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2012年6月 6日 (水)

ツタバウンラン

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 ツタバウンランはヨーロッパ中部~南西部原産で、大正年間に観賞用として導入されたものが帰化し、次第に増えてきているようです。
 観賞用に導入されただけあって、葉の形も端正で、花もなかなかかわいいものです。 図鑑などでは花期は夏と書かれているものが多いのですが、厳冬期を除いて花を咲かせているような気がします。
 石垣の隙間に土のあるような所でよく育つので、近年はグランドカバーや石垣の緑化に利用されつつあるとも聞いています。

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 花は唇形で、普段は上唇と下唇はくっついて雨などから花粉を守っていますので、メシベやオシベは外からは見えません。 花を横から見ると(下の写真)蜜を貯めた距があり、この蜜を求めて虫が上唇と下唇の間から潜り込む時に花粉媒介が行われます。
 花が終わると、果実の柄は、石垣の隙間などの暗い所を求めて長く伸び、そこにある土に潜って結実します。
 下の写真のツタバウンランの背後は、セメントの壁面で、果実が潜り込む隙間が無く、たくさんの果実が垂れ下がっていました。

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 ツタバウンランなどのウンラン属は、従来はゴマノハグサ科に分類されていました。 ゴマノハグサ科は多様で、以前からさまざまな系統が寄せ集められた科ではないのかと言われていたのですが、最近の遺伝情報の解析によるAPG植物分類体系では、ウンラン属を含むいくつかの属は、オオバコ科に移されています。

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