オオミクリ
オオミクリは大きなミクリ、ミクリの変種です。 ミクリは漢字で書けば「実栗」です。 ミクリの果実は球形に集まってつきますが、その様子がイガに覆われた栗の実に似ているところからの名前でしょう。
ミクリの仲間(ミクリ属)は、多年生の抽水性水草で、主として北半球の温帯~寒帯に20種ほどが分布しています。 日本には9種ほどが分布していますが、いずれも絶滅が心配されています。
ミクリの仲間はみんなよく似ていて分類が難しく、オオミクリを他のミクリの仲間と区別する点も、果実が大きく、1つの果実の幅が5~8mmもある、ということぐらいです。 オオミクリを含む多くのミクリの仲間では、茎は少し枝分かれし、茎の上方に雄花序を、下方に雌花序を、いずれも数個ずつつけます(上の写真)。 雄花序も雌花序も球状の頭状花序です。
上が雄花序です。 1つの花には3~6本のオシベがあるのですが、どれが1つの花のオシベなのか分かりませんね (-_-; 風媒花の例に漏れずたくさんの花粉を出し、花の下方の葉にもたくさんの花粉がついています。
そして下が雌花序です。 柱頭は2裂しています。
| 固定リンク
コメント
茎の形状から、漢字で『三稜草』とも表記…。
『 沼の上に 生ふる三稜草の 茎なかに
けだしや夏は たけにけらしも 』
(尾山篤二郎)
投稿: S.ひでき | 2012年6月21日 (木) 22時40分
コメントありがとうございます。
三稜なのは茎ではなく、葉の下部の断面のようです。
歌にも詠まれ、ミクリが身近な植物だった時代の風景は、もう戻らないのでしょうか・・・。
投稿: そよかぜ | 2012年6月21日 (木) 23時46分
近くの散策マップを作っています。ルートで見られる植物の絵を載せたいのですが、オオミクリの写真を使って良いでしょうか。
投稿: 風知草 | 2016年2月 4日 (木) 13時51分
お返事はメールにてさせていただきました。
投稿: そよかぜ | 2016年2月 4日 (木) 18時12分