ルリチュウレンジ
昨日のイヌザンショウの写真にも写っていたルリチュウレンジです。 本来の色は昨日の写真のように黒っぽいのですが、今日載せている写真は、金属光沢を伴った瑠璃色を強調するため、ハイキーぎみに撮っています。
ハチの進化を大きく眺めてみると、成虫のエネルギー源が蜜を中心としていることに変化はありませんが、幼虫の餌が、植物の葉や材 → 動きの乏しい虫など(卵や幼虫)への寄生 → 動きのある虫などへの寄生や捕食 → 植物の花粉 というように変化しています。
ルリチュウレンジはミフシハバチ科に分類されています。 「ミフシ」というのは、この仲間の触角が3節からできていることによります。 写真で分かるように第3節が第1・2節に比べてとても長くなっているのが特徴です。 そして「ハバチ」は「葉蜂」で、ルリチュウレンジの幼虫はツツジ類の葉を食べて育ちます(下の写真)。 つまり、進化の進んでいないハチのグループです。
◎ ルリチュウレンジの産卵の様子はこちらに載せています。
ヒラドツツジの葉を食べるルリチュウレンジの幼虫
ハチといえばアシナガバチのように腰のくびれを連想しがちですが、これは腹部を自由に動かして虫の急所に正確に針を差し込むための形態で、進化の進んでいないハバチなどでは、腰のくびれは見られません。
ルリチュウレンジは年に3~4回発生し、成虫は4月~10月頃に見られます。 上に書いたように、幼虫はツツジ類の害虫で、地面に降りて土の中でサナギになります。 越冬は、サナギの状態で過ごします。
※ 同じミフシハバチ科で体が黄褐色のアカスジチュウレンジは、こちらに載せています。
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コメント
凄い鮮やかな色の体を持っていますね。素晴らしい。
投稿: 吉野@自然療法 | 2012年8月26日 (日) 00時38分
ハチの仲間でも、セイボウの仲間は、もっとすばらしい光沢を持っているのですが、すばしっこくて、なかなか撮れません。
投稿: そよかぜ | 2012年8月26日 (日) 22時11分
★この仲間は触角の様子がとても大切になります。
っと、教えていただきました、撮った写真を見ると、その部分がパキッと撮れてませんのです、こちらの方へリンクさせていただきました、ヨロシクです。
投稿: わんちゃん | 2015年7月22日 (水) 15時46分
ハバチの仲間約7,000種のうちでは、約800種のミフシハバチは多数派では無いのですが、ツツジ類がよく植栽されたりしていますので、このルリチュウレンジは比較的よく見ますね。
リンク了解です。
投稿: そよかぜ | 2015年7月23日 (木) 08時57分