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2012年8月30日 (木)

ナニワトンボ

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 ナニワトンボの名前は、最初に大阪で発見されたことによります。 未熟なオスやメスは黒と黄色を基調とした色をしていますが、成熟したオスは写真のように青い色になります。 分類学的には赤トンボの仲間になりますので、「青い赤トンボ」などと言われています。
 このトンボは不思議な分布をしていて、見つかっているのは、瀬戸内式気候でため池の多いような所、具体的には、近畿二府四県と、三重、福井、岡山、広島、鳥取、香川、愛媛の各県に限られています。

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 ナニワトンボの生活史は次のように考えられています。 秋に産卵された卵は春に孵化し、7月頃に羽化します。 成虫は池の近くの林の中で隠れるように生活し、9月頃になると、成熟したオスは池に接する林の枝先などに止まってメスを待つようになります。
 写真はちょうどこの時に撮ったもので、カメラを近づけて飛び立たれても、2~3m飛ぶだけで、元の場所か、その近くにとまります。
 この後、林から出てきたメスと交尾し、産卵後は林の中に戻ります。 産卵はオスとメスがつながったまま、空中から水の無い所に卵をばら撒きます(連結打空産卵)。 これらのことと関係すると思われますが、ナニワトンボの生息地は、秋に水を抜くなどで土が現れ、ヤゴの時期にはヤゴの育つ浅瀬ができる池で、池と林が接している所に限られています。 もちろんナニワトンボは人間がため池の水を抜いたりする作業を行う以前から存在していたわけですが、元は夏に日照りで水位が低下することに適応していたのではないかと考えられます。 またこのことと、分布が瀬戸内式気候の場所であることと関係するのかもしれません。
 上記のように生育環境が限られているからか、ナニワトンボはレッドデータブック(2007年度版)の絶滅危惧Ⅱ類にリストアップされています。

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