ヒメクグ
ヒメクグは湿地に多い多年草です。 地下茎が走り、その節ごとに茎が地上に伸び、茎の先に丸い花序が1つついています。 花序の基部には細長い苞葉が3枚ほどついています。
小穂は雌性先熟です。 下の写真では二股に分かれた柱頭が伸びています。 オシベはまだ見当たりません
下の写真では、細長いオシベの葯から花粉が出ています。 よく見ると、ほとんどのメシベの柱頭は縮れてしまっています。
ところで、ヒメクグの「クグ」とは何でしょうか。 ヒメクグは漢字では「姫莎草」と書かれています。 「姫莎草」は「小さな莎草」ですが、「莎」は「沙」の「草」でしょう。
漢和辞典で「沙」を調べると、「砂」や「水辺」の意味のようです。 「沙」は同じ「サ」の「砂」とつながり、さんずい(シ)ですから、水辺の砂地などを指すようです。 つまり「莎草」は水辺の砂地に生えるある種の草を指すと考えられます。
一方、「クグ」はハマスゲの古名のようです。 ハマスゲの古名と「莎草」という漢字が意味する植物とが結びつき、「莎草」を「クグ」と読むようになったと考えられます。
当初ハマスゲを意味していた「莎草(クグ)」は、その後に意味が広がり、同様な形態のカヤツリグサの仲間も指すようになっていったと思われます。
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