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2012年7月 6日 (金)

イチヤクソウ

Ichiyakusou120702_2

 林床で咲くイチヤクソウ、撮影の時期が少し遅れて、散りかけの花が茎の先端部分に少し残っているだけ。 上の写真の花も花弁が揃っていないのですが、花の内部が見えていいかと、花弁の欠けている側から撮ったものです。 なお、イチヤクソウの花は合弁花で、不思議なことですが、花弁はこのような散り方をします。

Ichiyakusou120702_1

 上は全体を撮ったものですが、葉に比較して、花や花をつけている茎の割合が大きく見えます。 これでもこのイチヤクソウの生えている場所は暗すぎて、イチヤクソウとしては花が少ない方です。 よほど効率のいい生産活動(=光合成)をしているはずで、じつはイチヤクソウは菌類と共生し、アーブトイド型菌根を形成していることが知られています。
 タシロランの所でも書きましたが、植物と菌類の共生では、植物は光合成産物を菌類に提供し、菌類は土中の無機塩類を効率よく集め、植物に提供しています。 ところがイチヤクソウの場合は、自身の光合成では、生きていくのに十分な有機物を合成できていないようです。 つまりイチヤクソウは、自身でも光合成をしますが、有機物も菌から提供してもらっているようです。 ですから、上で「共生」と書きましたが、正しくは「半寄生」と書くべきです。
 イチヤクソウは葉に比較して花の量が多く、花も純白で、仲間のベニバナイチヤクソウなどと共に山草愛好家に人気のある植物です。 しかしイチヤクソウを育てるには、菌類が元気に育つ環境が必要で、鉢植えや庭植では不可能です。 販売されているイチヤクソウは山から取ってきたものですし、購入しても次第に小さくなり、2~3年育てるのがやっとのようです。 イチヤクソウは、鉢で育てることは止めて、自然の中で楽しむだけにしたいものです。
 なお、イチヤクソウの種子も、とても細かく、単独で育つための栄養分の貯えも持っていません。 種子の発芽初期から菌類の助けを得ています。

 イチヤクソウの名前は、この草のみで多くの薬効があることからの名前のようです。
 なお、イチヤクソウは従来はイチヤクソウ科に分類されていましたが、APG植物分類体系では、シャクジョウソウ科とともに、ツツジ科シャクジョウソウ亜科とされています。

(参考)シャクジョウソウ

Shakujousou030629_1

 キシメジ科キシメジ属の菌類に寄生する菌従属栄養植物です。

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