クロヤマアリ
クロヤマアリは体長5mm程度と適度に大きく、肉眼で種の見当がつけられるアリの中では、最もよく見かけるアリと言ってよいでしょう。 よく鳥の世界で「スズメより大きい」など、身近なスズメやハトと比較した表現が使われますが、クロヤマアリはアリを理解するときの基準として適しているのではないでしょうか。
上はミミズの死骸に集まっていたクロヤマアリですが、まずはクロヤマアリの体のつくりから見ていくことにします。
アリはハチの仲間(膜翅目)です。 アリをはじめハチの仲間で“腰”のくびれた種類はたくさんいて、このくびれが胸部と腹部の境であると思いがちですが、じつはこのくびれは腹部の第1節と第2節との間になります。 腹部第1節は胸部と融合し、見かけ上は胸部の一部のようになっています。 このように胸部と融合した腹部第1節は「前伸腹節」と呼ばれ、腹部第2節以下を「膨腹部」と呼んでいます。 また、くびれから前を「中体節」、くびれから後を「後体節」という言い方もあります。
しかし常識的にはくびれから後を腹部と見てしまいがちで、膨腹部の最初の節(正式には腹部第2節)を腹部第1節と言う事もあるようなので、下の写真にはこちらの名称を使っています。
昆虫の胸部は、前胸、中胸、後胸の3節からなり、そのそれぞれから1対の足が出る(だから昆虫の脚は6本)ことは前にも書きました(こちら)が、下の写真にはそのことに関する名称も入れておきました。
クロヤマアリの体つきの特徴としては、横から見ると、前胸と中胸が1つの山状に盛り上がり、前伸腹節の高さはそれより低いことが挙げられます。
アリは社会生活をする昆虫ですが、その社会の形態は様々で、1つの巣に1頭の女王がいる場合や、同じ巣に複数の女王がいる場合、例外的には女王が存在せず、働きアリが産卵もする場合もあります。
クロヤマアリのケースでは、関東型と関西型があり、関東型は1つの巣に1頭の女王がいて、関西型は複数の女王が同じ巣で暮らしている( Wikipedia より)とのことです。
※ クロヤマアリはこのブログではこちらにも登場しています。
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