タマムシ
タマムシの成虫は6~8月に出現し、餌はエノキやケヤキなどのニレ科の葉です。 幼虫は広葉樹の幹の中で材を食べて育ちます。
標準和名は「タマムシ」ですが、タマムシの仲間もいろいろいて、「タマムシの仲間」の意味と混同してはいけないというので、「ヤマトタマムシ」とも言われます。
私はこれまでにタマムシを何度も見ていますが、そのほとんどはエノキやケヤキの樹冠近くを飛ぶ姿で、低い所へ来る事は少ないようです。 下の写真は、枚岡公園でたまたま枯れたエノキの幹にいたところを撮ったものですが、数枚撮った段階で飛ばれてしまいました。
上に書いたように、タマムシはよく飛びます。 タマムシの体の色は光のあたり方で変化しますから、飛んでいる時の姿はいっそう美しく見えます。 いちど私がじっとしているとタマムシが飛んできて、1m位の距離をすり抜けて行ったことがありましたが、翅を広げた時に見えるて腹部背面は赤銅色で、やはりキラキラ輝いていました。
目立つ体で飛んでいると鳥などに狙われて危険なようですが、鳥はキラキラ輝き色が変わるものは苦手なようです。
この美しい色は光の干渉による構造色ですので、時を経てもなかなか変化しません。 下は1969年に標本にしたタマムシで、光の当て方が違うので、上とは少し違って見えますが、美しさは変わりません。
このタマムシはケヤキの並木を歩いている時に、足元に落ちてきたものです。 タマムシの飛翔は力強いものですが、飛び方は華麗ではありません。 このタマムシも幹への“着地”に失敗して落下したようです。 こんなことはよくあるようです。
私は小学校の頃に作った昆虫の標本を中学校の時に虫に食われ、それ以降標本をほとんど作らないでいるのですが、このタマムシを拾ったときは、これだけは標本にしようと思いました。 タマムシにはそれだけの美しさがあります。
※ 8月5日の毎日新聞の「くらしナビ」には、「千年の輝き-ヤマトタマムシ生育の秘密」(知玄社)の著者である芦澤氏のタマムシの飼育の様子などについて書かれていました。
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コメント
良い色をしていますね、私の目の前にも落ちてこないかな~(^^;。
この間は、翅の欠けらを拾っただけなので、この際生死は問わないことにします。
投稿: そら | 2012年8月 6日 (月) 18時07分
私は飛んでいるタマムシを動画で撮りたいな~。
キラキラ感は動画の方が良く表現できるでしょうから。
ただし、これは夢。まずは飛んでいるトンボあたりから練習かな。
投稿: そよかぜ | 2012年8月 6日 (月) 22時20分
今日、偶然にもタマムシに出合いました
ウチに持ち帰り・・・
嬉しかったので掲示板に投稿しました
>この際生死は問わないことにします。
いつまでもキレイなままで居てくれるのでしょうか?
投稿: わんちゃん | 2012年8月 8日 (水) 17時41分
良かったですね。
宝くじも買ったら良かったのかもしれませんが、サマージャンボは済んでしまいましたね。
上の記事、標本を持ち出したのは、美しさは長期間保たれることを言いたかったからで、写真の標本は40年以上も前のものです。
投稿: そよかぜ | 2012年8月 8日 (水) 21時33分
ちょっとどこか違うぞ?
触角がポロリと取れてます。
けど、背中の色はキレイです、脚も6本アリ。
ポ~ンとその辺に置いといたらアキマセンよね。
どのように保存すればン十年もちますか?
投稿: わんちゃん | 2012年8月 8日 (水) 22時02分
たしかに触角はなくなってしまってますね。
長期間持たそうとするには、標本を食べる虫がいるので、それにやられないようにすることです。具体的には密閉できるガラス瓶や箱に、防虫剤といっしょに入れておきます。
ただ入れただけでは持ち運びなどの時に標本が容器にぶつかって脚が折れてしまいますので、脱脂綿の上に載せておくか、いっそのこと標本らしく脚の形を整え、虫ピンを刺して、採集年月日、場所、採集者の氏名を書いたラベルもつけておくといいでしょう。
脚の形を整える、つまり脚を生きている時のように広げるには、熱い湯に浸けると柔らかくなりますので、脚を広げ、数日そのまま動かないようにしておくとかたまります。
投稿: そよかぜ | 2012年8月10日 (金) 00時13分