エンジュ
暑い夏に白い花をたくさん咲かせるエンジュ、大きなエンジュの木の下は、散った花で真っ白です。
エンジュはマメ科の木で、花は多くのマメ科植物と同じ蝶形花です。 学名は Styphnolobium japonicum (シノニムは Sophora japonica )で、種小名は「日本の」となっていますが、元は中国原産で、日本には仏教伝来の頃に入ってきているようです。 古くからあるので、すっかり日本の植物のような顔をして、イヌエンジュやハリエンジュなど、「○○エンジュ」というエンジュに似た植物の名前の元にもなっています。 なおイヌエンジュもハリエンジュも複葉で花の色も白いのですが、これらの果実が乾果であるのに対し、エンジュの果実は、数珠状にくびれた特徴のある液果です(下の写真:8月18日撮影・追加)。
ちなみに、中国名は「槐(ファイ)」で、中国では昔から尊貴の木として尊重されており、また学問と権威のシンボルとされているそうです。
エンジュの変種にシダレエンジュがあります(上の写真)。 上でエンジュは中国で大切にされてきたと書きましたが、なかでもシダレエンジュはその最高種とされ、庭木などとして珍重されてきました。 日本でも公園などに植えられているのをよく見ます。
夏は、園芸植物を除くと花の少ない季節ですが、蜂の活動期でもあります。 園芸的に品種改良された植物は人の目には美しくても、蜜などが少ないのでしょうか、蜂には人気がありません。 エンジュは植えられていても花はそんなに改良されていないようで、ネジロハキリバチ(下の写真)など、いろんな蜂のいい蜜源になっています。
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