ヒイロタケ
堺自然ふれあいの森で、切られたコナラに生えていたヒイロタケです。
ヒイロタケ(緋色茸)は、春から秋に広葉樹の枯れ木や切り株などに発生する白色腐朽菌です。 白色腐朽菌とは、木材のリグニンを分解することができ、木材を白く腐朽させる菌です。
木材の主成分は、セルロース、ヘミセルロースとリグニンです。 細胞壁の主成分であるセルロースをヘミセルロースが取り囲み、リグニンが接着剤のように隙間を埋めることで強固な構造を構成しています。 特にリグニンはたいへん安定な物質で、これを分解することのできる生物は限られています。
白色腐朽菌は褐色のリグニンを分解することで、セルロースなどの成分を自らの栄養源として利用すると共に、生態系の中で、分解者としての大切な役割を果たしているのですが、ヒイロタケの木材腐朽力はたいへん高いことが知られています。
上は傘の裏を拡大して撮ったものです。 傘の裏は表より濃い朱色であることと、微細な孔がたくさん開いていることが分かります。 この孔は管孔とよばれ、胞子の出てくる孔です。 上の写真は、写真の幅が1cmですので、この管孔は肉眼ではほとんど見えません。
ヒイロタケとよく似た色のキノコにシュタケがあります。 シュタケは本州の高地や北海道などの涼しい所に分布するキノコですが、ヒイロタケと見分けるポイントとして、シュタケの管孔は肉眼ではっきり見える大きさです。
| 固定リンク
「菌類・変形菌等」カテゴリの記事
- エノキ裏うどんこ病菌の子嚢殻(2013.11.27)
- ヒトヨタケとトゲハネバエ(2013.11.03)
- スッポンタケ②(2013.10.24)
- カラカサタケ(2013.09.25)
- たくさんのタマゴタケ(2013.09.21)
コメント