尺のメスは、互いによく似たものが多く、外見からだけでは、なかなか種名まではわかりません。
 今回は、クロスジフユエダシャクのメスを、3時間ほどで3頭見つけることができました。 クロスジフユエダシャクのメスは短い翅があって、他の冬尺のメスと区別し易いですし、交尾しているところも見ることができましたので、間違いないでしょう。
 今まで見つけることができなかった理由を考えてみますと、たぶん次のようなことかと思います。
 クロスジフユエダシャクのオスは、土の中の蛹から羽化したメスを探して、落ち葉で被われた地表近くを飛び回ります。 しかし、もしメスを見つけたオスがいたとしても、オスは落ち葉の下に潜り込み、外からは見えないでしょう。
 そして、オスに見つけてもらえなかったメスがオスを呼ぶフェロモンを風に乗せるためなのか、受精したメスが産卵のためになのか、たぶん両方のケースがあると思いますが(たぶん主に後者でしょう:2014.12.追記)、メスは木の高い所に登ります。 クロスジフユエダシャクでは、この高さが、私の思っていた高さよりずっと高い所まで登り、それにその登る速さが案外速いのです。 目の高さより下ばかりを探していたのでは、なかなか見つからないはずです。
 下はクヌギの幹を登っている途中のメスです(写真はクリックで拡大します)。

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 下の交尾は擬木の上端でした。 杭などを登ったメスは杭の上端より上には登れませんから、そこで立ち止まってしまうことになります。
 クロスジフユエダシャクは、昼行性ですが、交尾は夕方から日没後に行われると言われています。 しかしどこの世界でも少数派はいるものです。 ちなみにこの写真は昼の12時20分に撮りました。

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 オスの翅が強い風に煽られて、しっかり結合しているのが確認できました(下の写真)。

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 明日は「クロスジフユエダシャク写真集」の予定です。

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2012年12月 7日 (金)

ペラペラヨメナ

 下の3枚のペラペラヨメナの写真は、みんな違う場所(岸和田市塔原、岩湧山麓、槇尾山麓)で撮ったのですが、いずれも崖や石垣から垂れ下がっていました。

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 ペラペラヨメナは中央アメリカ原産の帰化植物で、日本には園芸植物として移入されたのですが、逸出し、関東以西で野生化しています。 花は春から晩秋まで咲き続けます。
 ぺラぺラヨメナのペラペラは、葉が薄くペラペラしているからというのですが、そんなに大きな葉ではないので、私は薄さはそんなに感じないのですが・・・。 それに花もヨメナよりはヒメジョオンなどに似ていると思います。

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2012年12月 6日 (木)

キクイタダキの水浴び

 水浴びに来たキクイタダキです。

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 キクイタダキは、日本国内では最小の鳥で、枝の間をチョコマカとよく動き(こちら)、なかなかうまく撮れないのですが、バードバスでは動き回りませんから、楽に撮影できます。

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 キクイタダキの名前は、頭頂部にある黄色い冠羽を菊の花に見立てたところからですが、この黄色い冠羽は、興奮すると広がるようです。 上の写真と下の写真とを比較してみてください。

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2012年12月 5日 (水)

バードバス

 ここで言う「バス」は、観光バスなどのバス( bus )ではなく、バスクリーンなどのバス( bath )で、バードバスとは小鳥たちが水浴びをするように作られたものです。
 小鳥たちは、羽に寄生するハジラミなどの、いわゆる羽虫(はむし)を水浴びすることで落としたり、時には水を飲む目的で、バードバスを訪れます。
 バードバスの前で見ていると、いろんな鳥が次々と訪れ、かわいいしぐさを見せてくれます。
 下は大阪城公園にあるバードバスで撮ったものです。

Birdbath121130_1    ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ

Birdbath121130_2    シジュウカラ、メジロ、キクイタダキ

Birdbath121130_3    メジロ、スズメ

 みんなを追っ払って独り占めしたハシブトガラスは・・・

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水を飲んだだけ。 カラスの行水はしませんでした。

 明日はこのうちのキクイタダキを載せる予定でいます。

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2012年12月 4日 (火)

ニッポンオナガコバチが羽化したクロガネモチの果実

 昨日はニッポンオナガコバチの羽化に関して書きましたが、今日はそのニッポンオナガコバチが寄生していたクロガネモチの果実についてです。

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 上は脱出孔が2つあるクロガネモチの果実です。 このような重複産卵も行われるのですね。

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 クロガネモチの果実は、径が5mmほどで、中には5~6個の分核があります。 上は脱出孔が1つあった果実の断面です。 写真の上の種子がニッポンオナガコバチに食い荒らされた種子で、脱出孔が上に続いています。 その右と下に健全な種子が見えます。右下と左下には、受粉できなかったのか、育たなかった種子があります。 なお、果実中央の隙間は切断時にできたもので、その周囲が黒ずんでいるのは撮影にモタモタしたためです。
 上の写真のように、ニッポンオナガコバチは1つの種子の中だけで成長しているようです。 幼虫が種皮を食い破り、隣の種子に侵入するのは無理なようです。 羽化後の成虫の口器でないと種皮を食い破れないのではないでしょうか。
 それともう1つ、この時期に羽化したニッポンオナガコバチの卵が産み付けられた時期はいつかということです。 受粉できないなどの理由で育っていない種子もあるのですから、ニッポンオナガコバチは種子がある程度成長した段階で産卵するのでしょう。 産卵の様子も撮ってみたいものです。

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 上はクロガネモチの果実をつぶして、中の種子を取り出したものです。 やはり1つの種子に開いている穴は1つです。
 1頭のニッポンオナガコバチが小さな1つの種子の中で育つとすれば、育つための食料は限られた量であるはずで、ニッポンオナガコバチの体の大きさに個体差があるのは、どのような種子の中で育ったのかによると思われます。

 脱出孔の無いクロガネモチの果実についても、いくつか断面を作ってみました。 その中に、下のような果実もありました。

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 上の写真では、種子の1つの中身が黒くなり、種皮との間に隙間ができています。 この種子はどのような状況なのでしょうか。 種子の中で寄生していたものが死んだのでしょうか。

 以上、クロガネモチの果実について書いてきましたが、ニッポンオナガコバチが寄生する植物はクロガネモチに限らず、同じモチノキ科のソヨゴ、ウメモドキやナナミノキなどの果実にも寄生します。 こちらではクロガネモチより大きな実のなるナナミノキでのニッポンオナガコバチについて書いています。

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2012年12月 3日 (月)

ニッポンオナガコバチの群

 ニッポンオナガコバチは体長4.5mmほどの、クロガネモチなどの実に寄生する蜂です。 前にこのブログで越冬中のメスを載せました(こちら)が、羽化してくる瞬間や交尾などの姿を撮りたいものと、クロガネモチの実に注意をはらっててきました。
 11月28日の昼に、クロガネモチにたくさんのニッポンオナガコバチがいて、クロガネモチの葉や実の上をウロウロしたり飛んだりしていました。

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 これまでオスの拡大写真を載せたことはなかったので、下に載せておきます。 写真はクリックで拡大します。

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 上の写真のオスも、背中が少し褐色を帯びていますが、真っ黒なオスから薄い褐色のものまで、オスの体色には濃さの違いがみられます。
 このクロガネモチではオスもメスもいたのですが、オスの方がかなり多いようでした。これらのオスは早くに羽化しており、交尾しようとメスの羽化を待ち構えているオスだと考えられます。 しかし、メスが羽化してクロガネモチの実から出てくるところなどは、見つけることはできませんでした。 メスが出てくる所ではオスが慌しく動き回っているはずですが、そのような場所もありませんでした。 単独にいるメスは既に交尾を済ませたメスで、羽化を見るには少し遅かったのかもしれません。 私が見たクロガネモチは1本だけ植えられていたもので、もっとたくさんクロガネモチの植えられている所で探せば、羽化の瞬間を観察できる確率は上がるはずですが・・・。
 その後も羽化が続くかもしれないと思い、28日の午後4時20分頃に再度見に行くと、ニッポンオナガコバチはたくさんいましたが、みんな動いていませんでした(下の写真)。 薄暗くなってくるとニッポンオナガコバチは活動を停止するようです。

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 もし次の日も羽化が続くようなら室内で羽化の瞬間を撮ろうと、ニッポンオナガコバチが数頭いた枝を持ち帰り、透明な密閉容器に入れ、身近に置いて観察していましたが、その後の羽化はありませんでした。 少なくとも今回観察した1本のクロガネモチでの羽化に関しては、そのピークは1~2日に限定されるようです。
 しかしおちゃたてむしさんの2010年の記録では、同じ木で11月19日と12月2日に交尾や羽化が観察されています(こちらこちら)から、同じ木で年に何回かこのようなことが起こる可能性はあります。 この原因は時期をずらして産卵が複数回行われているからだとは思いますが、よく分かりません。
 おちゃたてむしさんは、上記のようにこれまでも交尾や羽化を観察されていますが、今年も11月29日にメスの羽化とそれに続く交尾を記録されています(こちら)。 私が群を見たのが11月28日ですから、ほぼ同時です。 明石と堺、直線距離にして50kmあまり離れているのですが、メスの羽化の時期を決めている何らかの要因があるのかもしれませんし、もし既に羽化しているオスがそのことを知って集まってくるとすれば、たいへんおもしろいことです。

 ところで、ニッポンオナガコバチの体長にはかなりのばらつきがあるのですが、おちゃたてむしさんのブログでは、それが遺伝子によるものか幼虫時の食糧事情によるものかという議論がなされていたことがあります(こちらのコメント)。 そこで、ニッポンオナガコバチの脱出した後のクロガネモチの実を調べてみたのですが、その結果は明日の記事にすることにします。

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2012年12月 2日 (日)

ガマの穂綿

 ガマの生える湿地も、すっかり晩秋の色になりました。

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 前にヒメガマの穂絮について書きましたが、ガマの穂もほぐれてきつつあります。 穂綿(ほわた)は正式には「穂絮」と書くのですが、ここでは「絮」のかわりに「綿」の漢字を使うことにします。

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 ほぐれかけた穂があったので、上の写真の水色の●あたりを両側から指で軽く押してみました。 下の2枚の写真は、その時の変化です。 上の写真の赤い矢印(⇒)あたりに注目して下の写真を見てください。

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 この変化は、指で押されたために⇒の所がはみ出るように少し膨らむや否や、極めて短時間に起こります。 穂の一部が、これだけの体積に膨れ上がることができるとは驚きです。
 ガマの穂の褐色に見える表面は、とても小さな果実が互いに押しあい、両横から強く押されているために身動きできない状況にあります。 そこに何らかのきっかけがあって力のかかり方に不均衡が生ずると、そこが突破口になって、一挙に膨れ上がります。 膨れようとする力は、果実の下についている毛が横に広がろうとする力です。 毛の横に広がろうとする力はとても弱いものですが、たくさん集まれば、これだけ急激に膨らむ力になるんですね。
 上の3枚目と4枚目の写真は、クリックで拡大します。 拡大して1つの果実に注目すると、果実の下に細い棒状の軸があり、毛はその軸にブラシ状についていることが分かります。 この毛はもちろん、果実を風に乗せて遠くに運ぶためのものです。

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 上は明治38年に作られた唱歌「大黒様」ですが、この歌詞では、毛をむしり取られた白兎に大黒様はガマの穂綿にくるまるように薦めます。 これだけ膨張してフワフワの穂綿にくるまれば、気持ちは良いかもしれません。 しかし寝るには気持ち良くても赤裸になった皮膚を治療することにはなりません。 赤裸の皮膚には果実がチクチクするかもしれませんし・・・。
 本来(?)の因幡の白兎の説話(古事記)では、大国主は、蒲黄(ほおう)、つまり生薬としても知られているガマの花粉を体につけるように助言しています。 花粉と穂綿、穂から飛散するものとして、両者は混同されていたのでしょうね。
 なお、花粉を出す雄花の集まりは穂の上半分にあり、この時期は花粉を出すという役割を終え、落ちてしまって軸だけが残っています。

 ガマの花粉や花のことは、またの機会に・・・。

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2012年12月 1日 (土)

アカゲラ

 アカゲラは留鳥ですが、平地で見られるのは、山の食べ物が少なくなる冬季の方が多いようです。 写真は大阪城公園にいたアカゲラです。 これで後ろが青空だったらいいのですが・・・。

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 このアカゲラは後頭部も黒いので、メスです。 オスのアカゲラは、頭上は黒いのですが、後頭部は赤い色をしています。
 なお、オオアカゲラとは、大きさも違いますが、オオアカゲラの頭上は赤く、腹部には黒い横斑(頭と尾を水平にして見ます)があり、背の逆八字の白斑はありません。

※ キツツキの仲間の名前が「○○ゲラ」である由来については、アオゲラのところに書いています。

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