ツルリンドウ
ツルリンドウはツル性の多年生草本です。 ツルはあまり長く伸びませんから、何かに巻きついて高い所まで登ることはありません。 葉は対生し、3本の脈が目立ちます。
花は8月~10月に咲きます。 花の基本的なつくりはリンドウなどによく似ています。 以前リンドウの自家受粉を防ぐしくみについて書きました(こちら)が、ツルリンドウでも同様のことが起こります。 簡単にまとめておくと、柱頭の開いていない(=受粉できない)メシベにオシベがくっついて花粉を出し、花粉を出し終わったオシベが離れてから、メシベの柱頭が開きます。 しかし、これで受粉できなかったら・・・。
上の写真では、開いてねじれた柱頭とオシベがくっついています。 花の終盤になると、オシベが再度メシベに寄って来て自家受粉を行うようです。 できるだけ自家受粉を避けながらも、それで受粉できない場合も想定し、最後には自家受粉のしくみも用意する作戦のようです。 ですから、ツルリンドウの結実率はかなり高いように思います。
果実は11月頃に赤く熟します。 鳥に食べてもらって種子を運んでもらわなければなりませんから、花が垂れ下がりぎみなのに対し、果実は持ち上げられています。 結果として、ツルリンドウは花より果実の方が目立つようです。
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