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2012年6月27日 (水)

ゼフィルス

 シジミチョウ科の蝶の一群に、翅の表が青~緑色の金属光沢をもった美しい蝶がいて、その多くは「○○ミドリシジミ」という名で呼ばれています。 これらのミドリシジミ類の幼虫は、いずれもブナ科などの高木になる樹木の新芽を食べ、成虫も幼虫の食餌植物である樹木の樹冠付近を飛び回ることが多く、低い所にはあまり飛来しません。
 これらのミドリシジミ類は、かつては1つのミドリシジミ属( Zephyrus属 )に分類されていました。 現在はかつての Zephyrus属はいくつかの属に分けられているのですが、「ゼフィルス」という名称は、樹上性のシジミチョウの一群(25種)を指す言葉として残っています。

 大阪府の北部、能勢町に三草山という山があり、その一角に「三草山ゼフィルスの森」があります。 この場所は日本のゼフィルス25種のうちの10種の生息が確認されていて、特にヒロオビミドリシジミの大阪府下唯一の生息地であり、日本の分布の東限になっています。 そのため、この場所は大阪府自然環境保全条例にもとづき、緑地環境保全地域に指定され、動植物の採集が禁止されています。
 保全活動は公益財団法人大阪みどりのトラスト協会が実施していて、特にヒロオビミドリシジミはナラガシワの葉しか食べないため、ナラガシワ林の管理に力を入れているようです。

 この「三草山ゼフィルスの森」がどんな場所なのかいちど見てみたいと思い、行ってきました。 特にオスのゼフィルスは樹上でなわばりを形成し、なかなか下には降りてこないことは分かっていましたし、活動が活発になるのは夕刻になる種が多いのも知っていましたので、たくさんのゼフィルスの写真が撮れることは、はじめから期待していませんでしたが・・・。
 結果は、写真に撮れたのは以下の3種でした。

Hiroobimidorisijimi120623_1

 上の写真が、上に書いたヒロオビミドリシジミです。 林の上の方で、なわばりを守るためにさかんに飛び回っているのですが、ついに下には降りてきませんでした。 とまったところを、300mmの望遠に1.4倍のテレコンをつけて撮ったものを大トリミングしたのですが、これじゃ証拠写真にもなりませんね・・・。

Uramisujisijimi120623_1

 上はウラミスジシジミ。 翅の表も撮りたかったのですが、この1枚で逃げられました・・・。

Mizuiroonagasijimi120623_1

 上はミズイロオナガシジミ。 これはたくさんいて、簡単に撮れるのですが、私の家の近くの「堺自然ふれあいの森」などでも見ることのできる蝶です。

※ ゼフィルスの一種アカシジミは、こちらで記事にしています。

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