ゼニゴケの無性芽
ゼニゴケは葉や茎の区別の無い平らな体を土の上に広げていきます。 この体を「葉状体」と呼んでいます。 上の写真のゼニゴケの葉状体には、「杯状体」と呼ばれているコップ状のものがついています。 杯状体の底には「無性芽」と呼ばれる緑色の濃い粒が見えています。 この無性芽は有性生殖の結果作られたものではなく、遺伝的には自己の組織と同じ遺伝子を持っていますから、この無性芽を散らばらせることで、ゼニゴケはたくさんのクローンを作ります。 ちなみに「ゼニゴケ」の名の由来は、この無性芽を銭にみたてたところからのようです。
なお、上の写真で、中央に小さな孔( 写真をクリックして拡大しないと分からないと思います )のあいた白い粒々がたくさんあります。これは「気室孔」と呼ばれています。
上は杯状体を斜めから撮ったものです。 底にある無性芽は見えていませんが、杯状体そのものが、拡大すると美しかったので・・・。
上は3月に撮ったものですが、杯状体は無性芽でいっぱいになっています。 よく見ると、こぼれた無性芽があちこちにあります。
◎ こちらには杯状体の断面や無性芽の顕微鏡写真を載せています。
写真の右下には小さな緑のキノコのようなものが、ゼニゴケの体から出てきています。 これはゼニゴケの有性生殖に関したものなのですが、これについては、ココログの写真容量の関係などから、明日の記事にすることにします。
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コメント
この虫タイプのコケ 今年初めて気がつきました
ゼニゴケと似ているけどどこか違う・・・と思ったのですが
ゼニゴケなのですね
来年地面が現れたら 早速見に行きます
美しい写真 とても分かりやすいです
ありがとうございます
投稿: yuuko | 2012年11月27日 (火) 09時24分
旭川の地面はもう雪の下なんですね・・・
コケの好きな人の中にもゼニゴケの仲間は嫌いだという人もいますが、拡大してみるとゼニゴケにも美しいところはたくさんありますよね。
投稿: そよかぜ | 2012年11月27日 (火) 21時27分