ヒメテントウの一種の幼虫
植物に寄生し、その汁(師管液)を吸って生活している場合、光合成で作られた糖類はたくさん吸収できるのですが、その他の栄養素が不足ぎみになります。 わずかしか含まれない栄養素を取り込むためには、たくさん師管液を吸って、余った糖は捨てなければなりません。 アブラムシの仲間は甘露として捨てていますし(こちら)、カイガラムシやキジラミなどの仲間には、糖から合成したワックスを分泌するものがたくさんいます(例えばこちら)。
最初、オトコエシの茎で上の写真のような状況を見た時に、コナカイガラムシの一種がいて、クロヤマアリが甘露をねだって来ているのだろうと思いました。 このカイガラムシらしきものは、写真には写っていませんが、近くにもう2個体いました。
しかしこのカイガラムシらしきもの、茎に密着していません。 そこで、横からも、と思い、撮ったのが下の写真です。
この時、ファインダーを通して小さなアブラムシが目に入りました。 肉眼ではとても見えない大きさです。
これを見た時は、アブラムシの親が子を産んでいるのだと思いました。 こんなにたくさんのワックスを分泌するアブラムシもいるのかと、少し疑問に思いながら・・・。
帰宅後、上の写真をPCで拡大して見ると、お尻だと思っていたところに眼らしきものがあることに気づきました。 アブラムシを食べている!?
他の背側から撮った写真も拡大して見ると、6本の脚が確認できました(下の写真)。 脚の位置からしても、下が頭です。
アブラムシを食べるとくれば、まっ先に思い浮かぶのはテントウムシ。 調べてみると、ヒメテントウの一種の幼虫らしいと分かりました。 よくいるのはコクロヒメテントウということで、これもそうかもしれません。 とても小さなテントウムシで、白いワックス状のものは、アリにカイガラムシだと思わせ、攻撃されなための偽装のようです。
それにしても、食事中だったからかもしれませんが、撮影中の動きはほとんどありませんでした。 テントウムシの幼虫なら、速く動けるはずなのですが・・・。 速く動けばアリにカイガラムシではないと見破られるからなのでしょうか。
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コメント
初めまして
すごいですね。
普段こういうものを目にすることがないのと、文章でものすごく勉強になります
投稿: perpe | 2012年8月19日 (日) 22時56分
perpeさん、ありがとうございます。
しかし文章の方は、他の記事をいろいろ読んでもらえば分かるように、統一が取れていなくて、このブログのスタイルというのが、まだできていません。
それが変化があっていいのかな?
投稿: そよかぜ | 2012年8月20日 (月) 07時49分