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2012年6月28日 (木)

ビロードモウズイカ

 ビロードモウズイカは、ヨーロッパの地中海沿岸が原産で、日本には明治時代初期に渡来し、観賞用に栽培されていましたが、現在は各地に野生化しています。 野生化は日本だけではなく、アジア、南北アメリカ、オーストラリアでも見られるとのことです。 高さは2mにも達する大型の草ですが、多年草ではなく、2年草です。

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 写真は舗装道路の脇で咲いていますが、堤防のコンクリートの隙間や自動車道の法面などの乾燥しやすい所にも見られます。 地中海性気候は冬に雨が多く夏は乾燥するので、乾燥には強いようです。
 乾燥に耐えるしくみのひとつが「ビロード」で、全体に白色の綿毛がたくさん生えています。 下は葉の裏を撮ったものですが、この毛で葉面などに直接風が当たるのを防ぎ、気孔からの水の蒸散を防いでいるのでしょう。

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 下は葉の裏の毛を拡大したものですが、この毛は輪生状に枝を分けた特異な姿をしています。

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 もっとも、この毛は乾燥に対するしくみではあっても、日本の夏の暑さが気になるところです。 実際、日本での野生化の状況を見ると、北海道や東北に多いようで、私がはじめてビロードモウズイカを見たのも、2004年の北海道でした。

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 花は多少の例外はあるものの、下から上に咲いていきます。 上の写真では、下の方では咲き終わり、突き出したままのメシベの先が黒くなっています。 上の方はまだツボミです。
 ところで、「モウズイカ」とは? 網目の入ったスイカ?? 頭に毛の生えたイカ?? じつは「毛蕊花」で、雄蕊(ゆうずい=オシベ)の花糸に長い毛が生えているところからの名前です。

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 オシベは5本ありますが、そのうちの上方にある3本の花糸には長い毛が密生しています。 また、下方の2本の花糸にも、1方向にだけ長毛があります。
 花弁の内面には毛はありませんが、外面には星状毛を密生しています。 下は上の写真の花弁の縁を拡大したものですが、星状毛が確認できます。

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コメント

こんにちは。
ビロードモウズイカが目立ち始めましたね。
アスファルトの隙き間などからも伸びていることもあって、生命力が強そうですね。

投稿: 多摩NTの住人 | 2012年6月30日 (土) 19時27分

ビロードモウズイカは関東地方では増えつつあるのでしょうか。
少なくとも関西ではそんなに増えていませんから、いちがいに生命力が強いとも言えないようです。上にも書きましたが、乾燥には強くても暑さにはそんなに強くなさそうです。

投稿: そよかぜ | 2012年6月30日 (土) 20時43分

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