ゼニゴケの有性生殖
昨日はゼニゴケの無性生殖について書きましたので、その関連で、ゼニゴケの有性生殖についてまとめておくことにします。 ゼニゴケも卵と精子を作り、有性生殖も行います。
じつは昨日の最後の写真の小さなキノコのようなものは、精子ができる雄器床の若い状態でした。 ゼニゴケは雌雄異株ですから、雄株だったということになります。 雄器床で精子が作られますが、この雄器床に柄を含めて「雄器托」と言います。 雄器托がきれいに伸びると、下のようになります。
これに対し、下が雌株の雌器托です。 この部分で卵が作られます。
これらの雄器托や雌器托は、3~5月頃に作られるのですが、時には秋に作られます。 上の写真は11月の撮影です。
ゼニゴケの有性生殖では、精子が卵にまでたどりつかなくてはなりませんから、雌株と雄株の距離が数mも離れると不可能です。 都市部ではゼニゴケの生育可能な環境が狭くなり、雌株のみまたは雄株のみの群落が多くなりました。 このような場所では、有性生殖は不可能になり、ゼニゴケは無性生殖のみに頼らなくてはなりません。
◎ ゼニゴケの雄器托・雌器托の詳しいつくりや胞子体についてはこちらに載せています。
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コメント
このゼニゴケと 前日のゼニゴケとは同じものなのですか?
それとも属が別とかいうことはありますか?
投稿: yuuko | 2012年11月27日 (火) 09時26分
あ、私が今年発見したのはジャゴケだったのかしら・・・
投稿: yuuko | 2012年11月27日 (火) 09時28分
ゼニゴケ属にも複数の種はありますが、このゼニゴケと前日のゼニゴケは、株は違いますが、同じ「ゼニゴケ」という種だと思います。
ジャゴケはゼニゴケとは「科」から違います。葉状体の姿は似ていても、子孫を作る部分が大きく違いますからね。
投稿: そよかぜ | 2012年11月27日 (火) 21時41分