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2012年10月24日 (水)

タニジャコウソウ

Tanijakousou121001_1

 タニジャコウソウは谷間のジャコウソウ、分布は南関東以西となっていますが、日照や空中湿度など、生育条件は限られているのでしょうね。 しかし生育条件に適した場所ですと、たくさんの株が大きく育ってよく目立つようになります。

Tanijakousou121001_2    タニジャコウソウ

 タニジャコウソウの葉は対生で、秋に葉腋に紅紫色の花をつけます。 ジャコウソウとの外見上のいちばんの違いは、ジャコウソウの花柄がとても短い(下の写真)のに対し、タニジャコウソウには長い花柄がある(上の写真)ことです。 タニジャコウソウの学名は Chelonopsis longipes ですが、この種小名 longipes は「長柄の」という意味で、この花柄が長いところからきています。

Jakousou121006_1   (参考) ジャコウソウ
   今回は脇役ですので花の終った姿で・・・。 ガクの様子はよくわかります。

 ちなみに、ジャコウソウの学名は C.moschata で、この種小名は「麝香(じゃこう)の香りがする」という意味で、茎や葉に麝香の香りがあることからです。 タニジャコウソウも、ジャコウソウと同じ属ですし、シソ科には香りの強い植物が多いのですが、残念ながらタニジャコウソウには麝香の香りはありません。

Tanijakousou121001_3

 タニジャコウソウの花は筒状で、先が2唇形になっています。 毛の束のようなものが少し顔を覗かせています(上の写真)が、これがオシベの葯です。
 ガクは、上の写真でははっきりしませんが、上のジャコウソウのガクとほとんど同じで、上下2唇の上側が浅く3裂、下側が2裂し、果実の時期まで残り、やや大きく膨れて中の果実を保護します。

Tanijakousou121001_4

 上はタニジャコウソウの花筒の内側を撮ったものです。 長いオシベが2本とそれより少し短いオシベが2本、いずれの葯にも毛が生えています。 メシベの柱頭は2裂しています。

 春や秋は載せたいものが多くて、記事が遅れがちになります。 タニジャコウソウの写真も10月はじめに撮ったもので、今は花もすっかり終っていることでしょう。

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