オオアブノメ
オオアブノメは水田などに生える1年草です。 とは言っても、東北地方には多いとも聞いていますが、少なくとも近畿地方では、水田ではほとんど見ることができなくなっています。 原因は農薬の使用でしょうか、それとも、水田の管理形態が変化し、その変化に植物が対応できないからでしょうか。 いずれにしても、絶滅が危惧されている植物は、美しい花を咲かせて盗られてしまう植物だけではなく、あまり目立たない植物が知られないままに絶滅に向かっているケースもたくさんあります。
オオアブノメの茎は太く円柱形で、葉は対生で葉柄がなく、基部は茎を抱いています。 葉柄に1つずつ付く花は小さく、花の内部の様子は、そのままではなかなか写真には撮れませんが、2本のオシベと、2本の仮オシベがあります。
上に書いたように、小さな花はあまり開かず、訪花昆虫もあまり見られないのですが、1枚目の写真のように、ほとんどの葉腋に、つまりほとんどの花の後に果実ができています。 もしかしたら自家受粉しているのかもしれません。
オオアブノメの名前は、この1本溝の入った蒴果が褐色になった時の様子が虻の目に似ているところからと言われています。
オオアブノメは、従来はゴマノハグサ科に分類されていました。 しかし、ツタバウンランやキクガラクサのところに書いたように、APG植物分類体系ではオオアブノメ属もオオバコ科に移されています。
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