ヒラアシキバチのオス
9月29日にヒラアシキバチについて書きました(こちら)が、11月10日、もうヒラアシキバチもいないだろうがいちおう確認を、と思い、前にたくさん産卵していた場所に立ち寄ってみました。 すると、まだ1頭が産卵中で、そのそばに、ひとまわり小さいが、ヒラアシキバチによく似た蜂(下の写真)がいました。 産卵管は見当たりません。 気温が低いためか、飛び立つ気配はありませんでした。
9月29日の記事には、ヒラアシキバチのオスはみつかっておらず、ヒラアシキバチは産雌性単為生殖を行っているのだろうと書きました。 しかし、もしかしたら、と思い、この蜂を持って帰ることにしました。
後日、大阪市立自然史博物館の松本学芸員にこの蜂をお見せしたところ、ヒラアシキバチと同じ属に数種いるが、この時期なのでヒラアシキバチだろうということでした。 ヒラアシキバチの発生する木全体をネットで包むなど、徹底した調査をすると、ごくたまにオスが見つかることがあるが、ごく少数なので、生殖活動には関係していないのではないか、ということでした。
下の写真は腹側を上にして撮ったものです。 起き上がろうと翅を広げてもがいていますが、気温が低いせいか、なかなか起き上がれないでいました。 産卵管はありません。
なお、大阪市立自然史博物館のHPには、ヒラアシキバチの雌雄モザイクの写真が載せられています(こちら)。
※ 採集したヒラアシキバチのオスは、松本学芸員にお渡ししました。
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コメント
こんばんは。
驚きました。やっぱり雄がいるんですね。こちらでも毎年のように雌の産卵は見ていますが、雄らしきものは見たことがありません。写真を拝見すると、雌とは随分配色が違うんですね。生殖活動に関係しない、ということは交尾行動も見せないんでしょうか。こちらでも見る機会があればいいんですが。
投稿: おちゃたてむし | 2012年11月23日 (金) 22時24分
メスと比較すると、頭部や前胸の色も腹部の模様も異なります。 しかし、上に書いた雌雄モザイクを見ると、頭部の外見はモザイクにはならないようですが、前胸の1/4がオスの色で、腹部は雌雄の形質が影響しあったのか、乱れています。
メスは羽化するとすぐに産卵を始めますし、交尾行動は無いのでしょうね。もしオスが特定のメスとのみ交尾したら、そのメスの子供はどうなるのか、わけが分からなくなりそうですね。
投稿: そよかぜ | 2012年11月23日 (金) 23時54分